※レターは全部で6枚。全文はこちらからPDFで閲覧できる。
その「英国」は、正式名称を「グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国」といい、「グレート・ブリテン」はイングランド、ウェールズ、スコットランドから成り立っている。だから「イングランド、ウェールズ、スコットランド、および北アイルランド連合王国」と言ってもよさそうなものだが、そう言うのも正確ではない……というあたりが実に英国らしくめんどくさい。まず第一に、英国は「連邦」ではない。1997年に政権をとった労働党による改革で、ウェールズとスコットランドに自治議会・自治政府が設置されたが(それぞれ権限には違いがあり、スコットランドのほうが「高度な自治」を行なっている)、イングランドにはそういう自治政府はなく、イングランドの立法は英国全体の立法府(すなわちウエストミンスターの議会、以下「国会」)が行なっている。一方で、北アイルランドは、1921年の「アイルランド分断」によって「北アイルランド」が今のような形で正式に成立して(つまり「プロテスタントがカトリックより多くなるように境界線を引いた上で、アイルランドのほかの部分からもぎ取られて」)以来、ずっと自治議会・自治政府を有し、ブリテン島とは別の政治を行なってきた。これは基本中の基本中の基本である。
「北アイルランド紛争」が生じたのも、単に「IRAがいたから」ではなく、その自治議会・自治政府のもとで、「少数派」である「カトリック系住民」(←日本のマスコミ様用語)が二級市民の扱いを受けてきたことが原因である。南アフリカのアパルトヘイトにもなぞらえられたその差別構造を覆すためには武装闘争しかないと多くの若者たちが信じた現実が、北アイルランドにはあったのだ。議会が常に「プロテスタント」(正確には「ユニオニスト」、つまり「英国との連合・統一 unionの維持を望む人々」)が優位になるよう選挙区割を決めたり(ゲリマンダリング)、住宅や就業といった人がまともに生活するうえでの基本的なことでも、「カトリック」は差別されていたりといった状態だった。元々北アイルランド紛争については「女王陛下に牙をむいたテロ集団IRA」的な漫画チックな説明がなされることが珍しくなかったかもしれないが、そのような勧善懲悪の物語は現実とはかけ離れている。興味がおありの方は、今月亡くなったマーティン・マクギネスについて、政治学者の菊川智文さんが2014年に書かれた電子書籍(Amazon Kindleのみ)にそういった背景がわかりやすくまとめられているので、参照されたい(Kindle Unlimitedに入っている。別途買い求める場合は250円)。
Brexit以降の日本語での「北アイルランド」に関する言説の多く(メインストリームの報道を含む)、特に「(英国からの)分離」という用語でスコットランドと北アイルランドを単に並べている言説は、北アイルランドに関するこの基本的事実を踏まえていそうにないので、注意を要する。北アイルランド(「北部アイルランド」、「北部6州」)は、あらかじめ、「アイルランドとしての統一性」を奪われた存在であり、その統一性を取り戻そうというのが、北アイルランドという領域において「アイリッシュ・ナショナリズム」と呼ばれる思想・理念・運動である。その「アイルランドの統一」のために武力を使うことを辞さない、というより、武力を以てしか「アイルランドの統一」は達成できない、と信じている人々が、さまざまなIRAをはじめとする「アイリッシュ・リパブリカン」(以下、単に「リパブリカン」)である。

日本語圏では、アイリッシュ・ナショナリズム/リパブリカニズムについてのそういった基本をふまえずに、単に「分離」として「Brexit後に高まる声」的に処理するという非常に乱暴なことが行なわれ、結果、はなはだしく不正確な印象が漂わされるということになっている。
NHKなどは、シン・フェイン所属の欧州議会議員であるマルティナ(マーティナ)・アンダーソン(彼女は政治家になる前はIRAの闘士で、女性刑務所でのハンスト闘争を実行した人である)にインタビューまでしているのに「独立も? イギリスのEU離脱で揺れる北アイルランド」などという記事を出しているが(2016年のEUレファレンダム後)、一体何をどう取材したらこうなるのか、まったくわからない。取材者がどんなストーリーを抱えていたのかは察することしかできないが、少なくとも、「統一アイルランド United Ireland」という用語とその理念を理解し、「《北アイルランド独立》などということを画策していたのは、ユニオニストの側の過激派である」という歴史的事実を踏まえていたら、こうはならない。これは決して「軽微な間違い、勘違い」ではないし、「立場によって見方が違うこと」でもない。単なる事実把握の欠落だ。
で、そのマルティナ・アンダーソンだが、英国のメイ首相が「EU離脱」の手続きを正式に開始したことを受けて、France 24でコメントしていたと本人が報告している。
Was on #Franch24 panel discussing #BREXIT and implications for GFA, Ireland & need for Designated Special Status pic.twitter.com/hv8OH63iEF
