「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2015年08月06日

ようやくアンジェム・チョーダリー起訴。容疑は「イスイス団支持」関連(後藤さん拘束時にNHKが「指導者」として紹介していたイングランドのイスラム過激派活動家)

ふと距離を置いてみると、すごいことになってることに気づく。故テッド・ヒース(エドワード・ヒース)とアンジェム・チョーダリーが二本立て状態だよ。どっちも "About time!" と反応するしかないようなニュースだけど、それがほぼ同時に開始のお知らせというのは、誰も予想していなかったのではないか。盆と正月がいっしょに来た……違うな、そんなのんびりしたものじゃない。偏頭痛と下痢の二重苦……たとえが気力を吸い取るだけだな。激辛カレーのキムチ添え。そうだな、こんな感じだ。



というわけで、アンジェム・チョーダリーが起訴された。あんまり書くとまた脅されるかもしれないので(びくびく)、ほぼTwitterの貼り付けだけ(英文は自分で読んでください)。なお、貼り込んだツイートの2つ目、CPSはCrown Prosecution Service(検察庁)。














なお、この人物について、メディアによってはclericと表現しているが、preacherとするほうが正確だ。その根拠としては、たとえば、2010年のメフディ・ハサンの記事(シャルリエブド編集部襲撃事件のときにHuffington Postで書いた文章が日本語でも大反響を巻き起こした英国のジャーナリスト。現在はアルジャジーラ・アメリカ所属)を参照。少し引用:
Is Choudary an Islamic scholar whose views merit attention or consideration? No. Has he studied under leading Islamic scholars? Nope. Does he have any Islamic qualifications or credentials? None whatsoever.


……て書いたらリチャード・ドーキンスが…… (^^;)


「リチャード・ドーキンス、clericのオーソリティを認める」とかいう煽り記事が書けそうだ(冗談)。

さて、アンジェム・チョーダリーの起訴はThe Terrorism Act 2000 (TA 2000) に基づく。TA 2000は「テロ法」だが、2001年9月11日より前に制定されたもので、想定しているのはIRAというかアイリッシュのテロ組織の活動である。現在は微調整を加えて運用されているが、要するに、特定の団体を「テロ組織」と指定し(proscribeし)、その団体のメンバーであること(membership)だけでも起訴することを可能とする法律だ(ただし、たとえば「IRAのメンバーである」だけで起訴されるケースは、実際にはまれである)。

より厳密には、今回の起訴はTA 2000のSection 12によるものである。BBCのカシアーニ記者が条文にリンクしてくれているので、ぜひチェックを。












シヴ・マリクさんはガーディアン記者で、いろいろな分野の記事で署名を見かけるが、テロリズム関連の調査報道の仕事が多い。そのマリクさんが「1996年以降ずっと、英国のイスラミスト界隈の中心人物だった」とはっきり書くような人物について、私はTwitter上で日本語で、「その人は別に過激じゃないですね」などと言われたことがある……ということは、以前に書いた

アンジェム・チョーダリーがどういう人物かについて、詳細は、そのエントリや、Wikipediaをご参照いただきたい。

端的に言うなら、こういう人物だ。












↑↑↑はっはっはっは

なお、Choudary(チョーダリー)という苗字はありふれたもので、「チョーダリーといえばこの人物」という状況にうんざりしている人もけっこういると思う。。。と思ったらいた。気の毒だ。

かつて過激派に染まっていて、足を洗って、今は「過激派に関するコンサルタント」のようなことをしているマアジド・ナワズさん。この人はこの人で「目立ちたがり」で、お世辞にも「信頼できそうな人」とは言えないと私は思うのだが、アンジェム・チョーダリーの支持者などから「裏切り者」扱いされて大変なんだろうなとは思う。




EDL創設者のトミー・ロビンソン(ことスティーヴン・ヤックスレイ=レノン)がEDLを抜けたときに一役買ったモー・アンサールさん。




で、出廷したあとですが、保釈されてないですね。何であれ、保釈するのがデフォであるイングランドで。




これだもんね。





こんなのもあるね。いったん起訴したら、そうそう、外を歩かせたくないだろうなというのは想像に難くない。




こういうのも見ておいてね。今年1月、後藤さんと湯川さんが拘束されていたときの話。






※この記事は

2015年08月06日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 06:00 | TrackBack(1) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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英国で何人も「感化」したイスラム過激派の活動家、アンジェム・チョーダリーに有罪判決
Excerpt: "About time!" と反応している人がいるとおり、「今更」感のあるニュースだ。アンジェム・チョーダリー(チョードリ、チャウダリなどカナ表記はいろいろある)がようやく、有罪判..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2016-08-17 23:36

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼















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