「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2016年12月18日

チャールストン教会銃撃事件、ディラン・ルーフの裁判

2015年6月17日(現地時間)、米ノースカロライナ州チャールストンの黒人教会で人々が聖書の勉強会を行なっていたところに銃を持った男がやってきて、9人を撃ち殺した。男は9人を殺害したあと、銃を持ったまま現場を離れていたが、翌日、警察に身柄を確保された。抵抗もせず、手錠をかけられて、大人しく連行されている容疑者の姿(と、容疑者を銃撃することもなく殴打することもなく連行していく警察の姿)は、全米および全世界で報道写真・映像という形で流れた。The Sunなどが書き立てる「テロリスト」とはかけ離れた外見の容疑者はこないだまでティーンエイジャーだったような年齢で(「何の変哲もない平凡な人間のように見え、モンスターというよりは不機嫌な少年といった雰囲気」というThe Economistの描写が的確だと思う)、「ネットde真実」を知って過激化し(「みんなネットであれこれ話をするばかりで、誰も行動に移さない。誰もやらないならぼくがやるしかない」と彼は書いている。行動に移す奴がいないのは、それが妄想や「思考実験」の類だからだ。頭を冷やせ)、自分が生まれたころに終了した南アフリカの人種隔離(アパルトヘイト)体制を正しいものとして評価し、「人種戦争」を始めなければならないと信じた白人優越主義者だった。FBIの事情聴取(ビデオが公開されている)で、彼は自分が9人を殺したことを認めた。後悔のかけらも見せずに。

The court has heard how, in a delinquent pattern that echoes the online radicalisation of would-be jihadists, his hateful white supremacism was fuelled by an internet search for “black on White crime”. He seems to have completed his own deranged manifesto, in which he described African-Americans as “stupid and violent”, on the afternoon of the atrocity. The jury watched the cold, even flippant confession he made the following day. “Well, I killed them, I guess,” he said.

http://www.economist.com/news/united-states/21711910-perpetrator-racist-massacre-faces-jury-trial-dylann-roof


チャールストンとはどういう町か、襲われた教会はどんな教会かといったことも含めた上で、当時の報道系ツイートを中心に記録を取ってある。
https://matome.naver.jp/odai/2143462909409227501

事件発生当時、どのような「否定論 denialism」が横行したかといったことは、別個、ブログに書き留めてある。それを書き留めておいてよかったと思う。それから1年半の歳月の間に、書き留めていたことすら忘れていたが。
http://nofrills.seesaa.net/article/420959174.html

教会襲撃事件のあとに起きた南部連合旗をめぐる「旗騒動」についても、襲撃の実行者であるディラン・ルーフの姉が「バカな弟のせいで私の結婚式が取りやめになってしまいました。仕切り直しての新たな門出のためにご協力を」ということでクラウド・ファンディングをやっていて「炎上」したことについても、少し書き留めてあった。書きとめていたことすら忘れていたが。
http://nofrills.seesaa.net/article/421700839.html

惨劇が引き起こされてからまだそんなに時間が経っていない2015年6月19日(まさに「まだ血も乾いていない」段階だ)、殺された人々の家族が「許し(常用外漢字を使えば『赦し』)」を与えたことは、日本語圏ではどうだか知らんが、英語圏では非常に大きく報じられた。
https://www.washingtonpost.com/news/post-nation/wp/2015/06/19/i-forgive-you-relatives-of-charleston-church-victims-address-dylann-roof/
One by one, those who chose to speak at a bond hearing did not turn to anger. Instead, while he remained impassive, they offered him forgiveness and said they were praying for his soul, even as they described the pain of their losses.

“I forgive you,” Nadine Collier, the daughter of 70-year-old Ethel Lance, said at the hearing, her voice breaking with emotion. “You took something very precious from me. I will never talk to her again. I will never, ever hold her again. But I forgive you. And have mercy on your soul.”


