kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2007年11月19日

ベルギーの「英国」のイメージって(笑)

無政府状態が絶賛記録更新中で、17日にはついにたまりかねたのか、国王が「政治家の皆さん、お早くお願いします」みたいなメッセージを出したというベルギー王国(連邦制)で、「新しくなったEurostarでロンドンへ」というキャンペーンが行なわれているのだが、そのポスターに英国人の一部がちょっと感情を害しているらしい。

「英国」のイメージとして、今や絶滅してしまった「ボウラーハットにピンストライプの男性」とか、建築物(ウエストミンスター・パレスなど)とか、赤いダブルデッカー・バスとかが使われている限りは、あの人たちは怒らないわけで、何が出てきたんだろうと思ったのだが……うむー、これは「いやだ」と思うと思うよ、私も。

eurostarposter.jpg
※キャッチコピーはLondon is just around the corner. というような意味。

2枚あるのの下の方のは、ハードコアな反EU主義者さんはカチンと来るかもしれないけれども(マギー、メイジャー、ブレアのそっくりさんがユニオン・フラッグの風船を割ろうとしている)、まあ、大多数にとっては笑えるか、笑って流せるものだろう。問題は上のだ。

このブーツにこのジーンズにこのストラップのスキンヘッド、しかも背中にセント・ジョージ・クロスをペインティングしたスキンヘッドが、テーブルの上のお茶のカップにおしっこ。これが「英国」のイメージか?ということでむっとくる気持ちはわかる。第一、このスキンヘッドの服装(ドクター・マーチンに細いジーンズをロールアップ)には「こんな奴はもういないし」とかいう気分になるだろう。(「パーカのフードをかぶったyob/yobbo/chav」はいるけれども。)

右翼で反EUのデイリー・メイル系列であるイヴニング・スタンダードはかなり怒っている。
http://www.thisislondon.co.uk/standard/article-23421498-details/Eurostar%20takes%20the%20pee%20out%20of%20us/article.do
Eurostar has launched a provocative advertising campaign to lure Belgians to London.

The posters poke fun at the English way of life, featuring former prime ministers, football hooligans and the fondness for tea drunk from china mugs.
 

ガーディアンはtravel blogでかなりニヤニヤしている。

You taking the piss?
http://blogs.guardian.co.uk/travelog/2007/11/you_taking_the_piss.html
One of a series of eye-catching poster ads, it features a football hooligan, topless, head shaved, with the St George's Cross painted across his back. He is a man of unexpected talent, for our friend is shown urinating from an inordinate distance, into a china teacup. London is "just around the corner", the slogan says.

The ads are placed on street corners and designed so that passers by see the urinating yobbo first. As they progress around the corner, they see his chosen receptacle. London is so close - especially by Eurostar - is the rationale, and yet so full of surprises.

つまり、四角い柱の1面に上半身裸で十字のスキンヘッドが印刷されていて、その四角い柱の角の向こうの面にはティーカップとおしっこが印刷されており、キャッチコピーは「ロンドンは角を曲がったところ(すぐそこ、の意味)」。いわく、ロンドンは近くで、ロンドンは驚きに満ちている。

... What you smell is what you get, Burger King and piss and sweat ♪という歌が頭をぐるぐるするのだが、それはおいといて。

各報道記事によると、ベルギーでは人々の目を引き、けっこうな関心を集めているこの広告は、広告キャンペーンとしては大成功だという評価であるらしい。BBC記事によると、在ベルギーの英国人の何人かがユーロスターに苦情をしている。BBCにも苦情のタレ込みがあったとのこと。(複数の記事を見ると、各メディアにタレ込みがあったようだが。)

BBC記事の末尾には、苦情の例が紹介されている。
In an e-mail to the BBC Ralph Edwards said: "The impression given by the adverts that we are a nation of thugs and buffoons certainly would dissuade tourists from coming."
レイフ(ORラルフ)・エドワーズさんの苦情:「この広告からは、英国が暴力的なチンピラ連中と道化の国だという印象を受ける。こんなものを見て英国を訪れたいと思う観光客がいるだろうか」

