「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2016年05月06日

「船田船左衛門」的な名前をつけられそうになった英国の極地調査船の件で最終結論が出て、全世界が落涙を禁じえない。

trends06may2016.png先日、当ブログでも少し書いたBoaty McBoatface(「船田船左衛門」)の件で最終的な結論が出されたことで、またもや Boaty McBoatface がUKのTwitterでTrendsに入っている。ざっと見た限り、ニュース・フィードのヘッドラインだけを見て、ウケを狙って上手いことを言うなり、感情的な反発をしてみせるなりして目立とうとしている発言が多いようで、中身はほとんどないかなあと思う。

そんなことより、当局の対応がいかにも英国的というかイギリスらしいというか(←同じことだ)、強烈な「これだよなあ」感にあふれている。目頭が熱くなるほどのその感激をお伝えしたい。

'Boaty McBoatface' ship to be called RRS Sir David Attenborough
http://www.theguardian.com/environment/
2016/may/06/boaty-mcboatface-ship-to-be-
called-rrs-sir-david-attenborough


「船田船左衛門」とは何かということは、先行のエントリに書いたので、もう繰り返さない。

で、ああいうことがあって、Natural Environment Research Council (NERC: 日本語にすれば「自然環境調査評議会」とでもなるのだろう)が最終的な結論を委ねられていた。その後、これまでの間に「ボーティ・マックボートフェイス」というふざけた名前は採用しないということがマスコミを通じて告知されており、ということは、候補名となっていた "RRS Henry Worsley" (ヘンリー・ワーズリーは今年1月に南極大陸単独横断のゴール目前で倒れ、亡くなった探険家) なり、他の名前なりが選ばれることになるのは誰でも知っていた。

私は何となく、「不運にも偉業達成を目前に亡くなった偉大なる探検家」を記念する船として名づけられることになるのではないかと思っていたのだが、実際の結論はそうではなく、「英国で自然番組といえば案内役はこの人、というくらいに人々に広く親しまれている放送人」の名前を冠することになった。

この声の人だ。



それだけで話は終わらない。ここからが涙を禁じえない部分。ハンカチのご用意をお忘れなく(モンティ・パイソンでのマイケル・ペイリン調で)。










つまり、調査船本体は「デイヴィッド・アッテンボロー号」と命名するが、この調査船に搭載するリモコン操作で動くヴィークルは「ボーティ・マックボートフェイス」と命名する。

そんな落としどころがあったとは。 (・_・)

英国流「大岡裁き」というものがあるとしたら、シェイクスピアの『ヴェニスの商人』か、「ボーティ・マックボートフェイス」か、と後世に語り継がれるに違いない。

で、この件、誰が一番ノリノリになってるかっていうと、そもそもの火元の人(アイデアを出した人)が元BBCラジオのプレゼンターだったからというわけではないかもしれないが、BBCである。




BBCといえば、大人が見ると頭が溶けそうな子供番組でおなじみだ、ということを改めて思い知らされるのだが、そのBBCの子供番組についてもすごい記事が出ていた(ボーティ・マックボートフェイスとは関係なく)。




ああ、やばい。

このIn the Night Gardenというのが、テレタビーズをさらにゆるくしたようなlove & peaceの世界で、実にやばい。YouTubeにBBCのアカウントがあれこれアップしてるので、見てみたほうがいいと思う。

一方、Boaty McBoatface流のナンセンスな名づけは、かなり定着しているようだ。








Boaty McBoatfaceが調査船の名前として不採用になったことについてのウケ狙いのツイートで、私が見た中で、唯一おもしろいと思ったもの:


※この記事は

2016年05月06日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:00 | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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