「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2009年11月27日

ロンドン地下鉄マップの歴史



ガーディアンのギャラリーで、ロンドンの地下鉄路線図の100年の歴史を12点の画像で説明している。上のキャプチャ画像は、1930年ごろのロンドン地下鉄マップ(4点目)。現在に至るまで使われている、ハリー・ベックの地下鉄路線図が登場する直前のものだ。

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2009年10月23日

チャーチ・オヴ・イングランド/スコットランド/アイルランド

The Church of England
The Church of Scotland
The Church of Ireland

この3つの「教会」のうち、1つだけ宗派が違います。さて、どれでしょう。

答え:
The Church of Scotland.
この教会は長老派(プレスビテリアン:カルヴァン派)です。

長老派とは:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E8%80%81%E6%B4%BE%E6%95%99%E4%BC%9A
(改革派が)ジョン・ノックスによってスコットランドに伝えられ、この地で発展し、教会制度によって「長老派」(プレズピテリアン)を名乗るようになる。……1567年からスコットランドの国教。以後、大陸の改革派とイギリスの長老派はそれぞれ信仰告白を整備し、準拠する信仰告白によって呼び分けられるようになる。……


一方で、The Church of England, The Church of Irelandはアングリカン(「イングランド国教会」)です。ちなみに、スコットランドのアングリカンはThe Scottish Episcopal Churchです(数的には「弱小勢力」といえる範囲です)。Episcopalという語はアメリカ合衆国のアングリカンも正式名称の中で使っています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Anglican_Communion#Provinces_of_the_Anglican_Communion

アングリカン(聖公会)、すなわち「イングランド国教会」は、イングランド王国が隣国を飲み込む形で「連合王国」を築き上げる過程で、隣国への出先機関的に「どこそこ国教会」を作った……のならこういうことにはならないわけで、ああもうほんっとに、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国はめんどくさいですね。

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2007年04月11日

「英国検定」テストについて。

The test consists of 24 questions and you are required to answer atleast 18 correctly to pass the test. The time allocated is 45 minutes but all the people i know took less than 5 minutes to answer the questions. ... Please note that the test fees is £34.00 so better be prepared before you go for the test. You can prepare for the test by studying chapters 2, 3 and 4 of 'Life in the United Kingdom: A Journey to Citizenship' available from The Stationery Office or from bookshops across the UK (priced at £9.99).

-- by Zahid Ghadialy, March 2006
http://www.3g4g.co.uk/Stuff/LifeInUk/

「移民」だけに課せられる「英国についての一般知識テスト」ことLife in the United Kingdom test(以下「英国検定」<ぴこりんさん、用語お借りします)について、ワイアレス通信の会社をやっておられるらしいZahidさんの解説文。口語っぽくだらだらと書き流されているが、これが読めれば「英国検定」の英文は問題なく読めると思われる。

というわけで、「英国検定」について、リンク集的にまとめた上で、現段階で私が把握している内容をメモしておこうと思う。

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2007年02月27日

国際線での液体類の機内持ち込み制限の件。

日本もいよいよ欧米に並びました。3月1日から、すべての国際便について、液体類(ジェルも含む)の持ち込みが、現行のEUの制度と同様になります。

成田で検査協力呼び掛け 液体持ち込み制限を前に
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2007022701000284.html

ちょいと引用:
 米国や欧州連合(EU)と同様、化粧品や飲み物といった液体のほか、スプレーやクリームも対象。それぞれを100ミリリットル以下の容器に収め、容量1リットル以下の透明な袋に入れれば1人1袋だけ機内に持ち込むことができる。


というわけで、成田空港のサイトを見てみました。
http://www.narita-airport.jp/jp/whats_new/070209.html

特に注意が必要なのは、この「容量1リットル以下の透明な袋」は自分で用意しないといけない(じゃないと出国手続きに手間取る)ということでしょうか。成田空港のサイト(URLは上掲)から引用(太字は引用者による):
お客様1人当たりのプラスチック製袋の数は1つのみです。持込にご利用できるプラスチック製袋のサイズの目安は、縦20cm以下×横20cm以下です。プラスチック製袋はお客様ご自身でご用意ください。コンビニ、ホームセンター等でも販売しております。

