「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2016年08月19日

ほぼ1年前、2015年9月のあの「ロイヤリスト活動家」による議会証言の件が、今、ものすごい結果を生じさせている。

よく訓練された北アイルランド・ウォッチャーのみなさん、こんばんは。

毎年、7月12日のオレンジ祭りが夏の水かけ祭りになるかどうかをウォッチして(最近は11日の夜のボンファイアが巨大化しすぎて、近隣家屋が水かけ祭りになってますが)本格的な夏の始まりを実感し、8月第一土曜日のベルファスト・プライドで「神様」系の人たちがアイリス・ロビンソンの発言内容を思わせるプラカードを持って並んでいる勢力圏が年々縮小している様子に微笑みながら真夏を実感し、日本で暦が「秋」になり、「終戦の日」として知られる日が迫るとデリーのアプレンティス・ボーイズのパレードはきっと今年も「何事もなく終了」ということになるのだろうと予期しつつ、念のためニュースのアンテナを高くしておき(今年はディシデンツの巨大すぎるボンファイアが出てましたね)、8月15日は1945年のことを思いつつも1998年のあの赤い車を思い、それが奪った29の生命のことを考えて8月が後半に入ると、そろそろ夏は終わり。これからはクリスマスにクライマックスを迎える「政治の季節」ですね。さあ、今年は国技「エクストリーム交渉」が行なわれるのでしょうか。

……とフザけたことを書いているのは、台風が関東をかすめて通っていったあとに北からびょ〜んと伸びてきた前線に向かって、台風が連れてきたすさまじい熱気 with 湿気がだらだらと流れ込み続けるという、不快指数250くらいの天候の中でとんでもないことが起きているから。

まさか、ほぼ1年前のあれが、よみがえってくるとは。しかも、こんな形で! さすがは「政治的ゾンビ」の名産地。

Northern Ireland: NAMA scandal: Sinn Féin's Daithí McKay resigns as MLA
http://chirpstory.com/li/325823

詳細は↑、読んでください。というか↑に埋め込んであるIrish News(元の報道……リーク文書)やSluggerなどの記事を読んでください。

いやぁ、ほんと、何とも……。誰がどの勢力と「対立」しているのか、北アイルランドは本当にわからないですね。それが「体質」みたいになってる。英国の植民地主義の暗黒の残滓がたまっているところはたいていそうだという話もあるけど、北アイルランドは本当に、何というか……。

上記Chirpstoryでは最後の方に「キャリア概観」のような記事を置いてありますが(これとか、これとか)、今回、渦中の人となり議員辞職したダーヒー・マッケイという政治家は、シン・フェインの「ホープ」だったんですよね。1982年生まれで、1998年の和平合意(グッドフライデー合意)のときに16歳。まさに「ポスト紛争」の世代のシン・フェインを担っていくはずの期待の星だった。その人が、あまりにもシン・フェインらしい(というと語弊があるかもしれないけど……シン・フェインだけじゃないだろうから)course of actionのようなもので、政治家として終了してしまった。
https://en.wikipedia.org/wiki/Daith%C3%AD_McKay

その点、SDLPのコナル・マクデヴィット(金銭問題で3年前に失脚)を思い出したりもするのだけど(彼も「次世代のSDLPのホープ」だった)、マッケイのこの問題は……えっと、何というか、昨年、「きゃあ、IRAがまだ存在しているなんて、怖い!」とかいうかわいこぶりっことしか言いようのない理由でUUPなどが騒いでストーモントを機能停止に追いこみ、「もう終わりだ」という観測を引き起こしたことを思い出したりするんだけど、それよりずっと問題が大きくて深刻。

何しろ、あのジェイミー・ブライソンとシン・フェインがつながっていて、当時のDUPリーダー(つまりピーター・ロビンソン)を追い込んで……って、DUP内部から今回、やいのやいのという声が上がっているけれど(サミー・ウィルソンとかナイジェル・ドッズとか)、「ピーターおろし」的なものもあったよね、去年。結局本人が、心臓を悪くして倒れたりしたことで、自ら政界引退することにしたために、全部うやむやになっているけれど。

で、マーティン・マクギネスはブライソンとマッケイのことについては何も知らない、シン・フェインの内部でそれを知ってた人はいない、と。

はあ、そうですか。

(・_・) ソンナノ、シンジルヒト、イナイトオモイマスヨ・・・

この件で、北アイルランドのリストに流れてきていたのをまとめたのが上記Chirpstoryなんですが、中に入れ込んであるシン・フェインのアカウントのフィードが「何も起きてません」調なのが、味わい深いでしょ。

というわけで、よく訓練された北アイルランド・ウォッチャーのみなさまにおかれましては、一足早い秋の味覚をご堪能ください。

パロディ・アカウント(LADじゃないほう。LADはジェイミーが相手だとものすごいことになるけど、今回もすごい)。



その「コーチ」ぢゃない。(・_・)



LADがRTしてたこれ。



こんなの読んじゃったら、あれしかないじゃない、ねえ。



クリス・モリスもスティーヴ・クーガンも、真顔やめて。 (・_・)


※この記事は

2016年08月19日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 03:00 | TrackBack(2) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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