kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2015年12月09日

英国での選挙の話題と(オールダム補選)、フランスでの選挙の話題(地域圏議会選挙の第一回投票)

先週木曜日(英国では選挙といえば木曜日)に行なわれたイングランド、オールダム・ウエストの補欠選挙は、労働党候補が勝利した。この補選についてのツイートなどは本稿の後半(「続きを読む」の先)に入れておく。
https://en.wikipedia.org/wiki/Oldham_West_and_Royton_by-election,_2015

「ジェレミー・コービンが党首では選挙に勝てない」と言い続けているニュー・レイバー(トニー・ブレアと愉快な仲間たち)は、以降、もう必死である。元々、「スピンすること」で世間を動かした実績のある彼らが、今また、英メディアでスピンを展開している。Tony Blairだとか関連のワードが、現地時間の9日、ほぼずっとTwitterのTrendsに入っている。私がログインした状態で見ると、こんなふうだ。


※減色加工済み。クリックで原寸大表示。


一方、フランスでは地域圏議会選挙(地方議会選挙)の第一回投票が行なわれた。予想通り、「移民排斥」のFN(国民戦線)が一番得票した政党となった。日本語の報道や専門家のブログでの選挙の仕組みの解説も含め、英語で書かれた現地からの分析や、英語圏の報道記者による開票速報のライヴ・ツイートを少しアーカイヴしてある。

2015年12月、フランス地域圏議会選挙、第一回投票でFN(国民戦線)が躍進
http://matome.naver.jp/odai/2144960483501254001


最終的な結果が確定されるのは12月13日の第二回投票のあとである。

なお、FNというと《FNは「極右」なので基本的に「右翼」のものである。「右翼」の支持者は、サルコジらの右派かFNに投票している》というセット思考もありうるが、実際には英国のUKIPと同じ、《「エスタブリッシュメントか、反エスタブリッシュメントか」》という今どきの二項対立であるという面も見たほうがよさそうだ。つまり、「左翼」であっても、「エスタブリッシュメント」(社会党)に幻滅し、うんざりした有権者は、FNに投票するかもしれない。実際に、FNの政策はそういうところを突いてきているという分析も選挙前にあった(が、メモっておかなかったので、どこかに行ってしまって、探し出せない……しくしく)。

さて、オールダム補選。理由は現職のマイケル・ミーチャー(労働党)の死去。(私、知らなかったんだけど、この人、トニー・ブレアにものっすごい嫌われてたんですね。「ブレアの労働党」で閣僚ポストに入れてもらえず、閣外大臣にされた政治家たちの一人。)
https://en.wikipedia.org/wiki/Oldham_West_and_Royton_by-election,_2015

最終結果はこう。



安定のルーニーズがまぶしい(笑)。




(ルーニーズへの「名誉」的言及が済んだので、あとは真面目な話)












労働党の一部は、自分たちの党が選挙に勝ったことを喜べないという。この選挙での候補者は労働党員が選んだ人なのだが、その人の議席獲得を喜べないらしい。前任者のミーチャーも嫌いだったし、「労働党内のああいう連中」が議席を獲得するくらいなら、議席なんかいらない、とかいう感じなのだろう。子供じみているがそう考えないとつじつまが合わない。











党首選のときはリズ・ケンドール支持の人か……で、党内のその「中道左派」はこの選挙で、誰が当選するといいと思っていたのだろう。UKIP? そうすれば「コービンなんかが党首になったから誰も労働党に投票できなくなって、UKIPが躍進したじゃないか」という《物語》が可能になるからね。Doomsday senarioが必要だということだろうが、それはイスイス団のような終末論カルトと区別がつかない。






実際、事前には、この補選はUKIPが来るとか言われていた。どうしてそういう分析になったのか、理由はわからない。オールダムといえば2000年代に入ってから(&アメリカがテロテロ言い出す前に)人種暴動が起きた「煽動の地」だ。あのときに煽動工作していたのはBNPのビラまき隊だったということだったが、今ではマスメディアが煽動工作の最先端である。
































この件、「保守系メディア」云々ではなく(そういう単純な話が好きな人もいるかもしれないが)、ほかならぬガーディアンがすごかったからね。(こういうことがあると、すぐあとにしれっと態度を変えて平気でいられるのがガーディアンなんだけど……イラク戦争開戦前に「正しい介入」論を煽っておいて、雲行きがアレになったあとは「私たちは反戦でしたが」と平気で言ってる新聞だ……、今回はそうなる気配もないので、ニュー・レイバーが相当ぶっこんでるのではないかと。)「UKIPは極右だ」論で「右翼」のせいにするのはどうも違うんじゃないかと気づいたところまではよかったのだが、「UKIP支持に左右は関係ない」と言い出したあとは「階級だ!」になって、これだからね。ガーディアンも結局はこの価値観からは絶対に自由になれない。




ケヴィン・カミンズさん(写真家)がUKIPのアジビラをツイートしていた。このアジビラの企画者がピーター・マンデルソンだったとしても、私は驚かないな。




UKIPから労働党にけっこう流れてる。




ジェレミー・コービンの言葉。




ジョージ・オズボーン(保守党、財務大臣)。電車の中で偶然出くわしたと。




アンディ・バーナム(労働党、シャドウ・キャビネット内務担当)。




イヴェット・クーパー。関係ないけど、"He will be an excellent MP" みたいな英文について、「ネイティヴはそんなふうに書かない、makeを使う」とか言われてるの見たことあるよ。その反証がここに。