殺害された牧師さんの葬儀には、「アメリカの黒人で初めて大統領となった」バラク・オバマ大統領も参列し、非常にパワフルな言葉をささげ、Amazing Graceを歌い、黒人教会のあの調子で、殺された人々の名を高らかに唱えた。


そして、この事件での33件の罪状で起訴されていたディラン・ルーフに、「有罪」との評決が下された。被告は無罪を主張しておらず、陪審団はわずか2時間で、33件すべてについて「有罪」と判断した。1件につき4分程度という計算になる。

Dylann Roof found guilty on all counts in Charleston church massacre trial
By Dustin Waters and Mark Berman December 15
https://www.washingtonpost.com/news/post-nation/wp/2016/12/15/jurors-begin-deliberating-in-charleston-church-shooting-trial/

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2012年09月09日

CといえばCurrys, DといえばDebenhams ... 英国の「ご当地ブランド」

「グローバル化」の時代、ブランドもグローバルなのが当たり前だ。というか、「グローバル化」とか言われる前から、(主に)私企業のブランドというものはグローバルだった。シャネルしかり、キャデラックしかり、ソニーのウォークマンしかり。

それでも、各国それぞれで、その国で確立されているブランドというのがある。日本では「イオン」といえば「金属イオン」よりむしろ「流通大手のイオン」だし、書店といえば「紀伊国屋」や「ジュンク堂」、「三省堂」に「丸善」。家電なら「ビックカメラ」、「ヨドバシカメラ」や「ヤマダ電機」。レストラン情報なら「食べログ」や「ぐるなび」。

そういう「日常生活に定着したブランド」は、そこに住んでいないとピンとこない。だから、英国の文脈で「Currysに行った」という記述を見たときに、何も知らなければ「カレーを食べに行った」のだと早合点するようなこともありうる。(Currysというのは、実際には、家電量販店である。)

逆に、英国の人が英国外にいるときに、「家電量販店」のつもりで「Currysに行けばあるよ」と言ってしまったら(日本人が「スーパーマーケット」のつもりで「イオンに売ってると思うよ」と言うのと同じように)、通じないかもしれない。

そんなようなことがよくわかるリストがBBCにあったので、少し見てみた。詳細は下記で。

所変われば品変わる……世界各国、Googleオートコンプリート比べ
http://matome.naver.jp/odai/2134709379582379301

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2008年11月07日

「英国のテロ」と「外国人」についての調べもの(ほんの少し)

「留学生」についての英国のイミグレ(内務省)の「規制強化」に関するエントリ@11月6日の続き。このエントリの末尾から少し:
http://nofrills.seesaa.net/article/109199426.html
上記のような、いわば「経済的脅威としての(EU内・EU域外からの)イミグラント」というストーリーに、内務省独自の(といってよいと思いますが)「国家安全保障上の脅威としてのイミグラント」というのが重ねあわされているところに、「学生」の存在があります。

日本での「テロ対策強化のための『外国人』の指紋押捺義務化」について、「日本で『テロ』と呼ばれうるものを実行したのは、地下鉄サリンであれ爆弾であれ、日本人だったのに」という反論が即座に可能であるのと少し似ていますが、英国の「テロ」で「外国人」によるものは――私も全部を見ているわけではないので正確に断言できるわけではありませんが――、多いわけではありません。

でも、近年のhigh profileな「テロ事件」で「外国人」が実行犯である事件というのはあり、さらに「英国を拠点とする外国人が米国で計画」といったケースもあります。


というわけで、その件についての調べもののまとめです。といってもゆるい調べものです(統計数値などは参照していません)。

まず、「英国におけるテロ」の代表格として、1970年代から2000年代の、Provisional IRAおよびReal IRAなど北アイルランドの武装組織の攻撃ですが、これらは実行犯は基本的に「北アイルランドの人」だし(北アイルランドに生まれた人の場合は、基本的に、パスポート上「英国人」で、同時に「アイルランド人」でもあるかもしれない)、最初に爆弾闘争に打って出た時期のPIRAのリーダー(ショーン・マクシュトイファン)は、出自としてはイングランドの人です。(ついでに言うと、彼のルーツは「アイルランドのカトリック」でさえない。イングランド人とアイルランドのプロテスタントの間に生まれたんですから。)なお、現状、ブリテン島における彼らリパブリカンの攻撃は2001年、Real IRAのイーリング爆弾テロ、およびバーミンガム爆弾テロ未遂が最後です。(このほかに「爆発物が見つかった」などといったものはあるかもしれません。)

2001年9月11日後は、英国の「テロ」事件(無罪含む)には次のようなものがあります。■(黒い四角)をつけたのが「外国人」によるもの、□(白い四角)をつけたのが「英国人」によるもの。(ここで「英国人」とは、「UKのボーダーで外国人としてのパスポートコントロールを受けない人」と考えます。こう考えるとEUパスポート保持者も「英国人」になっちゃうんですが、ゆるい調べものなのでご容赦ください。)


