勝利した野党の新人のアダマ・バロウさんがTwitterで「人は政治的な面では変われても、好きなサッカーチームは絶対に変えられない」と発言し、特製の「1番、大統領」のアーセナルのユニを着てしまうような人であることを、先日、さるさん (@saru_gooner) のブログで知った。
アロマイ!エアblog更新 【朗報】ガンビアの新大統領が衝撃カミングアウトで国を再建!https://t.co/05VY6mgj1w
— さる@gööner (@saru_gooner) January 20, 2017
アフリカや中東の人をフォローしてるとけっこう「あるある」なんですけど(シリアスなニュースが並ぶ画面に、特定のタイミングで「よっしゃぁ!」とか「瀬尾君!」とかいう叫び声が入る)、これは……。 https://t.co/8Sz2PBxAyv
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) January 20, 2017
「22年間、専横的な政治をしてきた」云々で軽く予想がつくとおり、アダマ・「グーナー」・バロウ氏に敗北した前大統領はいろいろごねて居座ろうとしていた。ガンビアの情勢はどんどんきな臭くなっていった。数日前には、英国の旅行代理店の手配で観光旅行に行っている英国人(ガンビアは英国の植民地という歴史を有する国で、フランス語圏のセネガルの中にぽつんと浮かぶ英語圏)が情勢悪化で空港に引き上げてきていて、本国への帰還をどうするかといったことがニュースになっていた(見出しを見ただけで中身は把握していないが)。
だが1月22日、ようやく、前大統領が出国した(大統領の座に居座ろうという企てを諦めた)というニュースがあって:
Gambia's Jammeh leaves power after 22 years - latest from Banjul https://t.co/4PTfSTJSZ6 #Gambia #Jammeh pic.twitter.com/LyCtoDK4IT
— AFP news agency (@AFP) January 22, 2017
いよいよガンビアの新たな時代が始まろうとしている……
I would like to inform you that Yahya Jammeh has agreed to step down. He is scheduled to depart Gambia today. #NewGambia
— Adama Barrow (@adama_barrow) January 20, 2017
というタイミングで、1月22日(日)、ガンビアの新大統領がサポートするアーセナルFCは、ホームのエミレーツ・スアジアム(ロンドン)に、バーンリーFCを迎えた。試合は前半は0-0で終え(Twitter上に試合の日に出現する「ガナサポの集まるパブ」的な空間では、「なんでこうピリっとしないんすかね」的な話で持ちきりだった)、後半に入ってエジルのアシストでムスタフィが移籍後初ゴールというドイツ・ホットライン機能しまくり! しかもチーム全体で見ればフレンチ・コネクションとも共闘してて、戦後欧州美しい! ノーベル平和賞! ……みたいな展開になったのだが、もう試合は決まったと思われた90分にバーンリーにPKを与えてしまい、しかも決められてしまう。Twitter上のガナサポ界隈以外で「典型的アーセナルwwwww」などの哄笑が湧き起こる中、その直後、アディショナル・タイムにアーセナルもPKを獲得し、アレクシス・「エル・ニーニョ・マラビラ」・サンチェスが決めて、最終的には試合は2-1でうちの勝利♪
……と、ガンビアもジェットコースターならアーセナルもジェットコースターで、アダマ・バロウさんは気分の浮き沈みが激しくて大変だったのではないかと思う。
一方、私がフォローなどしている範囲内の「アフリカ・中東のグナ界隈」はどうだったろうか。
アフリカ・中東方面見に行くと「よっしゃぁぁぁぁ」の嵐だろうな。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) January 22, 2017
現在、私は非常に調子が悪いのであまりあちこち見る気力はないのだが、「あの人のTLを見れば確実」的な存在ということで、言論統制の厳しいサウジアラビアで英語でブログを書き続けてきて、現在はWSJの記者でもあるアハメドさん (@ahmed; Twitterの本当に初期からのユーザーなのでこんなシンプルなアカウント名を持っている) のTLを見てみた。
https://twitter.com/ahmed
キャプチャ:
まあだいたい、試合の日はこんな感じです。これがいろんなところで同時多発する。Twitter.comの画面(ホーム)を私は今はチェックしていないのだけど、それを見ていたころは、アーセナルの試合になると「えっ、あなたまで?」という人が「よっしゃぁ!」と叫ぶのを見て、「やだー、世界狭いー、人類みなきょうだいー」と思うことが何度もありました。中東のブロガーやジャーナリスト、アフリカの活動家、英国のジャーナリスト、などなど……。
ちなみに英国の政界のガナサポにはジェレミー・コービン労働党党首(=イズリントンの地元民)など、英国の報道界のガナサポにはロバート・「メガネ男子」・ペストン (@Peston) などがいます。有名なガナサポのピアース・モーガンは負けると「ヴェンゲル・アウト!」と叫びだすなどうるさいだけなのでフォローしなくていいけど、ペストンはプライベートで国外遠征するくらい熱い人だし、フォローしてるとおもしろいっすよ。元はBBCの経済記者、今はITVで政治番組を持ってる看板記者。
https://twitter.com/Peston
ジャーナリストでは、ベテランのグレン・オグラザさんも熱い。試合のない日は普通にお堅い政治ニュースです。
https://twitter.com/glenoglaza1
22日といえば、1つ前のエントリで軽く言及したんだけど、トランプ政権発足で最初の記者会見で広報のスパイサー氏が「コミカル・アリ」化したのがニュースで、#SpicerFactsというハッシュタグが大流行した。これがさらに延焼して、Alt-rightと悪魔合体して、#AlternativeFacts というハッシュタグになっている。
そして、アーセナルとバーンリーの試合、終盤でコシエルニー(コシールニー)が実はオフサイドだったんじゃないかという局面があった。
この2点を合体させてアハメドさんに発言させると……
Koscielny was onside. Period. #alternativefacts pic.twitter.com/PqR45ujWwh
— Ahmed Al Omran (@ahmed) January 22, 2017
😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂
※この記事は
2017年01月23日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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