選挙結果を伝えるフィード。














で、「こういう写真」がメディアをにぎわせる中、ナイジェル・ファラージはしっかり仕事をしている。これがおそろしいんだ。「ムスリムは選挙不正をはたらく」という単純化された《物語》の流布。「また大げさなとお笑いになるかもしれない。しかし、あなたもご存知でしょう、ロンドンのタワー・ハムレッツ区のありさまを!」と「実際にあった話」に立脚するニセ科学的な論理展開は、非常に効果的だ。何度も何度も繰り返すことによってそれは人々の意識に刷り込まれる。既にタワー・ハムレッツへのこの文脈での言及は複数件ある












そして「エスタブリッシュメント」からのコービンへの攻撃は止まる気配がない。こうなると、書けることは何でも書いてるという印象を受ける。




あんたのゴタクはどうでもいいから、普通に選挙として数値見させてくれないかな。



























































くやしいのう、くやしいのう。




何が「ショック」なのか、ほんとにわかんないよね。労働党の安全区で、現職の死去に伴って行なわれた補選で、労働党の候補が勝利した。どこにも「ショック」の要因はない。でも「ショック」と書く。それがスピンだし、それがプロパガンダだ。

そして、12月9日の「トニー・ブレアが新聞一面に」の件は、こういうことなのだろう。このアカウント、ジョーク言ってるだけなんだけどね。




何が冗談で、何がそうでないか、さっぱりわからんのが現実。『マッドマックス』がばかげてていいとか言えるのは、「言えてる間に言ってなさい」ってことだ。

連中はSTFUしないから。




メインストリーム・メディアがWhat if語りを始めるこんな世の中じゃ、ポイズン。ほんとまじで。




はっきりした根拠があったわけでもないのに思い込みで「UKIPが来るぞ〜」のスケア・モンガリングを必死になってやってた人たちのmea culpa.







オールダムの結果が出た当日に私がRTしたもの(via TwilogでOldhamで検索):

RT @andyburnhammp: Good on Oldham for showing @UKIP the door & electing one of the most down-to-earth & decent people in politics. Well done @CllrJimMcMahon.
posted at 19:28:40


RT @guardian: Oldham West and Royton byelection: Labour sweeps to conclusive victory trib.al/ywEM9xY
posted at 19:30:40


RT @Kevin_Maguire: Jim McMahon spent £400 of own cash to expose rip-off carpark bailiffs. Here's Oldham's new MP before he was famous www.mirror.co.uk/news/uk-news/t…
posted at 19:31:26


RT @JeremyCorbyn4PM: How could the media and the established political class in Westminster have got it so wrong over Oldham West? pic.twitter.com/mwWmyzoe6w
posted at 19:32:17


RT @patrickgaley: Blatant bias from UK press, ignoring encouraging gains made by Sir Oink-A-Lot in #OldhamWest www.telegraph.co.uk/news/general-e… pic.twitter.com/luhP5IC8uS
posted at 19:33:36


RT @toryboypierce: Comrade Corbyn Is safe after decisive win in Oldham byelection. It's why Tories have the biggest smile this morning
posted at 19:34:08



あと、こんなことあったんすな。これはひどい。言うに事欠いて、「英語が通じない」扱いしてたんだ。。。






これは、根は労働党の「北部嫌い」かな。つまり「労働者階級のための党」を標榜しているくせに「労働者」を嫌っていて侮蔑の対象にしているっていうフェビアン協会の例のあれ。

今年は英労働党の化けの皮がボロボロにはがれてここまで見えるようになったという点で、記念すべき年かもしれない。今までになかったなどと軽々しく言えるほど私は知識豊富なわけではないけれど、少なくとも、80年代以降のうちらがよく知ってる「労働党語り」(炭鉱労働者ストライキのこととか、ケン・ローチのような左翼の映画作家の映画の中とか。あともっと俗な部分で「悪者はサッチャーと保守党、正義の味方が労働党」みたいなばかげた二分論)では語られなかったこと。

今月に入ってから、いろいろとあれこれあまりにひどかったので記録しておこうという気さえ起きていない。が、オールダム補選とタイミングが重なったシリアへの爆撃の決定は、こんなセコい「労働党のスピン」よりより深刻だ。もうこの世界には「遵守されるべき国際法」という概念が存在していない。「誰の演説がすばらしいか」にしか関心が向かない。そうして、そんな関心は一瞬で蒸発してしまう。




(ヒラリー・ベンは、採決直前の演説で、「イスイス団との戦い」を「ファシズムとの戦い」と位置づけ、多くの人々の心を動かし、喝采を浴びた……おそろしいことに、まったくの非論理が!)

※この記事は

2015年12月09日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:59 | TrackBack(2) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック

ジェレミー・コービンに対し、ものすごくえげつない攻撃を行なっているのは、「保守党」ではないですよ。
Excerpt: 表題の件、もちろん保守党もえげつない攻撃をすることもあります。自分たちのやろうとしていることにとって、ジェレミー・コービンやその賛同者が現実的にジャマくさくなったときなど(「英国政府による爆撃に反対す..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2015-12-18 01:00

2015年の英国の「レッド・スケア」(ジェレミー・コービンに対する言論的攻撃)
Excerpt: 今書いても中途半端になるかもしれないが、覚え書きとして書いておく。ジェレミー・コービン英労働党党首への過剰な批判について(個人的には、英主流メディアのやっていることは「悪魔化」の域に達する寸前だと思う..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2015-12-25 22:53





【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