Edith Purdue said: "I would think all the yobs in this country must be rubbing their hands in glee at having such a high profile advert."
エーディス・パーデューさんの苦情:「こんな風にスポットライトを浴びて、英国中のチンピラがしてやったりという顔をしているに違いありませんわ」

Jan Lewandowski said: "I, for one, do not subscribe to these abhorrent stereotypes, especially the man peeing in the pot."
ジャン・ルワンドウスキさんの苦情:「まったくひどいステレオタイプで、私としては本当にいかがなものかと思います。特におしっこをしている男のはひどいですね」

……気持ちはわからなくはないけれど、英国がほかの国のことをむちゃくちゃなステレオタイプで表したことがないわけじゃないんだから、ねぇ。。。エドワーズさんの苦情の、a nation of thugs and buffoonsのところでは、申し訳ないけれどお茶吹いた。thugsはまあアレとして、bufoonsは……例えばスパイマスターとか、例えばロンドン市長に立候補する予定の保守党のあの人とか(→証拠1@インディペンデント、証拠2@ブログ、証拠3@タイムズ)。あと、グラストンベリーの人に叙勲とか、そもそも王室がかなりの度合いまでbuffoonだし、ねえ、ハリー王子。

ユーロスターでは苦情に対しては個別に「ご気分を害されたなら申し訳ありません」と対応はしているが、広告を変更する予定はないそうだ。

苦情をスルーしているのはユーロスターだけではない。Visit Britain、つまり英国政府観光庁も、下記のように述べて、「まあ別にいいんじゃないですか」という雰囲気だ。
"We don't believe the images are derogatory about Britain, but rather give a quirky spin to contemporary Britain, as well as some of quintessential icons from politics, comedy and film."

「あの広告の写真は、英国を貶めようとするものではなく、現在の英国というものをちょっとおもしろく見せているものだと思います。政治やコメディ、映画の分野にもこれぞ英国というシンボルのようなものがありますが、それと同様に。」


うん。何年か前の、「英国式庭園(笑)」にボウラーハットに、みたいなVisit Britainの観光客向け広告を思うと、英国、始まったかと感慨深い。

2分ほどの時間のある方は、BBC記事の右肩にあるニュースレポートをぜひ。ベルギーの人たちには好評、しかし英国のある議員(名前が言及されない)はoffensive and crassと眉をしかめ、Eurostarのサイモン・モンタギューさんは「これはベルギー人による、ベルギー人のための広告であり、ベルギーの人々はロンドンのことをコスモポリタンでquirkyで、少しエクセントリックな都市だと見なしています」と述べる(<お茶吹きポイント)。広告の責任者は「地域限定だからこそできた」とリスキーな手法であったことを認めつつどこか楽しそうに語り、ロンドンの人たちは「ベルギー人にはおもしろいだろうが、イングリッシュマンにとってはoffensiveだ」とか、「おもしろいしいいんじゃない」とか、いろいろなふうに反応している。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/london/7098618.stm

まあ、苦情を言うような人たちとしては、£800mもかけて改装したセント・パンクラス駅が、ウォータールー駅に代わってユーロスターの駅として華々しくオープンしたということで、しばらくは「美しい国」でいてほしかったのかもしれないし、毎日のニュースが「どこどこでyobが暴れました」とか「どこどこで若者が銃を撃って人を殺しました」とかばっかりだと感じていて「最近のイギリスはどうなってしまったんだ」と思っているところに、「海外」でまでそういうもので語られることに我慢がならなかったのかもしれない。



セント・パンクラスの「駅ビル」のような形になっている壮麗なヴィクトリアン・ゴシックの建築物は、ギルバート・スコットによる建物で、Midland Grand Hotelという。こちらは再開までしばらく時間がかかるようだが、時々イベントのためなどにオープンされていたときの内部写真がUrban75のサイトにアップされている。傷みがひどいけれども、本当に壮麗(やっぱりウエストミンスター・パレスには及ばないけれど)。修復されたらどんなことになるのやら。
http://www.urban75.org/london/st_pancras.html
http://www.urban75.org/london/st_pancras01.html
※ページ右下のnextボタンで次々と見ていってください。



「スキンヘッド」が出てくるエントリなので、すみませんがコメント、トラバは承認してから表示ということで。

※この記事は

2007年11月19日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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