— MEP Martina Anderson (@M_AndersonSF) March 29, 2017
この映像がどこかで見られないかどうか、あとで確認してみようと思う(F24はYouTubeなどに映像を多くアップしている)。
さて、メイ首相はEUへの書簡を特使に託したあと、ウエストミンスターの議会(国会)へ向かった。国会の下院では、毎週水曜日は恒例で党首討論 (Prime Minister's Questions, PMQs)が行なわれる(ちなみに先週は車を暴走させて議事堂敷地に突っ込もうとした「テロ」のため議場から首相が退避して中断した)。Brexitの手続きを開始した日のPMQsで最初に質問に立ったのは、北アイルランドの議員だった。
北アイルランドからウエストミンスターの議会に議員を出している政党は、現在、ユニオニスト(英国との連合維持派)のDUPとUUP、ナショナリスト(統一アイルランド派)のSDLP、SF(シン・フェイン)の4党である(これにAPと略されるアライアンス党を加えた5党が北アイルランド自治議会の主要政党でもある)。これら4党のうち、シン・フェインは「正当性を認めない議会への出席はしない」という「非出席主義」により、ウエストミンスターの議会には、議席を有していても出席していないので、議場での審議・討論や採決の際は数に入らない。
……とまあ、北アイルランドはいちいち説明が長くなってややこしくていけない。
で、DUP, UUP, SDLP, SF, APの北アイルランド主要5政党の中で「EU離脱」を推したのは、DUPだけだった。北アイルランドでのEUレファレンダムの結果は、離脱賛成が44%くらいだったが、それはDUP支持者と、北アイルランド自治議会に議員を出せないようなフリンジのユニオニスト過激派(その中には極右もいる)と、それらより数は少ないだろうが反グローバリズム・反ネオリベラリズムのがちがちの左翼の票だった。大まかに経済界、産業界、ミドルクラスは「EU残留」を支持しており、ユニオニストの側でもUUPは「残留」のためのキャンペーンを展開した。ここまで整理しておくと、UUPは「EU残留」の立場をとったが、北アイルランドの文脈では「アイルランドの統一」の側(ナショナリスト)ではなく「英国との連合維持」の側(ユニオニスト)の政党である(ちなみにUUPは公的にブリテンの保守党とつながってきた)。SDLPやSFは「アイルランドの統一」の側で、なおかつ「EU残留」の立場だった。DUPは「英国との連合維持」の側で「EU離脱」だった。
3月29日、英国がBrexitの手続きを開始した日にウエストミンスターの議場で行なわれたPMQsで最初に質問に立った北アイルランドの議員は、このUUPの議員である。
LIVE: Prime Minister's Questions opens with UUP MP Danny Kinahan #PMQs https://t.co/Tv3mhvqNvY
— Belfast Telegraph (@BelTel) March 29, 2017
Theresa May won't thank Ulster Unionist MP Danny Kinahan for reminding her she voted for the UK to remain In Europe #pmqs
— Kevin Maguire (@Kevin_Maguire) March 29, 2017
ハンサードを見てみよう。
https://hansard.parliament.uk/commons/2017-03-29/debates/CBEE7527-6165-4A80-B2F8-4C659FFB0D49/OralAnswersToQuestions
Prime Minister
The Prime Minister was asked−
Engagements
Danny Kinahan (South Antrim) (UUP)
Q1. If she will list her official engagements for Wednesday 29 March.
The Prime Minister (Mrs Theresa May)
I would like to update the House on last week’s terrorist attack. Since my statement on Thursday, the names of those who died have been released. They were Aysha Frade, Kurt Cochran, Leslie Rhodes and, of course, PC Keith Palmer. I am sure that Members of all parties will join me in offering our deepest condolences to their friends and families. The police and security services’ investigation continues; two people have been arrested and remain in custody.
