we have really everything in common with America nowadays, except, of course, language.
--- Oscar Wilde, The Canterville Ghost (1887) [Read this if interested]
はてブのトップページ新着経由、Game Sparkさん記事(はてブがなければゲームとは縁のない私は気づかなかっただろう):
原因はたった一つの単語?『マリオパーティ8』がイギリスでリコールの対象に
by riot_兄 @ 2007/7/16 06:05
http://www.gamespark.jp/modules/news/index.php?p=3037
海外先行発売のニンテンドーWiiのゲーム、『マリオパーティ8』の初回出荷分が英国ですべて回収となったが、その原因はゲーム中に画面に表示される不適切な単語にある、というニュース。
Game Sparkさんの記事にリンクされている元記事のひとつ、HaHaUKという英国のゲームについてのニュースサイト(ブログ形式)の記事:
Another day, another Nintendo recall
Friday, July 13, 2007
http://blog.hahauk.com/2007/07/another-day-another-nintendo-recall.html
記事タイトルでAnotherというのは、つい最近、DSのゲームで同様の回収があったばかりだからなのだが(詳細は後述)、ともあれ、今回の事態について発売元(Nintendo)のプレスリリースから:
The above game was launched in the UK today. Unfortunately we have discovered that a small number of games contain the wrong version of the disk due to an assembly error. We have therefore decided to recall all copies of the game from UK retailers so that this mistake can be corrected.
We will re-launch Mario Party 8 in the UK as soon as possible and will announce a new launch date shortly. We very much regret any inconvenience caused.
【大意】
上記のゲームが本日英国で発売となりましたが、残念ながら、ディスクの組み立ての際のミスにより、一部間違った版のディスクが含まれてしまいました。そのため、当該のゲームをすべて英国の小売店から回収することにいたしました。できる限り早期に改めて発売いたします。発売日については追って告知いたします。ご迷惑をおかけし大変に申し訳ありません。
この「間違った版のディスク the wrong version of the disk」というのが、使ってはいけない単語が使われていたものだとのこと。
で、その「使ってはいけない単語」というのが、Game Sparkさんにも書かれているのだけれども、spastic... まずいだろうそれ。なんでこんな単語使ったのかなあ。
と思ったら、これが「米語では普通の語だが、英語(UK語)では使ってはならない語」だということがわかって、私もびっくり。これは自分がいかに米語の話し言葉に接していないかということで、でかでかと書くようなことではないのだが、まさにpricelessな事例なので、自分の恥をさらしつつ書いておくことにした。
■「問題」は何か
まず、問題の単語が含まれるのは、ゲームの中でキャラクターが出てきて言う台詞で、
Magikoopa magic!
Turn the train spastic! ←問題の箇所はここ。
Make this ticket tragic!
私はこのゲームの内容を一切知らないのでこれを翻訳することはできないのだが、問題の箇所は「列車を揺らしまくれ!」という意味だ。HaHaUKのコメント欄を参照すると、spasticはここではhyperactive(激しく動く)という意味で用いられているとのこと。
しかしこの語は元々、英語辞書の定義(後述)にあるように、「筋肉の動きを制御できないタイプの脳性麻痺の」という意味だ。米国ではそこから転じて、口語で(<あくまでも口語で)「激しく動く」という意味を表すようになったようだが、英国では、身体障害者をバカにする表現として一般化し、公の場で使えるような語ではなくなった。
英米でのこの「ずれ」のため、US版はUKでは販売できず、何らかの手違いでUS版がUKに出回ったことが回収の原因と思われる。(プレスとパッケージの工場で単に「英語版」として扱ったのかな。そろそろEnglishとAmericanは、呼称を分けてもよいころかもしれない。)
なお、HaHaUKの記事の名無しさんのコメント(@ 15 July 2007 22:43:00 GMT)によると、初回出荷分のうち「一部間違った版」ではなかったほうのディスクでは、spasticではなくerraticが用いられているそうだ。(コメント投稿者は「もし間違った版だったらeBayで高く売れたのに!」とジョークを飛ばしている。本気かもしれないけど。)
■ちょっと脱線・・・コメント欄に見る英米の違い
この記事のコメント欄は、UKの人とUSの人が入り乱れていて、さらにトピ主さん(プロフによると20歳のUK人)がcensorの定義(forbid the public distribution of ...) を十二分に理解せずにワードゲームにはまってて、それに乗っかる人がいるので(この動詞の主語は常にsomeone in the authorityなのだが、そこがわかってない:日本語でも「言論封殺」とかの闘争系四字熟語でこういうことがときどき発生する)、話がよけいにややこしくなっているけれど、荒れてはいないので、「英語と米語」に興味のある人には一読の価値あり。
