「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2007年05月15日

労働党党首選挙、始まる。

http://nofrills.seesaa.net/article/41829187.html?1463621239

労働党党首選挙、始まる。: tnfuk [today's news from uk ] via kwout


[コード消去・代替画面挿入/2016年5月]


上のAFPさんの記事の写真はゴードン・ブラウンが出馬を正式に表明した日にUKのメディア(ガーディアンかBBCのいずれか)でも見かけた写真だと思うのだけど、渋いツラでおなじみのゴードン・ブラウンがいきなりにっこり天使の微笑みの写真として登場して、わっかりやすいな、と思ったものだった。数年前に子供が生まれたときの写真でこういう顔してたよね。

ゴードン・ブラウンは出馬にあたっていくつか興味深いことを言っているのだが(AFPさんの記事にある「イラク戦争は間違っていた」発言もそのひとつ)、労働党は「ブレアときっぱりサヨナラ」というポーズを示して(言葉の言い換えで何とかなるとまだ思っているらしいのがイタいが)人気を回復しないと、「何となく保守党より労働党のほうがまし」という層が保守党に流れちゃうから大変なのよー、おくさま、とお茶飲みつつ、「党首選挙」にはイマイチ興味なくて(結果はもうわかっている)、どちらかというと副党首(「副首相」のポストに来る人)にHain the Painこと北アイルランド担当の大臣のPeter Hainが来るのかどうかに興味があるんだが(自治復活前終盤戦の「水道料金」の件での脅しの記事@タイムズは笑ったのなんの、さしものイアン・ペイズリーもジェリー・アダムズも歯が立たないというすごさだったようで)、まあそんなことはどうでもいい。(なお「お茶飲んで」ってのはフィクションです。)

この党首選に興味のある方はBBCの記事をどうぞ。「サルでもわかる」調の平易なQ&A形式で、私も手続きとして何がどうなるのかよくわかりました。
Q&A: Blair's exit plans
Last Updated: Sunday, 13 May 2007, 16:01 GMT 17:01 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/6633989.stm

ただし2番目の質問、Mr Blair has won three elections in a row. Why is he standing down?(ブレアは3期連続で勝ったのに、なぜ辞めるのですか)という質問には無理があるぞ、と微笑みを浮かべざるを得なかったが。

ほんでこんな一節があるのだが:
What will Mr Blair do during his last few weeks in power?

Mr Blair's supporters will hope he can use the time to help secure his "legacy". Mr Blair will be closely watching the power-sharing agreement in Northern Ireland to ensure it succeeds.

このlegacyの引用符はアレかね、ブリットなサーカズムってやつかね。(Sarcasm is the "use" of "quotation marks" around any "word" to "make" it "funnier".)
※リンク先、アンサイクロペディアにて真に受けすぎないよう注意。さらに、リンク先、クリックするといきなりやたら背の高いやせた男がピッチで踊っているので注意。というかアンサイクロペディアの英国関連エントリは軒並みすごすぎる。Tony Blairなんてアナーキーすぎて読解不可能すれすれだもん。(母親はマーガレット・サッチャーだし、ジョージ・ウォーカー・ブッシュと肉体関係結んでるし、ピーター・マンデルソンの名前をクリックすれば連れてかれた先はマンデルソンじゃなくて○○○○だし<ネタばれ回避のため伏字。)

Jokes aside... そのカギカッコつきの「遺産」とやらについては、北アイルランドの激しいオヤジNo 1 (well, one of the most 激しいオヤジs)、エイモン・マッカンが鋭く突っ込んでいるので興味のある方はどうぞ。書き出しがいきなり "Ask not what Tony Blair has done for Northern Ireland, but what Northern Ireland has done for Tony Blair." ですもん。(いわずもがなですが、あの高名なアイリッシュ・アメリカンのスピーチのもじり。)
http://sluggerotoole.com/index.php/weblog/comments/how-blair-pandered-to-sectarian-populism/

