「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2007年09月01日

イラク戦争と日本――『朝生』テープ起こしとソース探索

昨晩の『朝生』で、衆議院議員の江田けんじさんが「テロ特措法でペルシャ湾に行っている自衛隊の補給艦が、誰に何のために補給しているのか」を説明なさったそうで。

# 以下、テープ起こしの部分、ご自由にお使いください。誤変換とか見つけたら修正してからお願いします(はずかしいから)。説明書きのところは再利用に際してトルなり何なりしていただいて問題なし。連絡不要。

# 誤変換とか、「この軍事シロートめ、どう考えても用語が変だろう」というところはコメント欄でご指摘をお願いします。→すみません、コメント欄一時クローズ(月曜まで私が不在のため)。→再開@火曜日早朝2時すぎ(遅くなってすみません)。

【司会(田原総一郎)】
あのー、江田さん、もう一度さっき……

【江田けんじ】
ええ

【司会】
大事なことを実はおっしゃったんだけど

【江田】
(うなづく)

【司会】
補給していると、燃料を。しかしその補給の内容がどうだっていうのか。

【江田】
いやこれがねぇ、もう驚いたんですよ。

そのねぇ、私も耳には、噂では、してたんですけれども……あの(資料を用意しながら)実は、その補給の、さっき「情報公開」ってのがありましたけどねぇ、これはあのー、自衛隊、防衛庁が発表した資料でもですねぇ、それぞれカナダだフランスだドイツだってやってるんですけどね(カメラ、切りかわって江田氏の持つ資料を映す)、アメリカとイギリスだけにはですね、アメリカ、イギリスの補給艦に補給してるんです。


【司会】
えっ?

【江田】
要は、自衛カン[発言ママ]の補給船がですね、アメリカとイギリスだけにはですね、アメリカ、イギリスの補給艦に補給してるんです。

【司会】
補給艦? どういうことですかそれは。

【江田】
補給艦が補給艦に補給してるんです。これは自衛隊の資料でも明らかになってますね。

それで私も調べてみようと思ってですね、あのー、これなんですよね……

【司会】
アメリカの?

【江田】
ホームページ。要するに「第五艦隊」のホームページですよ。(資料を示す)

【司会】
第五艦隊、はい。

【江田】
第五艦隊の、アメリカの、海軍の。

で、そこに驚くべきことが書いてあって。これ「オペレーション・イラク・フリーダム」、要するに「イラクの自由作戦」で、その、「有志連合」が何をやっているかという項目がありましてね(資料をめくる)、で、そこにスペインだカナダだっていうっていうふうになった中にですね、こう書いてあるんですよ。

# 以下、しゃべり方の癖のところ(「あのー」など)は、何となく書き起こしちゃったものを除いては、書き起こさない。

「日本の政府はこれまでに、8,862万9,675ガロンの貢献をしてくれた」と、書いてあるんですよね。これね、「8,862万なにがしガロン」ってのはキロリットルに直すと「30万キロリットル以上」なんですね。

で、これとですね、防衛庁が発表しているこれまでのアメリカ艦船への補給が、「38万キロリットル」なんですよ。ということはどういうことか。

「38万キロリットル」自衛隊の補給船が米国の補給船に補給した油は、ですね、その8割以上は、イラクの戦争のために使われている、ってことがわかったわけです。

【司会】
つまりアフガン戦争じゃないんだ。

【江田】
アフガン戦争じゃないんです。

【司会】
アフガン戦争に補給するんじゃなくて、実は、アフガン戦争に補給すると見せかけながら、実はほとんどがイラク戦争への補給になってるんだ[語尾やや不明瞭]。(この間、映像では左側のほうで誰かが発言したそうにもぞもぞしているが、後姿みたいなものなので、誰なのかが私にはわからないが、映像のあとの部分から、たぶん森本氏だろう。)

【姜尚中ら@外野席】
イラクとアフガンはね、はっきりと分けられな……がやがやがやがや

【司会】
ちょっと待って。江田さんの発言は重大な発言で、日本人のほとんどは、イラクせん、うにゃあ、アフガン戦争のための補給だと思ってるのが、実はイラク戦争のための補給であった、と。

【江田】
そうです。

【姜尚中】
今の現状でですね、海上掃海はほとんど意味がないですよ。

【発言者不明】
人道復興支援……[聞き取れず]

【司会】
いや意味は……

【大勢】
がやがやがやがや、意味がないことはない……

【江田】
もう一回事実関係をちょっと。森本先生に反論するとねぇ、2003年にね、そのー、アメリカ軍の横須賀基地ありますね、そこの機関紙(機関誌)に「シーホーク」ってのがあるんです。

でその「シーホーク」の一面にね、えー、この、イージス艦の「きりしま」と護衛艦の「はるさめ」と補給艦の「ときわ」の写真が載っててですね、広報してるんですね。

(資料を音読して)イラクの自由作戦を支援するためインド洋に配備され、5月20日、母港の横須賀に戻ってきたと指摘。イラクの自由作戦における同盟軍の海上作戦を成功させる手段であったというふうに強調している、と。

でそのときにですね、それに乗って帰ってきた海上自衛隊の曹長[←漢字が違うかも]がですね、えー、「ときわ」は……「ときわ」ってのは補給船ですね、(「ときわ」)は同盟軍の艦船に230回以上の給油を行い、600人以上が、「イラクの自由作戦」に参加した。「きりしま」、「はるさめ」が持つ高度な通信能力は……「きりしま」ってのはイージス艦です……「イラクの自由作戦」の期間中、同盟軍の艦船を大いに助け、高い有用性を証明した、と報じているんですよ。(資料の音読ここまで)

で、これはね(脱力した笑い)、今みたいな言い訳(森本氏を指す)じゃあ通らない。

それから「キティーホーク」にも補給してて、「キティーホーク」ってのはイラク南部を空爆した空母ですから、当初。これはもう明らかになってますからね。「キティホーク」にも給油してるわけです。

ですからね、イラク戦争に「人道復興支援」だから許される、みたいなね、全然崩れちゃうんですよ。

【司会】
そういうことがぁ、当然防衛庁は知っていて……

【江田】
もちろん知ってます。

【司会】
国民を騙したって……(語尾不明瞭)。

【江田】
(うなづく)

【姜尚中】
「騙した」(いい声で苦笑する)

【発言者がわからない】
答弁とは完全に矛盾する。

――典拠:
テロ特措法:アフガンではなくイラク戦争への補給
http://www.youtube.com/watch?v=HKviUdWOUaU

# 数多くの「そのほかの発言者」のうち、姜尚中さんだけ特定できているのは、あの「いい声」は誰の耳にも明らかだからです。

江田さんの発言の直接のソースを探そうと、とりあえず米軍第五艦隊 ("5th fleet" で検索すればすぐにわかる)のサイトで「オペレーション・イラク・フリーダム」で「有志連合が何をやっているか」についてのページを探してみたが、見当たらない。5th fleetのサイトで、"Our Mission and Area of Responsibility" のところを見てみたが、見当たらない。自力で探すのは早々と断念。

一応、第五艦隊の「ニュース」一覧のページ:
http://www.cusnc.navy.mil/articles/index.html

以下、ブログ検索などで見つかったものをとにかく貼るだけ。

■海自の給油はイラク戦争向けが85パーセント
 @「ネットゲリラ」さん
http://my.shadow-city.jp/?eid=518289

■イラク戦争向けに給油していたらしい
 @「Jin and Tonic」さん
http://jinandtonic.air-nifty.com/blog/2007/09/post_11d9.html
……それで、米軍の第5艦隊のHPに書いてあったというので探してみたがここ?