※日本語では「プラスチック製袋」じゃなくて「厚手のビニール袋」がわかりやすいと思うけど。

例として表示されている写真に含まれていないのだけれど、EUと同様にするということなら、リップグロスもこの「透明な袋」に入れておかないといけないということになると思います。固形(スティック状)のリップクリームや口紅は計算に入らないと思いますが。

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2007年01月18日

TVライセンス引き上げ

「値上げ」とか「高い」とかいったネタが連続していますが、英国のTVライセンス(「BBCの受信料」)が4月から引き上げられることになりそうです。その後も着実に引き上げられるようです。

Jowell reveals 3% TV licence rise
Last Updated: Thursday, 18 January 2007, 12:31 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/6274851.stm
Ms Jowell told the Commons the deal will see the current fee rise from £131.50 to £135.50 on 1 April, then rise gradually to £151.50 in 2012.

つまり、Tessa Jowell文化大臣が国会で述べたところによると、4月1日からTVライセンスが£135.50(年額)に引き上げられ(引き上げ幅は£4)、その後2012年まで段階的に引き上げられる(2012年には£151.50になる)。

TVライセンスについては、拙著12ページ右側コラムとか、下記サイトとかをご参照ください:
http://www.tvlicensing.co.uk/
http://www.bbc.co.uk/info/licencefee/
http://en.wikipedia.org/wiki/Television_licence
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2007年01月16日

英国の物価高

最近、イングランド銀行の利上げがあったばかりだが、英国の12月の消費者物価指数では前月比+2.7パーセントだったそうだ。原油高などが要因だとのこと。

UK inflation rate at 11-year high
Last Updated: Tuesday, 16 January 2007, 14:00 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/6266263.stm

今月9日には、「パンの値段がついに£1を突破」という報道があった。これは世界的に小麦が値上がりしている影響とのこと。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/magazine/6240619.stm

しかし、この記事にあるパンの値段の変遷、見るとうげっと思う。
1990 - 50p
2000 - 52p
2007 - 94p
たった7年で倍です。それもパンなどという基本的な食べ物で。

ちなみに、英国のパンのサイズは、日本の食パン1斤よりずーっと大きい。2.5倍って感じ(BBCのMagazine記事の写真参照)。

関連記事クリップ:
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/UK/prices/

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2007年01月05日

やっぱり「世界一」のロンドン公共交通。(附:英国の鉄道)

この1月2日の値上げ(→当ウェブログ過去記事)によって、現金払いの場合、地下鉄は基本的に初乗り£4、バスは均一で£2となり、ロンドンの公共交通機関は「世界一高い」公共交通機関となった。(正直言うと、これまでロンドンが世界一高いわけではなかったということなのだろうかとちょっとびっくりしている。)

Most expensive in the world: London's fares rise again
Hugh Muir
Wednesday January 3, 2007
http://www.guardian.co.uk/transport/Story/0,,1981687,00.html
The cost of travelling on buses and tubes in London rose by 33% yesterday as the capital's public transport was declared the most expensive in the world.

「33パーセントの値上げ」と言われると、そのすさまじさが実感できる。東京で言えばJRの初乗り130円が170円になった、というのにだいたい相当する。まあ、ありえなくはないかもしれない。

でも、東京でそのくらいの値上げがあるとしても何年かに1度だ。ロンドンはそうじゃない。今から来年の話をすると、一般的には鬼が笑うとか言われるんだろうが、ロンドンの公共交通機関の料金については、1年に1度、1月のはじめに値上げがあるのだから、来年(2008年)にもまた値上げがあることは簡単に予想できる。値上げ幅はまだわからないけれど、「現金で初乗りは£5」という極めてばかげた状況になることも、まんざらありえないわけでもなかろう。おそろしい。

地下鉄とバスだけではなく、鉄道も平均で4.3パーセントの値上げとなったそうだ。デイ・リターンとか長距離のオープン(リターン)は平均で4.7パーセントの値上げ。
The cash increases form part of a new pricing structure which will hit travellers across the country. As details of the London fare rises emerged, overland rail companies announced price increases of an average of 4.3%.

