「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2016年02月27日

シリア、「一時的停戦」の発効と現実(ドイツの新聞報道)

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-35674908シリアで「一時的な停戦」が、現地27日午前0時(日本では27日午前6時)に発効した(→BBCの記事参照: Syria conflict: Temporary truce comes into effect - BBC News/キャプチャ via kwout)。「停戦」の発効前といえば、「駆け込み」的に激しい攻撃が行なわれるのが定石だが、やはりドゥーマなどはひどいことになっていると伝えられている(←リンク先は、モザイク加工を施すなど配慮はされているが、包帯でぐるぐる巻きにされたような、痛々しい子供の負傷者の写真がある)。

今回の「一時的停戦」は数日前に「米国とロシアが合意した」と大々的に伝えられたもので、たぶん日本語でも報道されている(個人的には日本語報道を見ていなかったのではっきりとはわからない)。

が、その「合意された停戦」の中身が具体的にどのようなものなのかというと……という件について少し書いておく。

むろん、まともな停戦がなされ、武力行使が停止され、封鎖・包囲が解除され、一般市民が飢えから解放され、医療を受けられるようになり、政権側の暴力(ミサイルやたる爆弾という形での武力に限らない)の対象とされなくなる状態が現実になることを私も願っている。それが現実になると信じたい。しかし、なのである。

以下のようなことを書くからといって、「シリア内戦はどうせ終わらない」などという変な諦念を抱いているわけではないということは、強調しておきたい。

Julian Röpckeさんはドイツの大衆紙、『ビルト Bild』紙の記者で、政治エディターである。Twitterではほぼ英語でシリアについて追っていて、英語でシリア内戦についての情報を整理して流しているジャーナリストたちの一人として、私もリストでフォローしている。
https://twitter.com/JulianRoepcke

その@JulianRoepckeさんのツイートから:




Bildが掲載した「ロシアの嘘」という記事。ドイツ語なので私には読めない(言語の壁)が、この記事に入っているマップが……。

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これは、「ロシアはこのように見ている」というマップである。ドイツ語だが、このくらいは問題なくわかるだろう。ピンクがアサド政権、灰色がイスイス団、黄色がクルドの支配下にあり、緑が支配権をめぐって戦闘が行なわれている地域。その「緑」の地域がほとんどすべて、赤の斜線(ヌスラ戦線)の支配下ということにされている。

一方で、BBCのマップはこうだ↓。

syrmapb.png

(こういうことを書くと「BBCを鵜呑みにするバカ」などと言われるのだが、もう気にしないし、相手にもしないのでよろしくね。BBCのこととなると「ビルはなぜ崩壊したのか」「ビデオテープはどこにいったのか」などと絡んでくる人もいるかもしれないけど、それらについてはとっくの昔にこのブログで書いてるから、何か言いたい人は、何かを言う前に、それらの記事を探してください。サイドバーでブログ内検索はできるようにしてありますので)

このBildの記事についての、英語圏の専門家2人のコメント。




チャールズ・リスターさんは「今回ロシアが示したマップには、やはりという印象しかない。シリアにおける武装した反政権側の勢力について、おおかたが『テロリスト』だというロシアの認識は、完全に歪んでいる。シリア内部での反政権側の勢力の様相は非常に複雑だというのに、あのように『白か黒か』で決めてかかれば、より広範な紛争を煽る結果となる危険性がある」というようなことを述べている。

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マイケル・ホロヴィッツさんは「ロシアの地図は、反政権側が持っているエリアのほぼ全域をヌスラ戦線(JaN)が掌握しているとしている。中にはアレッポ県北部も含まれているが、この一帯からはJaNは撤退した。これはつまり、ロシアが支援する地上作戦(例えばアレッポ市に対するもの)が、停戦中も続くということを意味する」というようなことを述べている。

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米ABCのAlexander Marquardt記者は、さらに細かいマップを示している。下記のマップで、(赤い線で囲まれている)小さな黄色いエリアが、今回の「一時的停戦」の対象となる地域だとロシアは考えている。それ以外は(アサド政権側の支配下の地域と、クルド人支配下の地域はもちろん除いて)、米国と合意されている「イスイス団やヌスラ戦線のエリア」だというわけだ。




※書きかけ
→続きは:
2016年02月29日
「よかったね、シリア、停戦したね」……と言える状況では、到底、ない。
http://nofrills.seesaa.net/article/434424880.html

※この記事は

2016年02月27日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 09:00 | TrackBack(1) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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「よかったね、シリア、停戦したね」……と言える状況では、到底、ない。
Excerpt: シリア、2016年2月27日発効の「停戦(休戦)」はどこまで守られているか。 http://matome.naver.jp/odai/2145672902112762701 そしてまた、いつもの「ニ..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2016-03-01 00:23

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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