Oiler Completes Japan's 700th Refueling in Arabian Sea
http://www.cusnc.navy.mil/articles/2006/224.html
5年以上にわたり700回もOperation Enduring Freedom 作戦で給油してくれたと書いてあるようだ。

上記の第五艦隊の記事、音声ニュースもついてます。一応中身も:
December 3, 2006
FOR IMMEDIATE RELEASE
Release # 224-06

Oiler Completes Japan's 700th Refueling in Arabian Sea
By Mass Communication Specialist 1st Class Kathryn Whittenberger

ARABIAN SEA – Japanese oiler JDS Mashu (AOE 425), part of Escort Division 8, conducted a replenishment at sea with the German navy frigate, FGS Schleswig-Holstein (F-216), Nov 27, marking Japan's official 700th refueling of a U.S. or coalition ship since Nov. 2, 2001.

For more than five years, Japan has provided fuel for these vessels so U.S. and coalition ships can conduct operations in the Arabian Sea as part of Operation Enduring Freedom (OEF).

"We sincerely wish to continuously contribute to improving the operational efficiency of coalition ships," said Escort Division 8 Commander Japanese Capt. Koji Sugihara.

This was the sixth replenishment Schleswig-Holstein conducted with Mashu since the German ship arrived in the region in June.

"In the wide maritime area of operations we operate in, it's of utmost importance that we can rely on the availability of capable replenishment units," said Schleswig-Holstein Commanding Officer Cmdr. Eike Wetters. "Therefore, the continued support of the Japanese is very essential to the coalition's mission in the region."

んー、自衛隊が参加している作戦名が、Operation Enduring Freedomになってるのね。その点は日本政府の言ってること(つまり「アフガン戦争」との弁解)と一致している。また細かい数字も出てないから、江田さんのソースはこれではない。
http://en.wikipedia.org/wiki/Operation_Enduring_Freedom
http://www.globalsecurity.org/military/ops/enduring-freedom.htm

同じ「Jin and Tonic」さんのエントリのもうちょっと下の方:
……第5艦隊の「Operation Iraqi Freedom」というページの下のほうにこう書いてあるのをようやく探した。
http://www.cusnc.navy.mil/Orders%20to%20Command/pages/oif.htm

The Government of Japan has contributed in excess of 86,629,675 gallons of F76 Fuel - worth more than $76 million dollars - since the inception of Operation Enduring Freedom.


アフガンから始まったテロ撲滅作戦である「Operation Enduring Freedom」ではなく、イラク戦争「Operation Iraqi Freedom」のページに書いてあるところで、まあ証拠といえなくもないな。

でも85%とは書いてないんだよね。どこに書いてあるんだ?と思っていたら、そのサイトはアクセス不可になっているんだそうだ。

江田さんの発言の「8,862万9,675ガロン」と "in excess of 86,629,675 gallons of F76 Fuel" は見事に一致するので、これですね。すばらしい。

なお、「85%」というのは、少なくとも上にある部分で江田さんが直接発言したものではなく(江田さんの発言は「その8割以上」。ただし番組の別の部分ではどうかはわからないし、私が聞き逃しているだけかもしれないので、その場合コメント欄でご指摘をお願いします)、算出は別の資料(たぶん自衛隊の資料で、補給した燃料の総量が明示されているもの)との突き合わせで可能。

# 英軍筋で探してみれば案外さくっと出てきたりしないかなあ。

# 米軍の資料の件、このエントリの一番下の「追記」を参照。

■テロ特措法で補給艦が行っている給油活動はイラク戦争に大いに荷担しているらしい
 @「Wind Park」さん
http://windpark.jp/diary/78

■イラク戦争に参戦していた海上自衛隊/テロ特措法でアフガンではなくイラク戦争への補給
 @「どこへ行く、日本。」さん(←名称が長いのですみません、最初の部分だけ)
http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10045480511.html
ところで何と「しんぶん赤旗」が実は2003年5月23日(金)付けでこの事実をつかんでおり、すでに報道しているのだ。

↓その内容:

■イラク戦争に参戦していた海上自衛隊
 @「飛松武士の日記」さん
http://himatsuno.seesaa.net/article/53503920.html
昨夜、寝付けなくて「朝生」を観ていたところ、イージス艦「きりしま」、護衛艦「はるさめ」、補給艦「ときわ」がイラク戦争に参戦していたという人がいて、驚いて検索してみたら「赤旗」にこんな記事があった。


「しんぶん赤旗」の記事:
「自衛艦はイラク戦に参加」
アフガンテロ対策のはずが…
米海軍機関紙が報道
給油、情報を提供
2003年5月23日(金)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-23/01_04.html
 “海上自衛隊艦船がイラク戦争から帰還”―。二十日にインド洋から海上自衛隊横須賀基地に帰港したイージス護衛艦「きりしま」など海自艦船三隻について、米海軍横須賀基地の機関紙「シーホーク」二十三日号は一面トップで、こう報じました。

この記事には「シーホーク」の1面の画像が掲載されていますが、ほんとにヘッドラインが、JMSDF ships return from Operation Iraqi Freedom となっています。

あと、江田さんの発言にあった記述:
 海自艦船は、「きりしま」のほか、護衛艦「はるさめ」、補給艦「ときわ」。同紙は、これら三隻が「イラクの自由作戦……を支援するためインド洋に配備され、五月二十日、母港の横須賀に戻ってきた」と指摘。「イラクの自由作戦における同盟軍の海上作戦を成功させる手段であった」と強調しています。

 さらに、海上自衛隊の曹長が「『ときわ』は同盟軍の艦船に二百三十回以上の給油を行い、六百人以上がイラクの自由作戦に参加した。『きりしま』、『はるさめ』が持つ高度な通信能力は、イラクの自由作戦の期間中、同盟軍の艦船を大いに助け、高い有用性を証明した」と述べた、と報じています。

