Nearly 200 images released by US military depict Bush-era detainee abuse
Spencer Ackerman in New York
Friday 5 February 2016 20.59 GMT
http://www.theguardian.com/us-news/2016/feb/05/us-military-bush-era-detainee-abuse-photos-released-pentagon-iraq-afghanistan-guantanamo-bay
ということでブログを書こうと、エディタを立ち上げて、ACLUが何を求めていたのかを説明するために、情報・ソースがまとまっている英語版ウィキペディアでそのトピックを改めて読み返すことにした(何しろ12年以上前のことだ。物事の前後関係や細部は、何かを書けるほどには覚えていない)。
英語版ウィキペディアの検索窓に、abu ghraibと打ち込んだ。その2語を全部打ち込むまでもなく、探し物はサジェストされた。「アブ・グレイブにおける拷問、および非収容者の虐待」。
「アブ・グレイブ」(日本語圏では当初、「アブ・グライブ」とも表記されていた)はイラクの地名である。ここには大きな刑務所があり、サダム・フセイン政権下で逮捕された政治囚(反体制派)が拷問され、殺害されて埋められていたというが、2002年、おそらく国連査察が入っていたころのことだろう、囚人は特赦で釈放され、関係書類は施設内で燃やされ、詳細はわからなくなってしまった。ウィキペディア英語版に書いてあるが、90年代に行なわれた大量殺人(大量処刑)の犠牲者の遺体がまとめて埋められていた場所が複数個所発見されている。しかし2004年以降、「アブ・グレイブ」という地名から広く連想される人権侵害は、それではなくなっている。
2003年3月20日に開始されたイラク戦争(国連での決議を取り付けず、米英を中心とし「国際的」な体裁を整えたいわゆる「有志連合」によって行なわれた、国際法上の正統性を有さない対イラク武力行使。当時こういうことを書くと、大変なことになったんですよ。あのころSNSなんかあったら、私、ネットやめてたと思う)で、4月9日にバグダードが陥落し、サダム・フセイン政権が崩壊した後に、米軍(建前上は「連合軍」)がこの施設を接収した。当時、この施設にはバアス党員や「テロ容疑者」(それは誰だってありえた。逮捕するのに根拠など特になかったのだから)が収容されていた。その施設の名前(「アブ・グレイブ刑務所」)が国際ニュースに普通に出てくるようになったのは、2004年4月、米CBSの時事番組『60 Minutes』で、ここで米軍が何を行なっているかが示されたあとだ。
……という説明を、2016年2月のスペンサー・アッカーマンの記事についてブログに書くときに書き添えておく必要があると思ったので(もう「アブ・グレイブ刑務所」といっても、話が通じなくなっているだろう。何しろ2005年7月7日のロンドンの同時多発テロでさえ、「ああ、言われてみればそんなことがありましたっけねぇ」という反応だ)、いろいろと情報がソースつきでまとまっているウィキペディア英語版を参照したのだ。
と、左側のサイドバーを見ると、「アブグレイブ刑務所における捕虜虐待」として日本語版へのリンクもあるではないか。自分で書かずとも、ウィキペディアから引用できれば、アッカーマン記事について書くのが楽になるし、ACLUとイラク戦争についてちょっと書き添える余裕もできるだろう。
「捕虜」という日本語の用語に個人的に疑問はあるが(あれは米軍占領下で起きたことなので、米軍・米国防総省の認識どおりの用語を使うべきだと思うが、米軍・国防総省は「彼らは戦争捕虜 prisoners of warではなく、敵性戦闘員 enemy combatantなので、ジュネーヴ条約関係ない、よろしく!」ということを言っていたのだ。これは、「親米派」は隠したがるだろうが、語り継いでいかねばならない事実である)、実際に当時の日本語の報道ではその用語が用いられていたと思うし、何の迷いもなくクリックした。
それが、私の時間を吸い取った。数時間、さっくりと吸い取った。そして、特に誰も注目もしない。でも、惜しいとは思っていない。正直、虚しいとは感じているが、やる必要があることだ。日本語圏では、ウィキペディアのこのデタラメな記述が、ほかのサイトにコピペされて引用されている。このデタラメがそのように「信頼される記述」として存在し続けることは、「歴史の改変」に直結している。そしてそういう、「記述が信頼されるものかどうか」という根本的なことが、今回のように「誰か気づいた人がいれば……」という、いわば「運任せ」で、その上に「その人の善意(ボランティア精神)任せ」である、というシステムは、「知」のシステムとして、もう破綻している。そのことに、私は非常に大きな危機感を覚えている。
今回私は「見なかったことにしよう」と思わなかったのは、1時間くらいなら時間のゆとりがあったからだ。しかし、1ヶ所に手をつけたら、あそこも、ここも、全部デタラメだったため、原典(英語での報道記事)の確認も含めて、到底1時間では終わらなかった。