This morning I had meetings with ministerial colleagues and others, and in addition to my duties in this House, I shall have further such meetings later today.
Danny Kinahan
I echo those sentiments and congratulate the Prime Minister on all the good work done last week and since that time.
I also congratulate the Prime Minister and the Government on triggering article 50 today. I know that this is a momentous action for the whole of the United Kingdom. Although I, in common with the right hon. Lady, campaigned to stay in, we recognise that the people have spoken, and we offer the Ulster Unionist party’s full support in ensuring that the negotiations deliver the best for the whole of the United Kingdom, and particularly for Northern Ireland.
I ask the Prime Minister to confirm that, in the extremely improbable event that a border poll should take place regarding the future of Northern Ireland within the United Kingdom during her premiership, her Government would fully support any official remain campaign, just as the Government have done in regard of the EU and indeed Scotland.
The Prime Minister
The hon. Gentleman is absolutely right that today we give effect to the democratic decision of the people of the United Kingdom, who voted for us to leave the European Union. It was a call to make the United Kingdom a country that works for everyone, not just the privileged few. We are, of course, fully committed within that to ensuring that the unique interests of Northern Ireland are protected and advanced as we establish our negotiating position. Our position has always been clear−that we strongly support the Belfast agreement, including the principle of consent that Northern Ireland’s constitutional position is a matter for the people of Northern Ireland to determine. As our manifesto made clear, we have a preference for Northern Ireland to remain part of the United Kingdom, and we will never be neutral in expressing our support for that, because I believe fundamentally in the strength of our Union.
メイ首相が言っている「ベルファスト合意」(別名「グッドフライデー合意」、略語としては常にこの別名が用いられ、GFAという)の原則、「北アイルランドのコンスティテューショナル・ポジション(帰属)は、北アイルランドの人々が決めること」は、これまでは「建前であり、本心であり、本音である」と私は思ってきたのだけど(ぶっちゃけ、英国政府は北アイルランドなどという面倒なものとは関係をもちたがっていない。英軍が、通常の「駐屯」を除いては撤退した現在は、国民の関心も薄れている。それに、英王室もひそかに「アイルランドの南北分断は解消されるべき」と考えてきたことが、いわゆる「30年ルール」で開示された文書などからわかってきている)、「英国のEU離脱」という大きな環境変化と、それにともなうスコットランドの動向という要素によって、わからなくなってきた。つまり、英国政府は「北アイルランドの帰属は北アイルランドの人々が決めること」という建前を維持したまま(その建前をかなぐり捨てることは、さすがに矜持が許さないだろう)、「人々が決める」機会を提供しようとしないことで、建前を建前のままにしておくのではないか、ということだ。「統一アイルランド」は「実現の可能性などない、絵に描いた餅」のまま永久保存されるのではないか、ということだ。
実際、3月2日の北アイルランド自治議会選挙の結果、ユニオニスト(DUPとUUPとその他の政党)の数的優位が維持できなくなり、なおかつユニオニスト、ナショナリスト両陣営の第一党であるDUPとSFの議席差がわずか1となったあと(&DUP党首とRHIスキャンダルをめぐり、自治議会・政府が機能停止したままという選挙前の状況が続いているなか)、英国政府の発するメッセージのトーンが「ん?」というものになってきている。(私は過剰に疑り深いのかもしれないが、英国政府の言うことを額面どおりに受け取るほどナイーヴではないわけで……特にスコットランド独立可否レファレンダム後のスミス勧告だっけ、あのあとは……)
Political stability in Northern Ireland is 'UK responsibility' https://t.co/avoGtCskq5 変なフラグが立ってませんかね。Execが機能停止に陥っているのはDUPが無理を通そうとしてるからなんだけど
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 18, 2017
Stormont talks: Westminster to 'consider all options' after Easter https://t.co/jIwThfiq3t 実際に北アイルランドの選挙結果がああなってみると、英国政府が維持してきた建前は吹っ飛ばされる。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 28, 2017
「建前」=「北アイルランドの帰属は住民自身の意思で決める」、「英国は北アイルランドには別に権益持ってない」(正確な文言は覚えてない。アングロ・アイリッシュ合意からGFAらへんをウィキペディアで掘れば普通に見つかるはず)/スコットランド独立問題がリアルになってきたので態度変わった。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 28, 2017
