「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2016年12月27日

エドワード・スノーデンの「暴露」についてのドキュメンタリー映画のオンライン配信が始まっている。



ドキュメンタリー映画『シティズンフォー (Citizen Four)』の各配信業者でのオンライン配信が、12月23日に始まっていた。日本ではギャガが配給しており、2017年1月6日にはDVDがリリースされるが、それに先立って2016年12月2日にはiTunesで、23日にはAmazon楽天Gyaoなど各配信業者でのオンデマンド配信が開始された。配信業者により条件はいろいろあるが、スマホやタブレット、PCで見るだけなら楽天の「標準画質」が安上がりだ(税込み432円)。ついでに言うと、楽天の配信では28日14:59までは、税込みで1,500円以上を一度に会計すると50%がポイントで還元されるというセールもやっている(424円の映画を3本と324円の映画を1本レンタルすると、798ポイントが返ってくる)。

この映画は、2013年にエドワード・スノーデンが米NSAのやってることについての内部告発(彼は「元CIA職員」ということが日本語圏では異様に強調されているが、この「暴露」に関してはCIA云々は直接は関係なく、NSAの業務請負業者の社員として知ったことを表に出したのであり、「内部告発」者である)をしようと考えたときに最初に接触した調査報道分野のドキュメンタリー作家でジャーナリストのローラ・ポイトラスによる記録映画である。ポイトラスがカメラを持ち、最初の報道記事を出したガーディアンの記者2人(うち1人のグレン・グリーンウォルドはその後、ガーディアンを離れているが、スノーデンが直接接触をしたジャーナリストである)が香港のホテルでスノーデンと対面して話を聞く場面から映像に収めている。

この映画が、第87回米アカデミー賞(2015年2月)で長編ドキュメンタリー部門の最優秀賞に輝いたことは、当時記録を取った通りだ。
https://matome.naver.jp/odai/2142466620716720601

スノーデンの「暴露」を報じたガーディアン(グリーンウォルド、ユーアン・マカスキルら)とワシントン・ポスト(フリーランスとなっていたバートン・ゲルマンら)は、2014年、ピュリッツァー賞を受賞した。
http://nofrills.seesaa.net/article/394729413.html

私は日本語字幕つきではまだ見ていないので(英語版のは、裁判の証拠としてパブリック・ドメインにアップされていたのを見た)、何か書くならそれを見てからにしようと思う。書くエネルギーがありさえすれば、だが。

というか一連のこれ、ものすごい昔のことのように感じる。たった3年半ほど前のことだが。

スノーデンの「暴露」のときはまだ、「バラク・オバマの二期目の政権は、市民的自由についてジョージ・ブッシュのやった改悪を巻き戻そうとするのだろうか」といったことが関心事だったと思う(その可能性に期待する人がどれほどいたかは別の話)。

3年半後の今、全く笑えない現実が目の前に迫っている。「市民的自由」なんて、たぶん「贅沢品」になるだろう。「基本的人権」がルイーズ・メンチのような連中によって「行き過ぎた人権」呼ばわりされるのと同じように、「行き過ぎた自由」と呼ばれるようになるかもしれない。「基本的人権には制限を加えるべき」という議論は、もう既にあちこちで始まっている。



楽天SHOWTIMEの50%ポイント還元セール(28日14:59まで)は、事前エントリーが必須なのでお忘れなく。視聴期間はレンタルボタンを押してから30日。一度再生を開始したら48時間以内に見終わること(48時間以内なら繰り返し再生も可能)。

「424円の映画を3本と324円の映画を1本なんて、多すぎて選べない」という方は、「洋画」の「ドキュメンタリー」のカテゴリーをご参考までに。かなりいろいろある。例えばパレスチナ(西岸地区)のラップシーンのドキュメンタリー、『自由と壁とヒップホップ』もあるし、アイヒマンについての『スペシャリスト/自覚なき殺戮者』もあるし、ジョン・ダワーの『天皇と軍隊』もあるし、フィリピンがああいうとんでもない大統領になった今見たらどう見えるのか気になる『アクト・オブ・キリング』もあるし、その続編、『ルック・オブ・サイレンス』もある。あまり重いのばかりは……という向きには、BBC Earthの自然ドキュメンタリーもあるし、贋作作家というよくわからない存在を追った『美術館を手玉にとった男』もあるし(これは未見だが、とてもおもしろそうだと思っている)、NIN信者をはじめ全ての電子音楽愛好者必見の「配線萌え」映画、「I Dream of Wires」もある。ゲラゲラ笑って爆笑してお茶ふいて椅子から落ちて床ごろごろして床ばんばん叩けるBanksyの『イグジッド・スルー・ザ・ギフトショップ』もある。イマイチぴんとこないのだけど、ベネディクト・カンバーバッチがフィンセント・ファン・ゴッホに扮した再現ものドキュメンタリー(BBC)もある。むろん、ドキュメンタリーの枠にとらわれず劇映画やTVドラマも入れれば、選択の幅はぐっと広がる。日本映画では古典がけっこうあって、市川崑監督の『野火』(1959年)はいつか見なきゃいかんと思ってるし、黒澤明監督作品はわざわざDVD/ブルーレイをレンタルしなくてもここで見られる。



27日夜追記: 本エントリがはてブのトップページに上がっていたが(ブクマしてくださった方々、ありがとうございます)、はてブが自動的にくっつけてくれるサムネイル画像が全然違う。はてブの読み取り方では、seesaaのこのブログの「本文」部分をちゃんと抽出することができないようで、サイドバーにある画像がサムネとして表示されることがままあるのだが、今回のは間違いがひどすぎる。全然関係のない別の映画の画像が、スノーデンのドキュメンタリー映画のものであるかのように見えてしまう。

c4htn.png


どうしたものだか……困ったもんですな。



※この記事は

2016年12月27日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 01:00 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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