この194年の歴史を通じて、「ガーディアン」の編集長は10人しかいない。ウィキペディアからコピーすると:
John Edward Taylor (1821–1844)
Jeremiah Garnett (1844–1861) (jointly with Russell Scott Taylor in 1847–1848)
Edward Taylor (1861–1872)
Charles Prestwich Scott (1872–1929)
Ted Scott (1929–1932)
William Percival Crozier (1932–1944)
Alfred Powell Wadsworth (1944–1956)
Alastair Hetherington (1956–1975)
Peter Preston (1975–1995)
Alan Rusbridger (1995–present)
……と、大雑把に第二次世界大戦後は、編集長が20年に一度交代していることが確認できる。というか、一度編集長になったら20年。現在のアラン・ラスブリジャー編集長(ルパート・マードックに「何だあのハリー・ポッターは」と言われたことでも知られる)も、20年目となる今年の夏に退任するということが2014年の暮れに発表されていた。その後任が、全スタッフの投票と経営陣(スコット・トラスト)の選考を通じて決定されたというのが3月20日のニュース。194年の歴史を通じて初めての女性編集長だ。
Guardian appoints Katharine Viner as editor-in-chief
http://www.theguardian.com/media/2015/mar/20/guardian-appoints-katharine-viner-new-editor-in-chief
ガーディアン紙、もうすぐ退任するアラン・ラスブリジャー編集長の後任に、現在ガーディアンUSの編集長をしているKatharine Vinerさんが決定。同紙初の女性トップ http://t.co/KUGyLLUCGB
— nofrills (@nofrills) March 20, 2015
キャサリン・ヴァイナーさんはパレスチナ支援系ではMy Name is Rachel Corrieでおなじみかも。1971年生まれ。ガーディアンのオンライン国際展開(豪州版の創設、米国版の二代目編集長)を主導した1人といえる存在だと思う。既にスタッフ投票で過半数を獲得していた。
— nofrills (@nofrills) March 20, 2015
スタッフの投票では、3月5日に、964人の有権者のうち53%の得票で、ヴァイナーさんが最終候補者(うち3人が女性)のトップに立っていた。
From a shortlist of THREE WOMEN! Brilliant "@mediaguardian: Katharine Viner wins staff ballot for Guardian editor http://t.co/4UcbmMNKfs"
— Jennifer Cox (@MissJennifer) March 5, 2015
その後、経営母体であるスコット・トラストが選考を行なったのだが、その経緯は(ガーディアンより)NYTの記事のほうが読みやすいのでそちらでどうぞ。
Guardian Names Katharine Viner as New Editor
By STEPHEN CASTLE and RAVI SOMAIYAMARCH 20, 2015
http://www.nytimes.com/2015/03/21/business/media/guardian-names-katharine-viner-as-new-editor.html?_r=0
最終的には、イアン・カッツさん(元副編集長。ウィキリークスのときに目立ってた人。現在はBBCのNewsnightで仕事をしている)か、キャサリン・ヴァイナーさんかの選択になったらしい。
で、ヴァイナーさん、「女性」であるだけでなく「庶民の教育を受けた人」(パブリック・スクールではなく、ステート・スクールの出)としてもガーディアン編集長としては初だそう。
@Guardian gets first female editor and first state-school educated one in 56 years. Hoorah and congrats @KathViner http://t.co/gJB6lNRcIC
— Kate Connolly (@connollyberlin) March 20, 2015
それから、これがおもしろい。ヴィクラム・ドッド記者の発言。
Barrier broken;for 1st time in 194 years Manchester Guardian appoints Yorkshire person as editor; #kathviner http://t.co/L6wXpe4f9K
— vikram dodd (@VikramDodd) March 20, 2015
「バリアが破られた」といって、はいはい、女性編集長ですよねーと思っていると、「マンチェスター・ガーディアンの194年の歴史で初めて、ヨークシャーの人が編集長に」。
そりゃ一大事だ(笑)。
※この記事は
2015年03月21日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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