kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2016年03月29日

アイルランド、「これまでの100年」から、「これからの100年」へ。

というわけで28日のイースター・マンデーも、アイルランドからは「イースター蜂起100周年」の話題がたっぷり流れてきていた。100年前に実際に蜂起が決行されたのはイースター・マンデーのことで、ダブリンでは "Reflecting The Rising" と銘打ったRTE(公共放送)主催のイベントが市内各所で行なわれていて、#ReflectingTheRisingのハッシュタグでその様子が報告されていた。

内容は、RTEのサイトを参照すると:
http://www.ireland.ie/events/rte-1916-reflecting-rising
RTÉ 1916: Reflecting the Rising is a large-scale multi-location public event that will take place in Dublin on Easter Monday 2016 from 11am to 6pm, with hundreds of talks, walking tours, music, dance, street art, street theatre, and moments of reflection and celebration.

RTÉ 1916: Reflecting the Rising aims to provide Irish people of all ages with a one day canvas on which to explore the Rising and our relationship with it, both historically and contemporaneously. In locations on both sides of the River Liffey and on the river itself, the event is a public invitation to commemorate, to celebrate and to understand this significant moment in our collective history.
Hundreds of free events with a historical element are planned over eight city centre public zones which will be open to all.


……という感じで、講演・ディスカッションあり、音楽あり、演劇あり、ゆかりの場所をめぐるウォーキング・ツアーあり、展示ありと盛りだくさんで、ディスカッションなど屋内のイベントは入場は無料だが整理券が必要という形で、ずいぶん前に整理券がはけてしまっているものがたくさんあったようだ。



蜂起が行なわれた現場では俳優さんたちが蜂起を再現するイベントもあった。













今回の「100周年」のイベントは、「すべての人を含むアイルランド」というメッセージを強く打ち出していた。また、武力による独立の獲得という思想から、実に遠くまで来たアイルランドが、日ごろの対立を忘れさせる「1916年の共和国樹立宣言」を社会全体で改めて共有し、それを「次の100年へのヴィジョン」として確認するイベントでもあった。大統領のメッセージ:




いやあ、イースター蜂起100周年のときに、この人が大統領でほんとよかった。(*^^*)

このイースターに入ってから、「1916年の共和国樹立宣言」が一体何度読み上げられたことだろう。

「1916年の宣言」は憲法じゃないんですけどね、という念押しもなされていたが、憲法はねえ、divisiveじゃないですか、アイルランドでは。FFとFGの大連立がありえないことの一因はそこですよね……という存在でもあり、それよりも「国民の統合の象徴」としては「1916年の宣言」なのだろう。そこから、すべてが始まった一文。高い理想を堂々と誇り高く掲げた一文。
https://en.wikipedia.org/wiki/Proclamation_of_the_Irish_Republic


proclamation1916.jpgPOBLACHT NA H EIREANN
THE PROVISIONAL GOVERNMENT
OF THE
IRISH REPUBLIC
TO THE PEOPLE OF IRELAND

IRISHMEN AND IRISHWOMEN: In the name of God and of the dead generations from which she receives her old tradition of nationhood, Ireland, through us, summons her children to her flag and strikes for her freedom.

Having organised and trained her manhood through her secret revolutionary organisation, the Irish Republican Brotherhood, and through her open military organisations, the Irish Volunteers and the Irish Citizen Army, having patiently perfected her discipline, having resolutely waited for the right moment to reveal itself, she now seizes that moment, and supported by her exiled children in America and by gallant allies in Europe, but relying in the first on her own strength, she strikes in full confidence of victory.

We declare the right of the people of Ireland to the ownership of Ireland and to the unfettered control of Irish destinies, to be sovereign and indefeasible. The long usurpation of that right by a foreign people and government has not extinguished the right, nor can it ever be extinguished except by the destruction of the Irish people. In every generation the Irish people have asserted their right to national freedom and sovereignty; six times during the past three hundred years they have asserted it in arms. Standing on that fundamental right and again asserting it in arms in the face of the world, we hereby proclaim the Irish Republic as a Sovereign Independent State, and we pledge our lives and the lives of our comrades in arms to the cause of its freedom, of its welfare, and of its exaltation among the nations.

The Irish Republic is entitled to, and hereby claims, the allegiance of every Irishman and Irishwoman. The Republic guarantees religious and civil liberty, equal rights and equal opportunities to all its citizens, and declares its resolve to pursue the happiness and prosperity of the whole nation and of all its parts, cherishing all of the children of the nation equally, and oblivious of the differences carefully fostered by an alien Government, which have divided a minority from the majority in the past.