「シーホーク」は下記でバックナンバーも読めます。当該の号は、May 23, 2003です。
http://www.cfay.navy.mil/seahawk.htm

ほんで、DLしてみたんですが、うはははっ!
may232003.jpg
# ノーコメント。(^^;)




■追記:
長野智子さんのブログ:
http://yaplog.jp/nagano/archive/300
江田さんは、番組の中で、アメリカ海軍中央司令部&第五艦隊のウェブサイトにこのように書かれていることを提示しました。

これがそのサイトのプリントアウト。
[画像がある]

「有志連合の貢献」という章です。

あったあった、これだ。
http://www.cusnc.navy.mil/Orders%20to%20Command/pages/oif.htm#global
一応ページ全体スクショしておいた(←重さ注意。減色してもなお1MB以上なので)。9月1日午後2時30分ごろ(日本時間)。

んで、そこには
The Government of Japan has contributed in excess of 86,629,675 gallons of F76 Fuel - worth more than $76 million dollars - since the inception of Operation Enduring Freedom.

とあるのだけども(上に書いた「Jin and Tonic」さんが探された文と一致)、問題は、Operation Iraqi Freedomについてのページに、Operation Enduring Freedomについての記載があるということかな。つまり、あまりに自明なことではあるが、両者の区別は米軍・米国政府としてはぐだぐだである、ということ。

なお、上記ページ、日本についての後はカナダについての記述があり、そこでもOperation Enduring Freedomなんだよね。

(どうでもいいが「カナダは洋上でイラク人を取り押さえた」のくだりで、そのイラク人が所持してたものを列挙した最後のひとつが「モロトフ・カクテルの材料」とあるのに脱力。「モロトフ・カクテル」が安全なものだとは言いませんが、尻すぼみ感が。北アイルランドでさえ、現在のReal IRAなどの活動について「モロトフ・カクテルの材料が見つかった」とか、あったとしても報道されない。まあ、警察の記録には残ってるのだろうけど。)



■追記@9月4日午前2時ごろ:
わーぅ。トラバいただいたブログ「旗旗」さんのエントリに書いてあったことを私のほうでも確認しました。not foundになる前に、一応ページ全体スクショしておいた(←重さ注意。減色してもなお1MB以上)けどね。
notfound-oif.png

2003年だっけ、2004年だっけ、米軍のキミットが「そういうことを報じるメディアが悪い」って言ってたけど(Raed blogの日本語版の過去記事で探せばある)、とりあえず一言、反射的に言わせてほすぃ。。。米軍必死だな。

って好き勝手なことをホザいていますが、not foundになっている理由は検証してません。単なるページ移動かもしれないし、サーバのエラーとかかもしれない。そこまでは調べてません。


※この記事は

2007年09月01日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


この記事へのコメント
 申し訳ない.
 今回,何が問題だと言っているのかまったく理解できないです…

 軍艦を目的ごとに使い捨てにしろといっているわけじゃないですよね?
Posted by 消印所沢 at 2007年09月01日 21:14
>所沢さん
どもー。

> 軍艦を目的ごとに使い捨てにしろといっているわけじゃないですよね?

それはないと思います。江田さんがおっしゃっているのは軍事的な話ではなく法的な話で、「アメリカが実際にはアフガン戦争(OEF)とイラク戦争(OIF)を区別していないのに、日本は『アフガンとイラクは異なる』としてテロ特措法を作ってアフガンでの戦いの支援のために自衛隊を出した。つまりテロ特措法は前提がまったくぐだぐだだ」ということだと私は思います。(要点としては。)
Posted by nofrills at 2007年09月01日 22:38
江田氏ご本人のページに
http://www.eda-k.net/index2.html
>「有志連合の貢献」というところに「日本政府は、不朽の自由作戦の開始以来、86,629,675ガロン以上の燃料(7,600万ドル以上相当)を貢献した」と書かれていた。

とありますので、発掘していただいた資料がソースのようですね。

つまり、江田氏発言の「イラク戦争のために86,629,675ガロン」というのはただのポカミスで、
「イラク戦争+アフガン戦争の合計値が86,629,675ガロン」というのが正しいようです。
Posted by 某所での議論の結論です at 2007年09月02日 01:16
>某所での議論の結論ですさん
情報どうもです。「某所での議論」があって、その結論がご投稿いただいた内容ということでよろしいでしょうか。(できればその「某所」も明示していただけますと検証性が高まってよいかと思うのですが、伏せなければならないほどなら開示していただかなくてもかまいません。)

> 発掘していただいた資料がソースのようですね。
いやいや、私が発掘したわけではなく、本文で言及しているブログの方が探し出されたのです。

ところでひとつお願いがあるのですが、このブログではコメント投稿では「コテハン」といいますか、一貫したお名前の使用をお願いしております。
http://nofrills.seesaa.net/article/40419881.html

「某所での議論の結論です」というお名前で続けていただいても構わないのですが、変更なさる場合は次回投稿のコメントのどこかにハンドル変更の旨、お書き添えください。
Posted by nofrills at 2007年09月02日 01:36
すみませんが、これから寝ますので、コメント欄をクローズさせていただきます(seesaaはただでさえ重く、コメント数が多くなるとますます重くなるので)。明日も1日出かけるので、クローズ解除は月曜日になるかと思いますがよろしくお願いします。トラバはオープンです。
Posted by nofrills at 2007年09月02日 01:48
予定より遅れましてすみません。コメント欄オープンにしました。

でも何かすごく重いので(タイミングの問題かもしれませんが)、トラバのほうが閲覧の便という点ではいいかもしれません。
Posted by nofrills at 2007年09月04日 02:21
はじめまして。所沢さんのサイトからリンクを辿って来ました。

私にもちょっと意味不明です。記事を捏造しているのは赤旗かシーホークか、どちらなのですか?江田議員は赤旗の捏造記事を基に政府批判をした、とウェブマスターは理解しているという理解でよいのですか?

江田議員「その8割以上は、イラクの戦争のために使われている」

この江田議員の主張は単なるこじつけですよね?「30万キロリットル(第五艦隊のホームページ)÷38万キロリットル(防衛庁の資料)=約八割」という理解でよろしいですか?

