http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070825-00000026-sanspo-spo
ハード日程なんのその!超人・ベッカム2日連続フル出場
とりあえずこの時点↑でこのツッコミ↓を入れておかないと夜も眠れないので。
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ああ、まるで壊れたレコードのように永劫回帰する「イングランドの貴公子」言説。。。
記事の続き:
8月25日8時1分配信 サンケイスポーツ
【カーソン(米カリフォルニア州)23日(日本時間24日)】米MLS・LAギャラクシーのMFデビッド・ベッカム(32)が23日のデポルティボ・チバス戦にフル出場した。22日に英国で行ったイングランド代表の親善試合・ドイツ戦にフル出場し、23日早朝に米国へとんぼ返りして即実戦。今月だけで地球1周に相当する移動をして試合出場を続けている英国の貴公子は、米国人を仰天させる超人ぶりを見せつけた。
そりゃーまー、イングランドで試合をした翌日にロサンゼルスでの試合に出たというのは、心底すごいと思うよ。BBCでも「時差ボケとかとりあえず今のところないんで」というコメントがでっかく取り上げられているし、Beckham's air milesという記事まで立ってるし。まあ、ドイツとの親善試合が2−1で負けという結果だったので、アホみたいに騒いではいませんけど。(むしろ一大反省会ムード。Player Raterを見る限りではBeckhamは5.80で、控えめに言っても「特によかったわけではない」みたいだし。ちなみに、イングランドは5点台がずらり、対するドイツは6点台がずらり。)
しかし、大移動して2日連続出場でチームが勝ったってんならまだしも、単に90分ピッチに立ったってことで「米国人を仰天させる」とは、いくら「スポーツ新聞文体」でもやりすぎよね、とゆったりお茶飲んで読み進めるわけですよ。「英国で行ったイングランド代表の親善試合」という表現に、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国なるエンティティ(おっと!)のありかたと、イングランドとウェールズとスコットランドと北アイルランドそれぞれにFAがあるというありかたに思いをはせつつ、なおかつ、このコンテクストではせめて「イングランドの貴公子」とすべきである、なぜならば「英国の貴公子」では本物の王子たち(特にウィリアムとハリー)の立場がないから、と脳内で赤ペンで校正しつつ。(しかしいつまで「貴公子」扱いするのかね。どう見てもどう聞いても、「労働者階級の『得意科目は体育』、素直で明るく責任感のある几帳面なタイプ」な子なのに。)
ええ、ゆったりお茶飲みつつ、です。。。
ところがその一瞬後……
右足からの正確なキックは、確かにベッカムのものだった。決して“そっくりさん”ではない。
ぶーーーーーーーー。(<お茶を吹いた音。)
ぎゃははははは。うわははははは。ばんばんばんばんばん。ひーひーひー。ふえっふえっふえっ。げほげほ。
涙目。
確かに、ベッカム様には「影武者」とも呼ばれた「そっくりさん」が、という事実もありましたけど、その「そっくりさん」が活躍したのはピッチの外のみ、つまり「そっくりさん」が「デイヴィッド・ベッカム」としてピッチに立ったことはないはずで、つまり誰もピッチにいたのが「そっくりさん」だということは前提にしていないわけで、つまりこの文の空回りっぷりは空前絶後、日本人を仰天させる!
サンスポさんの記事はこのあとも「ベッカムがいかに長距離のハードな移動をこなしているか」を書くだけで、肝心の試合内容は結果(3−0で負け)だけちょろっと書いて、締めは:
MLSは国際サッカー連盟(FIFA)の定める代表戦日程を考慮していないため、イングランド代表のスターは今後もハード日程を強いられる。
「長旅も影響しない」と本人は強調したが、イングランド代表としても高いパフォーマンスを出すには、相当に厳しい条件が続く。
というわけで、マスコミからの扱われ方において、この人はほんとに「ひとりのフットボーラー」ではなく「デイヴィッド・ベッカムというジャンルの人(このジャンルにおいて唯一絶対の存在)」なのだと思う次第。同種の存在にひところの叶姉妹とか。(最近訴訟とかでやたら生身の人間っぽくなってきたけど。)
しかし、いいかげんに「様」扱いはやめてはいかがか。もう騒いだってそんなにカネになりゃしないでしょうに。
ところで「パフォーマンス」は「出す」ものなのだろうか。。。「あげる」ものではなかろうか。。。
※この記事は
2007年08月26日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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