「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2017年02月20日

ドナルド・トランプの世界では、パキスタンとスウェーデンが区別されないらしい。トランプ支持者の世界では、スウェーデンは燃えているらしい。

当の米国では新政権発足後のいわゆる「ハネムーン」期間など、今回に限っては存在してもいないのに、なぜか日本語圏はそういうムードに浸りきっていて「トランプ大統領の経済政策のお手並み拝見」とかいう言説があふれかえっていて(そういう言説、気をつけないとだめですよ)、特に書店の店頭などはすさまじいことになっているのだが(去年は格差だピケティだデモで民主主義だとやってた棚が、今年はトランプ一色で、出版されるトランプ本の中身は、多くの場合、「中立」という体裁をまとったトランプへの消極的支持または積極的礼賛)、モニターの中に私が見る世界は、(ときどき「偵察」的に見に行くalt-rightのサイトは別として)それとはまったく違う。何しろすべてがデタラメなのだから(GBWのとんでもないデタラメが、まっとうに見えてきて困る)、特に「反トランプ」であるわけでもない圏、つまり単に「トランプ支持ではない界隈」ではこうあるのが当然だが。

特に今回が異常なのは、いわゆる「燃料投下」がやまないことである。スポークスパーソンとか広報とかいった部門やそっち方面の補佐官が、「大統領の失言をフォローする」どころか、自分たちががんがんトンデモをぶちかましている(彼らのは「失言」などというレベルではなく、「トンデモ」である。そのうち「レプタリアンがー」とか言い出すんじゃないかと思って、生暖かく見守るくらいがちょうどいい)。

トランプ政権のトンデモ番長はケリーアン・コンウェイだ。彼女は選対本部長から大統領顧問となった人物だが、元々はテッド・クルーズ陣営のスタッフだった。コンウェイが選対本部長になった経緯を私は把握していないが(正直、この人のことはどうでもいい)、確かトランプ陣営は選挙時にあまりにトンデモでデタラメだったことに耐えかねて選対本部の人が途中で離脱してて(NationかMother Jonesか何かでその過程について激白してたと思う)、離脱した人のあとに入ったのがコンウェイではなかったかと思う(要確認)。

彼女のトンデモっぷりは、大統領就任式典直後に "alternative facts" なる概念を披瀝したことで、全米および全世界が知るところとなった。

「もう一つの事実」(英: Alternative facts)は、2017年1月22日に放送されたミート・ザ・プレスのインタビューにおいて、アメリカ合衆国大統領顧問ケリーアン・コンウェイが行った発言で、ホワイトハウス報道官ショーン・スパイサーのドナルド・トランプ大統領就任式に関する虚偽発言を擁護した言葉である。インタビューを行ったチャック・トッドが、スパイサー報道官はなぜ「明らかな虚偽発言」を行ったのか問いただしたところ、コンウェイ顧問は「もう一つの事実だった」と答えた。それに対してトッドは「もう一つの事実とは事実ではない。虚偽だ」と反論している。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%81%86%E4%B8%80%E3%81%A4%E3%81%AE%E4%BA%8B%E5%AE%9F


コンウェイの悪名をさらにとどろかせたのが、2月2日に為された「ボウリング・グリーンの虐殺 Bowling Green Massacre」発言である。「ボウリング・グリーン」はケンタッキー州にある町の名前で、2011年にこの町で、アルカイダに対する資金・物資の援助の容疑で2人のイラク人が逮捕され、連邦裁判所で「テロリズム」で起訴された。つまり、ボウリング・グリーンで2人のイラク人「テロリスト」が逮捕・起訴されたということになるのだが、彼らは人を殺したり爆弾を作ったりしたわけではなく、米国が「テロ組織」と規定している組織(アルカイダ)への支援を行なったわけである(そんなことで「テロリスト」になるのなら、アメリカのアイリッシュ・コミュニティにはIRA支持の「テロリスト」は大勢いただろう)。しかし、ケリーアン・コンウェイの「オルタナティヴ・ファクト」の世界では、つまり普通の事実の確認を取らずに構築されている世界では、彼ら2人のイラク人「テロリスト」は、ボウリング・グリーンの町で「虐殺(大量殺戮)」を行なったことになっていた。そして彼女は、自分の信じていること(マイルドにいえば「勘違い」)を、そのまま、テレビのインタビューで披瀝したのである。