Unregulated fares, such as cheap day returns and long distance open tickets, will increase by an average of 4.7%.

あと、ヒースロー・エクスプレスとガトウィック・エクスプレスは7.3パーセントの値上げだそうです。ヒースロー・エクスプレスの料金は、ふつうに現地の駅で券売機や窓口で買うと、£15.50ですね。。。成田エクスプレスで新宿や東京から成田が3000円くらいだから、だいたい同じか。(こういうところでお金を節約したい場合は、ヒースロー・エクスプレスなど使わず、地下鉄のピカデリー・ラインでどうぞ。あるいはAir busもあるが、サイトが○○すぎて、詳細を調べる気が失せました。)

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2006年12月26日

2007年の英国の値上げとポンド高(もしくは「一気に倍」メソッド)

ポンドが高すぎるので、来年はロンドンへの観光客が減少するのではないかという観測があるそうだ。

UK tourism 'will suffer in 2007'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/6209847.stm

確かにポンドがやけに高い。今日のレートで、£1は約「232.58円」。米ドルに換算すると「1.9574米ドル」と、2ドル目前だ(手数料があるので、実際に両替すると2ドル超だろう)。

一方で、VisitBritain(政府観光庁)では「2007年には観光客数は増加」という見込みなのだそうだが、その根拠については記事には書かれていないのでわからない。

高いのはポンドだけではない。

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2006年12月21日

2007年の公共交通料金(「初乗り」900円突破)

さて、毎年恒例の例のアレです。。。一応、心の準備をお願いします。

2007年1月2日からのロンドンの公共交通機関の料金です。PDFファイルです。
http://www.tfl.gov.uk/tfl/fares-tickets/2007/downloads/TfL-Fares-Jan-2007.pdf

【図版】PDFファイルから最も重要なところをキャプチャ。
tubefare-2007.png

つまり、地下鉄の初乗り(Zone 1を含む場合)は、Oysterを使えば現状のままで£1.50、現金で切符を買うと£4.00です。

£4.00を日本円に換算してみましょう・・・四捨五入して「920円」です。交換手数料を考えると「930円」を超えるかも。

予言しておくと、このペースでいくと2008年には1000円を突破します。(ほんと、ロンドンが単独で、世界の地下鉄運賃の平均を引き上げてくれていそうな勢いですね。)

なお、Zone 1を含まない場合の現金での初乗りは、£3(2006年と同じ)。Zone 1を含もうと含むまいと、オイスターを使っている人は据え置きです。

ただし定期(Travelcard)は値上げされます。Zone 1-2の7日間のトラヴェルカードが、£22.20から£23.20に、Zone 1-3は£26.00から£27.40に、という具合。Zone 1-3の1ヶ月定期はついに£100を突破して£105.30になりますね。。。換算してみるとおよそ24,000円! Zone 3に住むと、1ヶ月の交通費が、どんなに安くても24,000円!(学割がない大人の場合。)

10代の人の料金は無料化されたり値下げされたりするそうですが、20歳以上の人はオイスター利用であっても、基本的に、負担が増えるということですね。

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2006年12月09日

ロンドンの天候と保険の話。

7日、ロンドン西部のKensal Riseで竜巻が発生した。負傷者6人。多くの家が壊れて危険な状態で、住民たちは避難を余儀なくされている。
Six hurt as tornado hits London
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/london/6217514.stm

竜巻の被害の様子は、下記の写真ページで(投稿写真集):
In pictures: Tornado hits London
http://news.bbc.co.uk/2/hi/in_pictures/6217898.stm
街路樹が根こそぎ抜けて、道の反対側に飛ばされた、という写真もある。

写真を見たところ、道の両側にテラスト・ハウスが並び、歩道があって、車道には住民の車が駐車してある、という典型的なロンドンの住宅街のようだが(デタッチト・ハウスやセミ・デタッチトの住宅街ではなく)、何軒かの家は被害がひどくて修復不能の状態だそうだ。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/london/6220000.stm

http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/6220380.stm
には壁が1面、まるごと消失している家の写真がある。この記事によると被害家屋は100軒くらいのようだ。

http://www.timesonline.co.uk/article/0,,2-2493251,00.html
には、英国での竜巻の事例がまとめられている。昨年7月のバーミンガムの竜巻とか、52年前にロンドンで発生しひどい被害をもたらした竜巻とか(駅が全壊、工場2軒も全壊)。

