「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2015年04月30日

ケン・ローチの旧作が、オンライン・レンタルにけっこうあることに気づいた。

その映画について、IMDBのユーザー・レビューにこうある。
This first part of the film rings amazingly true and it is easy to figure out why. As a matter of fact, "Fatherland" tells the true story of his main actor, Gerulf Pannach. A protest singer himself in East Germany, jailed in the seventies, forced to emigrate to the West; Pannach performs his own songs, the most remarkable of which being his aptly titled "Singing the Blues in Red".

【要旨】この映画の最初のパートは非常にリアリティがあるが、その理由はすぐにわかる。この映画は、主演をつとめたGerulf Pannachの実体験を伝えるものだ。彼は東ドイツでプロテスト・ソング(体制や現状を批判する政治的な歌)を歌っていた歌手で、1970年代に投獄され、西ドイツへ出ることを余儀なくされた。映画ではPannachは自分の曲を歌っている。中でも印象的なのはSinging the Blues in Red (「赤の中でブルーズを歌う」。つまり「共産圏でアメリカの音楽を歌う」) という曲だ。この曲名もよい。

http://akas.imdb.com/title/tt0091035/


……と、唐突に書いているが、数年前にまとめてDVDが出たケン・ローチの旧作が何本も、オンラインのビデオレンタルで見られるということにさっき気づいたのだ。配信業者は1つではないと思うが、たとえばAmazonの「インスタント・ビデオ」には、『リフ・ラフ』、『カルラの歌』などがっつり揃っている(『麦の穂を揺らす風』、『ルート・アイリッシュ』など最近の作品も揃っている。ただし『ケス』や『大地と自由』はないし、日本では確かケーブルの映画専門チャンネルでしかやっていない北アイルランドもののごっついのもない。長編デビュー作の『夜空に星のあるように』もDVDだけだ)。

冒頭で参照しているIMDBのレビューは、1986年の『ファザーランド』についてのもの。日本未公開でソフトもなかったものが数年前にようやくDVD化された作品で、私もまだ見ていない。Amazonでのレンタルは標準画質で432円、高画質で540円(別の配信業者では別の価格設定かもしれない)。私の場合はパソコンで見るだけだから標準画質で十分だろう。

オンライン配信(インスタント・ビデオ):


DVDももちろんある。Amazonでのレビューは、配信ではなくDVDのほうについてる。
ファーザーランド [DVD]ファーザーランド [DVD]

リフ・ラフ [DVD] レイニング・ストーンズ [DVD] カルラの歌 [DVD] レディバード、レディバード [DVD] 夜空に星のあるように [DVD]

by G-Tools


AmazonのDVDのページに登校されている「こばちゃん」さんのレビューより:
前半は淡々としているが、後半から物語は緊張を帯び、最後に意外な結末を迎える。内容に触れるので、詳しくは書けないが、この映画の主題は戦争の傷痕の深さだ。戦争の場面は、一切ないにも関わらず、登場人物の語る地名や言葉によって戦争の記憶を浮かびあがらせる。ヨーロッパの人々にとって自分の住む村や街が戦場と化した第二次世界大戦。それがどれほどのことなのか、想像もつかないが、一つの例がここにある。


あと、Amazonのレビューには、ケン・ローチの音楽の趣味のよさについての言葉もある。日本では最近公開されたばかりのJimmy's Hall(邦題……すいません、邦題はまるで記憶に残りませんでした。『ジミー、なんとかかんとかな英雄』という感じ)も、あれは「音楽映画」と言ってもいいんじゃないかと個人的には思ったくらいに、音楽と人間が満載されていた。

ダニエル・バレンボイムの言葉として自分の中には残っているのだが、音楽(リズムと旋律、さらに多くの場合は言葉)は人間だからこそ出てくるものである。つまり音楽は「ヒューマニティ humanity」の最たるものだ。ケン・ローチが(必ずしも「音楽映画」と定義されるようなものではないにせよ)「音楽」そのものを重要な素材のひとつとして映画を作ると、それが実感されるものになるように思う。



IMDBはふつうにアクセスすると「邦題のローマ字表記」が出てきたりするので、akas.imdb.com でアクセスしたほうがよい。詳細は:
http://matome.naver.jp/odai/2133577952261675301?page=2

※この記事は

2015年04月30日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 06:00 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