むろん、彼女は即座に嘲笑された。ボウリング・グリーンの町では人々が「存在しもしない大量殺戮事件のために」という言葉をかかげて、キャンドル・ヴィジルを行なったりしていたし、Twitter上の英語圏は、「機知に富んだ一言」でたいそう賑わった。

これで赤っ恥をかいた政権スタッフは、以後、しゃべる前に事実確認を行なうようにするなど、事実に対する態度を改める……のなら普通だが、トランプ政権は「普通ではない not normal」し、自分たちが「普通ではない」ことをドヤ顔して見せ付けるような人々で構成され、支持されている。
間髪入れずに、今度は、これまでにも「えっ?」っていうような発言を連発していたショーン・スパイサー報道官が、何度か重ねて「アトランタにおけるテロ攻撃」の話をしたということで、ネット上の英語圏をザワつかせた。アトランタでは確かにテロ攻撃が起きているが、スパイサーの言ってる文脈で考えられるものがあるとすればそれは1996年の夏季オリンピックのときの爆弾事件だが、これをやったのは妊娠中絶反対・同性愛反対の保守思想を抱いたアメリカ人(白人)であり、スパイサーの言うような「外国から来た人物」によって起こされたものではない。
Mr Spicer has referenced a terror attack in Atlanta by someone who entered the country from overseas. He’s now made the reference at least three times in recent weeks.

http://www.independent.co.uk/news/world/americas/sean-spicer-creates-fake-atlanta-terror-attack-story-a7570561.html


この件は、スパイサーはおそらく、2016年6月にゲイ・クラブが銃を持った男に襲われ、襲撃者を含め50人が死亡した「オーランド」のことを、「アトランタ」と思い込んでいるのだろうということで、「いいまつがい」の部類に入ると思われる。にしても、ホワイトハウスのスポークスパーソンという要職にある人物がしていてよいような思い違い・記憶違いではないし、3度も重ねてやってよいような言い間違いではないのだが、ケリーアン・コンウェイの「ボウリング・グリーン」に比べれば、「まあ、ありがちな勘違いですよね」と言えるだろう(そうやって、事実に対するこういうとんでもない怠惰さと不誠実さを「ノーマルなもの」にしてしまうのは、絶対によくないのだが)。

ここまでは、トランプ政権について辛辣な態度を取らないことを「中立」とみなすような人たちは「共和党の異端児たちが今までのやり方を踏襲していない」的なことだろうと笑い飛ばすかもしれないが(私はそうではない)、ドナルド・トランプ本人が、ケリーアン・コンウェイと同質の「事実に対する不誠実さ」を見せ、「デマを撒いている」状態になっているわけで、「異端児」的な言い訳は通用しない。

その最新の例が、昨日から今日(19日から20日)にかけて、Twitter上で大爆笑の渦を引き起こしている。






ドナルド・トランプが、フロリダ州で行なった支持者向けのスピーチで、「昨晩スウェーデンで起きたことを見よ」と発言したのだが、何も起きてませんけど? (・_・) ……という話。
With thousands of supporters gathered in an aircraft hangar in Melbourne, Florida, Trump used his speech to talk about migration in Europe and linked it to terror attacks in Brussels, Nice and Paris. He then added Sweden to the list, incorrectly stating that an attack had happened there on Friday.

Trump told supporters: “We’ve got to keep our country safe. You look at what’s happening in Germany, you look at what’s happening last night in Sweden.”

