「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2017年06月09日

英総選挙、開票が進んでいます。

現地8日の午後10時(日本時間で9日の午前6時)に投票が締め切られ、即座に公表された出口調査によると:
Conservative 314
Labour 266
SNP 34
Lib Dem 14
Plaid 3
Green 1
UKIP 0
Other 18
https://twitter.com/BBCBreaking/status/872921211029909506

むろん、出口調査が正確とは限らないし、実際、しばらくの間は保守党寄りの立場の人々の間からあがる「出口調査はあてにならない。前回の総選挙でも……」といった声がTwitterでは非常に目立っていたし、実際に開票が終わった選挙区が出始めるとその数値を根拠として「保守党への票が過小評価されている」との分析がかなり多く見られたのだが、英国は全部小選挙区制だから、「全体として得票が増えても、議席数は減る」ということが普通にありうる(2015年総選挙での労働党がそうだった)。

ともあれ、解散総選挙が告知されたときには「保守党の圧勝」が予想されていたが、5月23日のマンチェスター、6月4日のロンドンと、現首相のテリーザ・メイが内相だったときに見落としていた過激派によるテロが続き、またメイがまともに討論の場に出てこようとせず、「強く、安定した政府」なるスローガンの連呼と、労働党のジェレミー・コービンに対するスミア・キャンペーンに明け暮れる中、投票日直前になって「接戦」という予想が出るようになっていた。それどころか「政権交代もありうる」という事前分析もあったほどだ。

昨年保守党の党首となったメイが「2020年(の事実上の任期切れ)まで選挙はしない」としていた方針を覆し、解散・総選挙という荒業に出た(それも「不意打ちで告知する」ようなことをして)のは、ひとえに「政権基盤の強化」が目的だった。Brexitという難行にあたるため、EU残留派の声が大きいという議会を一新しようとしたのだ。保守党の親EU派議員の重鎮ケネス・クラークは今回の総選挙には立候補せず引退することとなった。

しかし、メイ本人があまりにぐだぐだだった。「強い政府」と叫びながら、国家財政の緊縮を理由に警察官の人員削減。彼女の脳内ではそれでうまくいっていたのかもしれないが、リアル世界ではマンチェスターでは自爆攻撃、ロンドンでは二度にわたって自動車暴走による攻撃が発生し、英国人も外国人も含め数十人が尊い命を奪われた。

そういう中で行われた投票だ。

現状、大変にinterestingなことになっている。投票締め切りから3時間が経過して、いくつか結果が発表されつつあるのでここまでブログに書いたが、詳細はTwitterにて。ケンジントン&チェルシーとかパトニーとか、見所はたくさんある。
https://twitter.com/nofrills



アップデート:
実際の獲得議席数は下記の通り(やはり出口調査では保守党が過小評価されていたともいえるが、おそらく誤差の範囲内だ)。
via https://en.wikipedia.org/wiki/United_Kingdom_general_election,_2017#Results
Conservative 317 (出口調査では314)
Labour 262 (同、266)
SNP 35 (同、34)
Lib Dem 12 (同、14)
Plaid 4 (同、3)
Green 1 (同、1)
UKIP 0
Other 18

Otherってのは北アイルランド枠で、内訳は、DUPが10、Sinn Feinが7、Independent(シルヴィア・ハーモン)が1。そしてこの中から、もう "other" 扱いされなくなる党が出てきたのが今回の選挙結果だが、それは別項にて。

※この記事は

2017年06月09日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 09:24 | TrackBack(2) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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世界よ、これが英国の選挙だ(爆笑)
Excerpt: 英国の総選挙が「おもしろい」結果になった。「Brexitのため、EU残留派を排除して足元を固めたい」という理由から、「2020年まで選挙はしない」としてきたのを撤回して議会を解散し、2017年6月に総..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2017-06-09 20:32

英国の総選挙: 保守党は勝たなかったが労働党が勝ったわけではない。そして結果は「想定外の最悪」だ。
Excerpt: 「コービン労働党の躍進」という《物語》のほうがウケがよいだろうが、当ブログはそういうことは語らない。「コービン労働党の躍進」は嘘ではないが、現実を見る上ではトイレットペーパーくらいの役にしか立たない。..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2017-06-11 18:01

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼















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