「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2007年05月17日

トレント・レズナーのぼったくり反対声明

先日ガーディアンで「DRM反対論の立場のミュージシャン」としてインタビューされ:
http://nofrills.seesaa.net/article/37241674.html

RIAAとはいろいろあるNine Inch Nailsのトレント・レズナーだが:
http://nofrills.seesaa.net/article/37986172.html

NIN公式サイトで、13日、ツアーで行ったオーストラリアから「ぼったくり反対」のコメントを出している。
http://nin.com/tr/default.aspx

※このブログはべつに「音楽ブログ」ではないんですが、なんかいろいろ成り行きで。。。(^^;

Posted on [05_13_2007]

As the climate grows more and more desperate for record labels, their answer to their mostly self-inflicted wounds seems to be to screw the consumer over even more. A couple of examples that quickly come to mind:

* The ABSURD retail pricing of Year Zero in Australia. Shame on you, UMG. Year Zero is selling for $34.99 Australian dollars ($29.10 US). No wonder people steal music. Avril Lavigne's record in the same store was $21.99 ($18.21 US).
By the way, when I asked a label rep about this his response was: "It's because we know you have a real core audience that will pay whatever it costs when you put something out - you know, true fans. It's the pop stuff we have to discount to get people to buy."
So... I guess as a reward for being a "true fan" you get ripped off.

* The dreaded EURO Maxi-single. Nothing but a consumer rip-off that I've been talked into my whole career. No more.

The point is, I am trying my best to make sure the music and items NIN puts in the marketplace have value, substance and are worth you considering purchasing. I am not allowing Capital G to be repackaged into several configurations that result in you getting ripped off.

We are planning a full-length remix collection of substance that will be announced soon.

「気候変動はものすごい勢いで進行しているが、レコード業界は自業自得でこうなったというのに、それを乗り越えるためにさらに消費者から搾り取っている」という出だしの1文は、Year Zero(詳細は後述)収録のSurvivalismの歌詞 (I should have listened to her so hard to keep control, We kept on eating but our bloated bellies still not full, She gave us all she had but we went and took some more...) を踏まえてどうぞ。それとオーストラリアは京都議定書の枠組に入ろうとしない国のひとつだけれど(京都議定書が万能だとは私は思わないが)、近年ものすごい勢いで「砂漠化」が進行していて、10年前まではたっぷり水をたたえていた湖が干上がっているという、まるでうちらが子供のころにテレビで見聞きしていた「アフリカ」のようなことになっている。

で、以下が「ぼったくり反対」声明の箇所。「業界のぼったくり」の例としてトレント・レズナーが挙げているのは:

*オーストラリアの小売店ではYear Zeroがとんでもない価格をつけられている。ユニヴァーサル・ミュージック・グループは恥を知れって。ちなみに34.99豪ドル(米ドル換算で$29.10)、これでは音楽を盗むのも無理はない。同じ店でアヴリル・ラヴィーンのアルバムを見たら21.99豪ドル(18.21米ドル)だった。

で、レコード会社の人にこれはどういうことかと訊いたら、「あなたにはコアなファンがいますから。あなたがリリースすればどれだけでも払うっていうファンですよ。まさに本当のファンですよね。ポップなのは価格を下げないと売れなくて」と言う。

というわけで、どうやら、「本当のファン」であるあなたにはもれなくぼったくりをプレゼント、ということのようだ。

あのひどい欧州版マキシ・シングル。もう純然たるぼったくり。自分は、この仕事を始めてからずっとそういうのを出すように説得され続けてきたのだが、もう終わり。もう出さない。

はっはっは。まったくこのレコード会社の人さぁ、言いかた(ロジック)がブレアの労働党みたい。というかこの人はNINの最初のシングルが "God money I'll do anything for you" っていう歌詞で始まる曲(Head Like A Hole)だということを知っているんだろうか。ま、あの曲はUMGからのリリースではなかったんだけども。

続けてTRは言う。
自分は、NINが市場に出す音楽やそのほかのアイテムに価値と中身を持たせるようベストを尽くしている。みんなが購入を検討するに値するようなものにしようとしている。次のシングルのCapital Gがあちこちでいろんな形態でパッケージされて発売され、結果として買う人がぼったくられるようなことは、許可しない。ちゃんと中身のあるフル・レングスのリミックス盤の予定はあるのだが、詳細は後ほど改めて。

うはははは。「UMGは俺の音楽で好き勝手にぼったくりするな」宣言。笑いが止まらない。日本版のボーナストラックの話が流れたのもそういうことかな。

NINのUMGとの契約はあとはアルバム1枚残すだけだから、そのリミックス盤で終わりですな。あとはインディでやってくれ、頼む。

というわけでトレント・レズナー様お誕生日記念、翻訳ゲリラでした。



基本資料:
http://www.nin.com/
http://yearzero.nin.com/
http://www.ninwiki.com/Category:World_of_Year_Zero
http://www.artisresistance.com/

音源:
http://www.myspace.com/nin

日本盤
イヤー・ゼロ~零原点・・・イヤー・ゼロ~零原点・・・
ナイン・インチ・ネイルズ


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US盤
Year ZeroYear Zero
Nine Inch Nails


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レジスタンス:


※案の定だけどコミュニティflaggedになってるし、レコードレーベルがcensoredヴァージョンをアップしてるし(下記)。


タグ:音楽 NIN

※この記事は

2007年05月17日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 21:56 | Comment(2) | TrackBack(1) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、はじめまして。

はてなブックマーク上にて私のブログエントリの誤訳のご指摘いただきまして、ありがとうございました。

また、事後報告になってしまい申し訳ないのですが、誤訳の修正の際に、nofrills様の訳を参考にさせていただきました。事後報告のお詫びと、参考にさせていただいたお礼とを述べさせていただきます。

話はわかりますが、New Order解散かもしれないんですね…。初めて知りました。とても残念です…。
Posted by heatwave at 2007年05月19日 20:58
> heatwaveさん
コメントの承認が遅くなって申し訳ありませんでした。ちょっとお留守だったので。。。ご丁寧にありがとうございます。

heatwaveさんの記事は、他のユーザーさんがブックマークしておられたので知って、そのときには自分のこれ↑も完了していたので、「たまたま同じのをやってる人がいる」ということでブクマしました。誤訳を指摘したつもりはなかったのですが(「誤訳」というほどのものはなかったように思います)、深読みさせてしまったようでごめんなさい。なお、はてブのコメ欄のナゾのメッセージはNINの歌詞です。

> New Order解散かもしれないんですね…。初めて知りました。とても残念です…。

残念ですよね。ただあの人たちはガタガタやっては元の鞘に納まるということが少なくないので、オフィシャルのアナウンスがあるまでは。。。今回のNINのライヴでも3日間毎日、開演前のSEとしてNew Orderの曲がかかってました。
Posted by nofrills at 2007年05月21日 06:15

この記事へのトラックバック

NINE INCH NAILS at STUDIO COAST (Tokyo)
Excerpt: 今日は新木場のSTUDIO COASTにNINE INCH NAILSを観に行きました。 会場に着くと、既にオープニング・アクトの演奏は終わっており、御大登場に向けて準備中。フロア内は二..
Weblog: 池谷石黒ウェブログ
Tracked: 2007-05-20 03:14

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼















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