「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年02月19日

今日のニュースは重量級ばかり〜カストロ引退ほか

さっき、http://news.bbc.co.uk/ にアクセスして2秒でオナカイッパイになった。

bbc-19022008.png

フィデル・カストロは1926年生まれだから80歳を超えていて(ちなみに、イアン・ペイズリーとエリザベス2世も1926年生まれ)、BBCではこの数年「いつ引退するんだ」的な流れでカストロの情勢が伝えられてきた。いざ引退を宣言という今日は、「特別大きなニュース」用のレイアウトである。(前回このレイアウトを見たのは、12月末のベナジール・ブット暗殺時のことだったと思う。)
Fidel Castro announces retirement
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7252109.stm

それから、パキスタンの選挙。月曜日に投票があり、現在開票中でまだ記事内容が固まっていないが、「ブット家 (Bhutto dynasty)」のPPPが第一党、ナワズ・シャリフのPML-Nが第二党、ムシャラフのほうのPMLは第三党、ということになりそうな感じ。
Musharraf foes triumph at polls
http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/7251990.stm

そしてコソヴォ。この件は、まあいろいろあるのだが、さっきガーディアンのカリカチュア(警告:ちょっと下品です)を見たらどうでもよくなってきた。ちなみにこのあまりに的確な(←国連ではなくNATO、という点が特に)カリカチュアを描いたのは、スティーヴ・ベル@休暇明けだ。
Bush salutes Kosovo independence
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7252033.stm

はぁ。。。あ、コソヴォについての記事クリップは:
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/Kosovo/

http://www.nationalinterest.org/Article.aspx?id=16670
がすごかったです。というか、この記事↑を読んで、スティーヴ・ベルの戯画を見ると、何とももう・・・。

※以下、20日追記あり。


コソヴォ北部(セルビア人が多い)で「国境」の検問所に1000人くらいが押しかけて、ブルドーザーやらプラスチック爆弾やらで検問所を破壊し、コソヴォ警察とUNの税関職員が退避、KFOR部隊が救出のため出動という事態が発生している。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7252874.stm
http://www.guardian.co.uk/world/2008/feb/20/kosovo.serbia

EUの動きをガーディアンから:
The EU's new envoy, Pieter Feith, arrived in Pristina yesterday, accompanied by the EU foreign policy chief, Javier Solana, to mark the beginning of Kosovo's new era. Feith will lead a "stability mission" of 1,800 EU police and legal experts who will run the country's court system for the next few years.

In the coming days, Feith, a Dutch diplomat with extensive Balkan experience, will also take over leadership of the International Civilian Office, which will give him the power to overturn legislation and sack Kosovan officials.

European officials insisted he would try to keep a low profile and use his powers only in extreme circumstances when, for instance, the country's democracy or minority rights were in jeopardy.

Yesterday's incidents were an illustration of the central problem facing Feith and the Albanian majority government in Pristina - the refusal of Kosovo's Serb minority and the Belgrade government to acknowledge the former province's sovereignty.
http://www.guardian.co.uk/world/2008/feb/20/kosovo.serbia


で、「欧州にある米国系新聞」がこれをどう報じているかを確認するために、the International Herald Tribuneのサイトを見てみたのだが、トップページに「コソヴォ」関係の記事がない。(正確には、読者討論ページへのリンクだけはある。)タイミングの問題かもしれないが、在米のNYTが大統領選挙の予備選やキューバに注力しているのは当然としても、在欧のIHTがこのタイミングでコソヴォをトップページに掲載していないというのは、まったく意味がわからない。(IHTならBBCやガーディアンとは少し違った記事が読めるのではと思ったのだが……。)

IHTトップページのキャプチャ@2月20日、午後4時ごろ(日本時間):
http://www.iht.com/
IHT-20feb2008.png
※画像クリックで原寸。

ただし、IHTのEUROPE面では、トップの記事がコソヴォの検問所の件である。
http://www.iht.com/pages/europe/index.php
IHTEURO-20feb2008.png

記事:
Serbs torch border posts in northern Kosovo
By Dan Bilefsky
Published: February 19, 2008
http://www.iht.com/articles/2008/02/19/europe/serbs.php

やはりIHTは(これはNYTと共通の記事かもしれないけれど)、BBCとは少し色合いが違うというか、「問題点」が設定され、明確化されている記述のように読める。書かれている《事実》には特に違いはないのだが。セルビア側の反応は、ガーディアンが一番わかりやすい記述をしているように思える(詳しくはない)。

地域の政治がどう動くのかが私にはまったくわからないのだが、可能性としては、コソヴォ北部を「北コソヴォ」として、「コソヴォ共和国」とは別のものとするというのが、いわば「落としどころ」として検討される可能性すらもあるのかもしれないとふと思ったり。どっかで聞いたようなことだが(だから単なる「気のせい」かと)。
タグ:メディア

※この記事は

2008年02月19日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 20:58 | Comment(1) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
需要はさほど多くないかもしれませんが、フィデル・カストロの引退声明を受けてのジェリー・アダムズの反応を見つけたのでURLを。

http://www.sinnfein.ie/news/detail/24543

内容は、「50年近くもキューバの人々を指導してきた彼の引退は、キューバおよびラテンアメリカの政治のひとつの時代の終わりだ」ということと、「フィデル・カストロのキューバは、世界クラスの保健システムと教育システムを確立した」ということと、「引退後はゆっくり過ごしていただきたい」というメッセージ。

※追記:
BBCが記事を立てました。2001年にアダムズがキューバを訪問したときの、カストロとアダムズの写真つき。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/7254019.stm
Posted by nofrills at 2008年02月20日 17:40

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