「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年03月16日

イランは「人権侵害」を行なう国家と位置付けられ、中国はそうではないと米国は言う。そして英国はNIをプロトタイプにするつもりだ。

以下、基本的に書きなぐり。あまりに頭に来ているので論理的に不整合なところとかもあるかもしれないけど、もういい、下書きのまま出します。




幻聴だろうが、黒い笑いを求める声が聞こえるので(笑)、不謹慎にもひとつ。

http://mainichi.jp/select/world/news/20080312dde007030065000c.html
米人権報告書:「人権侵害国」中国を外す

 【ワシントン坂東賢治】米国務省は11日、世界190カ国余の人権状況をまとめた07年版の人権報告書を公表した。独裁政権下で組織的な人権侵害が行われている国として北朝鮮やミャンマー、イラン、シリア、ジンバブエ、キューバ、ベラルーシ、エリトリア、スーダン、ウズベキスタンの10カ国が列挙されたが、昨年まで含まれていた中国はこのリストから外された。
 ……ただ、「中国の全体的な人権記録は依然劣悪だ」と指摘し、宗教や言論の自由の弾圧、インターネット規制の強化を指摘した。
 ……

毎日新聞 2008年3月12日 東京夕刊


もういっちょ。4年前、2004年3月24日の当ブログ@旧URLから。
これは笑うしか反応できない。

【投稿時から】2年近く前の記事なんですけどね,
UK angry at US rights criticism
Saturday May 18, 2002
http://www.guardian.co.uk/humanrights/story/0,7369,717785,00.html

UKがUSのhuman rights reportに抗議した,という記事なんです。

02年のUSのhuman rights reportでは,UKは「人権をあまり尊重していない」とされてたようなんです。

あーなるほどねー,ジョージ・オーウェルの予言的中の監視国家になってるしねー。

とか思ったらそうじゃなくて。

なんか,USのレポートに書いてあったのが,1970年代の状況だったらしいんですね。それを根拠に「人権をあまり尊重していない」と断言した,と。

……おいおい。

しかも笑って(はいけないのだけどついつい笑って)しまうのが,「北アイルランドでは警官が横暴だったりしてるそうじゃないか。人権が尊重されてない!」というような流れになってたということで。


アメリカ合衆国は、北アイルランドの人びと(主にナショナリスト)の人権のためのキャンペーンは、草の根レベルでも議会でも盛んだった。だから英国に対して「人びとの人権を守れ」という方向で報告書を書く、ということにもなったのだろう。(まあ、最もスゴいのは、30年前のものをそのまま出してしまうというアホっぷりなのだが。1994年の停戦はアメリカ合衆国が深く関わったうえで達成されたということも覚えてないらしい。)

で、今回、2008年人権報告書の「人権侵害国家」から「中国」が消えた背景には、毎日新聞の記事によると、「オリンピックを前にことを複雑にしたくない」とかいうことがあるらしい。今ここでオリンピックに何かあればいろいろ大変なことになるだろうしね(特に経済的に)。それと、もちろん北朝鮮に対するあれこれで、中国を頼らざるを得ない、ということもある。

それがあるから、すべてがばかばかしい。

2008年人権報告書で「人権侵害国家」の一覧に名前があるイランでは、金曜日に総選挙が行なわれ、現在開票作業中だ。私はペルシャ語はできないから英語に頼るしかないのだが、BBCの記事を見る限り、こないだのロシアの大統領選挙と非常によく似ている。有力な対立候補(になりそうな人)は立候補を許可されず、イランの「改革派」は戦いを諦めてしまっていたようで(the reformists seem to have given up the fight)、有権者的には「票を投じたい候補がいない」というような状況。予想される選挙結果は、現大統領支持派が一番多くの議席をとり、次に保守派の反アハマディネジャド陣営(ってどんだけ保守的なのか、想像もつかない)、改革派はわずかで、政治的な立ち位置がはっきりわからない無所属が改革派よりも多くの議席を取りそうだ、とのことだ。大本営発表では投票率65パーセントだが、BBC記者は「でも投票所そんなに人いなかったッスよ」みたいなことを書いている。イランとしては、投票率が高くないと国際的に非難されるから、投票率は高くあってくれないと困るとのことで、全然根拠のない推測だが、「村人を全員バスで投票所に」みたいなこともあってもおかしくないなあとか思ったりもする。