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2008年09月26日

11月から、外国人学生などを対象に、「IDカード」制度が始まります。

英国では、この11月から、外国人(EU外)の学生と配偶者ステータスでの滞在者(Civil Partnershipも含む)に対し、「IDカード」の発給が始まります。というか義務化されます。

この「IDカード」は内務省が出すもので、氏名や顔写真、出身地などの個人情報、ならびに滞在許可の期限、就労の許可・制限などのデータが文字で記載され、ICチップには指紋のデータが記録されます。

BBCの記事に、内務省が公表したカードの見本画像と説明が掲示されていますので、この制度の影響を受ける人は、まずはそれをご覧ください。内務省のサイトに掲示されているものより、BBC記事ののほうが親切です。

Foreign national ID card unveiled
Page last updated at 20:38 GMT, Thursday, 25 September 2008 21:38 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/7634111.stm

記事本文は、このカードを発給されることになる人(つまり、11月以降に留学する人、ヴィザの延長手続を取る人、異性または同性と「結婚」して英国に滞在している人)は読んでおいたほうがよいと思われますが、ライティングがあまり整理されていなくて、「IDカード制度が始まります、こういうカードです」という話と、内務大臣の「あたくしどものこの賞讃すべきすばらしい新制度がこの制度は優れたものです」的なプロモーション言説と、制度批判者の反応という異なった種類の情報が、並べる順番も整理されずに連ねられているみたいで、「読みやすい(話を把握しやすい)」とはいえません。

では内務省のサイトではどうかというと:
http://www.homeoffice.gov.uk/about-us/news/id-cards-foreign-nationals
まず、このプレスリリースは説明する気ゼロですね。「詳細はYouTubeのHome Officeチャンネルに投稿したビデオの説明をご覧ください」ってさあ、飛んでみたらジャッキー・スミスの記者会見の様子で、映像は8割以上スミスの喋ってるところを映しているだけ、英語が聞き取れないと何もわからない。聞いたとしても、彼女は内務省の窓口の人ではなく宣伝部長役だから、こっちがほんとに知りたいことはわからない。

内務省のBorder Agency (旧Border and Immigration Agency, っていうか、旧IND、つまりImmigration and Nationality Directorate, 要するに「イミグレ」) が出しているプレスリリースも、イマイチ具体的ではない。
http://ukba.homeoffice.gov.uk/sitecontent/newsarticles/firstidcard

こんな面倒なものを英語で読むのはたるい、という方は(まあ、語学留学以外で英国に居住する予定があるなら、このプレスリリースで自分に必要なところだけ拾って読める程度の英語の能力はあったほうがいいと思いますが)、あと少ししたら在日英国大使館の「ヴィザ情報」のところに日本語訳の文書がアップされると思うので、それをご参照ください。
http://www.uknow.or.jp/be/visa/visas/index.htm
※現時点ではまだ上がっていません。

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2008年09月17日

グラスゴー、Old Firmの「お歌」の応酬について――背景は北アイルランド紛争です。

第一印象っすか?「またか」です。ただ今回はアイルランド共和国領事館が、スコットランド自治政府とのいつもの会合の席でその話をしたということで、まあちょっとした「国際問題」になっているから、BBC Newsの記事になっているのだろうと思います。

何があった、って、これっすよ。

Concerns raised over famine song
Page last updated at 17:31 GMT, Monday, 15 September 2008 18:31 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/scotland/glasgow_and_west/7617518.stm

レンジャースとセルティックのOld Firm(意味的には「グラスゴウ・ダービー」)の試合で、レンジャースのサポが「じゃがいも飢饉は終わったんだから、アイルランド人は国に帰れ」という「移民排斥」のお歌を歌いました(この歌は、決してぬるい「サポ同士の応酬の歌」ではありません。明白に「排斥の歌」です。これ歌ってるのは「普通のサポ」じゃない)。クラブとしては「そのお歌はダメ」と言っていたのに、です。

この件、ヒナキさんのところでも触れられているし、やっぱり書いておこう、ということで書いているのですが、それ自体は「またか」、というか「ひどい雨が降って電車が止まった」的な話だと思います。でもアイルランド大使館・領事館が絡んできたので、「ひどい雨が降って橋が流されたので電車が運休、復旧のメド立たず」くらいの話になっているのだと思います。