「海上自衛隊が補給した燃料のうち30万キロリットルがOIFに用いられた」という主張の根拠はこの数値が第五艦隊がOIFを記述したページに載っているということだけですよね。ただし、この実績は「since the inception of Operation Enduring Freedom」という言葉からも分かるとおり海上自衛隊補給艦が補給を開始した2001年からの数字ですよね。イラク戦争は2003年の話ですから、この30万キロリットルには完全に白の部分も含まれていると。カナダの活動もこのOIFの記事で言及されていますが、それだけでカナダもOIFに参加した、となるのですか?(カナダはイラクでは国連要員の警護のために小さな部隊を派遣しているだけのはずです。)

さらに、この二つの数値は同時期の数値の比較なのでしょうか。内訳は調べられなかったのですが、総量では45万キロリットル(2006年8月)、47万キロリットル(2007年2月)というように日本側(防衛庁・省)の資料だけを用いても数値は食い違ってきます。

もちろん、第五艦隊はOIFとOEFの両方に従事しているので、灰色の部分はあります。だからこそ、

「両者の区別は米軍・米国政府としてはぐだぐだである」

のではなくて、日米両政府は特措法の趣旨をよく理解しているので、わざわざ補給艦に燃料を補給したのではないのですか?イラク戦争に直接参加したという言質を与えないために。単なる想像ですけど。
Posted by バグってハニー at 2007年09月05日 03:45
> バグってハニー さん
はじめまして。なるほどというコメントありがとうございます。しかし、今腱鞘炎になってしまっていて (冷房直撃で (^^;)、キーを打つのがつらいのと、北アイルランドで記事が出ているのでそれについて書くのを優先させたいので、レス遅れますが、どうかご了承ください。m(_ _)m 

あと、文中の「ウェブマスター」は「私=nofrills」のことでいいですか? 今後はnofrillsと呼んでください。その方がなれているので。

で、そこの部分だけレスを先にしますと:
> 記事を捏造しているのは赤旗かシーホークか、どちらなのですか?

検証をしていない私には断定はできませんが、推論はできます。

前提として、シーホークは印刷媒体です。赤旗も同様です。そして事実として、赤旗は発行されたシーホークの印刷された紙面のスキャン画像もしくは写真(小さすぎてどっちなのかは断定できませんが)を掲載していると考えられ、シーホークのサイトで現在閲覧できるものはDTPです。一般論として、事後的に編集・改変が作業としてより容易にできるのはDTPのほうです。しかしここでは、赤旗もオンライン版では電子データですので「編集・改変」については条件は同等との想定も成り立ちます。というわけで、厳密には、どちらもオンライン版では「よくわからない」としか言いようがないところです。

ただし、この号の赤旗の印刷されたものと、シーホークの印刷されたもの(当該の、May 23, 2003号)が保管されているところがあれば、そこで突き合わせをすることが可能です。ただ残念なことに、私は赤旗の資料庫もシーホークの資料庫も、あるのかないのか、あるとすればどこにあるのか、知らないのです。>教えて偉い人。そして誰か検証お願いします。(丸投げ)誰かなさったら、トラバをお願いします。

しかるに、米軍がその発言を微妙に修正する(政治的な配慮、要請などにより)ということは、過去において、例えばファルージャ包囲戦におけるWP使用の事例などでありましたし(BBCで米軍の発言が変わっていることが逐次的に報道されていました)、この個別の事例については特に具体的な根拠なくではありますが、「米軍かぁ、うはは、ありそうだなあ」と思っています。また、物事をよくわかっていない編集スタッフが最初にウッカリOIFと書いたままチェックをすり抜けて印刷してしまい、読者が「違うぞ」と指摘したので修正したのかもしれません。ゆえに本文では「ノーコメント」としました。編集ミスだとすれば、ちょっと考えられないほどお粗末だと私は思います。また、その後(『朝生』の後)、5th FleetのOIFのウェブページが404になって(私はこのエントリ投稿日、長野智子さんのブログで知ってすぐに確認したのですが、そのときはそのページはそのURLで閲覧できました。現在、9月5日午後3時25分、確認したところ404です)、また「情報の修正」かなあと思っています。

その理由は断定はできませんし、しませんが、何かがあったのだろうなあ、と理解しています。

ミスはどこにでも起りうることですが、あまりこういうことが重なるといわゆる「陰謀論」のようなものが出てきかねないので、そのことはちょっと危惧しています。そうなると、「事実」よりも「仮定」や「類推」がハバをきかすようになりかねないので、そうなるとどの立場の人にとっても厄介というか、めんどくさくなりますよね。。。そうなる前に、「事実」が明らかになることを望んでいます。

> 江田議員は赤旗の捏造記事を基に政府批判をした、とウェブマスターは理解しているという理解でよいのですか?

「赤旗の捏造記事」と断定される理由がおありなのでしたら、教えていただけると幸いです。もしも「断定」ではなく、たとえば「言葉のあや」といったものであるのなら、その旨、お書き添えいただけるとうれしいです。

すみません、腱鞘炎限界なのでとりあえずここで打ち止め。
Posted by nofrills at 2007年09月05日 15:40
あ、書き忘れた。

そうなる前に、「事実」が明らかになることを望んでいます。

のあとに、

国会に期待しています。

というわけで江田さんの直接の発言@9月3日付け:
http://www.eda-k.net/chokugen/318.html
Posted by nofrills at 2007年09月05日 15:46
「赤旗」5月24日付によると、「シーホーク」スタッフの誤りとの緊急記者発表を行い、差し替えられたようです。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-24/01_03.html

記事中の書き換え、削除に関しても言及があります。
Posted by magnetar at 2007年09月05日 18:10
>magnetarさん
ソースのご提示をありがとうございます! 大変助かります。

このページ内でURLを探してスクロールしなくて済むように、URLを再掲しておきます。

2003年5月23日(金) ※Seahawk (以下SH)がOIFだと記述している、との報道
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-23/01_04.html

2003年5月24日(土) ※SHでの上記記述が訂正された、との報道
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-24/01_03.html

# 「しんぶん赤旗」での報道はSH電子版に基づいたものだったのですね。つまり、15:40投稿の私のコメントで「印刷されたものを見れば検証できる云々」とあるのは、ちょっと的外れかもしれないということで。(23日記事で赤旗が参照していた電子版と、印刷されたものが、同一の紙面内容であるとの事実が証明されている場合は、「的外れではない」となるが、その事実が証明されていない場合は「的外れであるとは言い切れないが、的外れでないとも言い切れない」。)

というわけで、「バグってハニー」さんのコメント@2007年09月05日03:45の記述にある
> 江田議員は赤旗の捏造記事を基に政府批判をした、とウェブマスターは理解しているという理解でよいのですか?
における「赤旗の捏造記事」の部分は、偽である、ということで決着です。(以後この点について議論がフレーム化しないようにお願い申し上げます。)

なお、「しんぶん赤旗」での言論については日本共産党が責任を持っていますので、この件について事実なのかどうか疑問があるという場合は、日本共産党にお問い合わせください。
Posted by nofrills at 2007年09月05日 23:41
Nofrillsさん、痛みを押してのコメントありがとうございます。どうぞご自愛ください。

