kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2016年10月13日

「その『デマ』を流した奴は、ただのノンポリですよ」……そうであるとして、だから、何?

昨日の東京での停電の際、またネットで(Twitterで)「デマ」が流れたという。取材と記事化の機動力がずば抜けて高いBuzzFeed Japanが報じている。

停電時に中国人が火事場泥棒? Twitterでデマ広まる
https://www.buzzfeed.com/keigoisashi/power-outage-burberry

はてブ:
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.buzzfeed.com/keigoisashi/power-outage-burberry


最も多くの「スター」を得ているid:kiku-chanのコメントがすべてだと思う。
災害時は「外国人が犯罪を犯す」ではなく「アホがデマを広げる」というのを常識とすべき

http://b.hatena.ne.jp/entry/304090292/comment/kiku-chan


そう、これ、元の「デマ」(ありもしないことをでっちあげ、実際に起きていることであるかのように述べたもの)の創出者は、多くの人の印象とは異なり、「ウヨ」ではなく、「アホ」である。

政治的な立場や主義主張、信念から出たものではない。「そういう発言をすれば、騒ぎになり、自分が目立てる」ということから出たものだ。そして問題は、そうやって「目立てる」機会を「アホ」に与えてくれるものとして、排外主義言説がいかにもお手軽に使えるようになっているということである。

その場合、発言者本人には、必ずしも、排外主義の思想も意図もないかもしれない。単に「そう言えば、反応があるだろう」ということで出てくる言葉なのだから。(しかしそうであっても、発言者本人は確実に「排外主義者たちからの反応」を予期・期待しているわけで、排外主義と無縁なイノセントなぼくちゃんであるわけでもない。)

「アホが口から出まかせに何か意味のないことを言っている」だけなら、たいがいは相手にされない。私がTwitterで「大阪城はうちの別荘で、上沼恵美子に賃貸している」と投稿しても、「今、歩いてたら、空から大きなたらいが降ってきて、頭にごわんと当たって気を失った」と投稿しても、「マジっすか」「やばい」などと言いつつ《拡散》する人は誰もいないだろう。

しかし「大阪に持っている高級マンションを、金持ちの外国人に賃貸している(が部屋の使い方が "日本人" とは違う)」と投稿したらどうか。「今、歩いてたら、一目でそれとわかる風貌のお兄さんとぶつかって、のど元をつかまれた(上に、お兄さんの取り巻きが "日本語ではない言語" で何かを叫んでいた」と書いたらどうか。

それを、私のアカウントではなく、どこの誰だかわからないけれど「普通の日本人」を標榜する匿名アカウントでやったらどうなるか。(……っていう「社会実験」はすでにありふれたものになっているような気がするのだけれども。特に明確な根拠なく。)

件の「新宿のバーバリー」のデマは、何千件単位でRTされている(何か、数の概念がちょっと変わっている人がいて、「3千RTほどで「広まっている」とか言われるのもどうなんだろう」などというブコメもあるが)。中には「バカをさらしておきます」という趣旨でのRTもあれば、批判的に言及するためのRTもあっただろう。しかし母数がこれほど大きいと、「中にはそういうのもある」というのはほぼ無意味だ。それに、うちら、東京にいる者にとっては一笑に付すことが容易にできる「デタラメ」でも、東京をリアルに感じることができない距離感の人には、「念のため」的な留保をつけながらでも、深刻な何かとして聞こえるということは、これだけ情報通信が発達しても、80年代と同じように、あり続けている。





誰がRTしているのか。なぜRTしているのか。なぜ4000件以上もRTされ、《拡散》されたのか。

「ウヨ」という言葉で語るべき問題は、第一義的には、そこにあるんじゃないかと思う。

このコメントが指摘しているような「ただのホラ吹き学生」、このコメントが指摘しているような「目立ちたいから常習的に嘘ついてるタイプの大学ガキ」が、自分の中にこういうヘイトスピーチの構造を、完全にナチュラルなものとして取り込んでいるということに。

なお、「デマ」元となった人は、たとえ本人が「自分は政治的な人間ではない」と自覚していようが、そう主張していようが、そういう「ウヨ」反応を当て込んで「中国人」の行動をでっち上げていることは明白なので、(「ウヨ」であれ何であれ)「政治的な何か」とは無縁の発言であり、「冷蔵庫の中に入って写真を撮ってツイートするアホと同じだ」と言い張ることもまた、なめんなよ、的な意味で「ナイーヴすぎる」。「政治的な何か」とは旗を掲げたりデモ行進したりする以前に、個人の中に取り込まれ、内面化されているのがデフォだ。今回の場合、その「政治的な何か」が、何かあると「トクア」だ何だと言い出す構造であるというのが、この「デマ」元にも、それを粛々とRTして拡散している数千人にも、共通していると考えられる。それは広く社会で共有される何かになっているが、「法律で取り締まる、法律で罰する」云々で対処できるものではない。「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」のだ。

はてブのid:seki_syoさんのコメント:
最初はほっとけと思ったけど、いいねを押した人達が仮に信じたとして、明日には話の種として、その何倍もの人が事実として聞く可能性がある。そう考えるとこのデマツイの悪影響はデカすぎるし想像以上に罪は重い。

http://b.hatena.ne.jp/entry/304090292/comment/seki_syo


id:marsrepublicさん:
この記事Yahoo!ニュースでもピックアップされてるけど、案の定あれがアレで地獄だった。見なきゃよかった。

http://b.hatena.ne.jp/entry/304090292/comment/marsrepublic


「あれ」が「アレ」なんっすね。

他人様が「見なきゃよかった」と述べておられるものをあえて見に行って大丈夫なような状態ではないので、この記事ではなく別の記事だけどたまたま見たもの。2番目のね。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6217430