で、この「お歌」云々は何なのかというと、すごくはしょって言うと、「北アイルランドのセクタリアニズム」なんです。なぜスコットランドでそんなものがあるかというと、Ulster Scotsという表現があるように、北アイルランドのプロテスタントは大半がスコットランド人であり、グラスゴウには19世紀半ばの「じゃがいも飢饉」でアイルランドから逃れてきたアイルランド人が多くいるから。(セルティックは、グラスゴウのアイリッシュ・コミュニティが設立したクラブで、ユニフォームが緑だし、クレストはシャムロックです。レンジャーズはスコットランドの青がチームカラーです。)両チームの試合には、北アイルランドからもそれぞれのチームのサポさんたちが出かけていきます。いつだったか、その観戦ツアーの復路の船の上でレンジャーズのサポが怪気炎をあげてなんちゃら、というニュースもありました。

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2008年09月04日

ロンドンで文化財登録されている「ライヴハウス」

2日に「メールでいただいた質問」へのお返事をエントリにしたのだが、もうひとつ。これも時間がかかってすみませんでした。

質問内容(要旨のみ。文面は書き換えてあります):
Astoriaについての記事を読みました。「ということは、Astoriaのあの建物はlisted buildingではない、ということだが」とありますが、ロンドンのコンサート・ホール、ライヴハウスなどでlisted buildingになっているものがあるのでしょうか。


ロイヤル・アルバート・ホール……みたいなのは別格ですからそれらはおいておいて。

まず思いつくのは、カムデンのRoundhouseです。これは「Grade II*」に指定されています。60年代のサイケデリック・ロックの文脈で有名なハコです。確か、90年代はほとんど使われてなかったけれど(私が聞いた話では「不況の影響」とのことだったけど)、2000年代になってよりオフィシャルな用途で活用されるようになっています。

で、Roundhouseのウィキペディア記事の下部から、Grade II* listed buildings in Londonの一覧を見ると:
http://en.wikipedia.org/wiki/Category:Grade_II*_listed_buildings_in_London
このランクは登録文化財の上から2番目のランクです。Old Bailey(The Central Criminal Court)からTrellick Towerまで、という感じでたくさんあります。英国では、建物が元々の用途とは別の用途で用いられていることも多く、「ライヴハウス」といっても元の建物は19世紀に全然別の用途で建築されていたりするのですが、Grade II* のリストで「ライヴハウス」系はRoundhouseだけかな。

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2008年08月29日

【雑学系】法廷の木槌

「人力検索はてな」で次のような質問があった。
アジア以外の映画で、裁判官が「開廷のとき」「判決を下すとき」「閉廷のとき」などに、【木槌を打ち鳴らす】シーンがあるものはないでしょうか。
http://q.hatena.ne.jp/1219736343

今週、マーガレット・サッチャーが認知症だというニュースがあって、複雑な気分のなか、ジェリー・コンロンの再審・無罪確定は1989年、サッチャー政権下だったよなあ→『父の祈りを』に彼女の発言が出てこなかったっけかと思って見ていたので(出てきてなかったみたい)、この映画の「木槌カンカンカン」のシーンについての説明をはてなでの回答に入れておいた。こうやって見てみると、映画が「音」についてどう組み立てられているのかが見えて非常に興味深い。ただ見ているだけでは気付かなかったことにいろいろ気付いた(音楽とか、映像のつなぎ方とか)。

というわけで、以下はこの木槌について。

本当はいろいろと細かなルールがあるのかもしれないが、木槌を連続して打ち鳴らすのは基本的には「静粛に」の意味 (call to order) だ。映画では、開廷時・閉廷時に限らず、法廷内がざわついら木槌の連続音が鳴り響き、これは緊張感・臨場感などを高める演出としてもよく使われる。例えばThe Untouchablesのクライマックス、アル=カポネ有罪のシーン(アル=カポネが暴れる)など、木槌を叩く判事をローアングルでとらえ、木槌の下の台が飛び跳ねるさまをとらえた映像を使っている。(ちょっと可笑しい。)

閉廷のときは一度だけ「カン」と鳴らす。判決を申し渡すときは、「被告人を〜とする」と述べた後に一度「カン」だ。

BBCなどでは、「かくかくしかじかの裁判で判決」のニュースのときのイメージ写真として、この「木槌」の写真が出ることがある。
http://f.hatena.ne.jp/nofrills/20080829004123
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2007年05月08日

