事件の前日、フランスでは警官たちが、いわゆる「ブラックな」労働環境に抗議してデモを行っていたが、3日の事件は、警察からの公式のステートメントがまだ出てなくてもろもろ不明だった段階でも、デモと関係があるということは言われていなかった。実際にデモとは無関係だったようだ。
衝撃的な事件の後、しばらくは(フランスの事件報道ではよくある)情報錯綜と情報統制の奇妙な共存が続いていたようだが、日本時間で土曜日になって、「予備捜査の結果、容疑者が過激思想に傾倒していた可能性があることが示された」という報道がなされている。このAFP以外の報道記事を見ると、仕事で過激派の情報に接していたということだ。一方で、自宅の捜索では過激化の兆候は一切見つからなかったという。職場で過激化されていたと仮定して、自宅には過激化を示すものは何もなかったとすると、自宅には職場のものは一切、情報の一片たりとも持ち帰っていなかったのだろう。
そういうこと(職場と自宅とは完全に別にすること)が要求される仕事だったのだろう。
――ここで私はおまじないのマニキュアを塗る。15歳女子を装ってネットでイスイス団の人員と接触し、彼らのリクルート(人員募集)活動がどのように行われるかを身体を張って報告したフランスのジャーナリスト、アンナ・エレル(仮名)の本にマニキュアのことが書いてあって(「15歳女子」を自分の元に来させようとするイスイス団の男は、Skypeの画面で彼女が爪を塗っていることに気づき、そのようなことはしてはならないというくだらない教義を言って聞かせる。ああいうくだらない教義は、カルト教団が声をかけた人物がその思想を本当に信じたかどうかを試す試金石として用いられるものとして典型的だ。日常の中のほんの小さな、くだらないことを変えさせることで「自分は生まれ変わった、別の人間になった」と思わせていく)、それを読んで以来、私はずっとそっち系の情報に接するとき(この指先でそのことについて書くとき)、発色のよいマニキュアを遠慮なく塗っている。あたかも指先にこれがあれば、ああいうのが浸透してくることが防げる、といわんばかりに遠慮なく。
ジハーディストのベールをかぶった私
さて、本題。パリでの事件について。
発生当日からの報道記事のツイート。
Paris police attack: Four killed by knife-wielding man https://t.co/shqh81F188 フランス、パリのシテ島にある中央警察署で職員とみられる男が刃物で4人の職員を刺殺、その後本人も警察に射殺された。公式ステートメントはまだ出ておらず、もろもろ不明の段階。フランス警察は昨日ストやってたよね
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 3, 2019
'The attack comes a day after police went on strike across France over increasing violence towards officers. It happened at about 13:00 local time in the courtyard of the building. President Macron, Prime Minister Philippe and Interior Minister Castaner have all gone to the site'
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 3, 2019
首相と内相が現場に行くのはわかるが、大統領が行ってるというのはちょっとひっかかるものがある。気のせいかもしれないけど、そういうシンボリックな意味のあることなのだろうかと。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 3, 2019
'According to French media, the attacker was a 45-year-old man who had worked in an administrative capacity for the Paris police force for 20 years. They said he had been working in the police force's intelligence division.' 刃物男は45歳でパリ警察勤務歴20年、情報部門職員と。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 3, 2019
Paris police attack: administrator kills four at police HQs https://t.co/imUwve4dNy ' The man, 45, had worked in the technology department since 2003. Public prosecutor, Rémy Heitz said ... anti-terrorist investigators were evaluating what had happened, for any terrorist links.'
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
'French media quoted police union officials suggesting the motive may have been personal.' (フランスのメディアの速報報道はあまり本気で追わない方がいいけど、これはガーディアンというフィルターを通しているので一応メモ)
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
'The victims were three male police officers from the anti-terrorist dep't at the prefecture and a female administrator in the public security dep't. A female employee of the human resources department was seriously injured and was operated on at the Percy military hospital.'