で、BBCからさっき引用した「遺産」として、BBCは「気候変動に対する取り組み」というのも挙げているのだけれど、こっちは保守党の猛攻がすさまじい状態になっていて、ボリス・ジョンソンがいつもの調子で書きまくっている。

Banning the G-Wiz sums up Labour
http://www.telegraph.co.uk/opinion/main.jhtml?xml=/opinion/2007/05/10/do1001.xml

G-Wizというインド製の非常に燃費のよい電気自動車が出たのだが、軽量化のためボディーがプラスチック製であるため、労働党は「安全基準に満たない」としてこの車を禁止したがっている、それも英国だけで禁止するのではなく、EU全体で禁止したがっている、ということを、ボリス・ジョンソンらしい筆致で書いたおもしろい記事です。(この人の文章は軽く読み物として読み、あまり真に受けすぎないように。気がつくと乗せられている自分がいるわけだが。)この車については、インディペンデントのレビューが詳しい。座席は基本的に2、後部座席は小さな子供なら乗れるという程度で、単身者向け、あるいは企業の外回り用、という感じですね。それにしてもインドはあまりに元気なようだから、そのうちにUKの右翼と極右が「インド脅威論」をぶち上げることでしょう。「パキスタン系英国人脅威論」とどう整合性つけるのかな。。。って整合性はいらないのか、ああいうのには。

タイムズではマイケル・ポーティロが連載で書いているけれど、先日のブレア政権10周年のがあまりにすばらしくわかりづらかったので、この2回分はまだ読んでないです。興味のある方はthe Timesのサイトを開いてMichael Portilloで検索。

で、BBCの「ブレアの出口プラン」の記事に戻りますが、党首選について、労働党主流に属している議員の立候補(労働党の議員44人の署名が必要)は、チャールズ・クラークとデイヴィッド・ミリバンドが撤退したあとはゴードン・ブラウンのみ、という状況で、対する党内野党(<言いすぎ)の左派からは、13日の時点では下記の2人が名乗りを上げていたのですが:
The only other declared challengers - left-wing backbenchers John McDonnell and Michael Meacher -...

このうちMeacherさんは撤退です。

Brown 'faces McDonnell challenge'
Last Updated: Monday, 14 May 2007, 16:21 GMT 17:21 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/6652651.stm

ただしMcDonnellさんも必要な人数の議員のサポートを得られるかどうかはまだわからない状態であるとのこと。なおMcDonnell議員はイラク戦争に反対票を投じた労働党のバックベンチャーのひとりで、「議論を国民の手に取り返そう」という主旨の訴えをしている。さらに私有化(民営化)推進にNO、で、私とかからすれば安心できる労働党の人(という日本語はちょっと変。「なじみのある」というか)。

党首選キャンペーンサイトもあります。最近のお約束でYouTubeも。
http://www.john4leader.org.uk/
http://www.youtube.com/john4leader

ウィキペディア:
http://en.wikipedia.org/wiki/John_McDonnell_%28politician%29
選挙区はHayes and Harlington、ロンドン西部、ヒースロー空港の辺(Indianが多いエリア。Pakistaniもかなり多いらしい)。生まれ育ちも「アイルランドから渡ってきた肉体労働者の息子として生まれ、グラマースクールを出て単純労働の仕事に就くが、結婚してからAレベルを取って大学に」という具合で、1951年生まれとお若いのに、まるで戦前世代の労働党の議員のよう。うは、ケン・リヴィングストンがぶいぶい言わしてたころのGLCの財務担当だ。ロンドンの公共交通機関の「トラベルカード」というシステムを使ったことがある人は、全員、この人の恩恵をこうむってます。(年代的にトラベルカードというシステムを導入したときのGCLの財務担当なので。)国会初当選は1997年。

あと、マクドネルさんのこのwikipediaのエントリでは、「サッチャー改革」について大変にわかりやすい説明がある。
Margaret Thatcher's government first cut central government funding to local government and then introduced rate capping, which prevented selected councils from raising local taxation beyond a set level, as a means of reducing public spending.