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2006年12月01日

イングランド禁煙法施行日決定――2007年7月1日。

Date set for England smoking ban
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/6196910.stm

今年2月に英国の下院で公共の場所の全面禁煙の法制化が可決されましたが、その法律の施行日が決定しました。

2007年7月1日です。

この日以降、パブやクラブ、ライヴハウスなども含めて公共の場所で屋根のあるところは、全面的に喫煙禁止となります。

(ウェールズ、スコットランド、北アイルランドは立法が別だが、それぞれ喫煙禁止法案はある。スコットランドは今年3月に全面禁煙スタート。北アイルランドとウェールズは2007年4月から。アイルランド共和国は既に全面禁煙。)

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2006年11月08日

EU圏内、旅客機の機内への液体類の持込に新ルール(英国から見れば「制限解除」)。

8月の「航空機爆破テロ未遂発覚」で、英国では旅客機の機内持ち込み手荷物がほとんどできなくなりました。
http://nofrills.seesaa.net/article/22199583.html

9月末にあまり大きくないキャリーケース程度のカバン類が機内に持ち込めるようになりましたが、液体やクリーム類の持込は厳しく制限されていました。
http://nofrills.seesaa.net/article/24396391.html

これが緩和され、UK発のフライトでも機内に液体やクリーム類の持ち込みが可能となりました。これはEU全域での正式なルールで、臨時の措置ではなく恒久的措置です。(厳しく制限されてきた英国にとっては「条件緩和」ですが、これまで制限のなかったEU諸国から見れば「制限ができた」ことになります。)

Rules on flight liquids changed
Last Updated: Monday, 6 November 2006, 12:32 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/6119414.stm

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2006年11月04日

「ミントン タイルの秘密」と「ヴィクトリア朝」

Minton Tile Booklet

上野・湯島のエリアに建つ旧岩崎邸庭園で3日まで開かれていた「ミントン タイルの秘密〜旧岩崎邸庭園を彩るヴィクトリアンタイルの様式美〜」展に、3日、駆け込みで行ってきました。上の写真は解説のブックレットとポストカードのセット(1200円:旧岩崎邸庭園のチケットオフィスで今後も在庫ある限りは買えると思います)。

ミントンのタイルは、有名なところでは英国の国会議事堂の中とかに用いられています。
http://www.ironbridge.org.uk/our_attractions/jackfield_tile_museum/exhibits/

米国の国会議事堂やホワイトハウスの中にも。
http://www.whitehouse.gov/history/eeobtour/minton-tiles_nonflash.html
http://www.aoc.gov/cc/capitol/minton.cfm

この小規模な展覧会の内容は
http://www.tokyo-park.or.jp/event_search/detail/e_search_dt000102.html
●展示内容
テーマ別のセクションを設け、当時のヴィクトリアンタイルの様式美を伝える品々を展示いたします。

◆プロローグ「ミントン、その歴史と芸術の紹介」
 −ミントンの歴史
 −英国王室御用達としての業績
◆Section1「ミントン タイルの解説と展示」
 −ハーバート・ミントンの挑戦、中世タイルの再生
 −ヴィクトリア建築とミントン タイル
◆Section2「旧岩崎邸庭園におけるミントン タイル」
 −ジョサイア・コンドルとミントン タイル
 −日本の明治洋館建築におけるミントン タイル


「プロローグ」の部分の展示(数点)は、ミントンのテーブルウエアの名品中の名品の展示で、タイルとは関係なし。ここで展示されていたのは、ハドンホールみたいなデパートに行けば買えるようなものではなく、ものすごい技術のすばらしい仕事のものだったけれど、うーむ、過剰。not my cup of teaっていうか・・・いや、ほんとにあんなティーカップでお茶をいただいても緊張してしまうので美味しくないだろうけれども。(実際に展示されていたのはティーカップではなくお皿などでしたが。)私が見たいのは、あれやこれやが基本的にむちゃくちゃ過剰になってしまっていた19世紀に、素朴な中世ゴシックを復活させようとした挙句、また別な方向で過剰になってしまったヴィクトリアン・ゴシックなので。

