「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2010年12月19日

ジュリアン・アサンジは男として最低である(たぶん)。その場合も、ウィキリークスの仕事の意味は変わらない。そして、WLを守ろうとして「セカンドレイプ」を発生させてはならない。

何年にも渡って継続的に拝読している北アイルランドの政治系グループ・ブログ、Slugger O'Tooleで、編集長的立場にあるミック・フィールティさんがよく使うフレーズがある―― "Play the ball, not the man."

これはサッカーに由来する英語の慣用表現。タックルの光景を思い浮かべるとわかりやすいだろう。「ボールを狙え、プレイヤーではなく」ということだ(足を出すのはボールに対してであり、相手チームのプレイヤーの脚を故意に蹴るなどすれば反則を取られる)。

Sluggerが強固に保ち続けている理念(いわば「理性的な言論の自由」のようなもの)を端的に表すこのフレーズは、誰にでも開放されているコメント欄において、理性的な意見交換ではなく、「北アイルランド紛争」をそのまま投影したような政治的/宗派的違いに基づいた喧嘩・罵りあいや、単なる個人攻撃が始まろうとしたときに、ミックによって投稿される決まり文句だ。Sluggerが長く続き、言論の場として高い評価を受けているのは、ユニオニストであれナショナリストであれ、記事を書くライターの間でもコメントを書き込む利用者の間でも、この精神が共有され、貫かれているからだ。

誰かの意見や行動を批判する場合、批判されているのはその意見や行動であり、その人の人格ではない(日本語の慣用表現を用いるなら「罪を憎んで人を憎まず」か)――この原則は、ウィキリークスとジュリアン・アサンジをめぐる攻防においては、おそらく意図的に、ないがしろにされている。

ガーディアンで17日付で、(ウィキリークスではない筋からの)リークに基づいた「スウェーデンの10日間」という記事が出た。現在、ジュリアン・アサンジにかけられている「容疑」の内容を、(部外秘であるはずの)警察の書類に基づいて、説明したものである。

初めに自分のスタンスを明示するために書いておくと、わかる範囲で判断して、ジュリアン・アサンジは男として最低である

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2010年12月18日

【20日目】Wikileaks米外交文書大公開〜「スーダン」、「リベリア(チャールズ・テイラー)」、「キューバ」など #WL_JP

本日のガーディアン。ウィキリークスおよびウィキリークスによる暴露文書関連であまり大きな扱いになっているものはない。(トップニュースは天気……英国とアイルランドは大雪。)



左上で最も大きな扱いになっているのが、スーダンのバシール大統領が英国の銀行に巨額の資産を置いているとの報告(「スイスの銀行」だったら、ガーディアンでトップニュースの扱いにはならなかっただろう)。

個人的には、「独裁者の隠し資産」よりむしろ、「自由の国」が「欧州は人権人権とうるさい」と言っていることのほうが重要だと思う。


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2010年12月17日

【19日目】Wikileaks米外交文書大公開〜「カシミール(インド側)」、「スリランカ」、「インド」 #WL_JP



今日は、クリケットのAshesがあり、サッカーのCLのベスト16の組み合わせがあり(またバルサっすなあ。。。)、で「注目の記事」みたいなところはスポーツニュース独占。全体のレイアウトは「WL特別仕様」ではない。

ウィキリークスはそれでもトップ記事で、インドがカシミールで組織的に拷問を行なっているとの報告(裏づけ資料が出てきた、という点で重要)、LTTE殲滅作戦を行なったスリランカで戦争犯罪が疑われるという報告(それによりフォクス国防大臣がスリランカ訪問を取りやめた)が大きく扱われている。

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ジュリアン・アサンジ、保釈

現在、日本時間17日午前2時半前。4時間以上前の16日午後10時過ぎに、ロンドンの高等法院でジュリアン・アサンジの保釈が申し渡された。保証人全員の署名を集めることができるかどうかなどで少しすったもんだらしきことがあったあと、先ほど、現地に張り付いているジャーナリストから「書類手続完了」のtweetがあったので、もうそろそろ姿をあらわすのではないかと思う。

ガーディアンのLive blog:
http://www.guardian.co.uk/world/blog/2010/dec/15/wiki-leaks-you-ask-we-search

Channel 4のLive blog (Twitter feed):
http://www.channel4.com/news/live-blog-julian-assange-appeal

映画『父の祈りを』のラストでのジェリー・コンロンのごとく、ジュリアン・アサンジは法廷の建物の正面玄関から出てくる。数時間前にSky Newsの人が伝えていたが、今日はアサンジ以外の誰も、正面玄関は使っていないそうだ。



そんなこんなでメディアのサイトのキャプチャと、Togetterのまとめ。

【追記@4時ごろ】


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2010年12月16日

【18日目】Wikileaks米外交文書大公開〜「石油産業(BP)」&保釈を認めさせなかったのはスウェーデンではなく英国 #WL_JP

先日も「ナイジェリアの石油」(シェル)に関連する文書が出てきていたが、今日は中央アジアの石油がトップだ。


こういう話はこのような「断片」で読むのではなく、まとまった分析で読まないと私はわけわかんなくなるのでチェックしていない。

で、こういう石油企業の動きについてよく持ち出されるのがいわゆる「陰謀論 conspiracy theory」だが(「世界を自分たちで支配し続けようとする勢力によう、何らかの陰謀がある」という説)、それら「陰謀論」の多くは、よく言って思考ゲーム、悪く言えばただの時間の無駄で、そういうのを持ち込まれるたびに「はいはいロスチャイルドロスチャイルド」と受け流すおかげで私などは「あちら側」の手先ということになっているかもしれないが、そんなのはどうでもいい。そういうくだらない「陰謀論」の話の多さがノイズになることによって本当の「陰謀」が見えなくされることを私が警戒していることに変わりはない。(本当の「陰謀」をマジメに取り上げたところで、例えば「BBCはCIAの手先」とかいうわけのわからない結論を導き出さないとカタルシスを得られない人たちもいるけど。)

というか、今日のガーディアンのこのトップページには、とてつもない「陰謀」を扱った記事があるのだ。

※「とてつもない」は形容詞であるというより枕詞。

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2010年12月15日

【17日目】Wikileaks米外交文書大公開〜「麻薬」 #WL_JP



今日は、昨日のジュリアン・アサンジ保釈審問でくたびれきってしまったので、記事は何もチェックしていません。

アサンジは明日木曜日、11:30 GMT (日本時間では20:30)に出廷します。


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ジュリアン・アサンジはこれからどうなる? #WL_JP

12月14日、ロンドンでジュリアン・アサンジの第二回保釈審理が行なわれた。結果は……今はもうエネルギー尽きて書く気にならないので(しかも自動更新が始まっていてパソコンの重さが異状)下記をご参照いただきたい。

#WL_JP #Wikileaks 12月14日、ジュリアン・アサンジ保釈審理の実況を中心に(日本語&英語)
http://togetter.com/li/79173



このような判断が出たのはなぜか、またこのあとどうなるのかについての記事が、ガーディアンに出ている。書いているのはガーディアンの法律専門の書き手だ。

Q&A: Julian Assange's legal battle
Afua Hirsch
guardian.co.uk, Tuesday 14 December 2010 19.58 GMT
http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/14/julian-assange-legal-battle-bail-wikileaks

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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