The United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandが、let Northern Ireland goすれば、Great Britainの中のScotlandも…という流れになるのは確実と踏んでおくのが普通の考え方だろう
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 28, 2017
3月23日のデリーでの光景は、夢だったんだなあ。故人を送るための夢物語を現実化したもの。こうなったときに、マーティン・マクギネスがもういない、ということ。英国政府をひっぱりこんでユニオニストとも交渉する交渉役がいない。ああ、選挙まではとてもおもしろかったのに。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 28, 2017
BBC News - NI 'would return to EU' in event of united Ireland vote https://t.co/xcebBcP2s8 見出しだけ見て「はいはい、またアダムズの発言ですか」と思ったら違った。デイヴィッド・デイヴィスだ。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 28, 2017
実際、空転している北アイルランド自治議会&政府のことは何とかしなければならないわけで、そちらは下記のような進展が、Brexitの手続き開始と並行して伝えられている。こういう時に「ウエストミンスターの直轄統治 direct rule」というのがまともにありうる選択肢として報道されていないことは、2002年の空転時とはかなり違ってはいるかもしれない。しかし、既にウエストミンスターから "consider all options" という言葉が出てきているのもまた事実だ。
BBC News - Civil servant David Sterling takes over Stormont budget https://t.co/hFmJm60D75 北アイルランド自治政府(Exec)・議会が機能停止→予算不成立→役人がサイフの紐を握った。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 29, 2017
No return to Direct Rule – Michelle O’Neill @moneillsf pic.twitter.com/6aDLkxkVjo
— Sinn Féin (@sinnfeinireland) March 28, 2017
で、29日のPMQsにおいてメイ首相が "As our manifesto made clear, we have a preference for Northern Ireland to remain part of the United Kingdom, and we will never be neutral in expressing our support for that, because I believe fundamentally in the strength of our Union." と述べた(ソースは上掲)ことについて、ベルファスト・テレグラフが次のようにフィードして:
LIVE: May - asked about border poll - says she won't ever be neutral on Union and believes in stronger union #PMQshttps://t.co/Tv3mhvqNvY
— Belfast Telegraph (@BelTel) March 29, 2017
リパブリカン運動(シン・フェインとIRA)のメディア、An Phoblachtはこうフィードしている:
British PM admits she’s not neutral re British-imposed border and Westminster’s partition of Ireland.#Article50 #Brexit @GerryAdamsSF https://t.co/GYY14CFZLu
— An Phoblacht (@An_Phoblacht) March 29, 2017
これに対してアダムズは特に反応していないようだが、ストーモントでのEU残留派のデモについて数多くRTしている。
Anti-Brexit protestors march on Stormont https://t.co/jyTqPdpqCq pic.twitter.com/nTG2Zpq6Po
— UTV (@utv) March 29, 2017
Post Custam ag Cnoc an Anfa inniu #Brexit pic.twitter.com/LEqduEd3Fc
— SinnFéinGaeilge (@SinnFeinGaeilge) March 29, 2017
Scaifte mór inniu @ agóid Stormont in aghaidh Brexit. "The only Brexit we want is a British exit from Ireland!" pic.twitter.com/nSeVwCvjpW
— Mark McLoughlin (@MarkMcL94) March 29, 2017
@JohnODowdSF supporting Border Communities Against Brexit today at Stormont pic.twitter.com/Q9a6xRw2Yd
— Upper Bann Sinn Féin (@upperbannsf) March 29, 2017
そもそもシン・フェインの案は、北アイルランドにスペシャル・ステータスを(この文言自体、英国政府には刺激的だよ。ボビー・サンズあたり参照)、というものだ。ただしこの政党は上述の通りウエストミンスターに議席は持っていても出席しないので、シン・フェインの案がウエストミンスターで語られることはない。
French Minister supports Ireland’s "special status" re Brexit being included in draft plan of EU priorities for its exit negotiations pic.twitter.com/AHh8liA6Gw
— MEP Martina Anderson (@M_AndersonSF) March 28, 2017
下記の "national" は「アイルランド」のことである。この点、説明しだすとまた書き終わらなくなるので先に行くけど。
National interest must be to the fore following triggering of Article 50 – Adams https://t.co/EBDw9j7vNK
— Gerry Adams (@GerryAdamsSF) March 28, 2017
Brexit is an unprecedented situation which requires an unprecedented response. Taoiseach must act in the national interest @GerryAdamsSF pic.twitter.com/gBqkHA4BFs
— Sinn Féin (@sinnfeinireland) March 29, 2017
もちろん、アイルランド共和国の中央政府にとって、北アイルランドのことは、国内的にはフリンジだ(そもそもアイルランドはアイルランドで政治危機があって、エンダ・ケニー首相の退陣は決定している。去年の選挙の結果も「おもしろい」ものだったが……というか大爆笑した)。それにしても、アダムズが議場からツイートしてきた写真はすごい。
Govt benches during Statements on North indicative of their interest pic.twitter.com/0jcWop3vGi
— Gerry Adams (@GerryAdamsSF) March 29, 2017