“Sweden, who would believe this? Sweden. They took in large numbers. They’re having problems like they never thought possible. You look at what’s happening in Brussels. You look at what’s happening all over the world. Take a look at Nice. Take a look at Paris.”

https://www.theguardian.com/us-news/2017/feb/19/sweden-trump-cites-non-existent-terror-attack


「昨晩」起きたこととして考えられるのは、2月16日(木)にパキスタンのセフワン (Sehwan) で、スーフィーのモスクに対する自爆攻撃が行なわれ、約90人が死亡、数百人が負傷したことで、やったのはイスイス団と考えられ、パキスタン国内でイスイス団が動けているというのはたいへんに深刻な事態なのだが、スウェーデンはかすってもいない。仮に本当に「(パキスタンの)セフワン」と「スウェーデン」を混同しているとして、この発言主の頭の中では、「テロ事件」の発生の正確な情報や、事件の文脈についての考察はそっちのけになっていて、「テロ事件」を羅列することだけが重要視されているのだ、ということがはっきりと示されている。(→後述するが、このあと、トランプ本人がTwitterで「昨晩見たテレビの話をした」と弁解した。しかしそういうことを言うなら「昨晩スウェーデンで起きたこと」という言い方はしないので、この弁解も素直にはいそうですかと受け取るわけにはいかないと思う)

そんな適当なことを口にして平気な奴が、アメリカの大統領なのだ。

「経済政策のお手並み拝見」どころの話ではない。

……とまあ、実にひどいことが現実になっているのだが(「1984」とかいろいろ言われてるけど、日本のポップカルチャーにどっぷり浸って成長してきた私には、志村けんの「バカ殿様」の世界が現実になったようにしか見えない)、ここまでやられてしまうと、真顔で反応するしかないということにもなる。 (・_・) ワカルワァ

上記ガーディアン記事経由で、リネカーさん(彼は「児童難民」に関するしごくまっとうな発言ゆえに、デイリー・メイルから激しく、なおかつしつこい攻撃を受けている)。






リネカーさんのこれに反応したのが、在スウェーデンのスポーツ・ジャーナリスト、オコナーさん。




そして、当のスウェーデンでは、いろいろ大爆発しているようだ。




このハッシュタグ…… (・_・) 発端マデサカノボッタヨ〜

jesuisikea.png

つまり、最初は米Nationなどで書いているジョン・ニコルズさんのこのフィード(トランプ発言の映像つき)。



これに対し、米国内で「#StandWithSwedenのハッシュタグの出番ですかね」という反応が出て……



そこから触発されて「#JeSuisIkea」が……




これが米国外にもウケて(下記のツイートはオランダの人)……








スウェーデンでも真顔で受け入れられた! 「昨晩、スウェーデンでは……」も伴って拡散!




















「例の魚の缶詰を、空気中で普通にあけた奴がいる」という人まで現れて……
















スウェーデンのメディア、アフテンブラデットもノリノリで「きょうの出来事」を英語で配信。
http://www.aftonbladet.se/a/Vn17J

そしてアフテンブラデットのこの記事の末尾には:
Editors note: On Sunday president Trump confirmed on Twitter that his comment was not related to a specific event Friday, but a reference to a story covering Sweden and immigration problems that was broadcasted on Fox news.


いやいや、"what’s happening last night in Sweden" って言ってたじゃない(これ、英文としても「?」なんだけど……何も考えずにしゃべってる場合の「生きた英語」としてはありがちとはいえ、中学2年生には見せられない文だね、現在形とlast nightが同居しているんだから。それともこのwhat'sはwhat wasの短縮形ですかね? :-P)。正直に「小耳に挟んだだけの馴染みのない地名をSwedenと思い込んだ」と言えば楽になるんじゃない? それでズっこける人は続出するだろうけど、悪い方向には展開しないよ。

ともあれ。











いずれにせよ、ドナルド・トランプという人物は、何があっても「私は常に正しい」と言い張るタイプだ。経営者なら「ワンマン社長」で済むかもしれないが(部下はたまったものじゃないかもしれないが、株主は、業績さえよければ、そんなこと気にしないだろう)、これが恐ろしいことに、世界で一番の超大国の政治のトップだ。

そして現実はより恐ろしくて、トランプが「私は常に正しい」と言い張れるように、支持者たちが動いている。彼らは彼らの alternative reality を熱心に構築しているのだ。トランプの言葉の周りに。

malmo.png#JeSuisIKEAが一通り落ち着いてきたあと、TwitterのTrendsのところに、Malmoというワードが上がっていた。スウェーデンの地名だ。