ちょっと具体例を挙げると、「spasticって spasms のことを言うだけでしょう? 何がいけないの?」と「spasticはoffensiveじゃないでしょう」というコメントの後に、「アメリカ人はわかってないが、英国では spastic とか spazってのは言っちゃいけないの。アメリカ人にとってはshagは普通の語で、英国では《某4文字語》っていうのと同じ」というレスがついて、そこから「アメリカ人だからって決め付けられてもねぇ。shagくらい知ってますって。オースティン・パワーズ見たもん」という方向に派生し・・・という感じ。(アメリカ人ってどうしてこういう反応をしたがるのだろう、と私はモニタの前で「決め付け」を行なう。笑)
■spasticという語の定義(英米の違い)
ここで、spaticという語の定義を辞書で参照しておこう。こういうときは「英和辞典」を参照しても得られる情報は少ないので英語の辞書だけね。
ケンブリッジのAdvanced Learnersから(簡単に日本語の説明つけておきます):
http://dictionary.cambridge.org/define.asp?key=76206&dict=CALD
spastic
1 OLD-FASHIONED suffering from cerebral palsy (= a condition of the body which makes it difficult to control the muscles)
→(古い言い方で)脳性麻痺の
2 INFORMAL an offensive way of saying 'stupid', used especially by children
→他人をバカにして「愚かな」。特に子供が使う。
stupidというのも穏当すぎる語で、実際にはもっと毒々しい。個人的にはidiotと同義だと思う。
英国の辞書をもう1点、コウビルド英語辞典(第3版しか手元にない):
Someone who is spastic is born with a disability which makes it difficult for them to control their muscles, especially in their arms and legs. This word could cause offence, and most people now refer to someone with this disability as having cerebral palsy.
→ Spasticな人とは、特に腕や脚の筋肉をコントロールするのが難しくなるような障害をもって生まれた人のこと。この語(spastic)は他人の感情を害することがあり、現在ではほとんどの人がこの障害を持っている人のことは「脳性麻痺のある人」と表現するようになっている。
UKでのコノテーションについては、en.wikipedia > spasticの項も参照。この項は背景解説がなく、あまり詳しいことはわからないけれども、UKではspasticやそこから派生した語(spazzなど)はoffenciveであり、USなどではそうではない、ということだけはわかる。
Digg.comのコメントでby plingboot on 07/14/2007:
First off, Americans that think they know what is or isn't offensive in Britain should shut the hell up!
It's nothing to do with political correctness, simply put, spastic is a derogatory term.
rough chart :
100 - c**t 【引用者注:この語を自分のブログに置くのは抵抗が強いので伏字】
...
65 - spastic
...
1 - idiot
others may rate it lower of course, depends who you ask.
You could easily get away with it in polite conversation, much like we may use the word c**t as a term of endearment "Hello you old c**t, how are you?". I might, for instance, say "Hi spastic, what's for dinner?" to my girlfriend. But generally it's a big no-no, I wouldn't ever call my boss a spaz (to his face) and it's certainly not a word a gigantor corp would be wanting to use in a company brochure / game.
【大意】
とりあえず、英国で何がoffensiveで何がそうではないか知ってるつもりになってるアメリカ人は黙っとけって。これはポリティカル・コレクトネスとかそういうんじゃないから。単に侮蔑語。感覚的にはだいたい、c**tを100としたら、spasticは65で、idiotは1、って感じ。人によってはspasticにはもっと低い数値をつけるかもしれないけれどね。
c**tという語を親愛の情を示すときにわざと使うこともあるのと同じように、spasticを使うこともできるかもしれないけれども、普通は絶対使っちゃダメな単語だ。彼女には "Hi, spastic" と呼びかけることもできるかもしれないけれど、上司には絶対無理(少なくとも面と向かってはいえない)。大企業が使いたい語では絶対にない。
こういうコメントにまで「誰かが傷つくからって使用禁止語とかって最近行き過ぎなんだって」というレスがついているから参る。(^^; plingbootさんは「そういうことじゃなくて、UK向けにローカライズしろってこと。チェック漏れかもしれないけど」というような、極めてまっとうなレスを返している。
参考までに、USでの定義(ソースはdictionary.com):
American Heritageによると:
spastic
adj.