「ソースは赤旗」だったゆえににわかには信じられませんでしたが、Nofrillsさんが示したリンクの最後に

→「5月22日に米海軍横須賀基地機関紙『シーホーク』は、「ときわ」の給油活動、「きりしま」「はるさめ」の通信能力が「イラクの自由作戦」で同盟軍の艦船を大いに助けた、との自衛隊曹長談話を掲載した。翌日、この記事は不注意に基づく誤りだったとの米軍からの緊急発表があった。」(毎日新聞5月23日)

と書いてありますね。Magnetarさんが見つけた赤旗の記事でも同じことが書いてあります。実はPDFのタイムスタンプを調べたのですが、シーホークの記事は2003年5月23日付、PDFも同日付、赤旗も同日付、となっていて一体どれが正しいのかと迷ったのですが、シーホークの他のページを見るとタイムスタンプは21日となっているので、赤旗等、周囲の指摘で急いで一面を差し替えたという感じですね。

2003年5月といえばイラク開戦直後ですから、士気は大いに高まり、細かい事情を知らないシーホークの編集者は筆を滑らせてしまった、というところなのでしょう。江田議員はだからこそ日米両軍の本音が漏れた、という立場なのでしょうが、米政府側は間違いだとはっきり認めているわけでどうなんですかね。

江田議員>>一貫してテロ特措法に反対してきた。理由は簡単で、米国がアフガン戦争のことを9.11テロへの報復、自衛戦争と位置づけている以上、それに軍事的に加担することは、我が国憲法が禁止する「集団的自衛権」に踏み込む、と考えるからだ。

なぜ集団的自衛権は禁止されるべきか、江田議員にその理由を聞きたいですね。あと、民主党の小沢党首といっしょで、安保理決議1368号にわざわざ言及しながら、それ以外のアフガン戦争に直接まつわる一連の国連決議(安保理決議1386号と1746号)をなぜ無視するんでしょうねえ。

江田議員>>医療や食糧等の民生分野や武器弾薬、麻薬流入阻止のために日本にやれることは山ほどある。

「武器弾薬、麻薬流入阻止」こそまさしくOEF-MIOの目的であって、海上自衛隊はその手助けをしているんですけどねえ。自衛隊も臨検に参加しろということなんですかねえ。それこそ憲法が禁止している「武力による威嚇」なのですが。小沢先生も海上給油はだめだが、一部報道によるとISAF参加は可能、とか言ってるんですよね。ハト派なのかタカ派なのか一体何がしたいんですかねえ。

江田議員がもってきた38万キロリットルというのは約一ヶ月前の数値ですね。それに対して第五艦隊の「消えた」ページはいつ書かれたのか分かりません。同じページの別の情報でいつごろ書かれたのか割り出せればいいのですが。第五艦隊はホームページを刷新、体裁からして大幅に変わっています。OIFのページは古くなったので削除しただけだと想像しています。それ以外にもOIFにまつわるページも全然、見つからなかったです。おそらく江田議員は古い情報と新しい情報を比べているだけであって「イラク戦争に8割」という主張に根拠はないでしょう。

Nofrillsさんから「発言を微妙に修正する」とお叱りを受けるかもしれませんが、自衛隊がOIFとOEFを厳密に区別して給油するというのは軍事的にはほとんど意味のないことでしょう。国内政治的には大きな意味がありますけどね。戦争というのは危機管理であり突発的な事態に対処する行為ですから、法的な位置づけが追いつかないというのは日本以外の国では特段変わったことではないと思います。
Posted by バグってハニー at 2007年09月06日 00:42
Posted by 日本以外 at 2007年09月07日 05:17
※レスが前後しますがごめんなさい。バグってハニーさんへのレスは今晩にも投稿します。(あ、腱鞘炎は、冷房に当たらないようにして湿布薬を貼ってサポーターを着用し、手をあまり使わないようにしていたらよくなりました。ご心配をおかけしました。)

さて、「日本以外」さんから、「イラク戦争」についての補足的説明のご提示をいただきました(@2007年09月07日 05:17)。

そのURLに書かれていることについての私のコメントは、ここですると話が別方向に行きそうですので、ここではノーコメントということで、あしからずご了承ください。m(_ _)m 話が別方向に行った場合の議論のコントロールが可能とは思えませんゆえ。

なお、上記URLの文書を参照する前に、上記URLの文書がa2planet.comに掲載されている理由と経緯についての同サイト運営者さんのご説明を、お読みいただければと思います。>all
http://www.a2planet.com/americanstateterrorism/

それと、元のサイト(a2planetさんによってアーカイヴされたサイト)の運営者さんのサイトの主旨の説明も。
http://www.a2planet.com/americanstateterrorism/American_Terrorism/AboutThisSite.html
Posted by nofrills at 2007年09月07日 14:58
>バグってハニーさん
レス遅れましてどうもあいすみません。

いきなり後ろのほうからレスして申し訳ないんですが、
> それ以外にもOIFにまつわるページも全然、見つからなかったです。

うえーん、私の探し方が悪いのだと思ってたのに(誰かが「ありましたよ、URL変更になってました」って教えてくれると思っていたのに)、それでは調べものをするときに参照できないってことじゃないですか! まあ、これまで5th Fleetのサイトで確認が必要になったことはないのですが、翻訳をしていると用語とかいろいろ、ときどき「えっ? 元のタイポ?」と思うことがあるので、「一番しっかりした情報源」に消えられるのは不便ですし、ショック〜。使いたいときに使えないだけではなく、「先日まではあった」っていうのが一番イライラするじゃないですか。(T T) せめて、私が必要となる前に(<わがまま)復活してくれることを祈ります。

> 実はPDFのタイムスタンプを調べたのですが、シーホークの記事は2003年5月23日付、PDFも同日付、赤旗も同日付、となっていて一体どれが正しいのかと迷ったのですが、シーホークの他のページを見るとタイムスタンプは21日となっているので、赤旗等、周囲の指摘で急いで一面を差し替えたという感じですね。

そこをご確認いただいていたのですね。ありがとうございます。印刷物は輪転機止めてサシカエをすると何時間もかかるけれど、PDFは数分単位でサシカエが可能で、こういう事例に接すると「メディアが変わったからこそ検証がしづらくなる面もあるのだなあ」と実感します。……何か突然、妙に一般論でごめんなさい。昔の文献・資料だとどこで変わったのかの検証がまだ容易なんですが、これからはそうじゃなくなるかも。

