「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2019年10月27日

hontoで講談社学術文庫のセール中。『怪物ベンサム』やウェルズの『世界文化小史』、ベーダの『イングランド教会史』が安い

EBPD13107.pngオンライン書店のhontoのサイトを見ていたら、講談社学術文庫のセールをやっていた。いわく、「紙で入手困難な本」(品切だったりする本)が30%オフになっている。10月31日まで。

ざっと見てみたところ、日本史の本が多いのだが(徳富蘇峰の『近世日本国民史』がずらっと並んでいるほか、 網野善彦『中世再考 列島の地域と社会』があり、また、太平洋戦争関連の本なども何点も入っている)、歴史以外のジャンルでも田中克彦『ことばとは何か 言語学という冒険』などがあるし、あと、カントの『純粋理性批判』(全4巻)もある。

ところで、どうでもいいが、「カント」をペンネームの一部にしているラノベ作家がいるために、hontoの電子書籍を「カント」で検索すると、乳房がサッカーボールのように丸くグロテスクに強調されたような発情期and/or男子中学生向けのグロ絵がずらずらと表示されて、うっとうしく不快なことこの上ない。ドイツのカントの本を探している人間がラノベ表紙絵をしつこく見せられるのは、ノイズを超えて、苦痛でしかない。電子書籍書店はこの点、本当に考えてほしい。実店舗ではラノベだのマンガだのは売り場が分かれているので問題が生じることはないのだが、同じ思想でネット書店も構築してくれないだろうか。ラノベだの何だのは、「ジャンルごと表示しない」ボタンをもうけるべきだ。これは「表現の自由」の問題ではなく、単に「買い物の邪魔」という問題である。コンビニにツナのおにぎりを買いに行ったら、おにぎり売り場にツナ関連の売れ線だからといってツナサンドやらツナクリームパスタやらちゃおちゅ〜るやらがずらずらと並んでいて、肝心のツナおにぎりを探すのに2分も3分もかかったりしたら頭にくるだろう。そういうことだ。実際、ラノベとやらが売れ線であるらしい電子書籍販売店では、何を検索してもラノベが出てくるので――それこそ「コレット」なんかひどいありさまだ。私はフランスのあのコレットの本を探しているという場合でも――、本当にうっとうしくてかなわない。

閑話休題。で、その講談社学術文庫のセールで、何点か英国関連のものもあったので持ち帰ってきた。繰り返しになるが、10月31日までが3割引きの価格である(それを過ぎても平常価格で購入はできるが)。

まず、H・G・ウェルズの『世界文化小史』(下田直春訳)。「商品説明」欄よりコピペすると: "「宇宙戦争」「タイムマシン」などのSF小説で知られるウェルズは、その後半生には世界平和を希求し、国家主義を排した普遍的な世界史叙述に取り組んだ。第一次大戦の惨禍を経て、さらなる大戦争の恐怖を前に執筆された本書は、地球と生命の誕生に始まる人類の歩みを大きな視点で物語る。……"

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それから、土屋恵一郎『怪物ベンサム』。この本、おもしろいんっすよ。文庫の元は90年代の単行本(版元サイトより、「本書の原本『ベンサムという男 法と欲望のかたち』は、青土社より1993年刊行されました」)。英国の児童文学とかはさほどはまらなくても、英語を勉強してるうちに(日本での主流である米国でなく)英国にはまっちゃう人って、だいたいこの辺とは無縁でいられないと思う。ちなみにこの表紙は肖像画ではなくご本人(ベンサムはいろいろあってな……ウィキペディアに書いてあるよ)。

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さらにどん。ベーダ・ヴェネラビリスの『イングランド教会史』(高橋博訳)。詳細はウィキペディア参照。「731年に校了」ですってよ。商品説明より: "古代ローマ時代から8世紀初めまで、アングル人、サクソン人、ジュート人、そしてさまざまな侵略者たちは、いかにしてイングランド人として統合されていったか。初代カンタベリ大司教アウグスティヌスを始めとする伝道者たちの行跡、殉教者の苦難、さらに世俗権力の興亡を活写し、「イギリス史の源泉」と称される尊者ベーダ畢生の歴史書。アルフレッド大王版で読む待望の新訳。(講談社学術文庫)"