おーこわ。といってる場合ではなく、20年を経て現在日本で同じようなことが。。。

で、再度BBCに戻って、副党首の件。
Who will succeed him as deputy Labour leader?

A genuine contest is more likely here, with six candidates declared, all of them seen as serious contenders. These are: International Development Secretary Hilary Benn; Labour chairman Hazel Blears; backbencher Jon Cruddas; Northern Ireland Secretary Peter Hain; Constitutional Affairs Minister Harriet Harman; and Education Secretary Alan Johnson.

うん、やっぱり副党首のほうが選挙としてはおもしろいよね。

Hain the Pain伝説:
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/article1572690.ece
By December 2004, No 10 was confident that the DUP and Sinn Fein were about to go into business together. But Mr Paisley said that the Republicans would have "to wear sackcloth and ashes" to atone for their terrorist crimes, and the Provisionals robbed £26.5 million from the Northern Bank.

Mr Blair then struck upon the novel idea of sending Peter Hain to Northern Ireland to stir things up. The new carrot-and-stick strategy required the new secretary of state to endure becoming the most unpopular "viceroy" since direct rule was imposed in 1972.

"Hain the Pain", as he came to be known, oversaw big cuts in local administration and public expenditure, threatening charges for water for the first time in the Province. He also sounded the death knell for its grammar schools.

Both measures, Mr Hain promised, could only be averted if the parties agreed a plan to restore devolution. By signing up to the St Andrews agreement in October, Mr Paisley claimed he had removed the threat to selective secondary education ― but that left water.

That issue alone was contentious enough among locals to act as a catalyst for the DUP and Sinn Fein to give serious thought to reaching a deal.

つまり、あれもこれもばっさばっさと予算を切るという超ラジカルな作戦を展開したヘインは(これって兵糧攻めというか、まるでイラクへの経済制裁じゃん)、DUPとシン・フェインを「おまいらいいかげんにしないと水道料金を・・・」と脅し、両党(特にDUP)はしょーがない、そろそろ合意するか、と判断した(そしてペイズリーとアダムズの直接会談となった)のだ、というのがタイムズの説明。で、ヘインがDUPのペイズリーをいじめておいて、ブレアがなぐさめて、リパブリカンとDUPが合意という世紀の一大イベントが実現・・・100パーセントほんとかどうかは知りません。

ちなみに、Hain the Painというあだなは35年くらい前につけられたものだそうです。←記事は2002年にウェールズ担当大臣として入閣したときのもの。Hain the Painは、70年代に暴れていたときに、南アのチームのラグビーの試合のピッチに乱入、選手のホテルの部屋のドアの鍵にボンド注入。すべて「南アのアパルトヘイトに反対」の活動家としての行動。ジョン・ピルジャーは「昔はすごい人だったのに、いまや外務省のマウスピース」と手厳しいけど、ピーター・ヘインの場合、昔がスゴすぎたのではないかという気もするんだな。で、そういうバックグラウンドだから北アイルランド担当になったときはDUPは警戒した。「またリパブリカン側の大臣か!」と。で、恐れていたよりひどいこと(兵糧攻め)になった。

まあとにかく、こんな恐ろしい奴が副首相になったら、ジョン・プレスコットの左ジャブどころではないかもしれない。(笑)

プレスコット@16/May/2001
http://plaza.umin.ac.jp/~kodama/world/2001May2.html
(「こだまの世界」さん)
今日、英国労働党の副首相ジョン・プレスコットが、選挙活動中に車から出てデモをしている連中のそばを歩いていたとき、すぐ横に立っていた男性に生卵を投げつけられた。

