「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2016年01月26日

見たことのないニュースサイトが言及されていたので見てみたのだが、なんかもやもやする(メモ)

OpKillingBay絡みで成田空港のウェブサイトがダウンしたという件について、辻さん @ntsuji のブログ記事「アノニマスのOpKillingBay 2015の実績をツイートから追ってみました」(12月21日アップ、1月に随時更新)と、@piyokangoさんのブログ、「2016年1月に発生した成田空港のWebサイトの閲覧障害についてまとめてみた」(1月24日アップ)を拝読した。

OpKillingBayについては、最初期、2013年11月(2年以上前)に「NAVERまとめ」を利用して作成したページがある。既に「古い」情報だが、今でもコンスタントにアクセスがあるようだ。この時点では、彼ら活動家集団は「アノニマス」を名乗ってはいるものの、「アノニマス」のいわば「本体」とはつながってなかった様子で、その上、「ハックティヴィスト」の「ハック」の部分に実態があることが確認できない「アクティヴィスト」のネット上の集団で、「おもしろおかしい」としか形容できない奇妙奇天烈な主張を展開し、強度の「陰謀論」思考で動く「香ばしい」人々であったが、彼らのこのときの運動は、特に盛り上がることも広がりを見せることもなく、下火になったように見えた。「アノニマスが日本を標的にぃぃッ!」と煽るだけの簡単なお仕事界隈で話題になりはしたものの、「攻撃」の実態もなかったのだから、それも当然のことだ。

そのOpが再燃したことが(私に)確認できたのが2015年11月で、そのときのことは当ブログに書いてある。その時点で、OpKillingBayの「中の人」たちは、2013年11月の時点の人たちとは別の人たちになっていたと思われる。今度は「ハックティヴィスト」の「ハック」の部分が備わっていて、毎日新聞や日経新聞のサイトが落とされた。

今回の成田空港のサイトの閲覧障害は、その流れで起きているようだ。

「ハックティヴィズム」そのものについて私には別に言うべき意見はないが、自己満足や自己達成感のためにやるのではなく、実際に何かを変化させるための効果のあるアクションをとりたいのなら、頭の中の理想世界での「こうなるはずだ」「こうあるべきだ」という像から離れ、リアルな世界での事例、例えばトルコなどでの「ハックティヴィスト」系の活動についての政府の反応(「騒いでいるのは外国人である」、「外国人に同調して騒ぐ連中もいる」との態度)について、少しリサーチしてみてはどうかとは思う。

さて、ここまでは前置きで、ここからが表題の件である。なお、以下は個人的なメモである。

上で参照した@piyokangoさんのブログの末尾に、「関連情報」として、1件のリンクが紹介されている。"business newsline" と表記・紹介されている。



リンク先に飛んでみると、サイト名は、ロゴではbusinessnewslineと一続きの表記になっていて……:



個別記事のページではなく、サイトのトップページに行くと、HTMLのTitleに入力されているのは、BusinessNewslineと一部を大文字にした表記だ。



……と、細かい話をしているが、単刀直入に言うと、私、この「ニュースサイト」を見たことがなかった(見た記憶がなかった)のである。なのでサイト名をガン見してみたのだが、やはり「聞かないサイトだなあ」と思った。表記はどうあれ、Business Newslineという名称は、ぼやーっとしているとInternational Business Times (IBT) などと混同してしまうかもしれないなあ、とも思った。

で、「ザ・コーヴの活動家」についての当該の記事は、"by Jeremy Reed" と、英語圏の人が執筆者としてクレジットされている。(このジェレミー・リードさんは最初から日本語で書いたのかもしれないが、英語で書いた記事を誰かが翻訳したのだとしたら、)翻訳者のクレジットは記載されていない。また、ジェレミー・リードさんの名前のところから、リードさんが書いた別な記事に飛べるようにリンクがあるかと思いきや、そうなってもいない(ハイパーリンクがはられていない)。ウェブページを眺めてみてもサイト内検索は見当たらないし、非常に平凡な名前なので、ネット検索してもムダだ。リードさんのTwitterアカウントの記載もない。

記事の一番上で使われている写真は、"Donald knapps/Wikipedia (CC BY-SA 4.0)" とクレジットされている。つまり、Wikimediaにアップされている写真、誰でも自由に使える写真で、これもリードさんについての手がかりにはならない。

記事末尾には下記のように、「ジェレミー・リードはthe Business Newslineのcontributing writerである」という記載があるので、フリーランスの人なのかもしれないが、詳しいことはわからない。記事に対する意見があれば、ここでリンクされているフォームから投稿ができるようになっている。



投稿フォームには、En, De, Es, Fr, Jpという切り替えボタンがついている。英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、日本語だ。英語の文面は、どこでも使えるような汎用性の極めて高い文面で、フランス語でもそれは同じだ。(ドイツ語、スペイン語は言語の壁のため確認できない。)