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
対テロ部門の警察官が3人も殺されたのなら、大統領が事件発生直後に現場に急行するのも当然か。動機は何であれ。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
Paris police HQ attack: search continues in bid to find killer’s motive https://t.co/skRUmrkIbH これが最新の記事で、事件は「殺人」として扱われており「テロ関連ではない」と。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
'The assailant, named in the media as Mickaël H, 45, was a computer scientist in the intelligence branch at police headquarters, and had worked for the service for 15 years.' 初期報道では勤続20年と言われていたと思うが、15年か。大した違いではない。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
'A young intern police officer, who had worked in the building for only a few days, called for the man to drop the knife. When he did not, the officer shot him in the head, killing him.' きっついなあ、これは……
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
さて、Twitterでは「容疑者が叫んだ言葉」がまことしやかにささやかれているが、実際にはそれを聞いたはずの人は全員死んでいるので(容疑者は、同じ部屋にいた3人の同僚を全員刺殺した)、何もわからない、ということが上記ガーディアン記事に書かれている。
'He was was stationed in one of the most important dep'ts, which coordinated anti-terrorist intel-gathering in the capital. ... There were no surviving witnesses from the room where he first attacked and killed three officers, so it was not clear what he may have said to them'
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
容疑者の妻は、凶行の前の晩、夫の行動が「通常ではなかった」ということを語っている。
'The attacker’s widow told investigators that her husband, who had a severe hearing disability, displayed “unusual and agitated behaviour” the night b4... The assailant had converted to Islam 18 mths ago, but initial searches at his home showed no sign of any radicalisation.'
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
ここまで、TwitterにフィードしていないBBC記事などもあわせ、報道にあった内容を改めてまとめると、パリ警視庁で情報部職員3人(いずれも男性)と人事部職員1人(女性)を刺し殺した容疑者は45歳のコンピューター・サイエンティスト。パリ警視庁に勤めて16年(15年とも20年とも言われているが、内務大臣の確定発言では、実際には「16年」ということらしい。フランス流の事件直後のごちゃごちゃした報道では15年も20年も誤差の範囲内だ)。2003年(つまり入庁以来ずっと)からテクノロジー部門に配属。聴覚障碍があり、18か月前にイスラム教に改宗したという報道がなされている(とBBCが報じている)。また、容疑者は最近職場で女性の同僚と話をしなくなっていたという報道もある(とBBCが報じている)。一方でフランス政府のスポークスウーマンは、容疑者が攻撃を行う前に過激化されていた(過激思想に染まっていた)と示すものは何もないとしている。「テロではない」という公式見解は、少なくとも金曜日までは保たれている。凶器の刃物は「キッチンナイフ」とか「セラミック製のナイフ」と描写されているが、容疑者が当日持ち込んだものなのかどうかはわかっていない(ひょっとしたら元々施設内にあったのかもしれない……そんなことは警察はとっくに事実を確認しているはずだが、容疑者が持ち込んだのか、元々建物内にあったのかどうかは公表されていない)。
だが、事件捜査は対テロ部門の担当となっている。
Anti-terror police take over Paris knife attack case https://t.co/xmIPUeduaS 'Counter-terrorist investigators are now investigating what led him to launch a knife attack on officers he worked with, whether it was premeditated and whether he entered the building w his own knife.'
