kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年05月29日

土壇場で英国が寝返ってクラスター爆弾禁止条約合意

この「寝返り」は歓迎だ。(「歓迎」は、バルフォア宣言などとの比較。)

ダブリンで今月、クラスター爆弾禁止条約についての会議が行なわれていたが、米国、ロシア、中国、イスラエルなど主要国が会議に参加してもいなかったことだけでなく、議事がかなりいろいろと難航しているような雰囲気だったことから、「とりあえず先送り」になるのではないかとすら思っていたが、土壇場で英国が「禁止条約に賛成」に寝返った。(どうやら、国防省と外務省の駆け引きがあって、最後は首相の「ツルの一声」的に、ということだったらしい。報道を見ていると。)

英国が「賛成」に回って、「条約草案合意」だ。



asahi.com:
http://www.asahi.com/international/update/0529/TKY200805290033.html
(→記事が読めない場合はここをクリック
 オスロ・プロセスは昨年2月、大量生産・保有国抜きで始まったことから、条約の実効性への懸念の声があった。このため、同プロセスを推進するノルウェー政府や国際人道団体は、できるだけ多くの国の賛同を得て、国際世論でクラスター爆弾の使用を抑え込むことを目指した。関係者は「英仏独が脱落すると説得力が半減する。これらの国を巻き込んだ妥協点を見つけるのが課題だった」と話す。

 英仏独は「不発率の低い自己破壊装置付き」などを例外とすることが条約案に盛り込まれたため、賛同に回った。合意を受けて、ブラウン英首相は「保有する全種類の爆弾を廃棄する」と声明を発表。仏も禁止対象の爆弾を廃棄することを明らかにした。


asahi.com記事にあるように、「全面」禁止とは言えない内容で落ち着いたのが現状だ。しかし、英国のように実際にクラスター爆弾をがんがん使いまくっているような国に離脱されるよりは、はるかによい結果だと思う。

英語での報道は:
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/cluster%20bomb/
にクリップしてある。

とりあえず、お約束でBBCは:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7423714.stm

※以下、書き足しています。
さて、今回は「英国が自爆装置つきではない旧来のタイプのクラスター爆弾は全面的になくすという方向でOKとした」ことで局面が打開されたようだが、実は英国は2007年3月に、自爆装置のついていないクラスター爆弾(不発弾が地雷化するもの)を使うことを停止する、としている。当ブログ過去記事(下記URL)を参照――レバノンのクラスター爆弾被害(果樹園の木や庭木にひっかかっているもので被害にあうケースなど)についてのレポートがメインだから、英国のことについてはすっごい下の方にあるのだけど、"Britain bans 'dumb' cluster bombs" という文字列をページ内検索でどうぞ。
http://nofrills.seesaa.net/article/47122875.html

今回の条約草案は、記事を見る限り、この2007年3月の英国の方針と大体同じなようだ。

で、クラスター爆弾をがんがん使いまくっている軍事大国の米国は今回会議に参加していないのだが、米国もその「自爆装置つきのに切り替える」という方向でなら条約に反対はしないかもしれない。(となれば日本も、だが。)そうなると、この条約に米国が入るとして(少なくとも米国が入らないと、条約が発効しても実効性を持たない。「米国が入らないこと」は「ロシア、中国が入らないこと」の理由として利用されてしまう。まあ、「米国が入った」からといって、ロシアや中国がそうなるとは限らないのだけど)、禁止されるのは「旧式の、小爆弾が地雷化してしまうもの」に限られるということになるだろうし、それでは問題の根本的解決にならないのではないかとも思う。少なくとも「市街地」での使用は、スマート爆弾だろうがダム爆弾だろうが、全面禁止すべき兵器だという指摘も意見も数多いのだけれども(私も、専門家ではないけれども、報道などを読む限りでそう考えている)。

ともあれ、記事だ。

まず英メディアの記事は、「支持率超低空飛行のゴードン・ブラウンがこんな決断を」みたいなのが基本にあるので、ノイズが多い。英メディアで記事が読みやすいのはガーディアンのRichard Norton-Taylor(軍事分野の記者)が書いてるものかな。

米メディアの記事は、NYTとWPしか見ていないけれど、「さあ、米国はどうする、どうなる」という感じで、英メディアよりも状況は把握しやすい。

読みやすいのは英でも米でもない英語圏のメディアの記事。特に会議主催のアイルランド。

29 May 2008
Dublin treaty bans cluster bombing
By Dan Collins
http://www.irishexaminer.com/irishexaminer/pages/story.aspx-qqqg=ireland-qqqm=ireland-qqqa=ireland-qqqid=63828-qqqx=1.asp

