「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2016年07月19日

ドナルド・トランプ夫人が、ミシェル・オバマのスピーチをパクったんではないかというお話。

ニースのトラックによる無差別攻撃、トルコでのクーデター、米国での警官射殺、ドイツでの刃物男……毎日毎日、大手報道機関のサイトがトップで伝えるのが、血なまぐさいニュースばかりだ。何か、一息つけるようなニュース(例えば宇宙探索の話題とか)でもあればよいのだが、2番目以降のニュースもロシアのドーピングだとか、北朝鮮のミサイルだとか、カシミール情勢の緊迫だとか、南スーダンの予断を許さない情勢だとかいったものが並んでいるし、これまでずっと最悪だったシリア情勢が改善したというニュースもない(アレッポは、30万人が暮らすエリアが、完全に包囲された)。

そんなときに、「血の臭いのしないニュース」をみんなが待っていたのだろうなあ、と思わずにはいられない光景が、今、私が普段見ている報道機関のサイトで展開されている。一例としてBBC(ガーディアンのインターナショナル版も同じような構成だった)。

bbcnews19july2016


共和党の党大会で、ドナルド・トランプの妻であるメラニア・トランプ(旧ユーゴスラヴィア出身で元モデル)が「移民であるわたし」を強調するようなスピーチを行なって、夫の「過激発言」を少しマイルドにする方向のスピンをかけようとしたらしいのだが、そのスピーチの一節の文面が、2008年の民主党党大会でミシェル・オバマ(バラク・オバマ夫人。以下「オバ美」)が行なったスピーチの文面にそっくりだったから、もう大変。昨日Twitter Trends的にはトップニュースになっていたキム・カーダシアンとカニエ・ウエストとテイラー・スウィフトの話には飛びつかなかった人、あるいは公然と飛びつくわけにはいかなかった人たちも、今日のこのゴシップには「けしからんことですな」などとつぶやいては口ひげをひねりながら(←イメージ)、嬉々として飛びついているようだ。

記事:
US election: Melania Trump 'plagiarised' Michelle Obama
http://www.bbc.com/news/election-us-2016-36832095


Melania Trump convention speech seems to plagiarise Michelle Obama
https://www.theguardian.com/us-news/2016/jul/19/melania-trump-republican-convention-plagiarism-michelle-obama


オバ美とメラニアのスピーチを並べてみると:







「メラニアのスピーチは高評価だった。でも、他人のパクリだと人々が気づくまでの話だったが」




最初、私は「ばかばかしいゴシップだなあ。こんなのに使う時間、ないよ」と思った。アメリカで一般的にパクリが大問題とされるなら、今頃ファリード・ザカリアは失職しているはずだ。




それと……




……と思いつつ、同時にヘタなお遊びを思いついてしまうのは止めようもなかった。(「ダッシュ」が「オンビキ」にされているのは先方の仕様。)




そして、たまたまツイッターを見てみようと思ったタイミングでこんなのが流れてきていたのが、トドメになった。






(・_・)












たぶん、「同じ下書き(文例集)」を使ったんだろうと思うけど、そうだとして、共和党候補……というよりあの過激派のトランプの夫人(ファーストレディになるかもしれない人)が、2008年の大統領選挙本選前に民主党の大統領候補が民主党支持者に向けて語った言葉と同じ言葉で人心をつかもうとしているというのは、実にばかばかしくって末期的だとも思う。しかも衣装が純白という演出。

なんて、マジメなことを言っててもばかばかしくなるだけなので、あとはお笑い。







オバ美といえば#BringBackOurGirls(もう忘れられてるかもしれないけど、ナイジェリアでボコハラムに誘拐された200人もの若い女性を返せ、というキャンペーン)なので、こういうのが……






笑いながら、ごもっともなツッコミ(ほかにも多くの人がこの内容のことを述べている)。








各メディアが「まとめ」も作っている。たくさんありすぎるのでここでは3つだけ。








マリクレールまで乗っかってきてる。




そして、ものすごいオチがこれ。






(・_・)






「アンドレア・レドサムの経歴書」のは、これ。




レドサムの「経歴盛りすぎ」の件は、騒動から10日くらい経過しても、まだコメディのネタにされてる。






また、グレン・グリーンウォルドと意見が一致してた。






※フィード時の「見出し画像」用:
bringbackmyspeech.jpg




爆笑アップデート
トランプ氏夫人演説
スピーチライターが盗用認め謝罪 
http://mainichi.jp/articles/20160721/k00/00e/030/207000c

https://archive.is/WZJP9

 声明によると、マクアイバー氏がメラニアさんと演説内容について電話でやりとりした際、ミシェル夫人のことが好きなメラニアさんが、国民に伝えたいことの一例として、ミシェル夫人の過去の演説の一節を読み上げた。これを書き留めたマクアイバー氏は、いくつかを演説の草稿に入れ、最後までそれらが残ったという。

 マクアイバー氏はミシェル夫人の演説を直接確認しなかったとし「私のミスであり、悪意はなかった」と説明した。

 マクアイバー氏は19日にトランプ氏に辞任を申し出たが「誰でも悪意のない間違いはするし、その経験から学んで成長するものだ」と慰留されたという。





※この記事は

2016年07月19日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:30 | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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