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
パリ警察襲撃、対テロ検察が捜査 犯人に過激思想か https://t.co/DlCzDXhDtd "容疑者の所属はイスラム過激派に関する情報収集を担当する部署で、予備捜査の結果、容疑者が過激思想に傾倒していた可能性があることが示された"。カルト教団を調べていたジャーナリストが教団に入ってしまった、みたいな話
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
"容疑者宅の捜索では、過激宗教思想が動機だった証拠は見つからなかったという。"
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
容疑者は聴覚の障碍のため出世できないという不満があったとも。しかし「イスラム過激派に関する情報収集を担当」していた人の起こした事件だから、どこまで明らかにされるのかはわからない。
(英国だったらこの時点で「ああ、これはファイルが100年封印されるパターンですね」と判断できるんだけど、フランスでそういう制度的なことがどうなってるのかわからないので……)
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
(先日ツイートしたこれらの本 https://t.co/Wzd05RCyMB 読むと、もろもろ、具体的にイメージできるのではないかと)
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
三重スパイ イスラム過激派を監視した男
ジハーディ・ジョンの生涯
さて、この事件、殺害された4人の警官のお名前はまだ報道で目にしていないのだが(私の見ている範囲は英語圏だけで、とても狭いことをお断りしておく)、容疑者の名前は木曜日のうちに報じられていた。ただし私が主に見ているガーディアンではMichael Hと「ファーストネームと、ファミリーネームの最初の1文字」という形である。BBCではフルネームが報じられているが、このようなバラつきがあるのは、フランスではこういう場合の名前の報道について特に統一的な指針がないということかもしれない(例えばドイツでは「ファーストネームと、ファミリーネームの最初の1文字」が法律で決まっているそうだが)。
そしてTwitter上の英語圏で、容疑者のフルネームを書いていたのは圧倒的にタブロイド報道で、特にデイリー・メイルの報道が目立った。私自身はメイルのフィードは目にしないようにミュートしてあるのだが(自分にとって最も主要なトピックであるBrexit関連ニュースでノイズが多くなりすぎるため)、誰かがメイルの記事のURLを入れてツイートしているものはミュートされず、そしてそれが、容疑者のフルネームの検索結果の画面に、やたらとたくさんあった。
私の環境では、Gdn記事に出ている容疑者のファーストネームとファミリーネームの最初の1文字を、アクサンのない形でTwitter検索窓に打ち込むと、フランスで報道されている容疑者のフルネームをそのまま出している英メディア(っていうかデイリー・メイル)記事のURLを含むツイートが何件も出てきて……
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
……そういったツイートの多くが容疑者の宗教についてことさらに書き立てている文面で、欧州の英語話者だけでなくインドの人が何人かいる。インドの英語メディアのフィードもある。あとカナダからのフィードもある(カナダの反イスラム極右ネット界隈はすごいことになってる)。げんなりする。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
こういったツイートのひとつを何気なく掘ってみたので、そのことをメモとして書いておこう。私には意味がわからないシンボリズムもいろいろ満載されている。こうやって書いておいて、いつか意味がわかったらそのときにまた書き足そう。
そのツイートとは、下記のものだ。容疑者名をTwitter検索したときに一番上に表示されていた。一番上に表示されていたのはおそらくそれなりにR/Tされてたりlikeされてたりするためだろうが、アカウント自体はショボい。ほんの数人しかフォロワーがいない。「ボット」の特徴ありすぎである。(画像は一部を加工。以下同じ)
※クリックで原寸表示。
ツイートに添えられている画像は、パリ警視庁の敷地内で撃ち殺された容疑者の躯をとらえた写真(たぶん、上空のヘリから撮影されたもの)で、英語圏ではデイリー・メイルやデイリー・ミラーが使っていたのをTwitterのフィードで見たのだが、改めてこの画像と同じもの(現場写真に容疑者の顔写真が乗せられているもの)を探そうとすると、Google画像検索に出てくるのは転載ばかりでオリジナルの画像が見つからない。TinEyeだと上に重ねられている容疑者の顔写真がないものしか見つからない。顔写真が乗っているバージョンは、報道写真ではよくありがちなものだから、フランス国内の報道機関がフィードした写真かもしれないが、デイリー・メイルがよくこういう画像をTwitterにフィードしているから、メイルのものかもしれない。そう思ってメイルのアカウント (@MailOnline, @DailyMailUKなど) をチェックするが、同一の画像は見当たらない。
おなじツイートをユーザーページで表示させた画面はこうなっている。
※クリックで原寸表示。
ツイート本文に書かれているのは、最近――というか、もうピークは数年前に過ぎてるか――流行りの「イスラム化される西洋の自滅」という、あまりに類型的な極右のトンデモ論、いわゆる「ユーラビア」論。「アラブ化されるヨーロッパの白人文化を守れ」という人種主義(ホワイト・ナショナリズム)。
(日本語圏でも新書などで少し流入していたが、このトンデモは日本で流行ったんだろうか?)