一方、日本語の文面は、テンプレの一部をこのサイトで使うためにカスタマイズした文面であるように思われる。



※NewslineなのかNewlineなのか、しっかり校正したほうがいいと思いますよ。

というわけで、「ザ・コーヴ」の活動家の入国拒否についての記事は、「オバリー氏の日本への入国が日本政府によって拒否されたことにより、日本政府は、外国人による日本批判は認めないという強固な姿勢を国際社会に示したこととなるが、オバリー氏の活動内容には、見方が分かれており、一概に日本政府の対応を非難することも難しそうだ」と締めくくられており、なかなかに興味深い視点からのものなので、この記事を書いた人が過去にOpKillingBayについて書いているものがあれば……と思ったのだが、さかのぼって読むことも簡単にはできなさそうだ。

http://www.businessnewsline.com/news/201601200923420000.html「むぅ」と思いつつ右側に目をやると、「よく読まれている記事」が一覧になっている(キャプチャ via kwout)。

何となく眺めてて気になったのが、7番目にある「ナチスドイツの金塊を満載した軍用列車、ポーランドで70年ぶりに発見」のヘッドラインだ。そのページを開いてみると、"Posted 5 months ago, by Joseph Hoffman" というクレジット表記がある。「ヨーゼフ・ホフマン」という名前自体、ウィーン分離派かといいたくもなるが、平凡なものだ。(ちなみにこの記事も形式は「ザ・コーヴの活動家」の記事と同じだが、末尾に「ソース」としてポーランドの自治体のポータルサイトへのリンクがある。)

「ポーランドでナチスドイツの金塊を満載した列車が発見された」というニュースがあったのは、2015年9月だ(正確には「列車を発見したと探検家が発表した」)。当該記事の「5ヶ月前」というのはこれのことだろう。しかし、件の「金塊列車」は、2015年11月にポーランド政府の調査が開始された後に、12月に「そのようなものはない」という結論が出されている。

なので、BusinessNewslineの「よく読まれている記事」は、古い記事が何らかの理由で上位に入っているだけなのだろう。

それにしてもこの「よく読まれている記事」の一覧は、やけにナチナチしい。たまたまのタイミングかもしれないが、何か、こう、もやもやする。この一覧に含まれているイスラエルについての記事も、閲覧してソースを確認したが、ああ、それを参照してるんですか、というようなもやもや感が私にはある。

と、さっき確認するときに開いたトップページを見てみると:



「えっ、それ、『ビジネス』ニュースですか」ってのが入ってる。

というわけで、上品な言い方をすれば、「ずいぶん特徴的なニュースサイトですね」という印象だ。もちろん、それら特徴的な記事だけ集まっているわけではなく、一般的なニュースも入っているが、いずれにせよ多くはこのサイト(に所属する記者や、寄稿しているフリーランスの記者)自身が取材したのではなく、他の報道機関の記事を参照して読みやすい分量にまとめているようだ(「ザ・コーヴの活動家」の記事は、ネット上の情報を集めてまとめれば書けるし)。つまり内容的には「ニュース・ブログ」とあまり変わらない。「ソース」の記事も、URLが明示されているものもあれば、上で見た「金塊列車」の件のようにざっくりと「このサイトに書いてあった」程度のゆるいリンクが示されているだけのものもあり、下記の記事のようにどこにもリンクがないものもある。



この記事など、(「金塊列車」の記事で自治体のサイトへのリンクがあったことを基準にすれば)英国のイミグレ当局のプレスリリースのページへのリンクがあってよさそうなものだが、ない。

また、少し前にネットで(いいかげんなポータルサイト経由で)バイラルした下記の「誤報」が、このサイトの記事見出しのようだ(「支給へ」が誤報。実際には「支給に関する検討を開始」の段階で、ベーシックインカムの「給付実験」の実施を公約に掲げた党が4月の選挙を制した後、いろいろ動き出したとの由)。これもまた、すぐ上の英国のイミグレの件と同様で、ソースが示されていない。



このように、「ソースの有無」という一点だけを見ても、サイト全体で一貫した編集方針がありそうな感じではない。「個人のブログ記事の寄せ集め」ならそれでよいのかもしれないが……うーん。

というところで、ページ下部のAboutのリンクを見てみると……



……この画面、すっごい見覚えがあるんだけど、どういう機会に見たのかは覚えていない。今やってるのと同じような「このニュースサイトはどういうニュースサイトだろう」ということでの調べもので見たのだろうとは思うが、何のときだったか……。「科学」に関する話題でこのような調べものをした記憶があるので2014年のSTAP細胞のドタバタについての報道に関するメモなどを読み返してみたが、出てこないから、もっとランダムなトピックでのことだろう。

というわけで、非常にもやもやもやもやしているが、思い出そうとしても時間の無駄なのでこの辺で打ち切ろう。

私としてはこのもやもや感は「自分はここは信用しない。ブログなどでリンクもしない」という結論に至るものだが、この「ニュースサイト」を信頼するかしないかはもちろん個々人の判断でどうぞ。

ちなみに、当該サイトの連絡先は(メールアドレスに注目):



よくあるお名前なのかもしれませんが、何と言うか、今日は火曜日ですね。



タグ:メモ

※この記事は

2016年01月26日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 22:00 | TrackBack(1) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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「Twitter売却へ」的な方向付けの話が日本語圏で出回っているようだが、英語圏で見た気はしない。日本語の情報源は……またか(「お察し」的案件再び)
Excerpt: ここしばらく、絶賛マルチタスク中なのであまりあれこれ見ていないのだが、Twitterに関して「英語圏でそんな話、出てないと思うけど」という話題がまた日本語圏(というかはてなブックマーク)でバイラルして..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2016-09-07 23:40

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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