> 2003年5月といえばイラク開戦直後ですから、士気は大いに高まり、細かい事情を知らないシーホークの編集者は筆を滑らせてしまった、というところなのでしょう。

私も、内容としては、同様の推測をしています。本文で私が「グダグダ」と表現している部分も含めてもう少し正確を期していえば、「アフガニスタンにおける/に対する戦争 War in/on Afghanistan」は「テロとの戦い war on terror」であり、それには法的な裏づけもある(国連決議:この裏づけの正当性についてはここでは疑問をさしはさまないこととして)。一方で「イラク戦争 the Iraq war」、当時の言葉では「イラクに対する/との戦争 war on/with Iraq」(一部にwar in Iraq「イラクにおける戦争」との表現もあり、これが統一されていなかったことは当時調べました)は、「テロとの戦い war on terror」であるのかどうか。それについての法的な裏づけという点ではどうなのか(国連決議なし)。

法的な裏づけのことはここでは別として(ものすごく長くなるので)、2003年5月の時点(大規模戦闘終結宣言直後)では「テロとの戦い war on terror」である、ということはいわば自明の前提として扱われていたと記憶しています。

しかるに、その後、英国政府の資料のデタラメさなどいろいろなことが明るみに出て(その過程で英国政府の顧問の科学者がひとり、「自殺」という形でなくなりました)、結局CIAなど米国の情報機関の分析もおかしな結論にたどりついてしまっていたのだといったことになり、英米両国はイラクについての従前の見解を撤回するなどしています。つまり「テロとの戦いとしてのイラク戦争」という前提は崩れています。これが……いつでしたっけ、2004年? 2005年?(ものすごく長い時間をかけてからやっと「デタラメでした」と公式発表があった時期のことを正確に覚えていないので、あとで確認できたらしますね。英国については、BBCで小さく扱われていたのですがジャック・ストロー外務大臣(当時)がアナウンスしていたはずです。)

そういう中で、「テロとの戦い」で整備された法律に基づいて日本の自衛隊が活動している海域にいる米英などの戦闘機などが、アフガンにもイラクにも行く、という状況が生じていた。そういう状況が生じるのはその必要性があったからだとしても、前提が崩れたあとですから、そこをどう評価し対応していくべきか。

※長くなって投稿できないので分割します。下へ。
Posted by nofrills at 2007年09月07日 21:28
※上からの続き。

私としては、この機会に、「状況を見て適切に判断する」ということの意味を真剣に考えるべきだと思います(「逃げ口上」としてとらえるのではなく)。私は日本国民のひとりとして、これは今度の国会でとことん話し合っていただけると期待しています。「状況を見て適切に判断する」と述べた小泉前首相は現在も国会議員でいらっしゃるのですし(首相辞任と同時に議員辞職したブレアとは違って)。日本という国が「国際問題」へどう対応・対処するのか、海外派遣が自衛隊の本来業務となった現在、そのことはのんびり構えていられる問題ではないと思いますし。要するに、まさに、バグッてハニーさんのコメントの最後にある:
> 戦争というのは危機管理であり突発的な事態に対処する行為ですから、法的な位置づけが追いつかないというのは日本以外の国では特段変わったことではない
ということをめぐる問題です。日本以外の国では、を前提として、では日本ではを考えられるのか、考えられるとしてどこまで、どのように?という問題。(ちょっと言葉足らずですがご容赦。)

なお、「テロとの戦い」として始められたが実はそうではなかった「イラク戦争」が、結果的に、「また次の/また別のテロとの戦い」の現場になってしまったということについても、日本国はもっと厳密に考えるべきだと思います。「また次の」なのか、「また別の」なのか。ブッシュ大統領による「大規模戦闘終結宣言」@2003年5月のあとに顕在化した、アルカイダとは関係がない(どころか相容れない)シーア派原理主義武装勢力およびシーア派民兵組織の「テロ」は、アメリカが言い出した「テロとの戦い」の「テロ」なのか。「アルカイダと関係があるとされている」スンニ派原理主義武装勢力は、本当にアルカイダと関係があるのか(とりあえず名前だけ勝手に名乗っているのではないのか)。そういうことを国際社会の目の前で解明する努力をすべきなのに、当事者を「テロリスト」として殺してしまう(アブ・ムサブ・アル=ザルカウィなど)。身柄拘束をすれば当人には「テロ活動」はできなくなるばかりか、「反米」と呼ばれる人たちに真実を示すことができるというのに、そうではなく殺してしまう。

この点は、「テロとの戦い」という言葉が出てすぐに、テリー・ジョーンズがガーディアンでお笑い記事に仕立てていましたが、「テロ」という抽象名詞に対する「戦争」というものが成り立つのかどうか、つまり「戦争 war」の定義の問題でもあります。国家対国家の場合は「戦争」、そうでなければ「紛争 conflict」などと呼ばれてきたことが、これからどうなるのか、ということです。

極論ですが、「テロ」に対しては「戦争」をもって臨むよりない(←日本語だとちょっと変かも。国連決議等における by all meansで語られる状況)というのなら、北アイルランドの「テロ」組織(ロイヤリスト側のUDA、英国の「テロ法」でテロ組織として指定されている)が解散せず武器も保持したままで、公的資金を受けてコミュニティ活動を行なうなどということがいかにして可能であるのか、英国政府は説明責任を負うことになります。今でさえ、なんでUDAに政府が支援を与えるということになってるのか、さっぱりわけがわからないのですから。

江田議員のお書きになったことへのコメント、拝読いたしましたが、知識の面での問題もあり時間の問題もありますので、個別にレスをする余裕がないこと、何卒ご理解ください。江田さんに直接耳(目)にしていただきたいことですので、バグッてハニーさんから直接江田さんにメールなり何なりでお伝えになっては、と思います。なお、江田議員が「8割」と述べたことは、私は「国民的議論のきっかけ」として歓迎します。ただしそれは、江田議員の発言内容を検証する必要がないということは意味しません。ですが、私としては一国民がブログなどでやるよりも、国会で大々的に取り上げていただきたいことだと思っています。それをお願いするために、江田議員と民主党、自民党にはメールを送っておきます(早くしないと国会が始まってしまう!)。。。メールしようとまでは思ってなかったのですが、ここでのコメントを拝読して、メールすることを決意しました。共産党にも送るのがよさそうですね、シーホークについての報道をしていたのは共産党ですし。
Posted by nofrills at 2007年09月07日 21:29
なお、国連決議1386号については、by all meansの解釈が分かれていて(こういう「解釈が分かれる」ようなことにしかならないのも、「世界共通語」で考えるときの問題点だったり……言語屋の日常)、水口章さんがブログで取り上げておられます。短いし読みやすい文章です(さすが、専門家は論点の整理が明確!)。
http://blogs.yahoo.co.jp/cigvi2006/archive/2007/08/09