以前首相のブレアも同じ目に遭っていたが、こういう場合、普通の政治家はぐっとがまんするところだろう。しかし、なんとプレスコットは怒って即座にその男性の顔に左フックを入れ、つかみあいの喧嘩になった。しばらくおしあいへしあいがあったあと、二人はまわりの人々にひきはなされ、男性は逮捕され連行された。

労働党は正当防衛だと主張しており、おれなんかも根性あるなあと思うのだが、一部の世論は「政治家がとるべき行動ではない」と非難しているようだ。もちろんこの事件は保守党による労働党非難の格好のネタになるだろう。

今日はブレア首相も、国家医療制度(NHS)の政策に関して、市民の女性に数分間けちょんけちょんに非難されるという場面があったようで、労働党はけっこう苦労している。

忘れ去られているかもしれないが(というか私も忘れていたが)、2001年5月、アメリカでツインタワーが崩壊する4ヶ月前、労働党は苦しかったのだ。

とかいうと「BBCは知っていた」とかいう方向に私が傾いているのではないかと心配されるといけないから念のため――BBCは早とちりとか言い間違いがけっこうあります。じゃなきゃPrivate Eyeでコーナー作られたりしない。最新の例。
http://www.private-eye.co.uk/sections.php?section_link=eye_tv&
It's Monday: time for another exciting Panorama scoop – something else you knew already!

※これは、諷刺&おちょくり雑誌Private EyeのTV Eyesというコーナーです。このコーナーは、「本当にあったテレビのアナウンサーなどの失言」を集めたもので、2週間で5件は出てきます。

Private Eyeは表紙を見るだけでも相当狂ってておもしろいので、興味がおありのかたはぜひ。アーカイヴで閲覧できます。
http://www.private-eye.co.uk/covers.php

ブレアの辞任:
http://www.private-eye.co.uk/pictures/covers/full/1183_big.jpg
虫眼鏡をのぞいて「ああ、あれが私のレガシー」とつぶやくブレア。ちっちぇー。

イラン大統領、英軍兵士を解放して:
http://www.private-eye.co.uk/pictures/covers/full/1182_big.jpg
「イラン大統領からイースターのお祝い」――「イースターエッグってことで卵ぶつけてやった」

今出てる号の拡大画像が早く見たいな。。。

で、なんで私、Private Eyeのこと書いてんの?

※この記事は

2007年05月15日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 02:09 | Comment(2) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Deputy leaderについてのアップデート:
http://www.politics.co.uk/news/features/labour-leadership/blairs-exit-narrows-gap-on-tories-$473625.htm

Yesterday, Peter Hain, Hazel Blears and Harriet Harman confirmed have more than 45 backers, guaranteeing them a place on the deputy leadership ballot. Ms Blears is popular among the so-called Blairite camp, with nominations from John Reid, Tessa Jowell, Hilary Armstrong and John Hutton. Ms Harmon has been nominated by Mr Brown's allies Alistair Darling and Douglas Alexander.

The chancellor is yet to publicly nominate a deputy. He had been linked to the international development secretary Hilary Benn, but it has been questioned whether Mr Benn can receive sufficient backing.

The Guardian claims the outgoing deputy leader John Prescott will today recommend Alan Johnson as his successor. The education secretary and former postman claims he wants to do for Gordon Brown what Mr Prescott did for the "quite posh" Mr Blair.

David Miliband, briefly seen as a serious challenger to Mr Brown, has said he will back Mr Johnson, describing him as the unity candidate.

ジョンソンが強いのかな。今は教育技能大臣、元労働年金大臣。元々は労組出身、支持層の引き締めにはこの人がベストということかも。
http://en.wikipedia.org/wiki/Alan_Johnson
Posted by nofrills at 2007年05月15日 21:13
対立候補不在のためゴードン・ブラウンの不戦勝、次期英国首相はゴードン・ブラウンで確定です。
http://nofrills.seesaa.net/article/42088061.html
Posted by nofrills at 2007年05月17日 23:31

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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