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その他、これは通勤通学の電車の中で読んでおもしろいんじゃないかという本。

梅田修『世界人名物語』。「世界」といっても、おおむね、古代ギリシャ・ローマと西洋(ドイツから西)のこと。商品説明より: "神々や英雄への憧憬、聖人や名君への賞賛から生まれた名前。歴史と文化に根ざす人々の思いと固有のイメージがこめられている名前の由来と変遷をさぐり、多様な文化の交流と積み重ねの上に成立しているヨーロッパの発想、価値観、社会観を明らかにする。ギリシャ・ローマ神話からハリウッドスターまで、人名で読み解くヨーロッパの文化、歴史、民俗。(講談社学術文庫)"

【期間限定価格】世界人名物語 名前の中のヨーロッパ文化税込616(2019/10/27時点)


綾部恒雄『秘密結社』。このトピックで、ここまで潔いタイトルは珍しいんじゃないか。副題すらついていない。

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最後。太平洋戦争(第二次世界大戦)関連ではこちらが安く買えるようになっている。河野仁『〈玉砕〉の軍隊、〈生還〉の軍隊 日米兵士が見た太平洋戦争』。文庫になる前は講談社選書メチエだった。メチエ版のAmazonのページに参考になるレビューが多く掲載されている。

【期間限定価格】〈玉砕〉の軍隊、〈生還〉の軍隊 日米兵士が見た太平洋戦争税込770(2019/10/27時点)

こういう本が、たとえ紙では入手困難になってもいつでもサクっと買えて読めるのが電子書籍の最大の利点。どんどん利用しましょう。



というわけで、ここまで、hontoで「紹介プログラム広告」というのが利用できるようになったとのことで、そのテストも兼ねて書いてみました。hontoは実店舗では丸善・ジュンク堂と文教堂で、電子書籍事業・サイト運営はDNP。電子書籍は端末の機械はなく、PCやスマホ、タブレットでアプリを使って読むという形になります。

こちらでの「紹介プロブラム広告」を通じてお買い上げいただけた場合、キックバックは私の書籍代になります。あれ買った、これ買ったということはあまり公言しないようにしているので買った本のリストなどは公開していませんが、当ブログで言及するような本を購入しています。

あと、seesaaのほうで「ads.txtファイル設置について」という告知が出ていて:
https://info.seesaa.net/article/470735294.html

Google AdSense周りで何かしないといけないようなのだけど、設定しなければならない「タグID」というのが何のことなのかわからなくて(「アカウントID」はすぐにわかる)、Google AdSenseの方もちょっと調べてみたんだけど、全然何のことなのかわからないのでちょっとやってみて断念・放置。Google AdSenseは10年以上前に設置してそれっきり基本放置だから、この「タグ」だの「コンバージョン」だのがわからないし、そもそも興味がなく、5分以上の時間はかけられないんすよね。というわけで、近いうちにGoogleの広告が配信されなくなってるかもしれません。

【追記】あ、これか。これでやっておこう。
https://support.google.com/adsense/answer/7532444?hl=ja
パブリッシャー ID を ads.txt ファイルに追加する

1. AdSense アカウントにログインします。
2. ホームページの警告で、[今すぐ修正] をクリックします。
3. 下矢印 をクリックして [これらの ads.txt ファイルに、ご自身のサイト運営者 ID を追加します] というメッセージを開きます。
4. [コピー] をクリックします。
5. その行を各 ads.txt ファイルに貼り付けます。
ads.txt ファイルは次のようになります。ここでは、「pub-0000000000000000」はご自身のパブリッシャー ID です。

google.com, pub-0000000000000000, DIRECT, f08c47fec0942fa0


※ウェブ検索にて、via https://dare-tame.com/google-adsense-ads-txt/
書いててくれている人がいてよかった。

※この記事は

2019年10月27日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 08:00 | 書籍系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