あと、resolution 1368について検索したら、2007/8/9の読売新聞の社説が紹介されているブログの記事を見つけました。この社説はオンラインではもう読めないかもしれないので、オンラインで探す手間を省いて、図書館で閲覧してきます。
http://blogs.yahoo.co.jp/a20e/48882855.html
キーは下記の部分なのですが:
[quote]
「社説」がいう「多国籍軍」というのは<アフガン国内で米英仏加韓など約20か国が、インド洋では日米英仏独パキスタンなど8か国の17隻がそれぞれ活動している>ことを指しています。しかし、これが国連決議が定義しているものと明らかに異なっていることは言うまでもありません。
[/quote]

社説全体を読んでもいない今の段階でこれについて考えても無駄になると想定しておくのが現実的なので、これについてはまた稿を改めます(できれば)。「多国籍軍 multi-national forces」という用語で混乱した事例はこれまでにも見ていますが(英語でニュース読んでるといろいろ)、またか!という気が。(^^;)

Security Council resolution 1368など、2001年の安保理決議は下記から。PDFです。
http://www.un.org/Docs/scres/2001/sc2001.htm

なお、SC resolution 1746は2007年のものですので、それだけでも「それって別の話じゃないの? それは切り札にも何にもなってなくない?」と思うのですが、英国がイラク開戦時に湾岸戦争のころの決議を持ち出してくるなどというアクロバットが国際法の舞台では最近はあるので、「別な話」という私が古いのかもしれません。ラム爺に「古い」と一喝されないうちにやめときます。(<冗談です。)下記はそのことについて報じる記事をメモっておられるブログ。
http://c3plamo.slyip.com/blog/archives/2007/08/post_541.html
Posted by nofrills at 2007年09月07日 21:31
私への回答を義務と感じておられるのでしたら申し訳ないです。でも、丁寧なコメントをいただいて大変うれしいです。議論がいくつかの論点に分かれていると思うので、個別に回答します。

・自衛隊の海外派遣
読売の社説は以下に転載されています。
http://kuyou.exblog.jp/5978843/
私が覚えている限り、全文です。私は基本的にこの読売と同じスタンスをとっています。なぜ、何のために、日本の軍隊を海外に派遣するのかは常に明らかにしておくべき問題だと思います。日本は世界でも類を見ない安全保障の仕組みをとっている、いわば変わり者です。そして、安全保障とは国際関係であり、軍事は外交の一手段です。

江田議員>>小泉政権以降の我が国の安全保障政策は、大きく、その「相場感」を踏み外した

この相場感とは日本という特殊な「市場」でしか通用しないものであり、彼が国際的な相場観で安全保障を語れないのは残念なことです。

なぜ他の国々(読売の社説ではISAF、20カ国とOEF-MIO、8カ国)が軍隊を派遣するのかを理解することは日本の国際貢献がどうあるべきかを考える上で参考になるでしょう。日本と同じWWII敗戦国のドイツはOEF-MIOだけでなく第二次レバノン戦争停戦後にもフリゲート艦(確か)をレバノン沖に派遣して臨検に当たらせています。これは戦後一貫して軍事に抑制的な態度をとってきたドイツにとって画期的なことです。その裏にあるのは「世界のどこで起きる出来事もドイツの安全保障に関わってくる」という考え方です(確かドイツ国防相の発言、うろ覚え)。日本はドイツと同じで世界中との貿易で成り立っている工業国であり、日本にもこのような考え方が浸透していけばいいなと思います。

もちろん、日本とドイツは違います。日本がドイツや他の国々に肩を並べようとするのは拙速でしかないです。OEF-MIOで給油活動のみに従事している国は日本だけですが、これは読売の社説にある通り安全上の理由から来ています。湾岸戦争では戦費拠出、戦後の掃海艇派遣、PKO法案、OEFのためのインド洋沖への海上自衛隊の派遣、イラク・サマワへの陸上自衛隊の派遣と日本の国際貢献は着実にステップアップしています。この流れが今後変わることはないでしょうが、一足飛びに進むものでもありません。拙速に危険な任務に就き自衛隊に戦死者が出る、などとなれば撤退論が高まり、逆に国際貢献にとってマイナスとなる場合も考えられます。
Posted by バグってハニー at 2007年09月08日 05:35
・国連安保理決議
対テロ戦争に対する考えは今度にします。

安保理決議1368号の「by all means」

これは単に武力行使の婉曲的表現で「武力行使の容認」を意味する安保理決議の決まり文句です。安保理決議は単なる非難・要求→経済制裁→武力行使というふうにエスカレートしていきます。日本はそもそも武力行使しないのであまり関係ないと思いますが。例(Wikipedia「Gulf War」から):

One of the most important was Resolution 678, passed on November 29, giving Iraq a withdrawal deadline of January 15, 1991, and authorizing “all necessary means to uphold and implement Resolution 660,” a diplomatic formulation authorizing the use of force.

安保理決議1368号で解釈が分かれたとすれば、「アフガン/タリバン」という言葉が入ってないのに、その地域/対象を攻撃してもいいのかどうかという議論はありましたが。
https://www.toonippo.co.jp:443/tokushuu/danmen/danmen2001/0924.html
アフガン戦争は国連事務総長(当時)がお墨付きを与え、一旦始まれば主要各国(ロシアでさえ)がこぞって支持を表明したわけで、「ブッシュ大統領は『これは米国の戦争だ』と、国際社会のコンセンサスを待たずに戦争を始めた」(小沢民主党代表)などというのは単なる詭弁に過ぎないことが理解していただけると思います。この人本当に変節しちゃいましたね。

安保理決議1386号
この決議がISAFに法的根拠を与えています。なぜアングロサクソン・欧州諸国がこぞってISAFに参加したのかというと、上に書いたとおりの開戦の経緯があったからです。小沢先生も「国連安保理決議1386に基づくアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)への参加は可能」といっているぐらいなので、特に争点はないと思います(ハト派なのかタカ派なのか、彼の国際貢献論には頭がクラクラしてきます)。

安保理決議1746号
この決議が画期的だったのは「Operation Enduring Freedom coalition(不朽の自由作戦多国籍軍)」という言葉で米国を中心とした有志連合(Coalition of the Willing)に初めてはっきりとした形で言及している点にあります。
http://www.un.org/News/Press/docs/2007/sc8977.doc.htm
つまり、OEF-MIOに参加している海上自衛隊の活動は国連によって追認されているのです。小沢先生とシェーファー大使とどちらの言い分が正しいのか理解していただけると思います。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/p20070809k0000m010074000c.html

もう私がアフガン・イラクの両戦争を支持していることにはお気づきだと思いますが、その私でもイラク戦争は法的に位置づけるのは難しいのですが、アフガン戦争に関しては国連は主導ないし追認することによって一貫して関与してきています。反米左翼はこの二つの戦争を意図的にごっちゃにするので注意が必要です。