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日本はもう、ずいぶん前からこうなってる。そして、こういうのを見たくない人は単に見ないようにしている(私も基本的には見ない)。そしてこういった言説は、そういうのを見たい人、そういう話をしたい人たちの間だけで増幅され、その増幅の過程と結果はネットにアクセスしさえすれば誰でも見ることができる。そして、多くの場合(Yahoo! Japanの場合は記事リンクが切れたらそれで終わりかもしれないが)、それらのネット上での蓄積は、ずっと後まで参照可能な形で残る。そして、今日のこの流れ、この文脈を知らない「次の世代」が、いつか、これを「過去の事実」として参照する。



via はてブなのだが、BuzzFeed Japanの徳重記者と、当の「デマ」元とのTwitterでのやり取りが、もうね。

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で、これ見てて気づいたんだけど、この人、1つの語の中で濁点を2箇所使うと、魔法がとけて蛙になってしまう呪いがかかってたりするのか?

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こちらによると、有名大学の「基幹理工学部情報通信学科」に学籍のある学生さんのようだというが、そうだとしたら、外来語(カタカナ語)における濁点の欠落という頭の痛いヒューマン・エラー(「ベットのマットレスを買い換えた」、「デビット・ボウイの最後のアルバムが痛々しくて聞けない」、「ティーバックでハーブティーを淹れた」など)についての何らかのソリューションをお持ちだったりするのだろうか。うひょう、それはすごいことだ。

あと、「(BuzzFeed Japanはやってることはいいのに、BuzzFeedという名前がもったいないという反応があるが、)名前がもったいないじゃなくてBuzzFeed Japanが来る前にバズをゴミワード化した日本のブロガーが悪い」……わけではなく、(日本に来る前に、アメリカやイギリスで)BuzzFeedという媒体がbuzzというマーケティング用語を「ゴミワード化」したんだと思う。(「ゴミワード」というのは、「消費者の口コミ」が、「メーカーが消費者の口コミを依頼する」という歪んだものと成り果て、本来の「口コミ」が本当に顔を知っている間でないと十分に信用できないというものになった、というようなことだろう。「バズ」に関して言えば、「閲覧数・表示数が上がればそれだけで目的達成」という傾向か。)

BuzzFeedがイメージ悪いのは自分でまいた種だ。アメリカで始まった当初のBuzzFeedは他人の文章や写真をパクって「おもしろい行動をする子猫25選」、「デートの失敗あるある集」のようなまとめ記事、軽い読み物記事を、信じられないほどのペースで量産するだけのウェブメディアだった。有名になるにつれてオリジナル・コンテンツも増え、さらに、例えばPolitico.comに倣ったようなシリアスな媒体になろうとする過程で、パクって量産されたような都合の悪い過去記事は数万件単位で削除され、葬り去られ、それらの記事群によって築いた知名度、つまりネット上での順位と潤沢な資金を使って、シリアスなジャーナリストを集め、まともな「ニュース」部門を設立して現在に至る。BuzzFeedのニュース部門は読み応えのある記事が非常に多く、フィナンシャル・タイムズやガーディアンのような大手のシリアスなメディアからもがんがん人が移籍している。一方で、そういう媒体になった今もまだ、ネイティブ・アド、記事広告、ステマ絡みの問題も生じている(ウィキペディアに書いてあると思う)。

それから、BuzzFeed Japan編集長のこのツイートの件:



First DraftはTwitterでフォローしておくとよいと思う。

「デマの検証」については、BuzzFeedは以前から本気で取り組んでいる。2012年に米東海岸に上陸した巨大ハリケーン「サンディ」で甚大な被害が出た際、確かBuzzFeedの看板記者のひとりが「デマ写真」に釣られ、すぐにTwitterで同業者から指摘されるということがあったのだったと思う。その後、BuzzFeedは何かあると「デマ検証」の記事を出すようになり、そういった動きは、オンライン・メディア全体でのそのような取り組みの組織化を加速させた。

「ニセ写真」を、慎重に賢く見抜くには〜ハリケーン「サンディ」の事例から(2012年10月末〜11月初)
http://matome.naver.jp/odai/2135165075038988901


http://matome.naver.jp/odai/2135165075038988901/2135175350550801103 だけでも見ておいてください。
How A Fake Storm Photo Goes Viral
http://www.buzzfeed.com/reyhan/how-a-fake-storm-photo-goes-viral

バイラル元のFBのページの主が事情を説明。いわく「私のところにはある人からtext messageで送られてきた。その人のところに画像を送ったのが、ニューヨーク在住のその人の友人である。ニューヨークの人がその人に、あれは作り物のニセ画像だと言った」。

要するに、友達が「すごい!NYCの友達からこんなの送られてきたよ」と携帯電話で回してきたので「おお、すごい!」とFBにアップした、という経緯ですね。


あと、これ。今読むとかなり……。2012年大統領選直前で、オバマが嫌いな反連邦政府の陣営が、オバマと連邦政府を貶めたり、業務妨害したりするような内容のデマを流していた。

ハリケーン「サンディ」で、ソーシャルメディアで広がった「デマ」と、その対策(※NHKの記事は変です)
http://matome.naver.jp/odai/2135199671379300501


こんな感じ:

※この記事は

2016年10月13日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:00 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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