1. Of, relating to, or characterized by spasms: a spastic colon; a spastic form of cerebral palsy.
2. Affected by spastic paralysis.
3. Offensive Slang Clumsy or inept.
n.
A person affected with spastic paralysis.
--- The American Heritage(R) Dictionary of the English Language, Fourth Edition
ここでは「Offensiveなスラング」として、clumsyとかineptというシノニムが挙げられているが、HaHaUKでのShawn Fumoさんによるコメント@14 July 2007 13:51:00 GMTによると、「米国で育った者ですが、この語が一番よく使われるのは、clumsyという意味ですらなかったです。hyperactiveという意味でした(The way I heard it used most often growing up in the US wasn't even clumsy, but hyperactive.)」とのこと。彼のコメントによると、具体例としては映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』の「ドク」のような、カフェインの大量摂取でハイになってるような人のことを言うとか。
また、アメリカ在住のMikie Ears さんのコメント@ 14 July 2007 09:37:00 GMTによると、「アメリカでは、非常に興奮していて手先がおぼつかない状態になっている人とか、あるいは不器用な人全般に用いるが、英国では精神障害と結び付けられてるなんてびっくり」とのこと。
米国からもうひとつ。WordNetによると:
spastic
adjective
1. relating to or characterized by spasm; "a spastic colon"; "spastic paralysis is a spastic form of cerebral palsy"
2. suffering from spastic paralysis; "a spastic child"
3. affected by involuntary jerky muscular contractions; resembling a spasm; "convulsive motions"; "his body made a spasmodic jerk"; "spastic movements"
noun
1. a person suffering from spastic paralysis
--- WordNet(R) 3.0, (C) 2006 by Princeton University
用例を見ると、「offensiveだから使ってはならない」という語ではなく、侮蔑や差別、からかいといったニュアンスのない「麻痺の」の意味の語だということがわかる。
■いかにして、英国ではspasticは「使ってはいけない語」となったか
HaHaUK記事の名無しさんのコメント@14 July 2007 10:37:00 GMTによると:
In the UK there was a support group for people with disabilities and their families, it was called "The Spastic Sociecty". However from thi people started using the word spastic offensively on school playgrounds as well as heckling on streets, they have since changed their name to "Scope". Spastic doesnt literally mean anything offensive, its just how it is used in the UK. By saying your a Spaz! it means your a retard, or just your fucking stupid. So i can understand why disabled/handicapped people would find this to be offensive. Good call on the recall nintendo.
【大意】
英国では以前、"The Spastic Sociecty" という名称の団体が障害者とその家族をサポートする活動をしていたのだが【引用者注:このサポート団体はチャリティ・ショップをやっているので団体名が人々の日常生活に浸透している】、このためにspasticという語が学校の休み時間とかに他人をバカにするときに使われるようになった。学校の外でも他人に侮蔑の言葉を投げつけるときに使われていた。そのサポート団体はそれからScopeと改名することになった。Spasticという単語そのものには何も問題はないのだけれど、とにかく英国ではそういうふうに使われているんだよね。他人に向かって「spazだ!」というのは「知恵遅れだ(<すみませんがここは「嫌な言葉」として直訳しないと伝わらないので使わせてください)」とか、あるいは「死ぬほどバカだな」という意味で、だから障害のある/ハンディキャップのある人がこの言葉をひどい言葉だと受け取るのはよくわかる。製品回収をしたニンテンドーはよくやったと思う。
この語がoffensiveである理由は推測はできていたにせよ、実際にどのようにこうなったのかは知らなかったので、これはすごく興味深い。言語学プロパーの人にちゃんと取り上げていただきたい。
