昨晩(というか今日未明)、Twitterで、これまで見たことのないアバター(アイコン)の、これまで見たことのないIDの人から、いきなり「それなら何も発言しなければいいと思います」と言われました。所謂「絡まれた」状態ですね。インターネット老人会に代々伝わる教えとしては、そういうときにまともに相手にすると自分が深手を負うので、関わらないのが一番です。「荒らしはスルー」という格言ですが、Twitterで遭遇するのは必ずしも「荒らし」の挙動とは限りません。ただ当方は個人的にネット内外で、「何とかこいつの言質を取ってやろう、都合の悪い発言を引き出してやろう」とふっかけてくる人には何度も遭遇していて、そういうのには、ねこがちゅ〜るに敏感なのと同程度に敏感になっています。(時には、ねこが人間が食べるゼリー的なものをちゅ〜るだと思い込んでしまうように、勘違いすることもあるかもしれません。)
今回「絡んで」きたのも、そういう人だろうと判断されました。たった140字のツイート内で論点をずらしていくタイプ(自分では「論点ずらし」だと気づかないタイプかもしれません)。そもそも前提がおかしい(こちらが言ってもいないことを言ったことにしていたり、共通の前提としていたりする)。そういう人とは、普通に面と向かって話をしていてもまともな対話にはなりません。ましてやネットではとても難しい。Twitterなんていう文脈も示せないような場では無理です。
そしてTwitterでは、そういう「対話」っつーか「会話」をしていれば、ギャラリーがわらわらと寄ってくるわけです。いったんギャラリーが寄り始めたら、ここはお江戸じゃねぇんだ、喧嘩は花じゃねぇ、見世物じゃねぇんだ、っつっても通じない。はてなブックマークで「もめごと」とかいうタグをつけられて晒されるのがオチです。
そうなったらハイウェイ・トゥ・ザ・「炎上」。この年末の忙しいときに。
そして、昨年から今年にかけてわかったことは、「ネット上のもめごと」や「ネット上の炎上」は、リアル世界での暴力と無縁ではないということ。ただでさえ脅されている身としては、これ以上のトラブルはごめんです。周りに延焼しでもしたら目も当てられないし。
というわけで、私のTwitterは、これからは「中の人がいるコピペbot」のようなものになります。メモしておきたい記事の見出しとURLをフィードし、抜粋をコピペするだけにします。
私はアクティビストじゃないし、所謂「Twitterアクティビズム」みたいなのは生温かく見てるだけですし(今回の英国の選挙でも見てるだけでとても疲れた)、元々ハッシュタグは情報共有and/orポインター(「ここ見てね」という意味で)のためにしか使ってないんですが、ハッシュタグを使うと「この人はアクティビズムの人だ!」と喜んで飛び掛かってくる無邪気なわんこみたいな人もいて、そういうタイプの人が「《なんとか》狩り」に興じているときは(今回はTERF狩りですね。私はTERFじゃないですよ。むしろ逆の立場。とか書くと「証拠を示せ」「私が納得するように説明しろ」とか言ってくるんだろうな……これまで何度もあったように。ログでも何でも勝手に掘ればいいじゃない、あるんだから)、「お前が《なんとか》でないことを俺が納得できるように証明できるまでは離さないぞ!」ということになるわけです。
関わりたくないです。
以下、一連の経緯の記録です。
以下、ツイートをエンベッドしますが、これから数日の間は私は自分のアカウントに鍵をかけるので、読みづらくなると思います。どうしても読みづらいようなら、スクリーンショットをご参照ください(長いので4分割してあります)。
https://nofrills.up.seesaa.net/image/screenshot-nofrills.seesaa.net-2019.12.20a.png
https://nofrills.up.seesaa.net/image/screenshot-nofrills.seesaa.net-2019.12.20b.png
https://nofrills.up.seesaa.net/image/screenshot-nofrills.seesaa.net-2019.12.20c.png
https://nofrills.up.seesaa.net/image/screenshot-nofrills.seesaa.net-2019.12.20d.png
では、以下一連の経緯。そもそも発端は、TrendsにJ K Rowlingの名前があったのに気づいたことでした。総選挙〜クイーンズ・スピーチ関連で何か発言しているのかなと見てみたらそうじゃなかったんすけどね:
Dress however you please.
