「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2018年08月19日

「書籍が無料」をうたうフィッシングサイトの言ってることが、「googleメンバーシップリワード」の当選詐欺のそれによく似ている

最近立て続けに2度、広告ブロッカーを入れていない環境で英語圏大手新聞社のサイトを閲覧中に、ページがGoogleと見せかける妙なサイトに切り替わってしまうという事象に遭遇した

切り替わった先のサイト(ウェブページ)はGoogleっぽいが一目で真正ではないとわかるロゴを掲げた上で「googleメンバーシップリワード」を標榜しており、内容は非常に古典的な、「あなたが特別に選ばれました」&「あと○秒で手続きしないと、当選の権利は別の人に移行します」という文言での詐欺である。

それについての詳細は、8月3日にInternet Watchに出ていたので、ご一読いただきたい。

突然「Googleをお使いのあなた! iPad Air 2の当選者に選ばれました」と表示された
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/dlis/1136222.html


※この記事では、「ウェブを閲覧していると、あるとき突然に新規タブが開き、『おめでとうございます! Googleをお使いのあなた! <製品名>の当選者に選ばれました。OKをクリックして景品をお受け取りください』と表示される」と述べられているが、私が遭遇した事例では、新規タブが開くのではなく、見ていたページが切り替わってしまう(それまで読んでいた記事が読めなくなってしまう)という、迷惑にもほどがある挙動だった。ちなみにGoogle Chrome使用。

この「当選詐欺」は、アドネットワークを介してユーザーの手元で表示されるようになっているようで、要は「変な広告が表示された」ということだから、単にブラウザorタブを閉じればよい(気持ち悪ければキャッシュを削除)。特に「マルウェア対策」などはしなくてもよい(パニクって、表示された文言をググるなどした人を標的に、Tech系のブログを装った「マルウェア感染」詐欺が展開されていたりするので、注意が必要。詳細後述。ツイートを連続して埋め込んである箇所を参照)。

この「googleメンバーシップリワード」は、Twitterでハッシュタグにもなっていたのだが、自分の手元で表示されることがなくなったので、それきりしばらく忘れていた。

そんなタイミングで見かけたのが、19日付毎日新聞の下記記事である。

フィッシング
大量の書籍「無料」うたうサイトに注意

毎日新聞2018年8月19日 13時00分(最終更新 8月19日 15時15分)
https://mainichi.jp/articles/20180818/k00/00e/040/313000c

これが、「googleメンバーシップリワード」によく似ている。

「googleメンバーシップリワード」ではこのようなことが報告されていた。
クレジットカード登録画面で「隠された料金が発生することは決してありません」の下にある目立たない「契約条件」リンクを開くと、英文の規約が表示される。そこには「5 day trial, which Renews to a 1 month Premium Download membership at $49.95 USD/month if not cancelled prior to the end date.」と書いてある。5日間のトライアルのあとは月49.95ドルずつ課金されますよ、ということだ。

https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/dlis/1136222.html


一方、「書籍が無料」をうたうフィッシングサイトでは、運営者に記者が問い合わせたところ、次のようなやり取りになったという。(やり取りの元は英語、毎日新聞記事では日本語。)
記者「本のダウンロードは本当に無料なのか?」

運営者「5日間無料で、5日間の無料トライアル中にキャンセルが行われなければ、アカウントは自動的に$49.95 USDのプレミアム会員にアップグレードされます」

記者「アップグレードされることはどこにも書いていないが」

https://mainichi.jp/articles/20180818/k00/00e/040/313000c


「5日間のトライアルは無料、その後は$49.95/月」というのは、テンプレ的な何かなのかもしれないし、運営者(詐欺師)が同系統ということかもしれないし、偶然の一致かもしれない。

いずれにせよ、この手の「無料詐欺」とでも呼びたくなるようなのが、さほど不自然ではない日本語で書かれたページとして、ネット上でぴょこぴょこ出てきては話題になるようになった。

これまでは詐欺サイトは「変な日本語」「微妙な日本語」で区別できるというふわっとした前提があったかもしれないが、もうそういう時代は終わったかもしれない。

その背後にあるのが、人力翻訳者の確保であっても、機械翻訳の精度向上であっても驚かない(機械翻訳の中には、英→日の出力結果を、「日本語を外国語として学び、自分で書くと細部が不自然になりはするが、書籍や新聞記事を読むことができる」程度の人がチェックして少し修正すれば、自然な日本語として十分に通用するようなものもあろう。もちろん、AIに食わせる元のデータが充実していることが前提だが、例えばネットショッピングみたいな分野のものは十分に充実しているだろう。それにうちら日本語母語話者の感覚もどんどん麻痺してきていて、ショッピングサイトでの「今すぐ注文する」程度の日本語には、もはやぎこちなさは感じない)。

何しろ、毎日新聞が報告している詐欺サイトは、こんなふうだそうだし。
 運営者は複数のサイトを管理しているようで、「音楽聴き放題サービス」や「映画をオンラインで即視聴」と称するサイトにもつながっていた。さらにページ下部には日本語以外にもイタリア語、ドイツ語、中国語など計14カ国語用のページリンクがある。

https://mainichi.jp/articles/20180818/k00/00e/040/313000c


なお、私が最初に遭遇した「googleメンバーシップなんちゃら」についての記録は以下の通り。















※この記事は

2018年08月19日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 22:51 | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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