こういう経験をしたら、結論はひとつ。「もう、当分の間、ウィキペディア日本語版は見ないようにしよう」だ。見てしまったものを「見なかったことにする」のは良心が痛むが、最初から見ないでいれば何も問題はない。
(そして数年後に見て「ぎゃー」ということになるのだが。前も映画『Hunger』のあらすじで「ボビー・サンズは親切な看守に同情して、暴力をやめたのでした」的な、あの映画の何をどう見たらそういう解釈になるのか、というか1981年のハンストについて、参照できる日本語の文献を読んでれば、絶対そんな解釈はできないはずだが、ということが書かれていて、英語版を参照しながら全部書き直したことがある。)
修正の顛末を、私はライヴ・ツイートしていた。記録しておこうと思ったのだ。こういうことが発生すると、どのくらい時間が吸い取られるものであるかを。
途中で疲れて小休止したりしているので、途中からはあまり厳密な「ライヴ・ツイート」ではないということはあらかじめお断りしておく。
Pentagon releases 198 photographs of Bush-era military torture after 12-year court battle. (Estm. 10% of total suppressed.) Story imminent.
— Spencer Ackerman (@attackerman) February 5, 2016
Nearly 200 images released by US military depict Bush-era detainee abuse https://t.co/JXMli1anYA by Spencer Ackerman わ、これ出てきたの。12年ごしの法廷闘争の末
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
"ACLU...has fought for the publication of the photos of Bush-era torture...since October 2003"、当時英語圏の反戦系のニューズレターかフォーラムで見たことは薄らぼんやり思い出せる。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
※「当時」といっても2003年ではないと思う。2004年にアブ・グレイブの拷問が露見してニュースになったあとのことのはず。
ACLUが本当に開示させたい1800枚の写真(よりはっきりと「拷問」が記録されているもの。「公開するとアメリカ人を危険に晒すので」的な理由で非開示継続)は今回は出てきていないが、今公開されている200枚の写真でも何が米軍によって行なわれていたかはわかる。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
※足の裏を鉄の棒で殴られたあとのあざのような写真が出てますね。(足の裏を鉄の棒で殴るのはありがちな「拷問」。)
Want to dive thru a trove of infamy? Pentagon web portal tallying detainee abuse docs lawsuits forced it to disclose https://t.co/HnH0r49eOH
— Spencer Ackerman (@attackerman) February 5, 2016
198 photos of Bush-era military torture released. Many more, believed to be even more gruesome, Pentagon withholds: https://t.co/FbjiI3EfZA
— Spencer Ackerman (@attackerman) February 5, 2016
"ACLU believes that among the still-suppressed photos are ... soldier sexually abusing a detainee with a broomstick" https://t.co/fu1fJbj5Y0
— Spencer Ackerman (@attackerman) February 5, 2016
※「非開示の写真の中には、米軍兵士が非拘束者をほうきの柄で犯しているものがあると考えられる」。イラク人女性がほうきの柄を突っ込まれている写真があるといわれてましたよね。
Not mentioned in the DOD press release on this: how it took a 12-year transparency lawsuit to force this disclosure https://t.co/Uju9LTTxcL
— Spencer Ackerman (@attackerman) February 5, 2016
※アッカーマンの記事に書いてあるんだけど、DODはこの開示について「われわれはオープンな態度で、自分たちの黒歴史も開示することをためらわない」とかいう態度。最高のブラックジョーク。実際には12年も時間稼ぎをして、しかも要求されているもののごく一部をちょっと見せて、さらに、重要な情報は墨塗り。ACLUにとって、まだまだ先は長い。。。
