「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2016年11月22日

今日の地震で、またあの「ニセ写真」がツイートされていた。

今朝6時ごろ、また福島県沖を震源とする大きな地震が発生した(2011年3月11日の地震の余震がまだ発生しているのだそうだ)。先ほど先月の鳥取での地震に際して、TwitterのTrendsでどういうことになっていたかを書いたエントリに追記するという形で、今日の私の関連ツイートは転記してあるので、それは繰り返さない。津波警報が発令されていたので世界的大ニュースになったようだが(そしてTwitterでは例によって「日本のために祈りを」)、津波は観測はされているが特に大きな被害が出たという報告は聞こえてきていないし、津波警報はほどなく注意報となり、注意報も午後に入ってほどなくすべて解除された。国内のニュースでは、福島第二原発での冷却機能停止が大きく取り上げられていたが、それは無事復旧したそうだ。負傷者情報は、「転倒して骨折」、「室内でガラスで軽傷」といったことが伝えられているが、大きな被害が生じているという報告はない。

一方で、ネットでは「マグニチュード7.4」という数字(暫定の値でもっと大きな数字も一時出たが、最終的には7.4)に驚いたのか、あるいは「Fukushima」(カタカナで書くと怒られるからローマ字)という国際的に馴染みのある地名で、また前回と同じように地震が起きて、また前回と同じように原発で「トラブル」なのかということから「またか!」的心情でニュースに釘付けになる人が多く出たのか、またはその両方かで関心を持った人は多く、さらに時差もいろいろあり、「今起きてニュースを見た」という人が次々と大勢書き込んだためだろうが、宮城県や福島県の海岸の道路に車が戻ってきたり、沖に避難していた漁船が港に戻ってきたりして日本国内では「大きな被害がなくてよかった」というムードになったずっとあとでも、「日本のために祈りを」が続いていたりした。

そんな中、またあの「ニセ画像」を見かけた。さすがに今回はこの1点だけだったが。。。

fakepic22nov2016.png


この「道路を泳ぐサメ」は、4年前、2012年秋に米東海岸に上陸し、甚大な被害をもたらした「ハリケーン・サンディ」のときにネット上に出回って広く知られるようになったものだ。実際には「サンディ」の前、2011年の「ハリケーン・アイリーン」のときにも既にばらまかれていた「ニセ写真」である。詳細は既にいろいろ調べてまとめてある(下記URLを参照)。
https://matome.naver.jp/odai/2135165075038988901?&page=3

今回のこのツイート主は、特に「インターネット・トロール」というわけではないようだ。Verifiedアカウントだし、プロフィールで確認できるように、音楽プロデューサー/DJである(私は知らない人だが)。フォロワー数は129Kと、超有名人じゃん。

そんな「エスクワイア」氏が(たぶん)釣られて流してしまった「ニセ写真」には、多くの人が「ニセですよ」と指摘するツイートがぶら下がっている。













うちら、「当時」を知る者は、「こんな古い写真に、いまさら引っかかる人なんかいないでしょ」と思いがちだが……



……ネットというのは「古い」も「新しい」もなくすべてをフラット化する空間だ。ちょうど、ジミヘンが死んだ後の世界しか知らない人が20歳のときにジミヘンを聞いて「こんなの、いままで聞いたことがない」と熱中したときに、1960年代を知っている人が「いまさら」と思わずにはいられないようなもので、何もかもすべてが、誰かにとっては、常に「新しい」のだ。そういうやり取りも、「エスクワイア」氏への指摘のリプライの中にあった。






下記の人はまったくの善意からの指摘で言ってることは何も間違っていないのだが、機械がこれを読むと、「この写真はFukushimaと関係がある」ということでデータとして格納してしまうと思う。



……というわけで、今後も引き続き「ニセ写真」には気をつけていきましょう。

※この記事は

2016年11月22日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 17:00 | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