「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2013年05月19日

最低限の「海外メディア」の見方を、覚えよう。

この記事は、The Observerの記事である。


これは、The Guardianの記事。


では、これは?


http://mainichi.jp/select/news/20130520k0000m030016000c.html正解は、Press Association. 英国の通信社の配信記事だ。日本の新聞で左図のような「(《地名》共同)」という表示がなされているのは共同通信の配信記事で、掲載媒体が取材・執筆した記事ではない(「文責」は共同通信にある)が、同様に、上記の "BBC denies endangering students ..." の記事は、「文責」はPress Assciationという通信社にあり、ガーディアンにはない(この場合ガーディアンにあるのは掲載した責任である)。

このように「配信記事」を出す「通信社」は数多くある。日本では共同通信と時事通信が筆頭。インターナショナル・メディアでは、ロイター、AP、ブルームバーグなどがあり、ワシントン・ポストであれハフィントン・ポストであれ、そういった通信社の配信記事を掲載していることはごくごく当たり前にある。そしてそれは、わかりやすく表示されているのが常であるが、わかりやすく表示されていてもわからない人というのはいて、「ガーディアン掲載のAP記事」について「ガーディアンの報道」とか言われてるのもこれまた常である。

では、これは?


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2012年07月10日

【スクープ】新聞に書いてある「警視庁調べ」は「警視庁発表」とは別の語である。(※本エントリの見出しはパロディです)

唐突だけど、この本、おもしろいんだよ。もう品切れだから古書でしか入手できないかもしれないけど。私は新潮文庫で持ってたけど、元は毎日新聞社の単行本だったのか……へー。お役所で使われる「整備」(「法律を整備する」、「パソコンを整備する」など)のような「一般社会とは違う意味」の言語を「整備語」と呼び、なぜあれらの英訳はやっかいなのかを爆笑しながら真面目に考察する本。ジャーゴン(閉じた範囲だけで使われる用語)はジャーゴンである以上、外部から見たら摩訶不思議なものだけど、一般社会に向けて開かれているはずの言語までもジャーゴンでがんじがらめになっている(中の人たちもそのジャーゴンじゃないと思考できない)というのは、爆笑はできるけど、笑えないことだ。

4620314994怪しい日本語研究室
イアン アーシー Iain Arthy
毎日新聞社 2001-03

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さて、過日、このような記事が話題になった。

【スクープ】「首相官邸前デモの参加者数、実は警視庁は発表していなかった」という謎
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120707-00000301-alterna-soci


書き出し部分:
今年3月から毎週金曜日、首相官邸前で開かれる「原発再稼働反対」デモの参加者数について、大手メディアが引用している「警視庁発表」の数字が実は存在しないことが明らかになった。

警視庁広報課は「各紙が持つ独自のルートで調べているのではないか」との見解を明らかにしたが、警視庁が発表していない数字を「警視庁発表」としたり、その数字の根拠が全く不明であるなど、報道モラルを大きく問われる事態に発展しそうだ。

(さらに、この記事へのツッコミで、“実は「大手メディア」は「警視庁発表」の数字を「引用」などしていない”という事実が明らかになるなど、わけのわからない事態は拡大の一途をたどりそうだ。)

私も当該の件(6日の官邸前抗議行動)について「警視庁発表」という文字列を見ている。あとで自分の履歴を調べたら朝日新聞の見出しだった―― "原発抗議行動、人数どっち? 主催者と警視庁発表に大差"。


※この記事の見出しは現在は修正されている。このエントリの末尾参照のこと。

この記事、記事本文では「警視庁調べ」という表現がなされているが、読者としては、見出しでバーンと「警視庁発表」とインプットされている。それに、こんなテクストは(申し訳ないけど)丁寧には読まない。関心のあり方や度合にもよるだろうが、ウェブ版にあるテクストの分量なら4秒か5秒で目を走らせて、要旨を把握したら終わりだ(実際、7日に誰かのTwかRTで見出しを見てURLをクリックしたときは、「朝日もこの件を書いているのだな」と確認した程度でブラウザを閉じた)。

だから、《見出しでは大きく「警視庁発表」と書かれているが、本文での文言は「警視庁調べ」であって「警視庁発表」ではない》ということになど、ほとんど気づかない。気づいたとしても「表現が違っている」と思うだろう。

そもそも、デモの人数についての「警察発表」は一種の《成句》で(「主催者発表」と対になっている)、多くの人にとって「所謂“けーさつはっぴょう”」という認識は自分の中にあっても、それが一体何なのかは突き詰めて考えない、という語だ。([比喩]居酒屋でししゃもを頼むときに、それが本当のシシャモなのか代替魚のカラフトシシャモなのかを考える、というタイプの人[/比喩]は、こういう適当な態度は取らないかもしれない。)

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タグ:言語
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2012年05月13日

ガーディアンのサイトで、「掲載期限が切れたので削除」

ガーディアンで、「版権が切れたので、このコンテンツは削除しました」という表示を初めて見た。



調べてみたら、過去にもないわけではなかった。たまたま、私が今まで気づかなかっただけかもしれない。

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2012年04月05日

これでは、「ガラパゴス」と揶揄されるのもしょうがない、と思った。




ようこそここへ 遊ぼうよガラパゴス♪〜〜〜 とものすごく古い流行歌に微妙に古い流行語を組み合わせたくなる心境。

というのは、リニューアルされたという「毎日jp」さんを、わくわくしながら開いてみるとこうだったから:
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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