kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2016年07月10日

保守党党首選で最後まで残っているアンドレア・レドサム(レッドサム)について

「いずれにせよ、英国の次の首相は女性」という表面的な見方がされているが、男とか女とか、そんなん結局はゴシップにしかならないわけで、その人が女であることより、どういう理念を抱き、思想を持ち、政策を実行していくかのほうが重要なのは、当然のことである。保守党党首選挙の最終ラウンド(2人の候補による1対1の投票)を前に、そういった「理念」「政策」系の話がここ数日増えてきている。

アンドレア・レドサム(レッドサム)という議員は、今回の保守党党首選までは、ほぼ「無名」だった。より厳密にいうと、保守党政権で要職に入ってはいても閣僚ではなく、日々のニュースに出てくるような人ではなかった。
https://en.wikipedia.org/wiki/Andrea_Leadsom

EUレファレンダムの結果が出たあと、デイヴィッド・キャメロンが退陣することになり、ニュースの関心は瞬時に「次は誰になるのか」に集まった。そのときはまだボリス・ジョンソンが最有力と言われていたが、既報の通り、マイケル・ゴーヴに「後ろから刺されて」失脚、そのゴーヴは保守党党首選に立候補はしたものの、最後まで残ることはできなかった。

ジョンソンが消えたあと、一貫して「最有力」と言われているのはテレサ(テリーザ、テリーサ)・メイ内務大臣で、この人は英国ではしょっちゅうニュースに出てくるおなじみの顔だ。

そのメイと、最終的に党首の座を競うことになったのが「無名」のレドサムだが、この人が注目されたのは、Leave陣営の政治家たちが推しまくっていたからだけではなく、無名政治家ゆえの「新鮮味」があったからだ。だが、「テレサ・メイやマイケル・ゴーヴなんかより、まし(まとも)な人かもしれない」という期待を抱いてアンドレア・レドサムについて記事を読む、ググるなどした人々(投票権のある保守党員に限らない)の多くは、ガックリと肩を落とすなり、見なかったことにするなり、乾いた笑いを浮かべるなりすることになっただろう。

ネットでは多くの「まとめ」記事が出ていると思うが、私がたまたま見て「わかりやすい」と思ったのは下記のMetroの記事である。レドサム議員ご本人のブログをいろいろ掘って、まとめたものだ。

Here are some brilliantly bizarre things Andrea Leadsom believes
Thursday 7 Jul 2016 5:31 pm
http://metro.co.uk/2016/07/07/here-are-some-brilliantly-bizarre-things-andrea-leadsom-believes-5993147/

「両親がそろっていない子供は犯罪者になる」とか、「結婚もせずに子供を作る者は、子供を虐待することになる」とか、いわゆる「家族の価値」至上主義者で、ぶっちゃけ、トンデモさんである。同性結婚に反対していることはすでに大きく報じられていたので、この記事では特に取り上げられていない。

英国であれ日本であれ、そこそこ進んでるはずの社会にこういう価値観の人がそれなりに実力のある立場に存在するというと、「いまどき、そんな人が……」という反応が返ってくることがよくある。特に都会の、育ちのよい「リベラル」の人たちはそうだ。周囲にこういう人がいないのだろう。だが、現実に、こういう価値観の人は存在するし、それも決して「広い世間のごく一部」とはいえない。英国でBrexitの結果を得て勢いづいている「草の根保守」は、都会人が都会で作っているメディアが描き出す「モダンでリベラルな価値観を広く共有する社会」に違和感を覚えていた人たちでもあり、レファレンダムの結果が出たときに「自分たちと同じ選択をした人々」が、実は、社会の過半数であることに安心し、喜んでいる人々である。

かつて、イラク戦争反対運動の最盛期に、反戦運動の側のスローガンで We are many. というのがあったが(同名のドキュメンタリーもある)、Leave陣営の「草の根保守」の人々はまさに、We are many. という心境だろう。

アンドレア・レドサムは、そういう人たちの支持を受けている。

それについて、「レドサムが保守党の党首になったら、草の根の支持で決まった党首のせいで党が大混乱している労働党のようになるかもしれない」と言っている人もいる。




デイリー・テレグラフでこのように述べているプリティ・パテルは、テレサ・メイの支持を明確にしている

候補がメイとレドサムの2人に絞り込まれたあと、保守党の党首選はしばらく時間をかける。投票が行われ、結果が出るのはほぼ2ヶ月先だ。
5 July 2016 – Liam Fox is eliminated in the first ballot held by the Parliamentary Party and endorses Theresa May; Stephen Crabb withdraws from the race and endorses Theresa May.
7 July 2016 – Michael Gove is eliminated in the second ballot held by the Parliamentary Party; Theresa May and Andrea Leadsom proceed to the party membership ballot.
8 September 2016 – Closing date for the party membership postal ballot.
9 September 2016 – New leader announced.

https://en.wikipedia.org/wiki/Conservative_Party_%28UK%29_leadership_election,_2016


最終候補に残ったレドサムには、いろいろと「まずい話」が湧いて出ている。個人の価値観や思想、理念、政策についてではない。「経歴詐称」だ。経歴を詐称して(つまり嘘をついて)国会議員になってるわけで、大々的に「やめろ」コールが起きても不思議ではないのだが、そういうふうにはなっていない。

具体的にどう詐称していたかというと、職歴として「シティ(金融街)でディレクターだった」とか「銀行家だった」と述べていたのが、実は「シティの銀行に勤めていたことがあった」くらいだったそうで、なんだっけ、あのショーン・マクアードル氏もあの「いい声」で笑っているに違いない。

で、最近、このような「嘘」、「虚偽」について、英語圏では post-truth と呼ぶことがすっかり定着している。



元々は、2004年に出された書籍があるようだ。

posttruth.png


Post-truthの社会では、「履歴書をちょっと盛る」ことは当たり前、デフォの状態になってしまっているので、この経歴詐称は、笑い話のネタになりこそすれ、レドサムの足を引っ張ることはないだろう。「履歴書なんかただの紙切れ、要はその能力があるのなら問題ない」という弁護は、いくらでも可能である。















↓↓東大とかJAXAとかに絡んできそう (^^;)




まじめな話、こうですけどね。




バディエルさんのこれに、↓こんな反応↓があるという……冗談じゃなければ、ものすごい反知性主義。



これが、現実の世界なんです。タイムズもデイリー・メイルと区別がつかなくなる。
























※この記事は

2016年07月10日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:30 | TrackBack(1) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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英国、次の首相がテリーザ・メイに決まった顛末(レドサムの撤退について)
Excerpt: 日曜日にブログを書いて レドサムのことを説明した テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ テュリャテュリャテュリャテューリャーリャー 月曜日にレドサム降りた あたしの作業は無駄だった テ..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2016-07-12 11:51





【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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