アイルランドはいわば「小党分立」がデフォとなっている。Fianna Fail (FF) とFine Gael (FG) が「2つの大きな政党」だが、どちらも「中道右派」で、どちらも単独過半数を取るような政党ではなく、より小さな(議席数の少ない)政党と連立を組んで政権をつくる。2011年2月末の総選挙では、FFと緑の党の連立政権が敗北し、FGと労働党の連立政権が成立した。今回の選挙のあとも、FGと労働党の政権が続くという見込みのようだ。
って、こんなつまらない話なら、わざわざブログに書かないわけで。
(・_・)
In Thursday night’s debate he said jurors could have their identities concealed from the court. Others said his plan would end with jurors fleeing overseas and living under fake identities.
When Adams suggested that Labour shared Sinn Féin’s desire to close the court, Burton icily shot back: “That’s a direct lie.” When Adams accused her of making “a mess of justice”, Burton retorted: “You made a mess of terror in this country, Gerry.”
http://www.theguardian.com/world/2016/feb/12/irelands-party-leaders-round-on-gerry-adams-in-tv-election-debate
これは、木曜日(11日)にテレビで行なわれた大真面目な党首討論の模様。
コメディではないし、漫才でもない。(・_・)
そりゃ、「南」の党首討論にシン・フェインが出てきたらこうなるよね。
2011年までは、アイルランドの「党首討論」といえば、FFとFGと労働党と、緑の党だった。
が、「ケルトの虎」が「ケルトの猫」になったバブル崩壊後のIMF/EUベイルアウトと、それに伴う財政緊縮(福祉切り捨て、国民の負担増)を「国民に押し付ける」側に立った緑の党は、支持者たちに見放された。2011年の総選挙では、6つ有していた議席をすべて失った。
https://en.wikipedia.org/wiki/Irish_general_election,_2011
緑の党に代わって左派の支持を集めたのが、初めて議席を獲得したソーシャリスト党、ピープル・ビフォー・プロフィット (PBP) と、労働者・失業者アクション(前2党は2議席、アクションは1議席で、彼らは「左派連合」を形成している)で、いずれもテレビでの党首討論に代表者を送り込めるほどの勢力ではない。
一方、2011年の選挙で5議席から14議席に躍進したシン・フェインは、同年10月の大統領選挙で、奇策「知らない人からの電話」をぶっぱなすなどして存在感を示し、以後の4年間でも(EU/IMFベイルアウトの結果、新たに導入された)水道料金反対運動を主導するなどしており、「一部の頑固な支持者に支えられた、アイルランド共和国とは関係のない、北アイルランドの、テロリストとがっつりつながった集団」ではなくなりつつある。
何より、2桁の議席を持っているということは、それだけで党首討論に出る資格を得たということだ。
しかし、アイルランド共和国の政治家たちは、まさか自分たちがあのジェリー・アダムズと「党首として討論する」ことになるとは思っていなかっただろう。
そして、北アイルランドではおなじみのあの「のらりくらり」や「ヘラヘラしてごまかす」が、ついに共和国でもメジャーデビュー。
……したら、漫才になってしまった。(・_・) ことばの国、詩人たちの国ですもの。
Ireland's party leaders round on Gerry Adams in TV election debate https://t.co/EwGwOV5NPj やばい。いちいちすべてがおもしろい。お茶飲みながら読むんじゃなかった。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 12, 2016
https://t.co/EwGwOV5NPj 特別犯罪法廷のところ、漫才だ。「IRAのケースについても陪審裁判を行い、陪審員は身元を法廷に明かさないようにすればよいとのアダムズに対し、他の政党指導者たちは口々に陪審員は外国に逃げ新しい名前で暮らすことになると述べた」
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 12, 2016
(;▽;)
Adams accused her of making “a mess of justice”; Burton retorted: “You made a mess of terror in this country, Gerry” https://t.co/EwGwOV5NPj
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 12, 2016
Leaders’ debate analysis: Fianna Fáil leader Micheál Martin puts in forceful performance https://t.co/c37rcChg7X 「予想より活発な議論であった」と。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 12, 2016
まあ、私など外部の野次馬に過ぎませんので、また投票日近くになったらどんな奇策が繰り出されるか、楽しみにしていますよ。
Irish Times/Ipsos MRBI Poll | The Irish Times https://t.co/T4dJge2APu 「FG/Labの連立政権の継続より政権交代すべき」だけど、一番人気は「FG/Labの連立政権」という大混戦。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 12, 2016
※この記事は
2016年02月12日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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