月曜からの本格的な仕事始めを前にした土日の様子を見て、Twitter上で私がフォローしたりリストに入れたりしている米国のジャーナリストたちは、何がなぜ、どのようにひどいかを指摘するので大忙しのようだ。あまりたくさんは見ていないのだが、それらは「報道官発言のミーム」とあわせてRTするなどしてある。
http://twilog.org/nofrills/date-170122/asc
土曜日(21日)には、世界各地で女性たちのデモ(Women's March)が行なわれた。その様子を伝えるツイートも、21日から22日にかけてRTしている。イラクのエルビル(イラクのクルディスタン)からも、雨の中行なわれたデモの様子が伝えられてきている。米国内からは「この街としては史上最大のデモとなった」といった地方ニュースも伝えられている。
と、そのように大きな変化があって、たぶん普段よりも多くの人々がTwitterを使っているのではないかと思われたこの週末に、Twitterは緊急性などまったくなさそうなインターフェイス変更を行なった。本エントリはそのことについてのメモである。
変更されたのは、これまでツイートの下に「・・・」のボタンで表示されていたメニューの位置と形式だ。
Dear @Support, the three-dotted menu button to embed/block/mute etc is missing. Or is it only me? pic.twitter.com/znINjDdg0D
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) January 20, 2017
.@Support Never mind,I've found the new button. It'd have been nice if you'd given a notice b4hand. I wasted 1hr waiting for it to reappear pic.twitter.com/DlYFGWeSSN
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) January 20, 2017
あとは画面を見ればわかるだろうと思う。
それから、Twitterに関してはこんなことも伝えられている。
ツイッター、「政権移行」失敗で謝罪 誤って56万人を追加
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170122-35095362-cnn-int
Or https://archive.is/eSsRT
トランプの大統領就任にともない、@POTUS (President Of The United States) のアカウントがトランプに引き渡され、オバマの大統領としてのツイートはすべて、新規の@POTUS44(第44代米大統領)のアカウントに移動された(というか、元々の@POTUSのアカウント名を@POTUS44に変更し、同時に@POTUSのアカウントを新設したのだろう)。そのときに、元々@POTUSのアカウントをフォローしていた人々の扱いで、何らかの手違いがあったようだ。
Twitterでは、@POTUSのアカウントをフォローしていた人々は、自動的に@POTUS44をフォローするようにした。これは論理的にみて正しい。@POTUSをフォローしていた人には、「バラク・オバマ」をフォローしていた人と、「米大統領」をフォローしていた人がいて、「米大統領」のアカウントをフォローしてる人について、「第44代米大統領(つまりバラク・オバマ)」のアカウント(過去ログの保存場)のフォローを外さないようにしておくことは、理にかなっている。しかし、オバマ退任後の@POTUSのアカウントを、オバマ時代の@POTUSをフォローしていた人々が自動的にフォローする必要があるのかどうか……行政のアカウントとみるか、個人のアカウントとみるかで結論は変わってくるだろう(個人のアカウントと見る場合は、ゼロから仕切りなおすようにするのが論理的)。類似の事例、例えばロンドン市長のアカウントはどうだっただろう。
それより大きな問題となったのは、新大統領就任を前に@POTUSのフォローを外していた人も多くいるわけで、フォローを外したタイミングにもよるのかもしれないが、そういう人々がTwitterのおせっかいによって、@POTUSのアカウントをフォローしっぱなしということになってしまったようだ。
ドーシー氏の説明によると、それまでに「@POTUS」などのフォローを中止していたユーザーらも、新政権のフォロワーに追加されてしまうという手違いが起きた。
「@POTUSをフォローしていなかったのに、知らないうちにフォロワーになっている」などの苦情が相次いだため、ツイッター側が修正したという。
……
「@POTUS」と「@POTUS44」のフォロワーは、21日午前の時点でともに約1420万人だったが、同日午後には「@POTUS44」のフォロワーだけが約1430万人に増えた。「@POTUS」は1420万人のまま。
この件、Twitterのサポートのツイート:
Update: We continue to work on the investigation and fix for the @POTUS migration. Stay tuned!
— Twitter Support (@Support) January 21, 2017
英語ってときどき、ものすごい皮肉を素でぶちかますよね。> "migration"
んで、この件、ニュース的なものを見ようとTwitterで検索すると、もちろんニュース的なものは見つかるのだが:
Twitter investigating angry users' reports that they were unwittingly added as followers of Trump's @POTUS account https://t.co/PrgGPDkkQT pic.twitter.com/JdCAyNvm2g
— CNN (@CNN) January 21, 2017
Twitter: Half a million people wrongly made to follow Trump's @POTUS https://t.co/x554hFkPhV pic.twitter.com/IzgxIxsVxF
— POLITICO (@politico) January 22, 2017
同時にこういうのも目に入る。こういう毒々しいのが、がんがん垂れ流されている。こんなの、一昔前なら、「それ系のサイトやブログ」をわざわざ見に行かなければ目にしないようなものだったのだ。(この点、トランプ支持者たちのとっている手法は、2014年のイスイス団の手法とよく似ている。)
.@seanspicer Thank you 4 POWERFUL message re #LIES of #MSM. #WeThePeople FED up with bias. @POTUS needs to KEEP using #Twitter for #TRUTH pic.twitter.com/69Ov4eIFDS
— Health&Cents MD (@DrLee4America) January 22, 2017
2008年の大統領選挙のときにオバマ陣営の選挙戦で注目されたのが、「ネット戦略の巧みさ」で、特にTwitterとFacebookの活用は、その後の選挙戦において「先例」として参照されるようになった。そして「リベラル」たちは、「ネットを巧みに活用するのはオバマのようなリベラルな人たちだけ」と錯覚した。
しかし事実は……いまやTwitterのヘビーユーザーといえばドナルド・トランプだ。トランプの垂れ流す嘘、虚偽情報、ハッタリ、etc etcの多くが、Twitterの140字の世界でぐるぐると回っている。
その事実を、Twitterの経営陣が無視するだろうか。
そんなことをするはず、ないじゃん。
「50万人もが意図せず@POTUSをフォローしてしまった件は、バグでした」……本当にそうかもしれない。しかし、それを額面どおり受け取る人も、さほど多くはないだろう。既に「疑心暗鬼」のタネはがんがん撒かれて、水もたっぷり与えられている。
※この記事は
2017年01月23日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
- Twitterを「鍵アカ」にすると、「《検索したい語句》from:アカウント名」..
- "整理" されてしまった「翻訳・通訳のトビラ」の中身を、Web Archiveで..
- 美しかった。ひたすらに。
- はてなブックマークでわけのわからないスターがつけられている場合、相手はスパマーか..
- 虚構新聞さんの "バンクシー?の「『バンクシー?のネズミの絵』見物客の絵」に見物..
- 当ブログがはてなブックマークでどうブクマされているかを追跡しなくなった理由(正確..
- 東京では、まだ桜が咲いている。
- あれから1年(骨折記)
- Google+終了の件: 問題は「サービス終了」だけではなく「不都合な事実の隠蔽..
- 当ブログに入れている広告を少し整理しました。