たぶん、ちょっと小難しそうでなおかつ響きのよい(s音、p音の勢いのよさ、そしてBritな激しいt音で最後が-ic)語だから、学童(「ガキ」とも言う)に好まれたんだね。言ってるとおもしろい気分になれるから、その言葉を使うことの意味なんかわかってなくても何度でもしつこく使う。しかも相手構わず。そういうふうに「使われている」うちに、この語は「新たな意味」を獲得してしまった。「意味」というより「機能」かな。それも非常にネガティヴな。
小学生が、誰彼構わず他人を罵るときに「この脳性麻痺!」と言うという現象が大流行すれば、本当に、脳性麻痺の人や家族にとってはつらいよね。本人にはどうすることもできない何かが、社会的にとんでもなくネガティヴな「意味」を持ってしまうという現象を、何でもいいから考えてみればわかる。例えば「○○人」――友達同士で「お前は○○人だからな〜」と冗談で使うのではなく、ましてや自分に対して「○○人のくせに」とか言われるのですらなく、路上で誰かと罵り合っている人が、実際には○○人ではない相手を「おまえなんか○○人だ!」と言っている、とか。そして傍で聞いていても、それが何だかとっても悪いものを意味している場合・・・って、これ実際あるんですが。「モンゴロイド」で。(下のほうにも出てきます。)
■実はつい先日も同じ問題がDSのソフトで出ていた件
ニンテンドーのゲーム機のソフトでは、6月にも、まったく同じspasticという語で製品回収が行なわれている。
Brain game pulled over 'offence'
Last Updated: Friday, 29 June 2007, 12:22 GMT 13:22 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6253688.stm
ニンテンドーDSの "MindQuiz" というゲーム(基本的に『脳トレ Brain Age』のクローンだそうです)で、非常に成績が悪かったとき(0点のとき)に、Super Spasticと表示される(<リンク先写真あり。BBC記事にはこの語は出ていない)というかなりとんでもない問題があり(これについてはhyperactiveのシノニム、というエクスキュースはありえないが、clumsyのシノニムとしてはありえる)、このために回収、という記事。
この問題が発覚したのがまた非常に気の毒な・・・北アイルランドで出産を控えて入院していた女性が、ヒマつぶしのためにこのゲームをプレイしていて0点を取って、Super Spasticと言われてしまった。この女性の3歳の息子が昨年のクリスマスに亡くなっているのだが、その亡くなった子がひどい脳障害を負った脳性麻痺のお子さんだったそうで、女性はびっくり&憤慨して、BBCアルスター(北アイルランド)の視聴者お電話番組に電話をした。さらに、この女性のお父さん(50代)も脳性麻痺で、「こんな言葉を見たら父は憤慨する」と女性はラジオで語った。
この件で、ソフトの発売元(フランスのUbisoft)は「不快な思いをさせてしまった方すべてに」謝罪し、流通を停止し回収を決めたのだが、どうしてこのようなことになったのかについては、「日本で開発されたゲームで、残念なことに品質検査で見落としてしまった」と説明している。根本的には「ローカライズ/翻訳」の工程の問題だわね。
このゲームの画像のあるニュースサイトの記事によると、英国では「PS3のソフトがマンチェスター大聖堂の内部の写真を銃撃戦の背景として無断使用」という問題(これはひどいと私も思う。マンチェスター大聖堂はドイツの爆撃でかなりひどくやられ、IRAの爆弾でもかなりひどくやられている上に、マンチェスターは銃犯罪が多い)に加え、コナミのWii用のソフトの名称が「UKのスラングでは下品で侮蔑的な意味になる」語を含んでいたために変更されるという問題もあったばかりだとのこと。(っていうかbitなんですけどね、コナミの件での問題の単語って。確かに大企業が堂々と使うにはどうか、という語ではあるのかもしれないけど、これは普通に使う分には大丈夫です。)
70年代に車の名前とかで「どこそこでは変な意味になってしまう」という事例が多く発生して、ネーミング担当者が頭を悩ませた、というエッセイを10年以上前に読んだことがあるのだけれど、ゲームだとこういうのはもっと難しいだろうなあ・・・キャラクターの名前もいろいろあるし。
※以下は付録。
■検証・研究したい人のための情報源
1)2003年、BBCが身体障害者を対象に行なったアンケートによる「言われて嫌な言葉10選」。結果は下記の通り。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/magazine/3708576.stm
1. Retard
2. Spastic
3. Window-licker ←新語。ひどい言葉だなあ。Aphex Twinも曲名にしていましたが。
4. Mong ←「モンゴロイド」の短縮形で、ダウン症を指す。(民族名とかを短縮して侮蔑を表す用法があるのは、帝国主義の歴史を持つ英国だからかもしれない。<無根拠)
5. Special ←"special needs" など。押し付けがましい、白々しい、という印象だそうです。
6. Brave ←同上。
7. Cripple
8. Psycho
9. Handicapped
10. Wheelchair-bound
2)1の調査結果から、spasticについて
http://www.bbc.co.uk/ouch/yourspace/worstwords/results2.shtml
3)「情報通信庁 Ofcom: Office of Communications」の放送内容審査、re: spaz in a children's TV programme
Ofcom Broadcast Bulletins > Issue number 71 - 16|10|06
http://www.ofcom.org.uk/tv/obb/prog_cb/obb71/
Bratz
CITV, 15 March 2006, 16:30
ITV, 28 April 2006, 16:00
Introduction
Two viewers complained about the use of the word "spaz" in these episodes of the children's series Bratz.