「Section 1」と「Section 2」がメイン。展示物の点数はすごく少なかったのですが、解説が充実していたのと、展示されているものがすごかった(門外不出のデザイン帳が部屋の片隅に・・・)のと、第一にそこは旧岩崎邸で、実際にそこにあるわけですよ、博物館入りした形での展示ではなく、使われていた形で。

イングランドの田舎町に行くと、ふらりと見学に入った教会でヴィクトリアン・ゴシックのタイルやステンドグラスを見ることも普通にあるのですが、旧岩崎邸は大財閥のボスの贅を尽くしたお屋敷とはいえ、なんかちょっとそういう気分でもあり。

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2006年10月24日

現実と期待と「症候群」の話。

以下、おそらく「もういいよ」系の話題だろうけど、Yahoo!のトピックスに新記事が上がってたんで。その場所の欠点とか理不尽なところとかを特に肌身で感じることもなさそうな(<失礼な言い方ですがすみません)「観光客」が、年に12人程度とはいえ、「心理療法が必要な状態」になるものだろうか。ってか、観光旅行で不適応を起こすか? いくらパリが不親切だからって---と思った記事。
日本人旅行者、夢と現実のギャップで「パリ症候群」

 [パリ 22日 ロイター] パリを訪れる日本人観光客のうち、年間12人程度は心理療法が必要な状態になるという。22日付の仏ディマンシュ紙が、現地の精神分析医などの話として報じた。
 不親切なパリジャンや薄汚れた通りなど、さまざまな現実を目することで旅行前の期待が裏切られたように感じ、精神的なバランスを崩すことが原因だとしている。
 ……
 同紙はこういった症状を、2004年に精神科医が最初に名付けた「パリ症候群」だと指摘している。
 ……
(ロイター) - 10月23日13時21分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061023-00000173-reu-ent

これ、何度読んでも第一パラと第二パラのつながりがわからん。(ステレオタイプで/を笑うための記事だとすれば、まあわかるんだけど。)

というのは別にして、「パリを訪れる日本人観光客のうち、年間12人程度は」の「観光客」が気になってしょうがない。観光客が「パリ症候群」って考えてみたこともなかった。

というわけで、元記事(英文)を読んでみることにした。結論としては……これ、ロイターのOddly Enough(変てこニュース)の記事じゃん。(爆笑) 日本語にするなら『日刊ゲンダイ』調にしてくれよ〜〜。(このロイター日本語記事を読んだことで、個人旅行が怖いとかって思ったりせず、旅行に行きたければどんどん行ってください。

ちょっと真面目な言葉遣いで書いておこう。この記事は、どうせ読むなら、日本語の記事だけでなく英文の記事も参照すべきだ。日本語のは要約されているので、元の記事のニュアンスがわからなくなってしまっている。

なお、日本語記事@Yahoo! JAPANトピックスでも、カテゴリは「エンターテインメントニュース」。「パリ症候群」は「エンタメ関連ニュース」とは違うと思うけど、要するにシリアスなニュースではないという扱いってことかなあ。わけわかんない。どーでもいいか。

というわけで以下はちょっとは真面目に。ここにあるのは「日本」(と「フランス」)のステレオタイプと、「英国の報道」の典型だと思うんで。

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2006年09月25日

英国発の旅客機の機内荷物持ち込み制限の解除について。

8月10日の「航空機爆破未遂の摘発」の直後から、英国発の旅客機では、「手荷物の機内持ち込みは原則禁止」と大変厳しく制限されていましたが(過去記事)、先週金曜日に少し緩和されたそうです。ただし液体類の持ちこみは依然として禁止。

Hand luggage rules to be relaxed
Last Updated: Thursday, 21 September 2006, 13:44 GMT 14:44 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/5367096.stm

Baggage advice for UK passengers
Last Updated: Thursday, 21 September 2006, 11:24 GMT 12:24 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/4789593.stm