そしてここからが↓↓ウィキペディアの件。
ブログを書いていてウィキペディア日本語版を参照して、「なんぞこれ」っていう記述に遭遇したので2004年のガーディアン記事を読み直している(記事を消したり、有料の壁の向こうに囲い込んだりしていないので、そういうことができる)。 https://t.co/mi9QV2D7yE
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
「誤訳」なのかもしれないが、原テクストが何なのかがわからないので(翻訳記事のように読めるが、その場合ガイドラインで記載することになっている「どの版に基づいているか」の記載が履歴のページにない)、修正しようとしたら「書き直し」になるじゃんね。版の管理の概念が事実上ない……
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
「誤訳の修正」ならやりやすいのだが、原テクスト不明でそれができない。しかし「ソース」として示されている記事にそんなことは書かれていない(それを確認するのに5分はかけてる)。一方でこのトピックは「火中の栗」で、なるべくなら拾いに行きたくない。しかし元記事にはそんなことは書いてない…
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
※「誤訳の修正」なら、原文の参照と日本語の調整を含めても20分かそこら。でも「原文に書いてないことが書いてある」場合は、「要出典」をつけるだけですまなければ、何時間でもかかる。
項目の「ノート」のページを見るが、ほぼ空白の画面から「火中の栗ですよ」という主張がびしばし伝わってくる。気のせい? いや、往年の勘。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
項目の「履歴」を見てもほとんど何もわからないので、項目の編集にかかわっているユーザーの履歴を見るが、「この地雷原に私は足を踏みいれるのか」感に圧倒されるばかりだ。そして、というか、しかし、こんなことをぐだぐだ書いてる間に作業したほうが早いし生産的だ。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
何が問題ってこの記述なんですよ。「(2004年に)そこで示された1800枚の写真とビデオはイラクの女性立法者が男性捕虜に同性愛行為を強制させる性的拷問を加えていたことを示した」。意味わかんない。04年に「イラクの立法者」? 暫定憲法の下での議会選挙が05年1月だったでしょ?
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
※2003年のイラク戦争で米国が占領して、CPAという機関が行政を担い……云々書こうとすると、また正確性を期すために調べ物をして時間が吸い取られるので省略。ともかく、サダム・フセインが逃げたあとのイラクはしばらく「議会」がなくて、「立法者」(議員)はいなかった。で、何でこんなことに、ウィキペディア利用者・編集者が誰も気づかないのかという……。「794年に大化の改新が行なわれた」って書いてあってもスルーされそうな勢いを感じる。
可能性が高いのは、「イラクの女性立法者」の「イラクの」の部分が、原文ではthe countryなどと示されているのの「誤訳」であるか、あるいは日本語テクストを書いた人(それが「翻訳した人」なのかどうかもわからない)が何かの情報をそのように読み取って書き入れた「追加的情報」であるか
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
問題の箇所の修正履歴がさかのぼれどさかのぼれど出てこないので、いっそ「最古」の版かと見れば、その通り……2006年12月に最初に起稿されてからずーっと、この「イラクの女性立法者」云々の意味不明の記述が、誰にも修正されず、削除もされずに残っていたのか……泣ける。超泣ける。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
最初の版(キャプチャ画像)。とにもかくにもこれで、問題の箇所の記述が、ソースとして示されているガーディアンの2004年記事 https://t.co/mi9QV2D7yE に基づいている(がひどく間違っている)ことが確認できた。 pic.twitter.com/mMGVZzCMSi
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
※ここで、「最初の版」がソースとしているガーディアンの2004年5月の記事をまたじっくり読むなどしている。そして少し時間をかけ、さっとご飯も済ませた(投稿時刻に注目)あとで……
もう1ヶ所気づいた。「ドナルド・ラムズフェルドによれば、アブグレイブの虐待には更に多くの写真、及び、ビデオテープが存在する」。何これ……。ラム爺が当時、「虐待」の証拠の存在を認めていた? 「戦争捕虜ではない。敵性戦闘員を遵法的に扱っている」と繰り返していたはずだが。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
