「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2016年04月17日

来期からSPLで復活するオールド・ファームのライバル関係について、今から半笑いしておく。

4年前の2012年、スコットランドのサッカー、プレミアリーグの強豪のひとつ、レンジャーズFC(Rangers FC: RFC)が、4部リーグにまで格下げされた。理由は、サッカーそのものとは関係のない、経営上の問題だった。ウィキペディア日本語版より:
2012年2月14日、会社更生法の適用申請を行い、クラブの経営権が管財人の手に渡った。この時点では大口債権者に対して4900万ポンド(約58億8000万円)の負債を抱えており、裁判の結果次第では7500万ポンドまで膨らむ可能性があった。この破産により、リーグ規定で勝ち点10を剥奪されたほか、新戦力の獲得や登録に制限を課される可能性が生じた。同年7月、リーグ所属クラブによる投票によって4部に相当するスコティッシュ・フットボールリーグ3部への所属が決定した。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%BAFC


RFCといえば、ウィキペディア日本語版にも書いてあるし、当ブログでも以前に書いたが(←リンク先だけでなく何度か書いてる)、同じグラスゴーに拠点を置くセルティックFC(Celtic FC)との「ライバル関係」だ。「オールド・ファーム Old Firm」と呼ばれるこの両者の関係については、日本語でも多く書かれているし下記の翻訳書にも詳しいので、関心がある方はぜひ読んでいただきたい。一言でまとめると、両者の「ライバル関係」はただの「サッカー上のこと」ではなく、「宗派(教派)対立」であるということ。そして北アイルランドのセクタリアンな紛争と呼応しているということ。それが「北アイルランド紛争」が終わって20年にもなろうかという今も、以前と同様であるということ。

4560080240英国のダービーマッチ
ダグラス ビーティ Douglas Beattie
白水社 2009-09

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で、レンジャーズFCの降格が決まったときにセルティックFCのサポは「ざまあwwwwwwwwwww」みたいなパフォーマンスをものすごい勢いでやったのであるが、それを見ながらレンジャーズFCのサポの側では「覚えておきやがれ」とニラニラしていたのは当然のこと。そして2012年の降格から4年後、2016年の現在、既に2部リーグにまで上がってきていたRFCは、来期(2016-2017)は1部リーグ(スコットランドのプレミアリーグ)に戻ってくる。そのニュースについて、私は次のようにツイートした。





降格からこれまでの4年の間にも、いろいろあった。レンジャーズの「プロテスタント」対セルティックの「カトリック」というセクタリアンな対立は、ほかのことにも及んでいる(というか、「対立」などする気があろうとなかろうと、そういう「色」を持っているということだが)。2014年9月のスコットランド独立レファレンダムのときに、「独立にNo」の側でキャンペーンを展開したのはレンジャーズの側だったし(そしてオレンジ・オーダーのパレードが行なわれたりしたんだよなあ)、結果に喜んで街頭に繰り出して大暴れしたのもそうだった。その構図は、簡単にいえば、レンジャーズが「(連合王国という文脈でいう)ユニオニスト」であるということで概括して理解しておくのが手っ取り早い。

だが、「オールドファーム」の試合そのものは、カップ戦でときどき対戦することがあるという程度で(だから、その「熱」が完全に消えたわけではない)、RFCが株リーグにいる間は「プレミアリーグの優勝を争うライバルチーム」という基本的な関係性が絶たれていたので、一時的なものだった。それが恒常的なムードとして前面化するということは考えなくてよかった。

それでも、そうやって直接の恒常的な対決の関係が一時停止されている間は、下部降格という屈辱を味わわされていたレンジャーズFCの側ではとりわけいろいろとためこんでいたわけで、2016-17シーズンでのプレミア復帰でそれが一気に出てくるだろうなと、そういう感じはものすごくあるわけだ。

それを前に、今日、スコットランド・リーグのカップ戦(スコティッシュ・カップ)の準決勝で、両者が激突した。

試合は激戦だったようで、スコアは2-2、延長戦でも決着がつかず、PK戦にもつれ込んだ結果、レンジャーズが決勝進出を決めた。






……ということでTwitterが沸いていたのだが、それが……





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心の準備として、今から半笑いしておくことにする。

そんなときにベルファストからの直送便、どーん。





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当然のことながら、あの「言葉」ももう出てる。



※この記事は

2016年04月17日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:58 | TrackBack(1) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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サッカーのサポーターが使う応援スローガンと、Urban Dictionary
Excerpt: 昨日(21日の土曜)、イングランドでFAカップの決勝が行なわれる前に、スコットランドでスコティッシュ・カップの決勝が行なわれていた。ハイバーニアン(エディンバラ)対レンジャーズ(グラスゴー)で、Twi..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2016-05-22 14:01

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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