日本人、観光都市ロンドンの一番のお得意様の座を去る。

ロンドンの観光についての最新の統計。長らくトップだった日本人観光客の落とすカネが減少、インド人観光客が替わってトップになったそうだ。

Indian tourists worth more to London than Japanese
Julia Finch
Monday May 7, 2007
http://business.guardian.co.uk/story/0,,2073864,00.html

統計はVisit Londonがまとめたもの。(visitlondon.comを見てもその統計が掲載されているのかどうかわからない。)※Visit Britainとは別。

2006年の英国への観光客は
- インドからの観光客 (tourists from India)=212,000人(2003年は130,000人)
- 日本からの観光客=230,000人(2000年は434,000人)

両者の落とすカネについては
- インド=£139m(2005年は£107m、2003年は£78m)
- 日本=£123m(過去の数値が記事に記載されていない)

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2007年05月02日

実証:The Sunやらデイリー・メイルやらを信用してはいけない理由。(笑)

はてブで知ったJ-CASTさん記事:
http://www.j-cast.com/2007/05/01007316.html
「プードルと偽って羊販売」 「珍報道」世界を駆け巡る
2007/5/ 1

 日本人数千人が、プードルと偽って羊を売られていた――そんな「珍報道」が世界中を駆け巡った。発端は、女優の川上麻衣子さんがテレビ番組で「プードルとして届いたはずが羊と分かった」という「噂話」を披露したことに始まるようだが、本人もこの「珍騒動」にはビックリのようだ。一体、何でこんなばかげた話が誕生したのか。

J-CASTさんの記事では、以下、「何でこんなばかげた話が誕生したのか」を検証している。それによると、「珍騒動」の火元は4月26日付のThe Sun、同日付のMETROらしい。

ソースとして信頼できるかと問われたらNoと言わざるを得ないメディアが2つ並んでいるではないか。(^^;

The Sunとその日曜版のNews of the Worldは基本的に「書いてあることを鵜呑みにしてはならない」メディアの筆頭格である(ちなみにマードック組)。(ただし時々すごいタレコミがある。イラク南部で英兵がデモ隊をボコっているビデオは、最初、このメディアにタレこまれた。)

METROはロンドン地下鉄の駅に置いてあるフリーペーパー(無料新聞)の草分けだが、中身はThe Sunよりさらに信頼できないかもしれないデイリー・メイルだ。(METROはメイルを発行する企業、Associated Newspapers Limitedが作っている。)

どうせタブロイドのデタラメ記事だと思いつつ、まあ一応確認のためにと思ってMETROのサイトを見てみたら、この記事、「最も読まれている記事」のトップを独走している。(<ほんとに「独走」しているかどうかは知らん。書き方をタブロイドっぽくしてみただけ。念のため)
metro-fleece.png

Dog owners 'fleeced' in poodle scam
Thursday, April 26, 2007
http://www.metro.co.uk/news/article.html?in_article_id=46730&in_page_id=34

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タグ:メディア
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2007年04月24日

スコットランドの新聞

たぶん中村俊輔のSPL年間最優秀選手受賞のためだと思われるのですが、「スコットランドの新聞」を検索してこのブログの過去記事に到着なさる方が急増しているので、ちょっと詳しくメモしておきます。

スコットランドの新聞の一覧:
http://en.wikipedia.org/wiki/Category:Newspapers_published_in_Scotland
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_newspapers_in_Scotland
※上の(category)のほうが見やすいかもしれないですが、スポーツ新聞だけを探したい方はListのほうへどうぞ(Tabloidsを見る)。

私はスコッツマンとヘラルドをたまに見る程度なので、「スコッツマンは中道右派」、「ヘラルドは気合の入った左派」ということくらいしか知りません。

ついでだから中村俊輔のPlayer of the Yearの記事:
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/scot_prem/6582025.stm

セルティックですからアイルランドのRTEの記事も:
http://www.rte.ie/sport/2007/0423/celtic.html

Google Newsで見るときは、検索キーワードを「celtic nakamura」にして:
http://news.google.co.uk/news?hl=en&ned=uk&q=celtic+nakamura&btnG=Search+News

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2006年05月13日

英国のministerは「大臣」というより「閣外大臣」。

Ministers: Experts or pawns?
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/4753317.stm

これはおもしろい記事。ministerが何をしているか、ということがわかりやすくまとめられています。

ところで、英国でministerといえば、「大臣」ではなく、「閣外大臣」です。(Prime Minister「総理大臣」を除く。)

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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