この草の名前を知ったのも私はごく最近のことだが、「オランダミミナグサ」ということはいわゆる「外来種」で、「在来種」に「ミミナグサ」というのがあるのだろうということは、この名称だけで容易に推察できる。
オンラインで利用できる「植物図鑑」を見てみると、やはり「在来種のミミナグサ、外来種のオランダミミナグサ」ということだとわかる。
ミミナグサは,里山の草地に生える多年草。近年ではヨーロッパ原産の近縁種,オランダミミナグサが増えていて,都市近郊では帰化種の方が勢いがいい。しかし,自然環境が維持されている里山の草地では,ミミナグサを見かけることが多い。
http://www.plantsindex.com/plantsindex/demo_html/demo_db/result14730.htm
「自然環境が維持されている里山」とは何なのか、といった疑問も頭をよぎりつつ、そこはあまり深く考えず、この記述を見る限り、東京のような都会では「ミミナグサ」はもう珍しいということだろう。実際、そこらへんを歩いていて目にするのは「オランダミミナグサ」ばかりだ。しかもこの草、最近、やけに増えてきているような気がする。主に柔らかい土がたっぷりある植え込みの脇などにわんさか生えていて、以前はそういう場所でよく見かけたハコベやナズナ(ぺんぺん草)よりも目に付くようになっている。あるいは単に、今まで私は見ていなかっただけかもしれない。
ともあれ、そういうわけで、「東京ではミミナグサは目にすることはないだろう」と思っていた。
ところが今年、いつもスミレが群生するツツジの植え込みの足元を見てみると、ここにもわんさかと咲いているオランダミミナグサの集団から10センチほど離れたところに、「オランダミミナグサのようだが、少し違った風情の草」が生えていた。
集団で生えているオランダミミナグサの1本(この写真は花が実になるときのもので、あまりよい例ではないかもしれないが、これだけ趣が異なっていれば誰だって「別の種類の植物かなあ」と思うだろう)。

「違った風情の草」の別角度の写真(Flickrにアップするためではなく、単に家で調べるための写真で、ピントが合ってなかったりもする)。



ミミナグサ、オランダミミナグサの花は咲いている時間帯が限られる。そのため、この「謎の草」がどんな花を咲かせるのかもこの写真を撮った時点ではわからず、できれば、咲いている時間帯にもう一度ここを通るようにしようと考えた。
その間、野の草についての調べものでお世話になっている「松江の花図鑑」さんで調べてみると、オランダミミナグサとミミナグサは、花が閉じたときの様子で区別できるらしい。
オランダミミナグサは、「閉じた花の花弁が萼より長い」。
他方、ミミナグサは、「閉じた花の花弁は萼からほとんど出ない」。
つまり、開花した状態で確認するには、花びらの長さが、ガクと同じくらいなのがミミナグサ、ガクより長いのはオランダミミナグサということになる。
ほかにも、「ミミナグサは花柄が長め、オランダミミナグサは短くほとんど茎に接して花が咲く」という違いもある。
また、「オランダミミナグサは花がぎっしり固まって付くが、在来種は少ない傾向がある」という違いもあるという。
そういったことを調べて「ふむふむ」と思ってすぐに、その「謎の草」が生えている植え込みの前をタイミングよく通ることができた。
そのときの写真がこれ。

立ち姿はこう。
ガクと花びらの長さがほぼ同じということがよくわかる角度。
花と葉の位置関係がほかのと違うように見えるのもある。
これは、もう実ができている(左側)。
……といった写真を、Flickrにどかっとアップしてきた。関心がおありの方は、下記URLが私の写真の「ミミナグサ」のタグの一覧(Flickrのほうで処理・仕様が変わらなければ、「オランダミミナグサ」とは別のタグになっているはず)。
https://www.flickr.com/search/?sort=date-taken-desc&safe_search=1&tags=ミミナグサ&user_id=73852584%40N00&view_all=1
なお、当方のFlickrアカウントは、大半の写真をCreative Commons BY-NC 2.0のライセンス(表示・非商用)にしてあります(ごく一部、All rights reservedの写真もあります)。当方のCCライセンスの写真は、お金儲けのためでなければご自由にお使いいただいてかまいません(加工などしてもいいです)。学校の課題、自由研究などでお問い合わせいただいたことがありますが、お問い合わせ不要です。
「非商用」というのはいろいろ基準があるかもしれませんが、個人ブログで紹介したい本を書影つきで紹介するためにamazonのアフィリエイトを使っているようなケースは「非商用」です。一方、同じブログ・サービスを使っていても、「ブログ飯」などの方向性を追究し、「ブログでこれだけ稼いだ」とかいう話題を熱心に展開しているような「プロブロガー」の場合は、「商用」です。商品を販売するためにブログを使っているのも「商用」です。もっとシンプルに「ブログでの収入」を基準にすれば、ブログ経由の収入が月に1000円とか2000円とかで、それを拡大しようとも考えていない場合は、「商用」に該当する可能性を考えていただく必要は、少なくとも当方に関しては、ありません(他の人がどうなのかは知りません)。
※この記事は
2016年05月05日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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