それから、米軍を支援しているオーストラリアのメディアの記事も、けっこう明瞭だ。

Cluster bomb ban surprises observers
By Rafael Epstein
http://www.abc.net.au/news/stories/2008/05/29/2258967.htm

いくつか見ておこう。

まず、オーストラリアABCの記事。
http://www.abc.net.au/news/stories/2008/05/29/2258967.htm

ダブリンでの会議でクラスター爆弾禁止条約の草案が合意されたことを、「多くのオブザーヴァーを驚かせた結果 (an outcome that has surprised many observers)」と描写している。そして、そのキーを握ったのが英国であったことも端的に書いているが、中国、米国、イスラエルといったクラスター爆弾生産国・使用国が会議に出ていないということを説明し、「オーストラリアのような国は、米国と共同で戦闘を行なっているため、イマイチ押しが足りてないと批判されている」と自国に言及している。そして、クラスター爆弾禁止条約への動きが、対人地雷禁止条約と重なるものであることを書く。

これらの概略的なことのあとに、英国の「変心(change of heart)」について、詳細を述べている。

Britain's change of heart was a massive boost to the Dublin conference.

Prime Minister Gordon Brown appears to have overturned opposition from his own Ministry of Defence.


そしてこのあと、ダブリンでの会議に出席していたオーストラリアのNGOのArchie Lawさんのコメントで、「1年半前に、今日この部屋にいる人たちにこんなに強い調子の条約草案を見せたら、賛成者はそんなにいなかっただろう。英国が賛成に回ったことで大きく進展した」といった内容のことが書かれている。また、主要国(ロシア、中国、米国、イスラエルなど)が条約策定プロセスに関わっていないことは、条約の効力に影響しないと彼は見ている。「クラスター爆弾を禁止している条約があるのだということは、どの国にとっても大きな意味を持つことだ。条約に署名した国はすべて、米国のようにクラスター爆弾を使っている国に対し、その使用を続けることは難しくなってゆくというメッセージを伝えることになる」。

この記事では、クラスター爆弾が使われた場所について、レバノン(2006年、イスラエル軍)、イラク(2003年から、米軍)、アフガニスタン(2001年から、米軍)が例示されているが、イラク、アフガンでは米軍だけでなく英軍も使っているし、その前、コソヴォ紛争のときにNATO軍が使っている。

また、米軍がある紛争でクラスター爆弾を使用する場合、オーストラリアや英国のような条約署名国が米軍とともに戦闘を行なうことは、この条約に照らしてどうなのか、ということが大きな論点となる、とある。その後に、英国の領土内には米軍基地があり、そこに蓄えられている米軍のクラスター爆弾についての扱いを英国は懸念している、とも(ディエゴガルシア島とか、いろいろ)。

記事はそのあと、オーストラリアのNGOのアーチー・ローさんのコメントに戻る。いわく、「10年前に地雷禁止条約ができたが、これは次のステップだ。交戦規則も見直されねばならない。米国と武力行使・衝突発生前に話をするときに、我が国はクラスター爆弾禁止条約を締結しているので、我が国と連合して戦うのであれば、貴国はクラスター爆弾を使うことはできない、ということになる。何も難しいことはない」。

上にリンクしたasahi.com記事に、「これまで態度留保してきた日本政府は、一転して条約案容認の方針を固めた」とあるのだが、日本やオーストラリアがそう動いたきっかけは、「米国の同盟国」である英国が条約案賛成(新聞語のこの「容認」っての、嫌いなので「賛成」と書く。英語ではたぶんsupport)に回ったことだろう。

ここでもう一度、asahi.comから:
 条約案は、子爆弾の不発率が低い新型の高性能爆弾は禁止対象から外した。日本や英仏独などが例外規定を広く求めていたのに対し、オスロ・プロセス提唱国のノルウェーなどが「例外なき禁止」を主張。最終的に、例外を設けても現在世界で保有されているほぼすべての爆弾が禁止対象になることから折り合った。条約に加盟する保有国は、8年以内に全廃を目指す。

 日本や英独が求めた、代替兵器を装備するまでの移行期間は設けられなかった。一方、条約加盟国は非加盟国との「軍事協力や作戦」ができるとした。米国と同盟関係にある日本や英国の対米軍事関係を妨げないという配慮だ。



※まだまだ書きかけ

※この記事は

2008年05月29日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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