TrendsからMalmoを見てみると、カナダの「トロント・サン」というメディアの記事が一番上にでかでかと表示されている。それだけ見れば、その記事のヘッドラインに書かれていることが、今の出来事だと思いこんでしまうだろう。私も一瞬そう思った。Twitterの画面に出ているリード文にはその「トロント・サン」の記事の日付が示されていないし、表示されている記事のヘッドラインにマウス・カーソルを合わせても、日付の情報は表示されない。

malmo3.png

だが、確認のために、この記事をフィードしているツイートを表示させると(上記キャプチャで右下、日付のところをクリックすればOK):
https://twitter.com/DannySkeff/status/833698913802735616

malmo2.png

つまり、Deplorableという例のことばを名前に冠したこのツイート主は、2014年12月の記事を、2014年12月の記事であると断らずに、「スウェーデンでは何も起こらないのだ……って、ちょ、待てよ」などというどうでもいい一言を沿え、「マルモでカーボム爆発相次ぐ」という見出しとカナダの信頼されている媒体名だけをフィードしている(そして2人からそれを指摘されたほかは、だいたい、スルーされている)。

これだけでMalmoという地名がUKのTrendsに入るはずもなく、案の定、トランプ支持のAlt Right界隈が「スウェーデンは移民のせいで大変なことになっている」と主張するための「事実」を一生懸命に集めようと奮闘していた。


































プリズン・プラネットやその周辺のトランプ支持者らは、何としてでも「マルモは危険だ」という《事実》を獲得したいようだ。

こういうのは「ネットで野次馬がよってたかってネタにする」ときによくある。日本語圏でも英語圏でも(悪い意味で)盛り上がったのが、2010年サッカーW杯開催にあたっての南アフリカ、特にヨハネスブルクに関する「危険」という《事実》の寄せ集め。あと、2016年のリオ五輪に際しての「リオは危険」的な口さがない話も、日本語圏では普通に見られた(英語圏ではそういう話題以前にブラジルの政治のひどさが記事になっていた)。アメリカのデトロイトについて「あんなところに住んでいる奴はいない」という日本語情報(完全に、間違っている)とかいうのも同類だろう。『ニンジャスレイヤー』まで行けば完全に戯画だが、その手前のトンデモ情報がネットでは「ネタ」「娯楽」として消費される。

しかし、プリズン・プラネットのような陰謀論者が試みているのは、そのような単なる「口さがない噂話」ではない。政治的な意図のあるデマ、情報操作だ。

この光景で思い出すのは、まず、「バーミンガムはノー・ゴー・エリア」事件(2015年1月)。これについては下記にまとめてある。
https://matome.naver.jp/odai/2142103911239741601
アメリカのFox Newsで「テロの専門家」(テロリズムに関するシンクタンクの人)が、英国第二の都市であるバーミンガムについて「イスラム教徒以外は立ち入れない」などという妄言をぶちかまし、ブリティッシュ・ジョークのネタになりました。基本的にお笑いなんですが、背景は案外根深いんです。


そして、「福島にはもう人は住めない」という言説。これは日本語ではTwitterなどでもがんがん流されたので見たことがある人が多いと思うが、英語圏でも、アンダーグラウンド(というか、マージナルすぎてお仲間以外は誰も見ていないような「ニュースサイト」やブログ)で書き立てられていた。

私が思いだせるのがこの2例というだけで、ほかにもたくさんあるのだろう。

どうです、この現実。これが、米国政府の中心部を取り巻く現実。

彼らの物語は、「リベラルは『レイシストだ』と批判されることを恐れて、エスニック・マイノリティの犯罪を表ざたにしようとしていない」という物語で、その物語に合った事例(例えばイングランド中部で起きた子供に対する組織的性犯罪・レイプ事件と、労働党が支配的だった地元自治体のことなど)を喜んで集めている。それだけならまだよいのだが、そうして構築された物語、つまり「俺たちの事実」を、ほかの事例にも適用できるプロトタイプとして活用する。左翼でもよくあるが、「セット思考」だ。Prison Planetあたりのやるこの「セット思考」は、根が陰謀論、反ユダヤ主義、人種主義で、深く、広く根を張っている。