Both complainants felt that the word is a 'deeply offensive' and 'derogatory' term referring to a disability. They were particularly concerned that it was used as an insult in a programme made specifically for a child audience.
...
Decision
Ofcom's research (Language and Sexual Imagery in Broadcasting: A Contextual Investigation - 2005) indicated that respondents considered the word 'spastic' to be very offensive to most people, although a few thought that it was permissible to use the word 'spas' or 'spaz'.
Rule 1.16 of the Broadcasting Code states that:"Offensive language must not be broadcast before the watershed, or when children are particularly likely to be listening, unless it is justified by the context. In any event, frequent use of such language must be avoided before the watershed'.
The word 'spaz' does not necessarily cause the same level of offence in America and therefore its use in acquired programmes such as this series presents UK broadcasters with editing and scheduling judgements.
In this instance ITV had considered the first of the two instances borderline but justified by the fact that the character who used the term was known to be a 'bad' character, had been made to apologise and the word was not used as a reference to a specific disability.
Judgements about the inclusion of such words are particularly complex when used within a programme for younger children who will not necessarily have the maturity to understand the associated context. The fact that the word "spaz" was not used in reference to a specific disability may not negate its potential for causing offence.
We note the action taken by ITV to try to avoid similar future occurrences, and consider the matter resolved.
4)NHSのサイトにあるマニュアルらしきもの
Welcoming People With Disabilities, February 2002
http://www.echeshire-tr.nwest.nhs.uk/pdf/Disabilityleaflethtext.rtf
(HTMLで見る)
Do's and Don'ts
Don't describe a disabled person in terms of their condition, like "Mary is a spastic". Don't use words that make people with a disability seem frail or dependent, like "victim of", "crippled by", "suffering from", "wheelchair bound", or "confined to a wheelchair".
Keep it simple. Just say "Mary has epilepsy", "John has Multiple Sclerosis", "Peter uses a wheelchair".
Words that may cause offence are: spastic, cripple, retarded, defective, blind as a bat, deaf and dumb, mentally deficient.
Don't say someone is "mentally handicapped". It is better to say they have "learning difficulties".
5)おや、こんなところにスラオさん♪
http://www.sluggerotoole.com/archives/2005/03/welcome_back_1.php
コメント欄より:
コメントその1:
Anyway to (hopefully) ward off another spastic fit from your good self, let me re-iterate how deporable and horrific the murder of Robert McCartney was. I'm still entitled to ask whose version of events has been aired in the National press for the last 6 weeks.
コメントその2:
spastic fit
As someone with two friends with cerebral palsy I find the use of that expression extremely offensive ...
