kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年02月29日

ハリー王子とヘルマンドの英軍

いやー、びっくりした。「タリバンのみなさん、ターゲットはここですよ」って言ってるようなものじゃん、と思ったのだが、どうやらその「タリバンにとっての潜在的ターゲット」はターゲットとされずに済むような場所に引っ込められるらしい。

何の話かというと、この件だ。

Prince Harry on Afghan front line
Last Updated: Thursday, 28 February 2008, 23:49 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/in_depth/7269743.stm

それがすぐにこうなった↓のだが。

Harry withdrawn from Afghanistan
Last Updated: Friday, 29 February 2008, 13:19 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/7270743.stm

日本語では、たとえばAFP BBさんに記事がある。



※以下、書き足しました。

プリンス・ハリーは軍人だ。所属は陸軍のthe Household Cavalryのthe Blues and Royals regimentである(<手抜きして英語のまま)。イートン校を卒業したあと、大学には行かず、サンドハーストの陸軍士官学校に進み、現在はLieutenant(中尉)である。
http://en.wikipedia.org/wiki/Prince_Henry_of_Wales

2007年に、ハリー王子の所属する師団だったか連隊だったがイラクに送られることになったときに、本人はイラク行きを希望していたし、軍としても当初はそのつもりでいたのだが、結局は見送りの判断がなされた。王位継承権第三位の彼は、バスラの武装勢力にとってはあまりにも「でかい獲物」で、彼の身が本気で危ぶまれるほか、彼を狙った攻撃で他の兵士が巻き添えになるなどの危険性も高かった。イラク派遣中止が決定したときにハリー王子本人は「とても残念だ」と反応していた。

Prince Harry will not go to Iraq
Last Updated: Wednesday, 16 May 2007, 21:39 GMT 22:39 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/6663053.stm

というわけで、私はてっきり、ハリー王子はその後英国内かもしくはキプロスなどの英軍基地にいるものだと思い込んでいたので、日本時間2月28日の深夜(29日の早朝、か)にふと見たガーディアンのトップページで「ハリー王子がヘルマンドに」という見出しとパトロール中と思われるハリー王子の写真を見たときは咳き込んだ。そんな、こんな写真まで出して、「タリバンのみなさん、ターゲットはここにいます」みたいな……いやこれって挑発?って。英陸軍も内務省ばりに頭がおかしくなったのかと。

BBCの記事にはハリー王子自身が「俺、『弾丸さんいらっしゃい』とか呼ばれててさぁ」みたいに語っている、とあるのだが、同僚からそう呼ばれているのだろう。でも笑ってる場合じゃないのは同僚のほうだ。お前ら死ぬぞ、ほんとにハリー王子のところに弾丸が浴びせられたら。そして何より、その場所に住んでいる人たちも死ぬことになるかもしれないのに。で、王子自身は「自分のやりたかったことがついにできた」とコメントしている。王族だからって特別扱いはするな、自分は軍人だ、ということなのだろう。
The prince joked about his nickname "the bullet magnet", but said: "I finally get the chance to do the soldiering that I want to do."
http://news.bbc.co.uk/2/hi/in_depth/7269743.stm


まあ確かに軍人としてやっていきたいのだろうし、王族で軍人といえばフォークランド戦争(フォークランド紛争、マルビナス紛争/戦争)のときにプリンス・アンドリュー(チャールズの弟)が従軍しているのだが(たぶんハリーの生まれる前)、アンドリュー王子は確か飛行機のパイロットだった。ハリー王子は空を飛んでいるのではなく、そのへんを歩いている。

で、こういうのを見て、「英国は強い」という(たぶん間違った方向の)情報戦がついに始まったのか、と私は思ったのだが、どうやらそれは私の早合点だったようだ。BBCの記事に次のようにある:
The deployment was subject to a news blackout deal, which broke down after being leaked by foreign media.
ハリー王子のアフガン派遣については報道をしないという申し合わせがあったが、外国のメディアによってリークされてしまった。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/in_depth/7269743.stm

陸軍参謀長のサー・リチャード・ダナットのステートメントでも「外国のウェブサイト」とある。
http://www.guardian.co.uk/uk/2008/feb/28/military.monarchy1
I am very disappointed that foreign websites have decided to run this story without consulting us.


「外国のメディア」? どこよ? ……という場合、まずは「英国に敵対的な傾向がある国のメディア」のことだと思うよね。でもどこだろうと考えても思いつかないんだ、特には。ロシアはアフガンとは距離を置いているし、イランもこの局面でそういう危険なことはしそうにない。パキスタンのトライバル・エリアのメディア(があるとして)なら報じている間に攻撃するだろうし、タリバンはカメラの代わりに車爆弾を向けるだろう。ひょっとして誰かがアルジャジーラに情報を売ったとかか?……と、ほんの数秒の間に頭がぐるぐる。

ところが、BBC記事や参謀長声明で明示されていないその「外国」とは、なんと、アメリカ合衆国だったのだ。

というか、ドラッジ・レポートなのだが。
http://www.drudgereport.com/flashph.htm
PRINCE HARRY FIGHTS ON FRONTLINES IN AFGHANISTAN; 3 MONTH TOUR
Thu Feb 28 2008 11:01:34 ET

They're calling him "Harry the Hero!"

British Royal Prince Harry has been fighting in Afghanistan since late December -- and has been directly involved in gun battle, the DRUDGE REPORT has learned.

The prince, a junior officer in the Blues and Royals, and third in line to the throne, has been a "magnificent soldier" and an "inspiration to all of Briton."

Prince Harry is taking part in a new offensive against the Taliban.

Ministry of Defense and Clarence House refuse all comment. Army chiefs have managed to keep the prince away from media and have encourage fellow soldiers in his squadron to stay quiet.

Developing...


何がしたいんだ、マット・ドラッジは。単に「大メディアが申し合わせて報道しないことを私は報道する」ってやりたいだけか。「ヒラリー・クリントン陣営からバラク・『フセイン』・オバマの『テロリスト』みたいな写真が送られてきました」ってのをやったばかりじゃないか。

「ハリー王子がヘルマンドに」っていうのは、「大統領執務室でモニカ・ルインスキーとビル・クリントンが」ってのとは違って、人命、それも多くの人命がかかっている。しかも「外国」の話だ。それでもやっちゃうんだからある意味すごいのだが、どうせやるなら「イスラエルの核開発」とかにしてくれないか。

※この記事は

2008年02月29日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