そして、騒いでいるのはもちろん、プリズン・プラネットだけではない。

malmo4.png



この「スウェーデン」に対する理不尽な言いがかりというかわけのわからない敵意、思い出すものがあるよね。「メインストリーム・メディア」への敵意も、よく似ている。もちろん、偶然だろうけど。



追記:



英国の法律ブロガーさん、ぱねぇ。










LOL













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追記2: 結局どういうことだったかというと……
Donald Trump’s outburst about “that thing that happened in Sweden last night” – which turned out to be a Fox News report he had seen on the difficulties of integrating refugees – is only the latest illustration of the role that Sweden plays in the fantasies of the outside world.

https://www.theguardian.com/commentisfree/2017/feb/20/sweden-donald-trump-crime-muslim-immigrants

つまり、「昨晩テレビで見たんですが、スウェーデンは移民で大変なことになっている」と言うべきところを、「昨晩、スウェーデンが移民で大変なことになっていましたね」と言った、と。それ、「言い間違えた misspoke」のレベルではなく、政治家の資質(政治家というのは何より「言葉の人」でなければならない……とされている。日本にいて日本の最近の政治家見てると全然わからんけど、英国などの国会中継見てるとそれがどういうことか、よくわかるよ)に欠けていると誰もが思う程度に、言語能力が乏しい。

この記事、ご一読をおすすめします。
Trump is not the first American president to use Sweden to prove a domestic point. In 1960, the president, Dwight Eisenhower, gave a speech to a Republican breakfast meeting at which he said that Sweden “has a tremendous record for socialistic philosophy, and the record shows that their rate of suicide has gone up almost unbelievably and I think they were almost the lowest nation in the world for that. Now, they have more than twice our rate. Drunkenness has gone up. Lack of ambition is discernible on all sides”.

This was complete nonsense, except, perhaps, for the point about drunkenness: Sweden had only abandoned prohibition-era alcohol rationing in 1955, five years before he spoke. But even though Eisenhower’s comments drew on no known Swedish sources, they were entirely harmless nonsense compared to the current president’s.

Trump, on the other hand, was drawing on a persistent set of myths among Sweden’s nationalist right, which claims that Muslim immigration has turned some urban areas into ghettoes where sharia law is practised, gang rape is commonplace, and the police and fire engines hardly dare to go. This is a grotesque distortion of a worrying reality. There has been a huge rise in recorded violent crime in Sweden in the last 40 years, but it is still a very much safer place than the US, UK and indeed most of Europe. There has been a huge increase in humanitarian immigration. But it’s not clear how the two are related.

I used to live in one of these supposed ghettoes in the early 1980s, when it was still largely white and the nearest we got to criminality was when my friend the bootlegger made vodka in his kitchen. When I went back 20 years later, there was a Somali family living in my old flat, and almost all the children playing in the open spaces around it were supervised by women in headscarves. I was with a radio producer who talked at length in Arabic to an Iraqi refugee who had been resettled there after a hellish journey.

But there was absolutely no feeling of danger or hostility. Similarly, Rosengård, the suburb of Malmö which is portrayed in the rightwing press as Sweden’s answer to Mogadishu, is far more open and peaceful than, say, the rougher parts of north London.

https://www.theguardian.com/commentisfree/2017/feb/20/sweden-donald-trump-crime-muslim-immigrants


本エントリに貼り付けたPrison Planetなどの言い分は、まさに、スウェーデンの極右の言い分の受け売りで、その一部はノルウェーのテロリスト、アンネシュ・ブレイヴィクが「リベラル」に対する攻撃を実行する前に書いていた1500ページもある(英語の)文書の中にも入ってたと思う。

聞くべきはそんなのじゃなくて、こっち↓だ。特に一国の大統領ともあろう人物が聞くべきは。



あと、カール・ビルト元首相(この人はTwitter古参。英語とスウェーデン語でアカウント分けてる):






※この記事は

2017年02月20日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:59 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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