コメントその3(1の人のレス):
以下、激化していくだけで資料的価値がないので略
6)Citizen.org.ukにある指針マニュアルのようなもの
Introduction to Disability Awareness
http://www.citizen.org.uk/Democracy/pdf/14.pdf
一種の「スタイルガイド」的にまとめられたもの。
7)学習障害(learning disability:「知的障害」のユーフェミズムでもあると思います)のある成人に対する「いじめ」についての調査レポート
http://www.mencap.org.uk/download/fear.rtf
(HTMLで見る)
読むのがつらいレポート。Verbal abuseのところだけ少し引用:
'spacker, dickhead, four eyes, handicapped, everything-it's the names that we were called and hated in the early 60's and 70's. That's what we got called then and we still get called them today' Male, 34, Liverpool
'People call me spastic and spazzy all the time. People don't understand what it is like to have a learning disability.... They are so nasty and it is just upsetting for me all the time' Female, 30, Newcastle
'I was in the canteen and some boys come in and started to chant my name. The boys call me cabbage. I am scared of them' Female, 43, Preston
8)アフリカンの人の「言葉」に対する考え
http://www.ligali.org/article.php?id=580
Apologists and all those who profit from the use of the n word will always argue that we need to "have the debate" or "reclaim" the word whilst ignoring the vast body of opposition from the global African community calling for the eradication of the n word from the British cultural lexicon just as the words yid, spastic and honky are viewed as offensive and inappropriate.
9)昨年のデンマークの右翼新聞での「戯画」騒動についてのブログ
http://www.ministryoftruth.org.uk/2006/02/09/
Flemming Rose, the culture editor of Danish daily Jyllands-Posten, said today he was trying to get in touch with the Iranian paper, Hamshari, which plans to run an international competition seeking cartoons about the Holocaust.
... ひどいことがいろいろ書かれている。最後のだけ引用(一番ひどいと思う)。
"If you're wearing a short skirt that does not necessarily mean you invite everybody to have sex with you. If you make a cartoon, make fun of religion, make fun of religious figures, that does not imply that you humiliate or denigrate or marginalise a religion."
I do like the rape analogy by the way - nice one guys. All we're short of now is a good old bout of queer-bashing and a couple spastic jokes and we’ve got the full set.
※最後のところ(地の文)は皮肉。念のため。
10)GCEの解答例っていうか採点基準。なんでこんなものがネット上にあるんだろう。楽しいなあ。(^^;
Teacher Support
GCE English Language Specification A
Unit 1
Examples of Candidates' Responses to the January 2005 examination.
http://www.aqa.org.uk/qual/pdf/AQA-ENA1-W-ECR-JAN05.PDF
Another recent development in language is how people with disabilities are described. One reader of "The Guardian" in 2001 objected to being referred to as "wheelchair bound" as, quite rightly, she did not feel she was defined by her illness. The charity the "Spastic Society" has changed its name to "Scope" due to the fact that once "spastic" was a neutral term, but with the advent of its use as a term of offence it is no longer perceived as correct to use.