Gov MUST support the only solution to the #brexit problem, a special designated status for the north within the EU #LeadersQuestions #dail pic.twitter.com/no13hPTDwn
— Gerry Adams (@GerryAdamsSF) March 29, 2017
.@GerryAdamsSF says Special status for the north is the way forward. It will keep the whole island in the EU together.
— Sinn Féin (@sinnfeinireland) March 29, 2017
Leaders Questions - @GerryAdamsSF is raising the triggering of Article 50 & Govt’s response to Brexit. pic.twitter.com/5p9da1JZ14
— Sinn Féin (@sinnfeinireland) March 29, 2017
どうでもいいけど、「スペシャル・ステータス」って連呼するの、やめたげて (・_・)
この日の新聞一面ギャラリーは、見ておく価値がある。
Newspaper headlines: Brexit begins as UK 'steps into the unknown' https://t.co/O92LIp7Luv メイルがジュネーヴ条約違反英兵(殺人罪がクリアされた)とBrexitを並べて「自由」と叫んでいる。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 29, 2017
以下、#BrexitDayの私のTwitterから。ここまでで貼りこんだものも少し重複している。
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
European parliament will veto Brexit deal with early cut-off date for free movement https://t.co/Y8vQuMfIgW ガーディアン独占。29日(水)正式にEU離脱の意思を表明するが… at 03/28 21:59
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
Article 50: May signs letter that will trigger Brexit https://t.co/RdXEO5bqsS"JeremyCorbyn said his party respected the decision 2 leave EU" at 03/29 16:44
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
Twitter Trends (UK) as of 16:50 JST (GMT +9), 29 March 2017 https://t.co/2Nxsw2a1cT at 03/29 16:51
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
BBC News as of 16:52 JST (GMT +9), 29 March 2017 https://t.co/K09jzrM6rg #Brexit https://t.co/sgkHKeALi4 at 03/29 16:54
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
The Guardian (International edition) as of 16:55 JST (GMT+9), 29 March 2017 https://t.co/PDdQ9BJpah #Brexit
mirror… https://t.co/EqvwCiDqm0 at 03/29 17:00
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
RT @BBCNews: #BrexitDay is trending on @Twitter. The #Brexit process begins later when #Article50 is triggered – here's our guide
https://t… at 03/29 17:15
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
RT @Telegraph: The end of the affair: how the historic day Article 50 is triggered will unfold #BrexitDay https://t.co/r6UfTRFLvN at 03/29 17:15
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
RT @Themichaelhardy: #BrexitDay is finally here. I think it's the perfect time to re-post this Jo Cox quote https://t.co/s9eMV5ukfH at 03/29 17:17
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こうなった一方で、「EU離脱」の旗振り役だったUKIP(およびその、一応「草の根」的応援団のブリテン・ファースト)が今どうなってるか、ちゃんと整理して分析しといたほうがいいっすよね。特に「なんとかファースト」って言っちゃうのがファッショナブルになりつつある中では。 at 03/29 17:20
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その「なんとかファースト」っていう言葉で表される思想から来る認知のゆがみみたいなのは、政治家の暗殺事件を引き起こしてるんだけどね(ジョー・コックス議員殺害。犯人がテロ組織の一員でないため法的に「テロ」扱いされず普通の「殺人」事件として処理されたが、中身は「テロ」)。 at 03/29 17:22
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こないだから気になってるNHKの報道、基本は「一体なのは英国(UK)だ」っていう政治思想で、そこにはあの北アイルランドという奇妙きわまりない、不自然な存在へのまともな考察・分析が抜け落ちている。現状は何も損なっていないとでも言うのだろうか。アイルランドの一体性が損なわれているのに at 03/29 17:24
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「北アイルランド」(北部6州)は、「アルスター」から都合のよいように(「プロテスタント」が多数になるように)6州だけ切り出したものだという基本中の基本すらわかっているのかどうか、NHKの記事をいくつか読んで、非常に疑問に思った。 at 03/29 17:26
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RT @neilsnds: An unelected Prime Minister
Acting on a non-binding referendum
Voted for by less than 50# of electorate
That's not democracy… at 03/29 17:28
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
RT @Bonn1eGreer: Via @libe:
"Missing You Already".... 😂😂 -chapeau!