で、イランも、なんかもう絶望的になるとしか言いようのない雰囲気なのだが、そんなイランより「人権侵害」の度合いではましと米国政府が判断した中国では――「中国では」と書くのにもためらいがあるのだが(北アイルランドのことですら、「英国では」と書かないのだから)――、China's leader Hu Jintao has been elected for another five-year term as president, after a near-unanimous vote in the National People's Congress. などという国政ニュースの一方で、大流血の事態が起きている。

イラン人の難民申請者のこと、イランの選挙のこと、それと北アイルランド(NIからは、かなりスゴい話が3つくらい出てきている)でいっぱいいっぱいなので、ろくすっぽ記事も読めちゃいないのだが、読んだものをメモしておく。

その前に、今の英国にとっての「仏教」のイメージは、ビートルズなどを経由してポップ・カルチャーの分野でもたらされたイメージに負う部分が大きく、「仏教」といえば「ナマステ」な感じだったりする。昨年のビルマ動乱についてのやりとりでも「ナマステ」を挨拶に使っている人とすれ違ったが(その人は英国の人ではなかったけれど)。それどころかチベット仏教の視覚的イメージ(旗、タルチョとか)までビルマのコンテクストに入れられているのを見たような記憶もある。

そして、昨年8月から9月にビルマの僧侶のデモの写真がメディアに出てから半年あまり、東南アジアの黄味の強い赤ではなく、チベットのあの赤をした僧衣の人びとが路上に出た写真を見て、そして私は勝手に、そこに書かれてもいない「(イスラムの連中とは違って)平和的な仏教徒が」というメッセージを見出しては幻聴だ幻聴だと振り払う。この調子では、コメント欄を設けている記事など見ることもできないだろう。

写真はここにも。


閑話休題。

ガーディアン:
Dozens killed in Tibetan protests
Amelia Hill and agencies
Saturday March 15 2008
http://www.guardian.co.uk/world/2008/mar/15/tibet.china3

なんて疲れる記事だろう。

由緒あるLabrang僧院から、僧侶がXiaheの市街へと行進を開始し、徐々に僧侶ではない一般の人たちも集め、20年ぶりの規模(数百人規模)のデモとなり、政府の建物を襲い、警察署の窓を叩き割り、警察は催涙ガスで応戦。ロンドンに本拠のあるthe Free Tibet Campaignでは、Xiaheでは20人が逮捕されたとしている。この前の日、ラサでは少なくとも30人が死亡(中国政府の大本営発表では10人)、未確認情報では死者数130人とも。

英国に亡命している(exiled)チベット人は15日の夜に集会(vigil)を開く予定で、英国の政治家に対しチベットの人権状況についての発言を求めている。

というくだりを引用:
Campaigners have called on British ministers to speak out over human rights conditions in Tibet, contrasting their attitude now with that of last year when violence erupted in Burma.


つまり、英国に亡命しているチベット人は、昨年のビルマのときとは対照的に、人権についての発言を英国の政治家に求めている、とこう書いてあるのだよね?(構造的、論理的にあまりすっきりとした英文ではないので誤読しているかもしれない。)

ああ、疲れる。

ロンドンでの集会には、かつて政治犯として投獄されていたチベットの人たちも出席する。そのひとり、尼僧のNgawang Sangdrolさんは、信仰(her beliefs)ゆえに懲役23年を宣告され、11年を刑務所で過ごしたあとの2001年に釈放された。現在は米国在住だが、元政治犯の集まりのために英国を訪問している。彼女は「状況がたいへんに心配です。11年投獄されていましたから、中国政府が人びとをどう扱うかはよく知っているのです」と言う。(北アイルランドにいけば「政治犯」、「テロ容疑者」を政府がどう扱うかをよく知っている人が大勢いるだろうけれども。)

「あそこには人権などありません、世界中の政府が声をあげるべきです。金勘定の問題ではなく、人命の問題です。人びとは自由と真実を求めて戦っているのです」

The Free Tibet CampaignのスポークスマンをつとめるMatt Whitticaseは、「状況はほんとうに悪化しています。治安当局とチベット人との間で非常に深刻な衝突が発生しています。英国政府は沈黙をやめ、重い腰を上げるべきです」と主張する。