関係ないけど、これ↑書いた学生(Candidate A)のQuestion 1の答えがすごい。"Joe Strummer's obituary from 'The Guardian' newspaper, as well as being a way of paying our last respects also provides a thought provoking insight into his life and career. The article conveys a sense of who he was, and his highly regarded influence over the music of the 1970's. Considering this, it is a piece likely to be aimed at music fans, and possibly those readers who will remember when he was at his most prolific. ..." よく書けてるし、中身もおもしろい。10代でこういう訓練をどんどんしなきゃ。(私の高校生のときは、やっても「要約」までだったもんなぁ。こういうコミットした読みの訓練は大学に入って初めて経験させられた。)
・・・まだ興味深い資料がありそうですが、こんなところで。検索ワードは「Spastic offensive」。
※この記事は
2007年07月16日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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息子の学校のひとつ上のクラスの女の子の弟がダウン症で、いつもお母さんといっしょにお姉さんの送り迎えに学校に来ていました(イギリスでは8歳までは送り迎え必須、たいがいの親は小学校卒業まで送り迎えする)。一家はユダヤ系英国人ですが、そういうわけで、まだ赤ちゃんだったその子の顔はモンゴロイド系に近いわけです。とは言え、ダウン症の顔つきは独特なので、そこらの中国人や日本人や韓国人にそっくりというわけではないように、わたしには見えました。
うちの息子は両親とも日本人なので顔はこてこてのモンゴロイド。小さい子と遊ぶのが好きで、友達の家に行くと弟や妹とともよく遊ぶのですが、お姉さんの送り迎えに学校に日参するその子のことをとても可愛がっていました。実際、その子はいつも幸せそうにしているし、愛嬌があってかわいい子だったです。
過去形で言っているのは、2年ほど前にその子が事故で亡くなってしまったからなのですが、その子が亡くなったあとでお母さんに会う機会がありました。お悔やみのあとで、うちの息子が悲しんでいたと伝えたところ、ほんとに心から感謝されたあとで、「かれ(うちの息子)がうちの子を学校の他の誰よりも可愛がってくれたのは、顔が似ていたので親近感を感じたせいじゃないかしら」と言われ、ものすごく複雑な気持ちになったのでした。なんと返事をしたか覚えていないのですが、いまだに説明できない妙な感情があります。
ご無沙汰しちゃっててすみませんー。貴重な実体験をありがとうございます。
「もんぐ」についてはspasticとは別にちょっと話が広がりそうで、ただでさえ長いこのエントリへのコメントでは見落とされてしまうので、独立したエントリにしたいと思います。つきましてはコメントとしていただいたものを別のエントリ本文に移動させていただき、そこであの語の成立経緯などの背景をちょこっとメモっておきたいと思います。
一言だけ先回りしておくと、ちょっと調べてみたところ、そもそもの発端は「顔立ち」全体のことではなく、「目」のようです。19世紀半ば以降の新聞の挿絵など、および第二次大戦時の諷刺画(「日本人」のステレオタイプ)で戯画化されていた、うちらモンゴロイドの目の特徴。全体の中で見れば小さなパーツなのですが。。。
http://d.hatena.ne.jp/nofrills/20070716/p1
このはてなダイアリのエントリに、「z is for zokkon」さんからトラックバックをいただきました。
http://d.hatena.ne.jp/zokkon/20070718#p1
「z is for zokkon」さんでは、次のようなことが書かれています。
1)ジョー・ジャクソンのデビューアルバムに入っている曲で、spasticという語が用いられているとの件("Mother doesn't go out any more / Just sits at home and rolls her spastic eyes", 曲名はSunday Papers)
2)最近のCobuildが「サントリー山崎」化している件
3)『コウビルド米語辞典』でもUK版と同じ記載であるとの件
1)については、ジョー・ジャクソンは英国出身ですから、なんじゃこりゃー!な話ですが、おそらくはアルバムが出たとき(1979年だそうで)にはまだ「子供の間で爆発的に流行」はしていなかったのではないかと推測されます。
2)については、「ですからいまだに3rd Ed (2001) で事足りていますのよ」、と優雅にお茶を飲みながら微笑むこともできる私。ビスケット召し上がる?
3)については、米語辞典は持っていないので他との比較ができず残念。こんど大型書店でロングマン、オクスフォードを見てみます。
そうなんですか、目ですか。悪口言われるときも「目」なんですよねえ。たとえその人個人の容貌がお目目ぱっちりのバター系の顔で、いわゆる東洋人のイメージとして固定しているつり目細目じゃなくても、必ず両目尻をつり上げて「チンク」と言われるわけで、そういう顔してねえじゃねえか、と思うことしばしばだったりはします。
こちらこそ、ちょっといろいろあるのでなかなかエントリ立てられなくてすみません。しばらく時間かかるかも、です。(IRAに破壊されたバルティック・エクスチェンジがバルト3国のひとつに移築されるとかいったネタがどんどん積み残されているのが現状。)
東洋人の「目」は、うちらが西洋人といえば「鼻」で表すのと同じようなことではないかと思います。つまりステレオタイプ。
デイヴィッド・ベッカムにせよ、ハリー・キューウェルにせよ、日本で「ガイジン(西洋人)」の表象として使われる「鼻」のような鼻はしてませんし、あのように「鼻が高い」人ばかりではないということは現在では誰もが知っているはずなのだけれども、あの「鼻」を見れば広く一般的に「西洋人」が連想される、というような。
ところで「もんぐ」については、フランスでも同じなようです。
http://www.francezappa.fr/apprendre/francais-200504.html
[quote]
「最近は、日本の相撲界にも外国人力士が増えましてねー。いまや横綱も mongolien なんですよ」
フランス語でモンゴルのことは Mongolie といいますね。では モンゴル人はというと mongolien と言いたくなるのが、日本人の感覚。しかしご注意を。 mongolien は蒙古症、つまりダウン症患者のことなので .... 。モンゴル人は mongol といいます。……
[/quote]