— J.K. Rowling (@jk_rowling) December 19, 2019
Call yourself whatever you like.
Sleep with any consenting adult who’ll have you.
Live your best life in peace and security.
But force women out of their jobs for stating that sex is real? #IStandWithMaya #ThisIsNotADrill
ローリングの言っているのはこういうこと:
服装は自分の好きなようにすればいい
自分のことをどう呼ぶか(自分の人称代名詞)も好きなようにすればいい
相手との合意があって相手が大人で、双方納得の上なら、どんな相手とでも寝ればいい
自分の人生を精いっぱいに、平安で安全に生きていくことは当然のこと
でも、性別は現実だ(フィクションではない)と述べたことで、女性を失職させる?
https://t.co/aRol2m6gnV これでTERF扱いされたら私も何も発言できなくなる。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
Judge rules against researcher who lost job over transgender tweets https://t.co/WZH5Oiy4cL この件。故デボラ・オーがTERF呼ばわりされたのもこの関連。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
何でそんなに分断したがるんだろう。何でそんなに「敵」認定したがるんだろう。何でこんな当たり前のことを言ったら「それが当たり前だというほうがおかしい」的に叩かれるのだろう。何でそんなに性別にこだわるんだろう。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
明らかなトランスフォビアと、「子宮がないなら子宮がん検診は必要ない」的な事実のステートメントは別でしょうに。何が "absolutist" だよ。子宮がある者が全員望んでそれを持っているとでも思ってるんだろうか。ばかばかしい。何でそんなことで分断し断罪しようとするんだ。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
それなら何も発言しなければいいと思います。
— アレク進太郎 (@alekshintarou) December 19, 2019
「『何がセクハラ扱いされるかわからない』とか言うなら何も言うな」というのと同じ話です。
知識を得て下さい。現実を受け入れて下さい。話はそれからです。https://t.co/ACJkLliQep
Twitter上では議論はしませんが(文脈も示せない場で議論はできません)、私はJ. K. ローリングの発言を自分の発言とする気はないということはお伝えしておきます。他者が他者の考えを言明したときに「差別だ」と断罪できる限度を超えているというのが私の考えです。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
……と言われたので、発言やめます。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
さようなら。
これからは、知り合いとのやり取りの他は、英語記事のフィードだけになります。 https://t.co/8NZwvHs7vW
※ここでうっかり「英語記事の」と書いてますが、英語に限らず日本語の記事のフィードもします。他の言語のもあるかもしれません。
https://t.co/UoFYicakvf あ、フィードだけじゃなくてRetweetもする。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
https://t.co/U4tPNrVWpK そうやって、他人の意見表明の権利、他人が語る権利を全部刈っていけばいいんです。あとにはぺんぺん草も生えない。そうやって浄化された世界が望ましいとお考えなのでしょうから。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
私はMayaさんの語る権利を、断片的にしかわからない情報に基づいて、制限しようとは思いません。#IStandWithMaya だから私は沈黙します。これからはコピペbotになります。お知り合いの方々はこれまで通りよろしくお願いします。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
最後に私の考えを示しておきます。私は「自分はheだ」と認識する人はmaleであれfemaleであれheと呼ばれるべきだと思うし、sheならばsheと呼ばれるべきだと思うし、普段そのように行動しています。(日本語は三人称の代名詞を使わず「〇〇さん」で呼ぶのでその点、やりやすい言語だと思いますが。)
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
こういう点で、Mayaさんとは考えが違うようです。けれどもMayaさんの発言は、彼女が失職する理由にはならないと思います。私とは考えが違うけれども、だからといって彼女が語る権利を失ってよいわけではない。ヴォルテールの言葉とされている例のあれです(ほんとはヴォルテールの言葉ではない)。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
そして、Twitterってのは、こういう発言をすると「知らないのなら喋るな」と恫喝されるような場であるということも私は認識しています。深入りするとつるし上げられてさらし者にされるだけなので、ここでおしまいです。では、さようなら。以後このアカウントは半ばbotになります(中の人がいるbotに)
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
しつこいです。「セクハラ」の話など、誰がしていますか。もうやめてください。あなた、私の「セクハラ」についての発言をお読みになっているのですか。しつこいです。やめてください。 https://t.co/mha2EbtmLI
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
一度も話をしたことのない人、見たことのないアバターのアカウントからの恫喝と圧力によって、私は発言をやめます。Mayaさんのケースの報道記事にはこのようにあります: 'Forstater has been supported by Index on Censorship. Its chief executive, Jodie Ginsberg, has said previously: ...
