kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2008年01月15日

MI5とMI6の紋章の意味

米ワシントンDCの「スパイ博物館」についての記事が、数日前のAFP BBに出ていた。世界各国の諜報機関の紋章が展示されているのだそうだ。記事ではカナダ、ロシア、ポーランド、英国の4カ国の諜報機関の紋章の写真が見られるが、ここでは当然、MI6 (SIS) の「脳みそ」紋章を選択して記事にリンク。



以下の「続きを読む」では英国の2つの諜報機関(MI5とMI6)の紋章の意味について書くが、その前に、「スパイ博物館」について。

この博物館ができたときに「君もジェームズ・ボンドになれる」(という感じの体験ゾーンがあるらしい)みたいな紹介のされ方をしていて、かなりお子様向けのエンタメ系施設なのだろうなあと思っていたのだが、かなり真面目に「インテリジェンス」というものを考えるイベントもやっているということを、今、同博物館のサイトを見てはじめて知った。今月22日に「サダム・フセインは大量破壊兵器を持っている」というガセネタを米当局に流した男(コードネーム「カーブボール」)についての講演会があるそうだ。

話をするのは、『カーブボール――スパイと嘘と、戦争を引き起こした詐欺師 (Curveball: Spies, Lies, and the Con Man Who Caused a War)』という本をものしたロサンゼルス・タイムズのBob Drogin記者と、CIAの欧州秘密作戦部のトップをしていたことがあり、『瀬戸際で――内部にいた者が語る、「いかにしてホワイトハウスは米国の情報をダメにしたのか」 (On the Brink: An Insider's Account of How the White House Compromised American Intelligence)』をものしたTyler Drumhellerのふたりの専門家。分析のぐだぐだ具合から政治的情報操作まで、あらいざらい話します、という内容らしい。入場料は20ドル。
http://www.spymuseum.org/programs/calendar_pages/2008_01_22_prog.php
Curveball: Inside the WMD Debacle
Tuesday, 22 January; 6:30 pm

"The biggest fiasco in the history of secret intelligence." - Frederick Forsyth
「(こんなガセネタをつかまされたとは、)諜報機関の歴史始まって以来の大惨事である」――フレデリック・フォーサイス

In 1999, a mysterious Iraqi applied for political asylum in Germany. The young engineer offered compelling details about Saddam Hussein's secret effort to build weapons of mass destruction. German spymasters shared this information with U.S. intelligence but denied the Americans access to their star informant - who the Americans codenamed "Curveball." The case lay dormant until after 9/11, when the Bush administration embraced Curveball's unconfirmed account. Although relied upon by President Bush and Colin Powell, Curveball was a fraud whose intelligence was discredited before the war. ...

1999年、ドイツ。謎のイラク人が政治亡命を申請した。この若い技術者は、サダム・フセインがひそかに大量破壊兵器を作ろうとしているということを委細にわたって説明した。それには説得力があった。この情報はドイツ当局から米当局に流されたが、ドイツ側は米国側にこのイラク人との接触をさせなかった。米国側は彼に「カーブボール」というコードネームをつけた。そしてこの件は9.11事件が起きるまで寝かされていたのだが、ブッシュ政権はカーブボールの裏の取れていない説明に飛びついた。だが、ブッシュ大統領もパウエル国務長官も信頼していたカーブボールは、ペテン師だったのだ。彼の述べたことは、(イラク戦争の)開戦前には信用できるものではないとされた。……


というわけで、MI5とMI6の紋章の意味について。

MI5の紋章の意味は、MI5のサイトによると:

・てっぺんに王冠
→ 説明不要だろうけれども、「王室の僕」であることを示す

・最下部にあるのはMI5のモットー
→ ラテン語で、"Regnum Defende"(英語にすると、"Defend the Realm")

・中央にsea lion(金色、有翼) ※sea lionは、体の前半分がライオンで後半分が魚という架空の生き物
→ 陸軍、海軍、空軍とMI5との歴史的つながりを示す

・中央の背景部分は青
→ 海外(overseas: 旧英領のことだろう)とのつながりを示す

・周囲をぐるっと囲むのは、赤いバラと緑の五葉と落とし格子

・緑の五葉
→ "MI5" の「5」を表し、緑色は第一次大戦以来、諜報の色とされている

・落とし格子(「議会」を表すもので、1ペニー硬貨にも見られる)
→ MI5が議会民主制を支えるものであるということを示す

・赤いバラ
→ バラは、エリザベス1世の時代に「諜報部」のトップであったSir Francis Walsinghamがsealにバラを使っていたことから、国家の諜報機関を意味する。さらに、MI5のサイトではスルーしているのだけれども、赤いバラは「殉教」の意味

# MI5の紋章のバラは、「ばら戦争」のときのランカスター家の赤いバラ、および「ばら戦争」終結後のテューダー・ローズ(20ペンス硬貨にある)のdouble roseとは異なり、一重であるように見える……だけじゃなくて、MI5のはrose barbedか。その「意味」まではわからない(調べてない)のだけど。

一方でいつ見てもグロいMI6 (SIS) の「脳みそ紋章」は(もうちょっと枯れたデザインにすればよかったのに)、検索して出てきたページによると:

・最下部にMI6 (SIS) のモットー
→ ラテン語で、"Semper Occultus" (英語にすれば "Always secret")

・中央の妙に写実的な脳みそ ※紋章には「脳みそ」などというものはないようだが
→ 頭の力(知的能力、情報収集能力、知識の運用能力)を表す

・脳みそを取り囲む緑色の「C」の文字
→ これも説明不要かもしれませんが、「C」(MI6長官)のこと。その由来はSIS創設者で初代トップのSir Mansfield Cummingの頭文字。

※緑色はMI5と同様に「諜報機関の色」ではないかと思います。

それから、てっぺんの王冠は、これまた説明不要だろうけれども、「王室の僕」であることを示すお約束。

で、モットーのOccultus(ラテン語でhiddenの意味)と、「脳みそ」を両方あわせると、Secret Intelligenceとなり、この紋章はSecret Intelliegnce Service(MI6の正式な名称)を表すということがはっきりわかる……ってぜんぜんsecretじゃないじゃん。

なお、枯れていないことではロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の紋章も相当なものがあるが、やはり「脳みそ」にはかなわないと個人的には思う。
タグ:英国 紋章

※この記事は

2008年01月15日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 09:03 | Comment(2) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 「スパイ博物館」は確か本にもなっていて,日本語版も出版されています.

 内容は,……まあ,初心者向けとしてはあんなもんでしょう.
 諜報のキモは,情報の集合分類と分析にこそあるのですが.
Posted by 消印所沢 at 2008年01月15日 22:31
> 諜報のキモは,情報の集合分類と分析にこそあるのですが.
そこを博物館や書籍で開示してしまうともれなく
Semper Occultusが根本からガラガラと……
Posted by nofrills at 2008年01月16日 09:02

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