※ここでもう一度ガーディアンの記事を見直した。Rumsfeldで全文検索かけたりとか。
真剣にやってると頭がおかしくなるな。さすがに2004年のことは「結論としてどうなったか」しか覚えてないのだが、この一件についての当時の記事を読み返すと、記憶のふたを無理やりこじ開けるように、当時のわやわやが奥底から湧いて出てくるんだよね。そこにこの「要出典」や「意味不明の記述」。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
ちなみに、「ドナルド・ラムズフェルドによれば、アブグレイブの虐待には更に多くの写真、及び、ビデオテープが存在する」なる謎記述は、最初に書かれたときはガーディアンの記事をソースとする記述とは別に、出典なしで書かれている。それが、編集を重ねるうちに、Gdn記事と一緒くたにされた。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
つまり、編集に加わった人々が誰も元記事(ガーディアン、2004年5月13日)をまともに確認していない。最初に起稿した人が書いたテクストについて、何も確認せずに、ただ情報を付け加えたり、構成を変えたりしている。こんなの出来上がりとしてもプロセスとしても「百科事典」でも何でもない。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
これが、事実上、唯一の「(人々が参照する)百科事典」になってしまったことを、深く憂慮するものである。マジで。「既存の百科事典があり、追加的にウィキペディアもある」というのなら無条件で歓迎できたことでも、既存の百科事典が駆逐された現在、クオリティが上がらないと、とにかく無理。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
というわけで、問題のパラグラフを全部書き直しますよ。ウィキペディアは今の仕組みでやってくと結局こうなるんですよね。「出典明記」「検証可能」という単純な約束事ですら、誰かがうるさく言ったり手を入れたりしない限り、全然守られない。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
しかも他人の文の修正という作業は時間も精神力も吸い取る。「専門家が片手間にできるのでは」と言う人もいるだろうが、無報酬で修正(校閲)をやろうという人がいる分野(スポーツ選手の経歴など)とそうでない分野がある。書かれていることがあまりにデタラメな場合、「見なかったことに」が人情だ。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
※例えば「スポーツ選手の経歴」などは、間違ったことが書かれていたらファンが気づいてさっと直せる。ウィキペディアを含む「集合知」というのは、そういう「潜在的な校閲者」を想定したシステムであるという点。
例えば「サッカー記者やサッカーファンによるコミュニティで、Wikiを使ったサッカーに関するエンサイクロペディア」なら、(「アンチ」の問題のような面倒くさい話は別の問題として)「○○選手が○○年から○○年までどのチームに在籍していたか」といった事実関係や、ルール周りのこと、用具・用品類の項目など多くの「目」がある項目については、ほっといても「正しい」(正確な)記述ができあがると期待される。しかしそのコミュニティで、全然別の話題、例えば「樹木の種類」や、「民主主義の成立と発展」のようなことを同じ形式でエンサイクロペディアで扱おうとしても、うまくいかない。同じ「スポーツ」の分野でも、サッカーについて詳しい人たちがクリケットや野球について書けるわけではない。一方で、専門外の人が書いたサッカーについての不正確な項目を、サッカーに詳しい人が修正したがるかどうか。「見なかったことにする」可能性のほうが高いのではないか。そういうことを考える必要がある。
……と、ここで手元でエディターを開いて、修正すべきパラグラフを書き改めて、Wiki特有のマークアップ(すっごいめんどくさいんですよ、普通のHTMLに慣れてると)を、覚えてはいないのでいちいちヘルプを参照するなどしながら、入れていく作業をしていたのだけど、その上のパラグラフも何か違和感があったのでチェックしてみると……。
あかん、この記事、泥沼だ。今直しているところのすぐ上に2004年5月10日のNew Yorkerにおけるシーモア・ハーシュの報道についての言及があるのだが、その部分の記述がデタラメ。元記事はもちろん読んでない上に直接の出典(日本の「反戦」系のサイト)に書いてないことが書かれてる。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
しかもこの「直接の出典」のサイト、わたし、すごい苦手。リアルタイムでは言わずにいたけれど、実は当時からすごい苦手。読むのが苦痛……ニューヨーカーの記事を読むほうが早いし、心理的負担も少ない。こうやって、どんどんやることが増えていく。それでも完成品、4行くらいなんだよね。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