#BrexitDay
#Article50
#NotInMyName
https://t.co/6R5ey43F1l at 03/29 17:29
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
RT @xNotPollyx: Two clock changes in one week. One step forward, one giant step back... to 1972. Sad times indeed. #BrexitDay #NotInMyName… at 03/29 17:30
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
BBC News - London Stock Exchange-Deutsche Boerse deal blocked by EU https://t.co/ooVVbMseZX No surprise. at 03/29 19:58
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
RT @BelTel: LIVE: Prime Minister's Questions opens with UUP MP Danny Kinahan #PMQs https://t.co/Tv3mhvqNvY at 03/29 20:05
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
RT @Kevin_Maguire: Theresa May won't thank Ulster Unionist MP Danny Kinahan for reminding her she voted for the UK to remain In Europe #pmqs at 03/29 20:05
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
Newspaper headlines: Brexit begins as UK 'steps into the unknown' https://t.co/O92LIp7Luv メイルがジュネーヴ条約違反英兵(殺人罪がクリアされた)とBrexitを並べて「自由」と叫んでいる。 at 03/29 20:29
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
RT @An_Phoblacht: British PM admits she’s not neutral re British-imposed border and Westminster’s partition of Ireland.
#Article50 #Brexit… at 03/29 20:45
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
RT @Kevin_Maguire: The PM who turned from a Remainer to a Leaver said "there can be no turning back" on Brexit. Really #pmqs at 03/29 20:47
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
BBC News - Article 50: The view from Northern Ireland https://t.co/0n2ELcVcUr アイルランド北部/北アイルランド目線 #Brexit at 03/29 21:14
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
Brexit: Looks like Donegal's leaving EU too...: J. Donaldson jokes over Guardian front page https://t.co/Y8lXfRZUfj つかそもそもドニゴール切り離したの誰だって話だ。 at 03/29 21:24
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
The Belfast Telegraph as of 21:20 JST (GMT +9), 29 March 2017 https://t.co/mhicGPID6n #Brexit
Mirror:… https://t.co/qLyaedjIJU at 03/29 21:28
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
The Irish Times as of 21:30 JST (GMT +9), 29 March 2017
https://t.co/M9DyKeOKAe #Brexit
Mirror:… https://t.co/6kbRJroxHF at 03/29 21:34
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
Brexit: Ireland’s ability to influence EU deal is highly limited https://t.co/fDt9Oi0w06 アイルランド目線 #Brexit at 03/29 21:37
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
RT @IanDunt: Tusk now. "No reason to pretend this is a happy day. Most Europeans, including nearly half the British voters wish we would st… at 03/29 21:39
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
RT @elenacresci: Donald Tusk: "We already miss you. Thank you, and goodbye" #Article50 https://t.co/q4pAe1nUQi at 03/29 21:39
nofrills / nofrills/新着更新通知・RTのみ
RT @stuartmillar159: "Dear President Tusk..."