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
'... “From what I have read of [Forstater’s] writing, I cannot see that Maya has done anything wrong other than express an opinion that many feminists share – that there shld be a public and open debate abt the distinction between sex and gender.”' IoCの意見を私はシェアしています
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
そして、"a public and open debate" はTwitterでは不可能です。文脈が示せないし、一般論としてネットでは、攻撃的な人がどんどん攻撃的になって、タコツボの中で黒ひげ危機一髪ばりにがんがん刺してくるから。というわけでおしまい。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
私は「TGは女湯に来るな、女子トイレを使うな」みたいなバカげた閉鎖的言説に対抗した側のひとりですよ。念のため。通りすがりの人は知らんだろうけど。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
※この話はTwitterではあまりやってないです。はてブのほうが多いと思う。Twitterではretweetはけっこういろいろあるかな。
【お願い】この一連の発言はTogetter, Naverなど「まとめ」に使うことはご遠慮ください。文脈を示さない形で単独で抜き出してのご利用もおやめください。っていうか鍵かけとけばいいのか。しばらくの間、鍵かけますね。2日間くらい?
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
燃やされたらたまらんですからね。寝て起きてしばらくするまではこのままにしておきますが、明日、いずれかの時点で鍵かけます。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
私はMtFの人から「あんたはいいわねぇ、女らしくって」的なことを言われたことを忘れません。生物学的な性を拒否していない者が、必ずそれを受け入れているわけではない、という単純なことすら理解しようとせず、自らの性規範を押し付けてきたTGの特定の人物のことを忘れません。Never forget.
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
規範を押し付けてんのは誰だよ。何が「もっと知ってください」だよ。おまえら、うちらみたいなの(名前すらついていないようなもの)のことを「知って」んのかよ。そういうことがTwitterの文面からわかんのかよ。Male/femaleの二分法の世界は実はそういうshadesでいっぱいであることは自明だろうが。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
何が「女らしい」だ。そんなもん、ノシつけてくれてやるよ、可能であるならば。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
https://t.co/6fyVp2zTma #IStandWithMaya pic.twitter.com/z3iKLgsz6i
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
Is it real that stating sex is real should violate someone's human rights? Post modernism at its highest (or worst). I don't feel offended if someone just says that my eyes are almond-shaped, or my skin is yellow-ish. That's called factual statement.
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) December 19, 2019
↑英文法ミスは見逃してください(制限文字数内に収めるために2文を1文に圧縮したときに、or thatのthatを落としてしまった)。
この件を告知するために、鍵かけてる間はTwitterのヘッダ画像を下記のものに変更してあります。鍵を外したら元に戻します。
※元のヘッダ画像のダウンロードですが、現行のTwitterではview sourceからヘッダ画像URLが確認できるので、それで落としました。ウェブ検索すると前のスタイルシートのときの面倒なやり方の指南が出てくるのですが、今はシンプルに戻ったみたいです。ただしChrome拡張で前のスタイルシートでの表示にしてあると普通にはできないので、拡張を切った環境(incognitoモード)で自分のTwitterページを開いてview sourceすることになります。
※この記事は
2019年12月20日
にアップロードしました。
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