迎え成分補給しながら(テンポ速い):
まず、ホワイトハウスのいつものイベントに招待されていったら、入り口でセキュリティに止められて90分も待たされているうちにイベントがほとんど終わってしまい、そのまま立ち去ったジェリー・アダムズについて。
アダムズは、事後出したステートメントで、"Sinn Fein will not sit at the back of the bus for anyone." と黒人公民権運動のローザ・パークスを引き合いに出して、あてこすっているのだが(アイルランド政治系クラスタとしてはここは真顔)、
1. これがアメリカをざわつかせ……
2. その後のイベントでのスピーチで、アダムズが「シン・フェインだけ他の政治家と扱いが違う」として、パークスを再度引き合いに出し……
3. さらに「私はローザ・パークスさんとはお会いしたことがありますが、何か」と証拠を提示したら……
4. 即座にツッコミが入る
……という、変則的な4コマまんがみたいなことになっている。
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RT @alexburnsNYT: Gerry Adams invoking Rosa Parks is ... really something https://t.co/i86M8OAoj1 https://t.co/JCPuQt1LhD at 03/18 01:52
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RT @irishexaminer: Gerry Adams defends comparison to civil rights icon Rosa Parks https://t.co/UqBkuPDlGI https://t.co/CoMPxJd1Vm at 03/18 01:53
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RT @GerryAdamsSF: On the day that's in it! God bless Rosa Parks. https://t.co/4XQi29k9Zq via @youtube at 03/18 01:53
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RT @ianjamesparsley: Gerry Adams thinks shaking hands with Rosa Parks justifies a comparison with her.
By that logic... https://t.co/5uGas… at 03/18 01:53
(実際には3コマ目のYouTubeの映像の前に、マーティン・マクギネスからの助け舟がある。2人とも同じ場所にいるので、2人で話をしてたのかもしれない)
4コマ目の「ツッコミ」の主、イアン・ジェイムズ・パースリーさんは北アイルランドの政治系ブロガーで、政党としてはアライアンスのスタンスの人である。「シン・フェインは絶対的な敵」という傾きがある人ではない。
なお、4コマ目は、30年前(推定)の写真だし、カラーじゃないのでわからないかもしれないが、この人↓である(キヨサキ氏じゃないほう)。
![]() | あなたに金持ちになってほしい ドナルド・ トランプ ロバート・キヨサキ 筑摩書房 2008-01-23 by G-Tools |
次。北アイルランドのセクタリアン・ディヴァイドとセント・パトリックス・デーについて。NYTのリーアム・スタック記者がこんなことをツイートしていた。
This is something I should know already, but do any Protestant groups march in the NYC parade? #StPatricksDay
— Liam Stack (@liamstack) March 17, 2016
つまり、スタックさんが把握している限り、ニューヨーク市ではプロテスタントのグループは、セント・パトリックス・デーのパレードをしていない。
「プロテスタントのアイリッシュ」といえば、もちろん国教会系の人もいるだろうけれど、「プロテスタント」といえばやはり非国教会系のプロテスタント(メソジスト、バプテストなど)だろうか。この辺は用語が複雑で、私は英国での用語しか知らないのでよくわからない。
国教会(イングランド国教会)系のアイリッシュは「アングロ・アイリッシュ」と呼ばれ、アイルランド島の外への移住を余儀なくされるアイリッシュが非常に多くいた時代には、宗主国(英国)系でいい生活をしていたミドルクラス以上の人が多い(地主とか裁判官とか)。非国教会系プロテスタントのアイルランド人もいたけれど、数として多かったのはイングランド国教会とは別の宗派(教派)を国教にもつスコットランドからアイルランドに移住した「アルスター・スコッツ」だ。……って、ここで「国教」が2つの別のものを指しているので(すなわち「イングランド国教会」、つまりアングリカンと、「スコットランド国教会」、すなわちプレスビテリアン)、書いててもわけわかんなくなるし、読んでる人にもややこしいだけだろうから、これはここで打ち止めにしよう。もっと落ち着いてて頭がすっきりしているときじゃないと無理だ。
それから、北アイルランドでの「プロテスタント」の側のセント・パトリックス・デー。ベルファスト、アーマー、デリーなど北アイルランドの各都市の聖パトリックの日のパレードのことはBBCが既にコンパクトな記事にしているが、デリーでは「プロテスタント」の側の組織であるアプレンティス・ボーイズ・オヴ・デリーが、デリー市が主催する聖パトリックの日のパレードとは別に、パレードを行なっている。
BBC News - Londonderry: Apprentice Boys mark St Patrick's Day with parade https://t.co/GjWBBkiTlg ちょうど今日のブログに書いてたことが、非常にわかりやすく出ている。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) March 17, 2016
The No Surrender Parent Club marched around the war memorial in the city before attending a service in St Columb's Church of Ireland Cathedral.
The march is held separately from the main St Patrick's Day parade in Derry.
A club spokesperson said it was a "possibility" that they could join the main event in future years, and said they would "consider" any invitation.
...
The club decided to march this year after the success of their demonstration 12 months ago which marked their 150th anniversary.
After the parade, club spokesman Gordon Porter said: "St Patrick's Day, as you know, throughout the world is a celebration of the whole of Ireland.
"A major part of that story is the siege of Derry, which is what the association of the Apprentice Boys is all about, so it's only right that we are parading today.
"We can tell our story once again within the city of Londonderry, and it only bodes well for the city that two cultures can walk along beside each other."
http://www.bbc.com/news/uk-northern-ireland-35834536
アプレンティス・ボーイズ・オヴ・デリーの人たちが「語りたい物語」は、聖パトリックではなく、「デリー包囲」なのだということを、組織の人は説明している。
しかしなぜ3月17日にその物語を語るパレードをしたいのかは、わからない。(デリー包囲は4月18日から7月28日だ。)
本稿は先行2エントリの補遺。
2016年03月17日
アイルランドに「春」を告げる、セント・パトリックス・デーの光景
http://nofrills.seesaa.net/article/435068395.html
2016年03月18日
ワシントンDCなどでの「セント・パトリックス・デー外交」と、招待されてたのにセキュリティに止められたジェリー・アダムズ
http://nofrills.seesaa.net/article/435097185.html
※この記事は
2016年03月18日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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