Until our arms have brought the opportune moment for the establishment of a permanent National Government, representative of the whole people of Ireland and elected by the suffrages of all her men and women, the Provisional Government, hereby constituted, will administer the civil and military affairs of the Republic in trust for the people.

We place the cause of the Irish Republic under the protection of the Most High God, Whose blessing we invoke upon our arms, and we pray that no one who serves that cause will dishonour it by cowardice, inhumanity, or rapine. In this supreme hour the Irish nation must, by its valour and discipline, and by the readiness of its children to sacrifice themselves for the common good, prove itself worthy of the august destiny to which it is called.

Signed on behalf of the Provisional Government,
THOMAS J. CLARKE
SEAN Mac DIARMADA
P. H. PEARSE
JAMES CONNOLLY
THOMAS MacDONAGH
EAMONN CEANNT
JOSEPH PLUNKETT

https://en.wikisource.org/wiki/Proclamation_of_the_Irish_Republic






2016年、イースター蜂起参加者は当然誰一人生存しておらず、蜂起参加者の子供も90歳、100歳という年齢を迎えている。直接に蜂起を知る人はいない。みなが共有しているのは、前の世代から受け継がれてきた《物語》だ(そしてそれを紡ぎ直してもいる)。「100周年」のイベントは、「次の100年の始まり」のイベントでもあり、そこでは「次の世代」のための場も用意されている。






「1916年に誰も死ななければよかったのに」というのは、子供の素直で素朴な思いだろう。(大人が言うと、これは最新流行の修正主義で、「イースター蜂起は鎮圧され失敗したので、やるだけ無駄だった。死んだ人たちは犬死だった」という内容の主張である。これ、北アイルランドのユニオニストから出てるのはまだわかると思うけど、アイルランド国内から出てるんだよね……)

このイベントでは、イースター蜂起に巻き込まれて死んだ子供たちのことも、クローズアップされている。イースター・サンデーのGPO前の記念式典の中継特番でも、「子供たちの犠牲」(銃を取って戦って死んだわけではない、まったくの巻き添え)のことが強調されていたが、きっと学校でも教えられていることだろう。





さて、100年前に蜂起(決起)が行なわれたアイルランド全土の諸都市でも、記念・追悼の式典が行なわれた。

Easter Rising 1916: Wreath-laying ceremonies across Irish towns and cities
http://www.bbc.com/news/world-europe-35901534


下記は、19世紀の大飢饉のときに家族のための食料を盗んだ罪でオーストラリアに流される男を歌ったバラード(サッカーの代表のサポーターが歌っていることで有名)で知られるアゼリーでの式典。









また、28日の夜には「100周年」を記念する舞台芸術のイベントがRTEで中継され、非常に多くの人たちが見ていたようだ。アイルランドのTwitterではハッシュタグの #Centenary が、ずーっとトレンドしっぱなし。
https://twitter.com/hashtag/Centenary?src=tren

全世界 (worldwide) でもこのハッシュタグはTrendsに入っていたようだ。




私はまだそこまで見ることができていない。追いつかない状態だ。RTEがクリップをYTにアップしている。




武力で(全32州のうち26州だけでひとつの国家となるという中途半端な)独立を(最終的には)勝ち取ったアイルランド共和国という国(と短くまとめて書いてるけど、書きながら違和感ありすぎて困る……アイルランドは複雑ですね)が、その独立に向けた武力闘争の始まりから100年をお祝いする「軍事パレード」で、国連の平和維持部隊に参加した人々がミッション参加国の国旗を掲げて国連の水色のベレー帽で行進し、消防車や救急車がパレードするという「何でもあり」でなおかつ「平和的 pacifist」なあり方を示した。

そのことの意味が、まだ自分の中で落ち着いていない。

アイルランドにとって「次の100年」はどうなるのか。

この言葉が、その始まりになるのか。






ダブリン、100年前にあれが起きたGPOでの子供たちの作品。

※この記事は

2016年03月29日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 17:00 | TrackBack(1) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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イースター蜂起から(日付上の)100年にあわせ、ダブリンでシン・フェインが党大会を開催
Excerpt: 今日、4月24日は、アイルランドのイースター蜂起開始から100年の記念日である。といっても、アイルランド共和国での「100周年記念行事」は、毎年の記念式典と同様に、宗教的祝祭の日である「イースター」に..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2016-04-25 00:11





【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