Hand luggage
Sunday September 24, 2006
http://observer.guardian.co.uk/travel/story/0,,1879387,00.html

Directions: New hand luggage rules
September 24, 2006
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,2100-2370509,00.html

以下、変更点の要旨。

なお、BAの日本語サイトにも説明はあります。
http://www.britishairways.com/travel/london/public/ja_jp

最も正確な情報はThe Department for Transport (DfT)に:
http://www.dft.gov.uk/stellent/groups/dft_about/documents/page/dft_about_612280.hcsp

[UPDATE] 11月6日にこの制限が解除され、EU全体での新ルールが発効しました。液体の持ち込みができるようになりました。
http://nofrills.seesaa.net/article/26991194.html

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2006年09月12日

ロンドン公共交通、新線計画。

Picolinさんのところで「London Overground」計画を知る。

ソースはThis is Local Londonの記事路線図もある。

予定は2010年。2012年のオリンピックまでには整備するということで、実際、オリンピック開催が決まったときもこの路線の話は出てたような気がする。


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2006年09月09日

Heritage Open DaysとLondon Open House

6〜8月の音楽フェスのシーズンが終わって9月のイングランドは「芸術の秋」モード。ナショナル・トラストやイングリッシュ・ヘリテッジの物件や、普段は公開されていない建築物を見て回れるイベントが、今週末と来週末に2週連続であります。

まず今週末は、Heritage Open Days。UK Pipelineさんから引用させてもらいます。
9月7日(木)から10日(日)まで。ほとんどのところは土曜日に無料だそうですが、ところによっては木曜日から日曜日までさまざまなようです。施設によって違うようですから事前に調べてください。

各州ごとの無料施設やイベントのリストを見ることが出来ます。お近くに何かお目当てがあればぜひ。

English heritage open days
http://www.heritageopendays.org.uk/pr/HighlightsHistory_Matters.shtml


それから、来週末(16〜17日)はLondon Open House。
http://www.londonopenhouse.org/london/home.html

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2006年09月08日

ロンドンの「裏」

以下はあんまりクソマジメに受け取らないほうがいいと思いつつ、つい紹介したくなったんですが、ガーディアンのブログより:

A Word to the Wiseguy
http://blogs.guardian.co.uk/news/archives/2006/09/08/a_word_to_the_wiseguy.html

火曜日に警察が東ロンドン(ハックニー・ロード)の靴の卸売り店の社長を逮捕したが、その社長は実は逃亡中のイタリアのマフィアのボスだった、という記事。

Wiseguyというのは、英辞郎では「生意気な奴」といった語義が出てきますが、英国では「その筋の人」「ギャングの一員」の意味。。。ってあれ? ケンブリッジでも載ってないけど、んー、私どこで知ったんだろ。小説かな。

ともあれ。

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2006年08月28日

This is Londonのサイト(the Evening Standard)が大幅リニューアル

「the Evening Standardのサイト」であるthisislondon.co.ukが大幅にリニューアルされています。

ホームページ(トップページ)は、London Entertainment Guide from the Evening Standardと銘打たれているとおり、エンタメ情報専門。
http://www.thisislondon.co.uk/

ニュースは別のディレクトリに格納されています。
http://www.thisislondon.co.uk/news/

小林恭子さんが大変に詳しくわかりやすく書いておられる(8月17日)のですが、ロンドンの地域紙the Evening Standardと、ロンドン地下鉄で無料で配っているMetroと、英国全土で読まれるタブロイドthe Daily Mailなどを発行するAssociated Newspapers Ltdが、9月から刊行物のリニューアルをおこなうのに伴ってのサイトリニューアルのようです。

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2006年08月27日

【拙著掲載URL修正】IRAによる事件年表のURLが変更になっています。

拙著の巻末の方、p.212(コラム「荷物は置きっぱなしにしないように」内)で引用した部分の出典のURLが変更になっています。

変更前:
http://en.wikipedia.org/wiki/Provisional_Irish_Republican_Army#1990s

変更後:
http://en.wikipedia.org/wiki/Chronology_of_Provisional_IRA_Actions#1990s

これは、Wikipediaでのページ分割の結果です。

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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