ウィキペディアの日本語版だと、出典不明で「2004年に米軍の内部告発があったので拷問(虐待)の存在がわかった」的なことが書かれているんだけど、これ、2003年にはもうわかってたんだよね。英語版見ると、アムネスティの報告書やAPの報道への言及がある。どうすりゃいいの、これ……
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
もう知らんがな。(´・_・`) イチから英語版翻訳・抄訳したほうが早い。てかそうしてたらもう作業終わってたはず。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
※ここで一度「見なかったことにしよう」と考えていた。しかしそうするには、今回の「デタラメ」はあまりにひどすぎた。アブ・グレイブでの米軍管理下における拷問を、「イラクの立法者」がやらせていた、などという何の根拠もない記述は、「見なかったこと」にできるものではない。
なぜあの記述が、度重なる編集を経ても残されていたのか、本当に謎だし、謎がどうのこうのという以前に、絶望を覚える。
そしてもう1点、より根本的なところで「歴史の捏造」になっているところ。あれこれ検討しながら、自分の労力が最も少なくて済む方法を模索。
2003年には既にNGOや報道機関が書いていた話を、「2004年1月に(1人のヒーローが登場して)始まった」ように書いているのは、(おそらく2003年のが「発掘」される前の古い情報に基づいていて)悪意・作為はないにせよ「歴史の改変」なので、何らかの明確化は必要なんですよね。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
文言の書き換えで何とかいけるかな。。。「内部告発が起こった」の「起こった」を変更すれば何とかなるんじゃまいか(「内部告発が起こった」は、コロケーション的にもおかしいと思うけど)。。。と、文章をにらみつけながら考えてるわけですよ。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
この人が内部告発をしたので、それまでに重ねてNGOや報道機関で指摘されていたことが実際に起きていることだという方向で事態が動き出した、という経緯なので、それを的確に言い表せる日本語にすればよい。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
※ここで、その「内部告発者」について日本語圏で(カタカナで)検索して出てきた当該のNHKスペシャルの内容のメモなどを読んでいる。私はそのNHKスペシャルは見ていないと思う。当時はテレビはあったが(今はない)、私、アメリカにはまったく全然興味はないので、米軍内部で何があったとかは正直関心すらなかった(作業する上で必要とされる範囲で情報を入れてはいたが、関心がないので作業が終わったらその瞬間に忘れるレベル)。国際法に照らしてどうかということは見てたけど、米軍内部での調査とか、別に……。(それが通じなくて困惑することがほんとに頻繁にあった。「日本人たるもの、アメリカに興味がないはずがないでしょ」みたいな思い込みは本当に強いからね。2000年代以降はそれに「韓国」が加わってるけど、すみませんが韓国もまったくどうでもいいです……好きとか嫌いとかではなく、関心がない。関心がないので、「あなたにも意見があるはずです」と見せられるとイライラする。でも重要なニュースは、あとで参照する必要が出る可能性が高いので、自分の手元で検索可能な形にするためのメモは取ることもある。そしてSNS時代の今は、公開可能な形でメモを取ると、かなり高確率に、わけのわからないからまれ方をすることになる。別に「あなた」のために書いてるわけじゃないんですが。「お前には承認欲求があるんだろう」と絡んでくる人のほうが、よほど承認欲求の塊)
ここで私がネット検索をして読んだような「報道のメモ」は、イラク戦争のときには非常に多くの個人ブログで見られたが、SNSの時代になってブログが衰退気味になったあとは、往時ほど目に留まらなくなってきたと思う。それに、SNSが普及したあとは、「誰もが承認欲求を持っているので自分の意見を書きたがるのだ」みたいなアホで痛い「かまってちゃん」的な通説がまかり通り、そのような「単なるメモ」は「鍵つき」の状態で行なわるようになってきているかもしれない。私も「単なるメモ」は公開するのをやめた。常にそのSNSの「場」にいるという状態を可視的に作っていたら、ろくなことがないからだ。
ひょっとして、「勇気ある告発者が出る前は、軍は無視し、マスコミは報じなかった」というストーリーがあったんだろうか。反証: https://t.co/kMRCcZyneF APの2003年11月の記事について「APは書いたが、掲載する媒体は…」という話など。読み応えあり。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
※このリンク先は、ほんと、読むと有益。
さらに少し時間を置いたあとで……