Read Theresa May's full letter invoking Article 50 here https://t.co/pJM7lmcZAy https://t.co/… at 03/29 21:39
スコットランドにとてもお詳しい翻訳者の杉本優さんとのやり取り(「やり取り」にはなってないけど)。ソースも示さず乱暴ですみません。できればあとで足します。
@nofrills UK政府は北アイルランドを放り出すことを半分本気で考えてるのかもなあと今朝これ見て思いました。北アイルランドは何かと面倒くさいし、直接統治に戻すなんてこの大変な時に考えるのもげっそりするし、南が欲しいならどうぞどうぞあげますよ、みたいな。
— Citizen of Nowhere (@yunod) March 28, 2017
@yunod 「めんどくさい北アイルランドとはできれば(略)」というのは、メイジャー政権以降ずっとあったUK政府の「本音」なのではないかと思います。その「本音らしきもの」をちらつかせながらユニオニストをチラ見しているのではないかと……。1
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 30, 2017
@yunod 「ユニオニストが頑迷なためナショナリストとの共同統治(パワーシェアリング)が機能しなくなった場合には、最悪どういうことになるかわかってるんだろうな」というメッセージ出しというか…。「統一アイルランド」はいわば「切り札」に仕立て上げられてしまっているのではないかと。2
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 30, 2017
@yunod 2008年リーマンショックでアイルランド共和国に大打撃があった後の世論調査では、NIのナショナリストの間でも「統一アイルランド」への支持はとても少ないのです。そういう特殊な状況下での調査とはいえ調査は調査で、数字が得られている。それが見えない安全網になってます。3
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 30, 2017
@yunod というわけで、デイヴィス大臣の発言をそのまま読むのはちょっと危なっかしいと思うのです。第一、「ユニオンの維持」を壊すようなことをUK政府がやるとは思えません。それが北アイルランドでもジブラルタルでもフォークランドでも。長リプ失礼、ブログに少し書きます。4/了
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 30, 2017
実際、北アイルランドで大手メディアなりSlugger O'Tooleのような政治ブログなりを見ていると、"the Union is secure" というコンセンサスができています。2012年から始まった「旗騒動」は、そのような「連合(英国の一部というステータス)は安泰である」という抽象論を理解しえず、「たかが旗の掲揚」のような目に見えるシンボルの現状維持が崩れると大騒ぎするような人々が、ジェイミー・ブライソンのような活動家の煽動で集結したことで発生・継続したのですが、そういう人々のことがニュースになることはあっても、騒がない人々のことはニュースにならない。だから、"the Union is secure" というコンセンサスがあることは、よほど北アイルランドに関心がある人しか知らないんじゃないかと思います。
で、Brexitでそのコンセンサスが、少し、揺らいでいるんです。そういうタイミングで行なわれたのが、RHIスキャンダル(再生エネ切り替え促進プログラムで私服を肥やす悪質業者が続出し、制度設計をしたDUPの政治家たちは責任を取ることを拒否)がきっかけとなった北アイルランド自治議会の解散・総選挙。解散を引き起こしたのはマーティン・マクギネスの副ファースト・ミニスター辞任でしたが、そのマクギネスが辞任・政界引退して2ヶ月で病死というめまぐるしいことになったのはニュースになり、そして自治議会選挙(3月2日)の結果、北アイルランドが成立して以降ずっと維持されてきた「ユニオニストの優位」が崩れたことは大きなニュースにはなっていないし、居住者か研究者かオタクでもなければ関心を払わない。オタクを自認する私自身、書こうとするとゲラゲラ笑い出してしまい、収拾がつかなくなって、ブログにすら書いていないというていたらくなのでダメなんだけど、まあ、こんな個人ブログが書いたところで、NHKのような大大大メディアが「独立も?」とかいうfake newsを流しているところでは、何にもならないんすよね。
ほんと、研究書の一冊でも読めばいいのに……立命館の南野泰義教授が新刊を出されましたね。ごっつい価格なのでまだ手が出せないんですが、南野教授の北アイルランドについての論文は、ネットで読めるものがけっこうあるので、まずはResearch Mapを見たり、ウェブ検索したりしてください。
![]() | 北アイルランド政治論: 政治的暴力とナショナリズム 南野 泰義 有信堂高文社 2017-03-08 by G-Tools |
繰り返しになりますが、菊川先生の電子書籍は、もっと気軽・手軽に読めます。
いかに平和をもたらすか?: IRAリーダーからトップ政治家へ マーティン・マクギネス | |
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※この記事は
2017年03月30日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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