「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2016年03月08日

例の「デス・ノートめいたネット上のネタ」について、少し調べてみた。

ネットで不特定多数の人々と何となく共有できる「気軽なネタ」にはいろいろある。その中には「ネタとしての都市伝説」のようなものもある。本気の「都市伝説」(例: 「呪いのビデオを見ると不吉なことが起きる」)ではなく、冗談(ネタ)であることがもっとわかりやすいようなものだ。

そういう「気軽なネタ」は、言ってる側は「無害な世間話」と扱っているかもしれないが、そこで「ネタ」にされている側は、内心穏やかではないかもしれないし、うんざりしているかもしれない。そういう事例について聞かれたので、発端を改めて調べてみた。

「アーロン・ラムジーがゴールを決めると……」(都市伝説じみた「ネタ」)
http://matome.naver.jp/odai/2145733695168210901


アーロン・ラムジーというのはこの人(サッカーに興味がない人は、がっさりと「有名なサッカー選手」と思っておいていただければと):



ラムジーはアーセナルのプレイヤーで、この「都市伝説めいたネタ」のそもそもの発端はアーセナル以外のところのサポーターから出てきているのではないかと思うが(確証は取れなかった)、この「ネタ」はアーセナル・サポ界隈にも入ってきている。

発端は2011年で、消えそうになりながらも復活し……という経緯を経て、なんと5年も続いている「ネタ」で、端的にいえば「しつこい」(ラムジー本人は見ないようにしているのではないかと思うが)。

かつては「人の噂も75日」で、人々の関心はそう長くは続かないと思っててよかったのだが、ネットは、記録されたらその記録は基本的にずっと残る。それら「昔の記録」は普段は目に見えないところにしまわれているが、「そういえば昔、こんなことがあったよね」と発掘してくる人が少数いれば、今は、ソーシャル・ネットで爆発的に流行る(バイラルする)こともある。そこに「クリック稼ぎ」が大好きなメディアが乗っかってくるので、何も中身はないのに、発言の数だけが増えるという「バブル」的状態になる。

Twitterなどソーシャル・ネットで常に情報が流れてくるようになって、人間のアテンション・スパンは短くなったと言われるが(私も自分自身について、それを実感している)、個人が一度に注ぐアテンションのスパンは短くなっても、いつでも誰かが「発掘」してくる場合は、ある出来事に注がれるアテンションのライフ(寿命)はそうではない。

個人的に、5日のゴールでTwitter上で人々が「ラムジーの呪いに気 を つ け ろ」的なことをきゃっきゃうふふわいわいと話しているのを見たときは、単に「またか」と思って、私も「ネタ」としてニヤニヤしながら「OBLにジョブズにカダちゃんにホイットニー」という並びを見ていたのだが、翌日、ナンシー・レーガンが死去したときに「ラ ム ジ ー の 呪 い だ」とかいうのを見たときには、「OBLだのジョブズだのとは知名度が全然違うじゃん」と(アーロン・ラムジーは25歳なのだが、彼の年齢のイギリス人がナンシー・レーガンが誰なのかわかるかどうか……私はとても疑わしいと思う)。

しかも、NAVERのページの最後に書いておいたのだが、ウィキペディア(英語版)を見たら、正直「あの、どなたですか?」という「セレブ」の名前まで書き込まれていて(インドの俳優、インドネシアのミュージシャン……それぞれ、大きな実績のある方だろうとは思うけど、「世界的著名人」ではない)、ちょっと悪ふざけが過ぎてきているのではないかと感じている。

Googleでラムジーの名前検索すると、こんなんだ。

ar_ggl.png


このトップのミラーの記事に、WOLでのインタビューが抜粋されている。
http://www.mirror.co.uk/sport/row-zed/internet-jokers-claim-the-curse-7508778
Despite the lighthearted nature of this nonsense, when "the curse of Ramsey" was brought up to the Welshman during an interview in June last year, he made it clear he doesn't find it amusing...

Interviewer: I was wondering if you were aware - I guess you were - that a couple of years ago whenever you seemed to score someone famous seemed to die, and a big thing was made of it for a while. Were you aware of that at the time?

Ramsey: (unamused) A few people did make me aware, but I didn’t score as many goals then. I’ve scored quite a few goals now where no-one had died, thank God...

Interviewer: So you’ve been able to put that one to bed.

Ramsey : Yeah... it was a silly rumour that I didn’t take any notice of.

Interviewer: (laughing) You didn’t find it amusing, in a bizarre sort of way?

Ramsey: No I didn’t really find it funny.


Alex Dimond, the journalist who asked Ramsey the question, took to Twitter to reveal the awkward exchange. ...





で、こういう性質の話を「呪いだぁぁっ!」的におもしろがって記事にしている下品なメディアの筆頭が、右翼思想の中年女性がこぞって読んでいるデイリー・メイル(のウェブ版)であるということは、注目に値すると思う。

※この記事は

2016年03月08日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