「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2015年06月20日

情報・データの「量」(Google, YouTube) と、プロの「目」(Storyful)……You Tube Newswireを歓迎する。

2014年11月、「シリアの勇敢な少年」というYouTubeにアップされた映像が、ソーシャル・ネットでかなり話題になっていた。「話題になっていた」と今書いているが、私自身はリアルタイムでその映像を見ることはなかった。「ソーシャル・ネットを何のために使っているって、シリア情勢を追うためだよ」と言っても、やや盛り感はあるが決して盛りすぎではなかった私が、である。

「よくできた映像」なので、もしもリアルタイムで(ソーシャル・ネットで「みんな」が口々に「これはすごい」、「感動した」、「これぞヒューマニティ」と絶賛しているときに)見ていたとしたら、私も乗せられていたかもしれない。

その映像が「偽物 fake」というか「作り物」だったことがBBCによって検証され、「作者」にインタビューしてまとめられた記事が出たときに、私は初めてこの「勇敢な少年」という映像のことを知った。

その一連の経緯を記録しておくために、Twitterをさかのぼって調べてみて、私が見ているタイミングでTLにこの映像が流れてこなかったのは、ただの偶然だったんだろうなと思った。私がフォローしているアカウントのいくつか(報道機関を含む)も流してたし、何より、シリアからの「映像レポート」のハブのようなところ(ウェブサイトとして存在しており、TwitterにもYouTubeにもアカウントを持っている)がプッシュしていたのだ。

しかしそれでも、私がフォローしている中では「釣られていない」アカウントが目立っている。BBCの「ソーシャル・ネット上の話題」専門のTrending(上述の調査記事を出したところ)はもちろん、「ソーシャル・ネットでのニュース」の可能性をずっと追求してきたアンディ・カーヴィン(元NPR, 現Reported.ly編集長)も、「ソーシャル・ネット上に流される情報」の真偽確認や検証を行なうプロ集団のStoryfulも。

……そういう流れがあってのこれです。時間かけて書きました。お読みください。

「ソーシャルメディアによる新しいニュース」のひとつの到達点、YTNewswireとStoryful
http://matome.naver.jp/odai/2143473987594182801


YouTube Newswireは、そのままでは「ニュース」にならない「一般市民、市民ジャーナリストによる記録」を精査し、「ニュース」になるものをピックアップして流してくれる(wireしてくれる)新規サービス、という認識でよいと思います。サービスの中身はStoryfulが担当するので(彼らについてもかなりちゃんと書いてあります)信頼性は高いです。




何しろ、Googleが関わって同じ分野で新規の取り組みが3件、同時にリリースされているという状況で、リアルタイムのログには、振り返ってみると「タメ」だとか「フリ」だとかいったものとわかるような、そのときのワクワク感のための情報(そのワクワク感を共有する目的でもなければ、後から見れば排除してしまってかまわないようなもの)なども多くて、そこの整理にめっちゃ時間かかったんですが(結局は残したりした)、そういうのは出来上がりからは見えないだろうと思います。ここのブログではなく「Naverまとめ」を使っているのは「ツイートの埋め込みの時間と手間がかからず、書くことに集中できて、効率がよいから」&「ページの見た目がそこそこよいから」(グリッドでデザインされているし、ごてごてしてない)なんですが、「ページビューごとにお金が入る」ということで、ここを使ってるだけでdisる人もいます。でも「1ビューごとに」というわけではなく、Naver独自の「ポイント」制で(その中身はユーザーにはわからない)「1円」のお金が発生するためにどのような質のpage viewがいくつ必要なのかわかりません。Page viewなのかどうかさえ実はわからない。YouTube Newswireの「まとめ」はたぶん、時給30円くらいですかね(300円ではなく)。

なお、ほぼ同じタイミングでリリースされたのは、YouTube Newswireのほかに:

First Draft:
アンディ・カーヴィンのReported.lyやエリオット・ヒギンズのBellingcatなど、ジャーナリストや研究者がネット上の情報を検証したり整理したりして流しているサイトをアグリゲート。これはオールスター・キャストですよ。ザ・ダーティ・マック並みの。

10年前のイラクで、サラーム・パックスとリヴァーベンドとジャラールさん一家と医師のアリさんとモスルの女子大生……といったブログをRSSリーダーに放り込んで毎日読んでた人なら、「それに近い感覚」と言えば伝わるかな。

RSSリーダーが「終焉した」あとで、こういうのがね。Googleが「人力」にシフトしてきたなあという感じ。

WITNESS Media Lab:
※まだ中を見ることができてません。人権上の問題の記録・告発のための映像に特化。



Ammnesty InternationalやHRW, Oxfamなど既に「自前のwire」を持ってる状態の国際NGOに、さらにひとつ加わるというイメージかな……そこにGoogleがかんでいる、と。

ちょっと気がかりなことがあるとすると、StoryfulがNews Corp傘下なんで(2013年に買収された)、News CorpとGoogleのつながりはコントロール可能なのか、という点。News Corpも今後ずっと今のようなままというわけではないにせよ。

※この記事は

2015年06月20日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:45 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