>>英国がイラク開戦時に湾岸戦争のころの決議を持ち出してくるなどというアクロバットが国際法の舞台では最近はあるので

これはおそらく安保理決議1441号のことですね。ただ、「アクロバット」というのは誤解だと思います。これ原文を見ていただければ分かると思いますが、
http://en.wikisource.org/wiki/United_Nations_Security_Council_Resolution_1441
Recalling...などという形で昔の決議に触れるのが安保理決議の体裁になっています。イラク戦争で特に関係しているのは湾岸戦争直後に採択された、大量破壊兵器の破棄を要求する687号ですね。1441号が言っているのは「湾岸戦争を止めにしてやる代わりに大量破壊兵器は諦めると約束したのに10年経っても未だに査察から逃げ回っているとはどういう了見じゃあ、たこ殴りにするぞぉ」とかいう感じです。
Posted by バグってハニー at 2007年09月08日 06:59
>バグってハニーさん
どもー。コメント投稿の反映に問題が生じていたのか(seesaaではそれは過去にもあったのですが、すみません、私で何とかできる問題ではないので)、重複して投稿されている部分がありますね。これらについてはあとで、こちらで整理しておきますね。→対応済(9月9日)

> 私への回答を義務と感じておられるのでしたら申し訳ないです。
いやいや、「義務」ということもないのですが、よい機会なので……もともと複数の解釈がありうることについて、互いに解釈が異なっている上での議論というか対話というかで、ひょっとしたら『朝生』より濃いんじゃね?とか思ってみたり。(それはないか。)

英国の「アクロバット」については、自身でストロー外相(当時)のことばの変節(当初は「反対派」としてブレアにディベートを仕掛ける役、もしくは自身が「反対派」だった)をたどり、当時のテレビ討論でのブレアのことばを聞き、「反対派」(「反米左翼」と呼ばれるかもしれないような人も入っていましたが、そもそも労働党支持者は「左翼」)の人たちのブレアへのツッコミを聞いて、ストローの変節と法解釈の妥当性について英国で最も尊敬されているキャスターが直接ツッコミを入れたときのストローの「しどろもどろ」としか言いようのない答えを音声で聞き、その上での私の結論をひとことでまとめたものです。当時のことは当時ブログかほかのどこかに書いているので、繰り返しません(コメント欄に入らないし。(^^;) よって、この書き起こしでこのブログのこの記事だけをお読みの場合などにおいて、あまりに大雑把でわけわかんね、というところはあると思います。しかしながら、個人のブログのコメント欄ですし、このくらいの大雑把さは閲覧者のみなさまにも大目に見ていただけると前提して言葉を使っています。(そういうのはけしからんというご批判は甘んじてお受けし、なおかつ「コメント欄でのことばについてすべて明確にするのは現実的ではない」との私の考えを示させていただきたく。)

ストローのことばの一例:
http://www.downingstreetmemo.com/strawtext.html

私は小沢代表のおっしゃることが単なる詭弁なのかどうかを知るために、国会を待ちたいと思っています。全体の一部だけ報じられたことばを元に、国民が個人のレベルで(せいぜい数百人のオーダーでしか人の目に触れないところで)何かを言ってもあまり生産的とはいえない。追求するなら国会でやるべきです。私はそのために政党と議員にメールします。それが自分が限られた時間の中で今なすべきことと思います。

ほんとに全然関係のない事柄についてのものなのですが(だから聞き流してください。ここで著作権法の議論はしません)、著作権法についての議論で、ある人が(あまりに暖簾に腕押しの状況にほとんど自棄になったために)「皮肉」を込めて言ってしまった一言が、一人歩きしてしまったということがつい最近ありました。
http://xtc.bz/index.php?ID=472

小沢さんについてそういう「一人歩き」が発生していないとは私は確信を持つことができていないので、ただ、国会を待つのみ、と考えています。

seesaaのコメント欄も処理にもたついたりしているようですし(実際、とても重い)、seesaaの中のことはわかりませんが物理的に限界なのかもという不安もありますし、ここから先は「小沢の頭の中にあるのは何なのか」に話が行ってしまいそうな気がするので、ここで議論は一区切りと判断し、この時点でコメント欄を閉じます。国会開幕後に様子を見て再開できればするかもしれませんが、私もこのことだけで手一杯というわけにはいきませんので、再開についての予定は未定ということでよろしくお願いします。
Posted by nofrills at 2007年09月08日 17:06
事務的な話です。
9月8日午前7時ごろからseesaaで障害が発生していたそうです。

http://trouble.seesaa.net/article/54413263.html
[quote]
■ 障害内容
時間:2007年9月08日 7:00 - 8:50
対象:Seesaaブログの一部の閲覧とメールを含めたすべての投稿
Seesaaショッピングの全サービス停止
Seesaaタグ検索の全サービス停止
サポートメールの受付
原因:データベース障害
[/quote]

seesaaさんがアナウンスするということはかなり大きな障害だったのでしょう(サーバ再起動など短時間で何ともなくなるものについての細かいアナウンスは、あまりないというのが経験上……)。今後もしばらくは少し不安定になるかもしれません。うむー。

いずれにせよ「バグッてハニー」さんのご投稿がダブっているのは、おそらくこの障害のためだろうと思います(時刻が一致している)。その点についてはこちらで調整をしておきます(後ほど)。→対応済(9月9日)

※調整するまでの間、そこだけを見た人は「多重投稿」と認識されるかもしれませんが、サーバ障害があった時間帯ですので、そのことで投稿者さんについて何かを判断されることのないよう、お願い申し上げます。以上、小言ババアからの念の為の注意書きです。
Posted by nofrills at 2007年09月08日 17:12

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イラク戦争向けに給油していたらしい
Excerpt: テロ特措法延長を国際社会に高く売れるようになったと思っていたのだが、朝生で江田議員が爆弾発言をしたらしく、延長なんてどころじゃないらしい。 ネットゲリラさんより海自の給油はイラク戦争向けが85パーセン..
Weblog: Jin and Tonic
Tracked: 2007-09-01 15:07

テロ特措法:アフガンではなくイラク戦争に補給していた
Excerpt:  9月1日未明に放送された「朝まで生テレビ」で江田けんじ議員(無所属)が、自衛隊がテロ特措法を根拠として行っている米英軍艦への燃料給油は、その85%がイラク戦争に対して行われていることを暴露し、..
Weblog: ブログ「旗旗」
Tracked: 2007-09-03 07:44

国民を守るどころか、公然とウソをつく防衛省
Excerpt: え、え、えらいことが発覚したのに、新聞は虫か、じゃなくて無視か。 と、慌ててるのが私だけならばいいのだが、朝生テレビでの江田けんじ議員の発言を、私はさっきまで知らなかった。 テロ特措法でア..
Weblog: 反戦な家づくり
Tracked: 2007-09-04 20:41

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