「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2015年11月17日

アイルランド共和国の「結婚法」が発効、「婚姻の平等」が実現され、同性間の結婚の手続きが可能に(11月16日から)

半年前の5月、世界を感動の渦に叩き込んだニュースがあった。世界で初めて、議会ではなく、国民が直接の投票で賛否を決定するという形で、「婚姻の平等(同性カップルも異性カップルと同じように結婚できる)」への筋道がつけられた。アイルランド共和国でのことだ。このような形での婚姻を可能にするためには、憲法を改める必要があったので、憲法改正の是非を問うレファレンダム(国民投票)が行なわれ、6割を上回る賛成で「是」の結果が出た。
https://en.wikipedia.org/wiki/Thirty-fourth_Amendment_of_the_Constitution_of_Ireland

このときは、「年内、早ければ9月にも同性間の婚姻が開始される」と言われていたが、実際には、レファレンダムのあとが、少し難航した(想定どおりかもしれない)。
The bill was signed into law by the President of Ireland on 29 August 2015. The signing into law had been delayed to allow for two legal challenges regarding the conduct of the referendum. The Court of Appeal dismissed the petitions on 30 July 2015.

https://en.wikipedia.org/wiki/Thirty-fourth_Amendment_of_the_Constitution_of_Ireland


……というわけで、異議申し立てが2件あって憲法改正は少し遅れたが、8月29日に大統領が署名して、続いては国会での「結婚法」の改定の作業が行なわれることになった。これも、まったく関係ない事件のために(武装した男が家で暴れて、出動した警官を射殺して自殺した事件で、殺された警官を国葬で送った)、議会で予定していたスケジュールが少し押したが、最終的には11月10日にすべての手続きを終えて「2015年結婚法」が成立した。
https://en.wikipedia.org/wiki/Marriage_Act_2015

そして、この法律が発効するのが11月16日(月)だった。

昨年3月末にイングランドで同様に法律が発効して同性間の結婚ができるようになったときは、日付が変わる瞬間に各地方自治体の登録オフィス(宗教色のない結婚式場)で結婚の手続きがとられ、新婚カップルを祝福する友人たちのカメラや、取材に訪れていたマスコミのカメラでその様子が記録され、ネットやテレビなどで伝えられるという「大イベント」になっていたが、レファレンダムのときは世界的に大ニュースとなったアイルランドでは、法律発効の日はとても静かだった。

そのことを、5月のレファレンダムのときに作成した「まとめ」に書き加えた。



法律の発効の日がなぜ静かだったのかというと、「この日を待って結婚する」人が誰もいなかったからだ。なぜそうだったのかは、私にはまったくわからない。一般のメディアでは、報道記事もなさそうだ。(学術的なものや、LGBTの運動に関わっている媒体を探せば、何かあるのかもしれないが。)

そんなふうに静かだったので、たぶんどこでも、ほとんど話題にもなっていないだろう。ただ「法律が発効した」ということは伝えるだろうが、あとは、「まとめ」に入れたアイリッシュ・タイムズの記事のように、キャンペーン団体の人の意見を聞くくらいしか記事の材料がない。なので、5月のレファレンダムのときは騒がしかった日本語圏も、たぶんとても静かなのではないかと思う。

それでも、「法律がちゃんと発効しましたよ」ということは、伝わってほしい。宗教国家だったアイルランドがここまで来るのは、並大抵のことではなかったのだ。それでも、必要な「憲法改正」の手続きを踏んで(「解釈改憲」ではなく)、これを実現させた。




で、ここに一緒にしてしまうのはどうかとも思ったが、きっと一緒にしておいたほうが閲覧にも便利だと思うので、北アイルランド自治議会(ストーモント)での件も書いておいた。というか、それについて書いたツイートを貼りこんだ。



ちなみに、16日の夜にはサッカーのEuro 2016(欧州選手権)の予選プレイオフのセカンドレッグの試合がダブリンで行なわれ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナを2−0でくだしたアイルランド共和国が本大会出場を決めたため、大変なお祭り騒ぎが伝えられている。




Ireland Celebrations!! from Football Association of Ireland on Vimeo.



このプレイオフ、ファーストレッグは、パリで銃撃・自爆犯が町を荒らし回り、スタッド・ド・フランスでのフランス対ドイツの親善試合を見ていたオランド大統領が安全な場所に避難していたころに、ゼニツァで行なわれていた。結果は1-1のドローだったが、とにかく霧がすごくて何も見えなかったらしい。










しかも、私は試合開始後に気づいたのだが(私が気づいたときには、既に「パリで銃撃」、「パリで爆発。スタッド・ド・フランス」という報告が流れてきていた)、試合開始前にはアイルランドのお笑い力が全開になっていた。






世界中がアイルランドになったら、きっと平和だ。

100年前にそんなことを言ったら精神病院に送られただろうけれど。

ほんと、あれほどの武装闘争主義が、「独立」が実現したら、さーっと消えてしまいましたもんね(北アイルランドはあのときに「独立」していないことが、のちの紛争を招いた)。その過程では、ケン・ローチの映画Jimmy's Hallに描かれていたようなことがあって、カトリック教会の政治的な権力がめちゃくちゃ強まったんだけど、それが2015年、この通り、Voila! ですよ。

アイルランドは、だからおもしろい。それに、すべてがあるし。

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岡村昭彦の写真 生きること死ぬことのすべて all about life and death -
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※この記事は

2015年11月17日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 12:00 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼















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