「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2015年05月10日

総選挙結果については、別途書いています。

表題の通り。まだ書いてる途中ですが、下記ご参照ください。

何がいけなかった? 英総選挙、事前の世論調査が外れすぎ!(付: 「帽子を食べる」)
http://matome.naver.jp/odai/2143119750434669501


例えばこんな感じのこと:



……だけでなく、ガチなことも書いてます。ブログで一気に書くことができず、「わんこそば」方式で少しずつにしないと書けないので。

たとえば:


http://www.bbc.com/news/election/2015/results
結果を見ると、労働党は得票率を+1.5ポイントしているのに、議席が-26になっている。

一方保守党は、得票率は+0.8ポイントなのに、議席は+24だ。

これは小選挙区制での選挙戦略の立て方だ。保守党の選挙屋が凄腕だったということだ。

LDは得票率が-15.2ポイントで、議席は-49である。いまや8議席しかなく、北アイルランドのDUPと同じ規模になってしまった。世界史で習う「トーリーとホイッグ」の「ホイッグ(自由党)」の末裔が、である。

おそらく、LDがここまで溶けるとは予想できていなかったことは大きかっただろう。何だかんだいってビッグネーム(ヴィンス・ケーブルのように連立政権で閣僚をやっている人や、サイモン・ヒューズのように30年も議員をやっている人)が落選すると予想するためには、いろいろと条件が必要なはずだ。

それと、英国の選挙は「得票数」と「獲得議席数」のかけ離れ具合がものすごい。一覧表を見るとわかるが:
http://en.wikipedia.org/wiki/United_Kingdom_general_election,_2015#Results

例えば、今回8議席を獲得した政党は2つある。1つはブリテン島全域で2,415,888票を獲得し(Liberal Democrats)、もう1つは北アイルランドで184,260票を集めた(DUP)。

「一票の格差」なんてもんじゃない。たった18万票台で国会に8議席も獲得できるのはおいしすぎる(が、北アイルランドは定数削減をしようとするとめっちゃくちゃ難しいと思う。あれに手をつけたがる人はいないだろうというくらいに難しい)。

ちなみに東京都の参議院選挙では、18万票では当選ラインに遠く及ばない。最近の選挙では最低でも60万票は必要だ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E9%81%B8%E6%8C%99%E5%8C%BA

「一票の格差」で必ず言及される鳥取なら、16万票くらいで議員が1人当選しているが。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B3%A5%E5%8F%96%E7%9C%8C%E9%81%B8%E6%8C%99%E5%8C%BA

(※ここで私が東京に言及しているのは、選挙権を得る前からずっと東京に住んでいるためであり、「東京中心主義」によるものではない。東京は単に私の地元である。こういうことを書いておかないとごちゃごちゃ言われるので書いておく)

また、今回保守党と労働党に次ぐ数の票を集めたのはUKIPである。やたらと候補者を立てまくった結果とはいえ、全国で3,881,129票を得ている。しかし獲得議席は1にとどまる。

一方で、56議席を獲得して議会で保守党、労働党に次ぐ第三党となったSNPの獲得した票数は、1,454,436で、これはUKIPの獲得票数の4割程度だ。

この数字が「選挙制度改革が必要だ」という方向に集約されていけばよいのだが、残念ながら5年前、2010年の結果が出たあとに、そういう「抜本的改革」には英国人は興味がないということが示されているので何も期待しないほうがいい。デモの学生がいかにすばらしい言葉をプラカードに書いていようとも。
http://en.wikipedia.org/wiki/United_Kingdom_Alternative_Vote_referendum,_2011

一方で、このエクストリームな「一票の格差」は、人々の感情を刺激するためにはどんどん用いられるだろう。ソーシャル・メディアのような断片的な場での発言で、演説会や政治集会のような場で、新聞のコラムで……。この「不公平さ」がどのように「恐怖煽動」に利用されることになるかと思うと気が重い。そのような「煽動」が奏功した選挙戦を見たばかりである。

イングランドでは、「スコットランド人がわれわれを支配する」という恐怖が、「反労働党」の理念という培地の上に育てられ、煽動されている。イラク戦争をやって英国というブランドに泥を塗ったトニー・ブレアも、ブレアを支え続けた挙句ぐだぐだになって終わったゴードン・ブラウンもスコットランドの出身だ。

しかし、それが「キャメロン」というバリバリのスコティッシュ・ネームを持つ人の政権で展開されているのは、何とも皮肉なことだ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Cameron_%28surname%29


……というわけで、別途よろしく。まだ書いてます。
http://matome.naver.jp/odai/2143119750434669501

これから一番えぐいところを書こうかな、という段階。エドの労働党はわなにはまったんですよ。

※この記事は

2015年05月10日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