懐かしさを感じるレベルで類型的だったので、スルーするにはもったいないと思ってしまった。
このユーザーが名乗っている名前(アカウント名)は、ウェブ検索してもよくわからない。スペインにそういう固有名詞があるし、昔はイングランドでもその名前の男爵家があったそうだが、それ以上のことはわからない。
名前の後についている絵文字は、風になびく緑の葉と、茶色い落ち葉と、カエデの葉。最後のカエデの葉はカナダのシンボルであるが、それ以外は意味がわからない。
一方、@マークのあとの文字列(ユーザー名、ユーザーID)は、キャプチャ画像ではぼかしてあるが、フランス語である。こちらをウェブ検索すると、地名ばかり出てくる。これもよくわからない。
このアカウントが登録されたのはほんの数日前で、ツイート数はわずか19件、フォローしているのは12件、フォロワー数は4件。19件のツイートのうち、何かへのリプライではないツイートは3件、リツイートは2件、残りは英国の「リベラル」(←米語用法)に絡んでいっている発言である。ちなみにリツイート2件のうち1件はアン・クールター(コールターとも。15年くらい前に「アメリカの女版石原慎太郎」と誰かが評していたのがツボりまくって、以来女版石原慎太郎にしか見えない)、もう1件は「チャールズ・リンドバーグ」を名乗る#OpenBordersForIsraelの活動家(こちらはちょっと何が何なのかよくわからない)。その「リンドバーグ」のツイートは、IDFに対してあてこすった内容で、イスラエルの立場に立てば、控え目に言っても悪趣味としか言いようがないものだろう。
「ボット」の特徴、ありすぎである。
それにしてもこのアカウント、適当に作った「キリスト教文化が好きなだけの普通のカナダ人」みたいなプロフィールとは異なり、何か意味ありげな古い画像がちりばめられているので、それも気になる。
まずはアカウントのアバター(日本語では「アイコン」)。古い(19世紀より前と思われる)肖像画だが、誰の肖像画だろうか。これはChromeを使い、単に右クリック→[新しいタブで表示]にしてURLを取得し、Google画像検索に投げると、調べがつく。得られた結果はAlexander von Humboldtで、フンボルトペンギンのフンボルトさんじゃないっすか。18世紀から19世紀の博物学者・探検家で地理学者。出身はプロイセン。
ただし、このアカウントがアバターとして使っている肖像画は、ウィキペディアやウィキメディアでは出てこない。画像検索の結果見つけたDW記事(下記)によると、"A 34-year-old Alexander von Humboldt by Auguste Desnoyers after a drawing by French artist Francois Gerard, 1805" とのことで、ここらへんの欧州の国境を越えたつながりって興味深いですよねー、という方向に関心が向いてしまうとまた脱線して先に進めないのでそれはそれとして。
https://www.dw.com/en/cultivating-a-prodigy-learning-to-be-alexander-von-humboldt/a-46693495
このフンボルトさんが、現在「西洋の自滅」云々言ってる界隈とどういう関係があるのかは私にはわからないし、ウィキペディアやDWの記事をざっと見ても見当もつかない。
続いて、アカウントのヘッダー画像だが、これはサクッと右クリックでは個別に表示させることができない。ChromeでF12→右側の画面で [Sources] → [Top] → [pbs.twimg.com] と進んで、profile bannersとあるものを探してそれをクリックし、Copy image URLすれば画像のURLが得られるので、これをGoogle画像検索に投げる。
と、どういうわけかこの画像検索の結果はスペイン語ばかりなのだが、それはおそらくこの原画がスペイン語で書かれているとか、この原画を所蔵している博物館がスペインにあるといった事情だろう(確認はしていない)。
ヘッダー画像に使われているのと同一と思われる画像は「他のサイズ」は見つからなかった。トリミングされていない状態のが下記に見つかったが(スペイン語のページ)、大きさはずっと小さい。
https://www.viajesapie.com/blog/viajes-de-papel-la-invencin-de-la-naturaleza-de-andrea-wulf
色が違うのはウィキメディアにもアップされていて:
https://es.wikipedia.org/wiki/Archivo:Humboldt1805-chimborazo.jpg
英語版ウィキペディアの History of biology のページでも使われている。ここで(自分に楽にわかる言語で)この図がフンボルトさん作成の図だということが確認できた。
https://en.wikipedia.org/wiki/History_of_biology
In the course of his travels, Alexander von Humboldt mapped the distribution of plants across landscapes and recorded a variety of physical conditions such as pressure and temperature.
で?
おそらく「ボット」(それもいわゆる「ロシアン・ボット」)と思われるTwitterアカウントが、カナダのシンボルのメイプルリーフや、ドイツ出身の探検家・地理学者フンボルトのイメージをちりばめて、アン・クールターの発言をリツイートしていて、「リンドバーグ」のいかれた悪趣味のツイートをリツイートしていて、「ユーラビア」論にかぶれた言説を吹聴しているからといって、何がわかっただろう?
