東京、既に雨やら風やらで散っていた桜の花は、今年はあの風で終わった。
そこらへんの写真をFlickrにアップした。
https://www.flickr.com/photos/nofrills/archives/date-posted/2015/04/04/
すごい風が吹く数日前だったが、道端に落ちていた桜の小枝を拾った。4〜5輪が1つのクラスタを形成しているソメイヨシノのクラスタがいくつかついていて、ほとんどがつぼみだった。蹴飛ばされたり踏まれたりしていたのだろう、けっこうぼろぼろになっていたし、25度にもなりそうな高温の中、水分も切れててしおしおになっていた。
が、家に持ち帰って、そのへんに転がっていたジャムの空き瓶に水を入れて挿してやると、何時間もしないうちに生命を取り戻した。くたーっとなってヘアピンカーブ状態だった花柄は持ち上がり、つぶれていたつぼみはふっくらとした形になり、開花していた花は、踏まれたりした花びらはそのままだったが、全体に水を得てしゃきっとしていた。ジャムの空き瓶の中の水には無数の小さな気泡ができていて、この植物の小さな枝が呼吸したことをはっきり示していた。
以来、数日間、この小枝はデスクのペン立ての横にある。
ソメイヨシノの花の色、つぼみのときは色濃い桜色が、開花するにつれてどう変化するのかを手元で見ているのは楽しい。木の上で風や雨や日光にさらされている花をズームレンズで引っ張って見ても、こういう変化はたぶん確認できないのではないかというくらいに微妙な変化だった。私のカメラと私の腕では記録はしきれないが。
水を替えたときに、うっかりつぼみを水の中に入れてしまっていたら、翌日には「水中花」のようになっていた。この枝と同じときに拾った、枝のついていない、花柄のひとまとまり(クラスター)もこの同じ瓶の水に入れていたのだが、そちらは既に開いていた花が水の中でほどけていっただけだった。
もうこの瓶のこの小枝も、花びらを散らし始めている。さっき、机の上で瓶を移動させるために持ち上げたら、その衝撃で花びらがはらはらと零れ落ちてきた。踏まれても蹴飛ばされても生きていた強さというかしぶとさは、花の終わるときには気配すらない。ソメイヨシノはまず実を結ばない。
でも日本古来の「桜」って、これ(ソメイヨシノ)じゃなくてヤマザクラ(下記)なので。
※この記事は
2015年04月05日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。