英語圏ハッシュタグ「美術館・博物館でセルフィ」祭りが楽しそう。
http://matome.naver.jp/odai/2145331651013290801
ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーって、中の撮影可でしたっけ。現代の作家・現代の肖像画は著作権・著作隣接権などがあるのでダメかもしれませんが、古い時代の肖像画の部屋で、ティーンエイジャーがセルフィを撮影している光景の写真があったりします。
あと、各施設が収蔵している名画・彫刻などを「セルフィを撮る人」のように加工して見せてくれてたり。フェルメールも、レイトンも、ロダンも。それから、英国の地方の施設に多い「動物の剥製が展示されている博物館」では、その施設の「顔」的な剥製(見学に来る小学生に大人気、みたいな存在)の前でのセルフィ撮影のベスト・ポジションを示してくれてる館があったり。
#MuseumSelfies というこのハッシュタグ、発起人(呼びかけ人)はマー・ディクソンさんという英国在住のキュレーター(学芸員)で、美術館・博物館をテーマにした中高生の学習活動の企画などをなさってきたと個人のサイトにあります。
The Metropolitan Museum of Art confirms: The selfie really is a form of art https://t.co/mGn1xmooh4 via @qz #museumselfie
— Mar Dixon (@MarDixon) January 21, 2016
美術館であれ博物館であれ、museumと呼ばれる施設は、イスイス団(ISIS)やタリバンのような連中による「破壊」を見ると実感されると思いますが、本来、「共有」を前提とした「自由」な世界ならではのものです。今、あんなふうに「自由」を謳歌している西欧だって、「宗教改革」の時代には場所によってはイスイス団ばりの破壊が行なわれていたのですが(特にカルヴァン派の「物質的快楽」の否定により、カトリックのきらびやかなものは破壊された……うちらの習った「歴史」では、ルター派であれカルヴァン派であれ、「旧弊を打破したポジティヴなもの」のようなイメージが貼り付けられてるかもしれませんが)。
ハッシュタグの呼びかけ人のマー・ディクソンさんは、美術館・博物館を「楽しむ」ことに加え、「共有」する喜びをソーシャル・ネットという場で実現する活動を行なっているようです。このハッシュタグを見ていると、ソーシャル・ネットがキラキラしていた時代(2008年とか2009年とか)の精神はまだ死んではいないな、と思います。
ソーシャル・ネットというものが「対話」ではなく「論破」の場とされ、誰もあんたのことなんか話題にしてないよっていうときでも何かというと「俺のことかーっ、俺の悪口かーっ」と殴りかかってくるような人や、何の根拠もなくめちゃくちゃな言いがかりをつけてくる人、まともな「批判」ではまったくありえないようなひどい罵倒をしてくる人と遭遇することがやたらと多く、また、「根拠のない偏見を『個人の意見』として垂れ流す」ことが「自由」とされてしまっている昨今、こういう形での「共有」の光景を見ることは、新鮮な体験でもあります。
※この記事は
2016年01月21日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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