特に、何も。
だが、これが事実の細部なのだ。目の前で現に起きていることの細部。
あれ書かなきゃ、これも書かなきゃということが山積しているときに、こんなことを書いているのは、第一に、このトピックなら2時間もあれば書き終わるだろうと思ったからだが(Brexit関連のや北アイルランド関連のは書き終わる気がしない)、書いておかないと今見てるものを忘れることは確実だからだ。
How Canada’s far right is using anti-Muslim propaganda to target Trudeau https://t.co/xWoXQZN0C0 書き出しだけでオナカイッパイなめくるめくデマの世界。バラク・オバマに対するBirther運動みたいのがジャスティン・トゥルードーに対してもあって、オバマ同様「隠れムスリム」という話になってる
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
んで、YouTubeには「隠れムスリム」説のビデオ(でっち上げ)がアップされてて、反トゥルードー界隈(カナダ版「ネトウヨ」界隈)でぐるぐる回ってると。ただし2016年米大統領選のときと違うのは、今回はロシアのデマ集団のお仕事ではなくカナダ人がそういう説をばらまいているのだと。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 4, 2019
'Dozens of videos on these pages r a conspiratorial pastiche in which Trudeau coddles Muslim extremists & throws open Canada’s borders at the behest of George Soros. And they hv bn clicked almost 700k times. The eddies of such online outrage sometimes spread into the real world.'
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
'By early 2016, a Toronto-based Fb group was already speculating that Trudeau wanted to flood Canada’s borders with immigrants from majority Muslim countries, either because he was ignorant to the dangers of radical Islam – or bc he was a radical Islamist himself... 頭おかしい
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
'“The best non-confidence statement”, one site member opined, would be for Trudeau to be shot. Neither the conspiracy-mongering nor the threats have hampered the site’s popularity. In 2016, it had 25,000 followers. Today it has nearly 235,000.' 「なんだ陰謀論か」で済ませられない
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
'...contrary to prevailing stereotypes, recent polling suggests many Canadians are a politely jingoistic bunch who are inclined to believe that immigrants in general, and Muslims in particular, are too numerous above the 49th parallel.
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
(the 49th parallelがわかんなくて、その部分のリンク先を見たがフラ語記事で「記事内ワード検索」が使えなくて、実際「49」だけで検索したけど該当なしだったので普通にウェブ検索して、 https://t.co/a6EqrqqtG7 と https://t.co/txebHuz0wW を得た。米・カナダ国境のこと)
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
'One poll,found 41% of Canadians believe there are too many immigrants in the country – and more than 60% of self-described Conservatives say there are too many visible minorities here.' つまり何となく流布しているイメージとは異なり、カナダは「移民」を嫌う人が多いと。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
'A 2018 report by the intel agency found Canadians who hold extreme rightwing views actively use chat forums & social media. “These individuals leverage online chats & forums in attempt to create an online culture of fear, hatred & mistrust by exploiting real or imagined concerns
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
つまり、ネットでその思想を共有し合い、深めていく右翼過激派、要するに「ネット右翼」。リアル世界に影響を与えるように組織化することが必ずしもリアル世界での集会などを必要としなくなった環境で、流れるのは「デマ」ばかり。現政権に少しでも疑問を持つ人々がそれに感化されていく。カルトだな。
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
Brexitもたいがいカルト的なんだけど(「信じるか信じないか」だけがすべて、みたいな世界)、「自由党か保守党か」の二大政党制のもとでネット時代の総選挙がカルトじみているのは心底恐ろしい。自由党を落とすためなら何でもありの保守党勢力はネットの極右デマも黙認する(あるいは利用する)だろう
— nofrills/共訳書『アメリカ侵略全史』作品社 (@nofrills) October 5, 2019
本稿、もちろん2時間なんかじゃ書きあがらなかった。パリの事件は、おそらくネット上の極右が利用しまくれるような事件だろう。それを思うと、頭が重くなる。
殺害された4人の警官のご家族に、しっかりとした支えがありますよう。容疑者を撃ち殺したインターンの警官にも、しっかりとした支えがありますよう。夫が突然凶行に走り、頭を撃ち抜かれて殺されるという形で夫を失った人が、自分を責めすぎず、周りから支えられていますよう。
※この記事は
2019年10月05日
にアップロードしました。
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