「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2016年02月20日

英国のEU残留可否レファレンダムは6月23日実施。

今週後半、EU首脳がブリュッセルに集まって、「エクストリーム交渉」を行なっていた。それは熾烈を極め、「ブレックファスト」が「ディナー」になってしまったほどだった。「エクストリーム交渉」は北アイルランドの国技だが、ここにきて強敵が現れたかっこうだ。。。などというディテールはさておき。

その交渉の結果、英国が取り付けた(というより「もぎ取った」)合意は、英国をEU内においてスペシャルな何かにするというものだった。つまり「英国は例外」というのが今以上に認められることになる、という内容。「だからお願い、英国はEUに残留しましょう!」とキャメロン首相が英国に持ち帰ったら、BrexitかBremainかの判断について、on the fenceの人たちを、Bremainの側に落とせるようなものとして合意された。

その結果、レファレンダムで「国民の選択」がBrexitになったら目も当てられないというか、どんだけのカオスになるのだろうと不安を覚えるわけだが、ともあれ、そうして合意を持ち帰った首相は、ほとんど寝てない状態だろうが、すぐに閣僚をダウニング・ストリート10番地(首相官邸)に呼んで、話し合いを持った。

そして、彼ら閣僚の態度がどう表明されるかが、20日(土)の英国の報道機関ではずっとライヴで伝えられ、最後の締めとして、キャメロン首相が10番地の前に演台を置いて宣言した。

6月23日(木)。あと4ヶ月だ。

以下、Twitterでのフィードなどのアーカイヴ。











……と、キャメロンがブリュッセルで「エクストリーム交渉」に出場しているころ、英国ではUKIPのナイジェル・ファラージ主催の「EU離脱を求める草の根運動 Grassroots Out」の大集会が、ロンドンのど真ん中、ウエストミンスターの国会議事堂の目と鼻の先のコンファレンス施設に、2000人を集めて行なわれていた。
http://www.theguardian.com/politics/2016/feb/19/grassroots-out-unites-politicians-the-ones-we-normally-try-to-avoid

満員の会場に「顔パス」で入れなかった、BBCからITVに移籍したばかりのジャーナリスト、ロバート・ペストンが、現場から実況していたが、UKIP系の「反EU」の人たち(「EUにいると物事がブリュッセルで決定され、英国の英国らしさが危機に瀕する」論をとるナショナリスト)を大勢集めたこの集会には、UKIPとは全然別の系統の極左(「反・資本主義」「反・新自由主義」でEUに反対している人たち)も加わっていたという。そればかりか、集会の「特別ゲスト」が、よりによってジョージ・ギャロウェイだったというのでびっくりだ。呉越同舟、合従連衡、英国をEUから離脱させるためなら、何でもありなんだろう。ギャロウェイなんかが出てきたもんだから、怒って席を立つ人が続出というカオスだったようなので、今後は「共闘」の見せ方が変わるかもしれないが。(しかし極左の活動家たちは、いかにプラグマティズムといえど、ファラージなんかと組んで恥ずかしくないのかね。)













一方で、主要3政党は(2014年9月のスコットランド独立可否レファレンダムのときと同じように)3党一致してBremain(EUへの残留)を主張している。保守党にとっては党内のBrexit主義者たちをどう御するべきかという問題がある(そしてそれへの解として、今回のブリュッセルでの合意をキャメロンが持ち帰ったのだが)。LibDemsは(まだLibDemsになる前から)一貫して欧州統合支持で、英国が「欧州」の一部であるという制度づくりも支持しているからぶれない。

一方、労働党は、ジェレミー・コービンを党首に押し上げた支持者たちの少なからぬ人々が「反・新自由主義」のスタンスだ。コービン自身、そういうバックグラウンドである。が、




一方、キャメロンがブリュッセルで取り付けた合意は:








あと、北アイルランド紛争期、人権関連でも「英国は例外」っていうのがあったはず(ネット検索ではうまく探せない。本で読んだんだよなあ……)。






Grexitなんて、もう覚えてる人もいないんじゃないかという勢い。

そして投票日の告知。







キャメロンは既に、二国間条約で決まっていることをEUの取り決めであるかのように偽って、「EUを離脱したら英国は大変なことになる」というスケアモンガリング(恐怖煽動)を行なっている。















自分の思っていたのと違う結果を得るということに慣れていないホワイトホールのエリートさんたちががっつりキャメロンをバックアップすることになるのだが、あの人たちは、自分の思っている結果を得るためなら、どんなことでもする。「ウエストミンスター、ホワイトホールとシティのエリート」対結果を得るためなら誰とでも手を組むような「草の根」が議論の最前線に立つ。これからしばらく、英国の言論は異様になるかもしれない。スコットランド独立可否レファレンダムのときも、「独立なんてするわけがないって」とタカをくくっていたウエストミンスター、ホワイトホールのエリートが土壇場で大慌てしたことで異様な言論空間が出現したが、今回もエリートさんたちは実のところ、「EU離脱なんてするわけがないって」と考えているようで(Brexitの場合のシナリオがない)、またあれの繰り返しなのかなと思っている。もちろんメディアは煽りに煽るだろう。「激論」を演出すればするほど売れるわけだし。





で、私としては気になるのは、「英国」の権威を認めず、議会(国会下院)にも出席しない主義を貫いている北アイルランドのアイリッシュ・ナショナリストが、「英国人」として与えられる今回の投票権を行使するのかどうかという点。つまりシン・フェインと、ディシデンツ系の各組織。その点、まだはっきりした話を捕捉していないのだけど、捕捉したらまたちょっとメモくらいはすると思う。

それから、まだ読めてないんだけど、ティモシー・ガートン・アッシュが書いてる。





トニー・ジャットの見解を聞きたかったな。2010年以降、英国が急速にこういう方向に傾いてきたことの分析も聞きたかったな。(;_;)

ヨーロッパ戦後史 (上) 1945-1971ヨーロッパ戦後史 (上) 1945-1971
トニー・ジャット 森本 醇

ヨーロッパ戦後史(下)1971-2005 ブラッドランド 上: ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実 (単行本) 第二次世界大戦1939-45(下) 第二次世界大戦1939-45(中) 言葉の力 ヴァイツゼッカー演説集 (岩波現代文庫)

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お笑い:



(いうまでもないことですが、超有名なパロディ・アカウントです)

そしてこの緊張感あふれる局面で、ぐろにあどさんがやってくれた!






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※この記事は

2016年02月20日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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「英国のEU離脱の可能性」について調べたい人のためのソースのメモ (1)
Excerpt: ……というわけで、4ヵ月後の6月23日に英国がEUに留まるか、離脱するかを問うレファレンダム(国民投票)が行われる。 2014年9月にいろんなところで論を二分したスコットランド独立可否を問うレファレ..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2016-02-23 23:59

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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