もう1ヶ所、わけわかんない記述のソースを見つけるだけの簡単なお仕事をしますよ…てか、起稿した人がソースをつけたりつけなかったりとめちゃくちゃな書き方をしている上に、下書きもせずにちょこまかちょこまかアップしてる。落ち着いて書こうよ… pic.twitter.com/CtdGTu81A3
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
これは検索は簡単。"6000 pages" とabu ghraibと入れるだけですぐに大手報道機関の記事などがどかどか出てくる。下記はWaPo掲載のAP記事。https://t.co/GvvUwTBwLF
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
WaPo掲載のAP記事読んでビックリした。「6000ページ」云々ってこういう話なのか。ウィキペディア日本語版の記述では全然わからない。よくこれだけ情報が断片化した状態で、ひとつのまとまりある記事を書こうと思うものだ。著作を適切に引用したレポートとか書いたことがあればこうはならない
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
※ここでさらにわけのわからない記述に遭遇するなどしているので、資料を探したりあれこれしている。
アブグレイブ拷問についての日本語版ウィキペディアのページにある「誤訳」満載の断片の集積なんかいくら眺めても何も得られないので、 https://t.co/6Y5rL1ArZG のタイムラインを見たほうがいいです。何とかしようとしてるんだけど、いいかげん、疲れてきた。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
アブグレイブ拷問については、当然、当時それなりに関心は払っていたのですが、私にとっては米軍内部での調査がどうのこうのとか議会がどうのこうのとかいうのは関心の対象外だったので、この辺の話は今初めて読むか、当時読んでてもナナメ読みにしてたか、ちゃんと読んでてもすぐに忘れるかしてます。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
そしてこのころの検索のところで、そもそもこのブログを書き始めたきっかけのニュース(スペンサー・アッカーマンが書いた記事)に関連するACLUとDoDの法廷闘争のことが見つかる……
何かを検索したら出てきた。>ACLU et al. v. Department of Defense (Seeking access to government documents under FOIA) https://t.co/Pd9b8zvmOA
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
でも、これとは別に、「日本語版ウィキペディアのアブ・グレイブ拷問に関する記述のおかしなところを、改めなければならない」という課題があるわけですよ。。。
そしてようやく書き上げたのが:
ぴょん。まず最初に気づいた「イラクの女性立法者が」云々の謎すぎる記述のあるパラグラフだけ直したときの差分。https://t.co/X0BysL48sI pic.twitter.com/WsQrp7YLvh
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
さらに、全体にわたってがしがしと手を入れたあとの差分(キャプチャは一部のみ)。この作業のために5本くらいは記事に目を通しているし、ウィキペディアの記法っていうんですか、「テンプレート」の類もいろいろ調べて回った。 pic.twitter.com/j3stuT2MjK
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
「経緯」のところの上半分だけ(ラムズフェルドの責任がどーたらとかいう話の前のところまで)は手を入れた。というわけで、どなたか、査読(ソースとして示してある英文記事との照合を含む)をお願いします。(気づいたことがあれば、直接ウィキペディアを編集してください。連絡不要です。)
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) February 6, 2016
……というところで、私の行なった編集・執筆を校閲したあとはどうぞみなさん、編集・加筆・訂正してください。
で、最終的に私が言いたいのは、
実態がこんなふうでもまだ
「集合知」とかほざいている脳内お花畑は
一度、お金のやり取りが発生する形で、
まともな編集物を
編集する立場に立ってみてください
ということです。
アブ・グレイブ刑務所での米軍による拷問などというド・メジャーなニュースに関してでさえ、日本語版ウィキペディアはこうなんですよ。これ、どうするんですかね。私は知らない。ウィキペディアの運営にはかかわってないので。
※この記事は
2016年02月10日
にアップロードしました。
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