そして彼は、ビルマのときとは政府の対応が異なっていると指摘する。「昨年、ビルマのときには、ゴードン・ブラウン首相は人権を叫びました。ビルマの僧侶の人権は、政府はしっかりと主張した。しかしチベットとなると腰砕けです」

ガーディアン記事にあるが、実際、ブラウン首相は訪問先のブリュッセルで、紋切り型の「大変に憂慮される事態である(We are very concerned about what is happening in Tibet. etc)」的なコメントを出している。この紋切り型が出たら、まあ、あんまり望みはない。

一方でデイヴィッド・ミリバンド外務大臣(この人は、トニー・ブレアと同等かそれ以上の「人道的介入」論者で、しかも口が達者というか、サウンドバイト職人である)は、いつものやたらとしゅっとした構造の文で、「重要なメッセージが2つあります。ひとつは両陣営ともに自重すべきであるということ。そしてもうひとつは、身のある対話こそが先に進む唯一の方法であるということ」などと述べた。

ああ疲れる。ブレアの側近中の側近だったジョナサン・パウエルが「タリバンやアルカイダとの対話が必要だ」とガーディアンで述べ、その根拠として「北アイルランド和平での『対話』」を語り(→記事)、そして94年停戦前にIRAとのパイプ役をつとめた人がBBCのピーター・テイラーの取材に応じ(→記事)、その直前には同じくBBCで、パウエルと同じくブレアの側近だったアレスター・キャンベルが何か語っていた(→記事)。つまり、英国は今、本気で、「北アイルランド和平」を「紛争の終わり方」のひとつの類型としようとしている

そんなことは何年も前からわかってはいたが、こうやって形になられると……何と言うか、難民申請却下の事例やら、NIの「汚い戦争」のあれこれやらと同時進行されては、正直、しんどいです。

それと、テレグラフ(この新聞の気合の入り方が尋常ではないと感じられる)の記事:
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2008/03/15/wtibet615.xml

この記事のリード文のすぐ下にある関連記事リンク集の3つ目、"In pictures: Tibetan monks hold mass demonstrations" が写真特集で、チベット内部よりむしろチベット外でのフリー・チベット運動とその場所での治安当局の対応をとらえた写真が多くあります。インドとかネパールとか。

特に6枚目のネパールの写真、抗議行動をしている女の人(だと思う)を連行する若い兵士の表情がはっきりわかるのですが、何ていうのかな、ステレオタイプな「鎮圧する側は無表情」な写真ではなく、「人間」の顔をした一枚です。



ほんで、こんな昔の曲があたまをぐるぐるし始めるわけですよ。
http://www.youtube.com/watch?v=4SrCMpP9H0g

Communist China
Communist China
Take me to heaven
Somebody wrong

We'll throw glass in your face
Call it new propaganda, still
We've been waiting for - so long!

Face-to-face confrontation
Personal problems for you, wo-wo!
The conversation's getting far too vicious
Impersonation won't do

Communist China
Communist China
Oh, take me to heaven
Somebody wrong

We'll throw glass in your face
Say it's new propaganda,
We've been waiting for.

--- Japan, Communist China (1978)
http://www.slowdays.org/japan/

B000G1SZMI
Adolescent Sex, Japan


とりあえず、私はこの夏のオリンピックは自分からは見ないと思う。といっても、もともと「オリンピック」というものにそんなに関心があるわけではなく、何かがあろうとなかろうとほとんど見なかっただろうと思うけれど、漫然とテレビをつけておくようなことはしない。そうすれば電気代の節約にもなるし。

2012年のロンドン五輪もこういうムードで「見るもんか」と思うようになっていたとしたら、とても残念だ。

こういうふうに、「『平和の祭典』? け、ちゃんちゃらおかしいゼ」ってな気分には、なりたくないんだ、ほんとに。高校生のころ、クーベルタン男爵の理念に強い感動を覚え、冷戦が終わったときに「もうモスクワとかロスのようなボイコットのない世界になった」と思ったのだから。


※この記事は

2008年03月16日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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